JPH0643043U - 旋回式土留用切梁ジャッキ支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土留用切梁ジャッキを、容易で安全に設置
し、そして移動できるようにする。 【構成】 取付具１に設けた突出取付部１１の上部と下
部に、伸縮可能なアーム３３とガイド３８の基部を、水
平方向に旋回自在で、上下方向に回動自在に装着し、ガ
イド３８の先端部にアーム３３の先端端部を上下方向に
回動自在に装着し、前記ガイド３８に切梁ジャッキ５５
を装着できる吊下具４６を摺動可能に装着した旋回式土
留用切梁ジャッキ支持具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、掘削溝の土留壁に架設した腹起し等の支承に用いる土留用切梁ジャ ッキ支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、土留壁に架設した腹起しを、支承する土留用切梁ジャッキは、実開平４ −６１１３９号公報その他により知られている。

【０００３】 前記公報に記載されたものは、図４にその概略を示すように、掘削溝６９に設 けた土留壁７０の内側に架設された腹起し７１を支承するものであり、液圧式の 切梁ジャッキ５５の両端部に、図示してない球座を介して受け部５９を首振り自 在に連結し、この受け部５９に係止片６３と提手６４を設け、前記受け部６３で 、前記腹起し７１を支承し、土留壁７０の倒れや移動を防止するものである。

【０００４】 そして、前記切梁ジャッキは、図４に示す液圧式のもののほかに、ねじ式のも のがある。前記ねじ式の切梁ジャッキは、外筒の先端にねじ環を回動自在に装着 し、このねじ環を回動させることにより、ねじ環に螺合したねじ棒を伸縮させて 、切梁ジャッキを伸縮させるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記土留用切梁ジャッキにより、掘削溝６９に設置された土留壁７０の倒れ等 を防止するには、土留壁７０の内側に腹起し７１を架設し、この腹起し７１の前 後方向に、一定の間隔で土留用切梁ジャッキを多数設置する。

【０００６】 そして、前記掘削溝６９に管を設置する場合に、その設置する管（単管）の長 さは、一般に掘削溝６９に設置された土留用切梁ジャッキの設置間隔より長いの で、前記単管の吊下ろしに必要な空間を確保するため、掘削溝６９に設置した土 留用切梁ジャッキを数個撤去する。

【０００７】 そして、掘削溝６９の土留用切梁ジャッキを撤去した部分に隣接する掘削溝６ ９に設けた土留壁７０の腹起し７１には、補強用の土留用切梁ジャッキを増設す る。

【０００８】 さらに、前記単管を掘削溝６９に吊下ろした後に、前記のようにして掘削溝６ ９の土留壁７０の腹起し７１から撤去した土留用切梁ジャッキを、再び元の位置 に設置しなければならない。

【０００９】 前記の如く掘削溝６９に、管を設置するような場合は、土留用切梁ジャッキの 設置と撤去及び再設置を繰り返えさなければならない。 そして、前記土留用切梁ジャッキの設置や撤去は、手間がかかり重労働であり 、かつ、狭い掘削溝６９内で行うため危険でもある。

【００１０】 本考案は、前記事項に鑑みなされたものであり、土留用切梁ジャッキを容易で 安全に設置し、撤去できるようにすることを技術的課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、腹起し７１に固定して取り付けることのできる取付具１を設け、こ の取付具１に取付具１の上方で、かつ取付具１の内側に突出する突出取付部１１ を設け、この突出取付部１１の先端部の上部に、伸縮可能に形成したアーム３３ の基部を、水平方向に旋回自在に装着すると共に、上下方向に回動自在に装着し 、突出部１１の先端部の下部に、ガイド３８の基部を水平方向に旋回自在に装着 すると共に、上下方向に回動自在に装着し、このガイド３８の先端部に前記アー ム３３の先端部を、上下方向に回動自在に装着し、前記ガイド３８に吊下具４６ のスライダ４８を摺動可能に装着し、スライダ４８の下部に切梁ジャッキ５５を 装着できるジャッキホルダ５０を設けて旋回式土留用切梁ジャッキ支持具とした 。

【００１２】

【作用】

本考案の旋回式土留用切梁ジャッキ支持具は、吊下具４６のジャッキホルダ５ ０に、切梁ジャッキ５５を装着する。

【００１３】 そして、掘削溝の土留壁７０の内側に水平方向に架設した腹起し７１の一方に 、旋回式土留用切梁ジャッキ支持具の取付具１を固定して取り付ける。 次に、前記旋回式土留用切梁ジャッキ支持具のアーム３３とガイド３８を、掘 削溝と直交する向きに旋回させ、さらに、アーム３３を伸縮させて前記切梁ジャ ッキ５５が水平状態に保持されるようにする。

【００１４】 次に、前記切梁ジャッキ５５を伸ばして、両端部に設けた受け部５９を、腹起 し７１の内面に当接させて、土留壁７０を支承する。 そして、掘削溝に管を吊下ろすのに支障となる切梁ジャッキ５５の撤去は、ま ず切梁ジャッキ５５を縮少する。

【００１５】 次に、アーム３３とガイド３８を略９０度旋回させ、切梁ジャッキ５５を腹起 し７１の内面に沿う位置に移動させる。 以上の如くして、管の吊下ろしに支障となる切梁ジャッキ５５を旋回させ腹起 し７１に沿わせると、管の吊下ろしに必要な空間が形成される。

【００１６】

【実施例】

以下図に基づいて本考案の実施例の説明をする。図１乃至図３は、本考案の一 実施例を示すものである。

【００１７】 この実施例の旋回式土留用切梁ジャッキ支持具は、図示してない掘削溝の内壁 面に立設された矢板等の土留壁７０を支えるため、土留壁７０の内側に水平方向 に架設された腹起し７１を支承するものである。

【００１８】 この旋回式土留用切梁ジャッキ支持具は、Ｈ鋼で形成された一方の腹起し７１ に固定して取り付けることのできる取付具１が設けてある。 そして、前記取付具１は、次に記載するようにして形成している。すなわち、 前記腹起し７１の上面に横設した短冊状の第１取付板３を備えている。

【００１９】 前記第１取付板３の内側の端部の下面には、Ｌ形鋼で形成した支え板４が、第 １取付板３に直交するようにして溶着してあり、前記支え板４の両方の端部の上 面には、Ｌ形鋼で形成した第２取付板５が、前記第１取付板３と平行に溶接して 設けてある。

【００２０】 そして、前記取付具１は、次のようにして腹起し７１に固定する。すなわち、 前記第１取付板３の外側の端部、及び第２取付板５の内側の端部には、下部に形 成した折曲部７を腹起し７１の下端に引っ掛けた固定用ボルト６が挿通され、ナ ットにより取付具１を腹起し７１に固定してある。

【００２１】 前記取付具１には、取付具１の上方で、かつ、取付具１の内側に突出する突出 取付部１１が設けてある。 前記突出取付部１１は、次に記載するようにして形成している。すなわち、前 記第１取付板３の内側の端部近くから、短冊状の平板で形成した支柱板１３を溶 接して立設し、そして、前記第１取付板３の外側の端部近くに基端を溶接して固 定した長尺状の引張板１４の他端を、前記支柱板１３の上端に溶接して固定し、 前記第１取付板３と支柱板１３及び、引張板１４で囲まれた部分には、三角形に 形成した第１補強板１６が溶接して取り付けてある。

【００２２】 そして、前記引張板１４の他端は、前方の水平方向に伸ばして上部突出板１５ に形成してある。また、前記支柱板１３の下部近くに、前記上部突出板１５と平 行に設けた下部突出板１７の基端を溶接して固定してある。

【００２３】 そして、前記上部突出板１５と下部突出板１７の先端部間には、縦方向に軸挿 通筒１８が介挿して取り付けてあり、前記支柱板１３，上部突出板１５，下部突 出板１７、及び軸挿通筒１８で囲まれた部分には、四角形に形成し中央部に丸孔 を設けた第２補強板１９を溶接して取り付けて突出取付部１１を形成している。

【００２４】 そして、前記上部突出板１５の先端部と下部突出板１７の先端部に設けた孔、 及び前記軸挿通筒１８に、ボルトで形成した旋回軸２６を挿通すると共に、旋回 部取付板２４の上下の端部から水平方向に突出させた基板２５の孔に、前記旋回 軸２６を挿通してナットで固定し、前記旋回部取付板２４が水平方向に略２００ 度程度旋回できるように形成してある。

【００２５】 前記旋回部取付板２４の前面には、２枚の回動軸取付板２７が縦方向に並列し て設けてある。 前記回動軸取付板２７の上部には、アーム３３の基部を、基部回動軸２８によ り、アーム３３の先端部が上下方向に回動できるように軸着して装着してある。 そして、前記アーム３３は、ターンバックル３４で伸縮できるように形成してあ る。

【００２６】 また、前記回動軸取付板２７の下部には、円柱状に形成したガイド３８の基部 を、基部回動軸２８により、ガイド３８の先端部が上下方向に回動できるように 軸着して装着してある。

【００２７】 そして、前記ガイド３８の先端には、端板３９が溶接して取り付けてあり、さ らに、ガイド３８の先端部の上部と、前記端板３９の間には、２枚の先端部回動 軸取付板４０が溶接して立設してあり、この先端部回動軸取付板４０に、前記ア ーム３３の先部が、先端部回動軸４１により、上下方向に回動できるように軸着 して装着してある。

【００２８】 前記ガイド３８には、２個の吊下具４６を摺動可能に装着する。そして、この 吊下具４６は、円環状のスライダ４８を前記ガイド３８に摺動可能に外嵌して装 着し、このスライダ４８の下部には、前記ガイド３８と直交し、水平方向に延び るホルダ回動軸４９によって、ジャッキホルダ５０を回動可能に軸着している。

【００２９】 そして、前記ジャッキホルダ５０は、上下に分割された円環状体に形成してあ り、円環状体に挿通した切梁ジャッキ５５を、図示してないボルトにより締め付 けて固定できるように形成してある。

【００３０】 前記吊下具４６のジャッキホルダ５０に装着される切梁ジャッキ５５は、円筒 状のシリンダ５７にピストン５８が嵌入されており、図示してないポンプから供 給された油圧により伸長するように形成され、切梁ジャッキ５５の両方の端部に は、図示してない球座を介して受け部５９が回動できるようにして設けてある。

【００３１】 そして、前記実施例では、アーム３３とガイド３８の基部と、アーム３３の先 端部を回動自在に装着するのに、基部回動軸２８と先端部回動軸４１で軸着して いるが、前記アーム３３とガイド３８の基部、及びアーム３３の先端部に、可撓 性を有する鋼板を介挿して回動自在に形成することも可能である。

【００３２】 さらに、前記吊下具４６は、幅広に形成すれば、１個とすることも可能である 。

【００３３】

【考案の効果】

本考案は、腹起し７１に固定できる取付具１を設け、この取付具１に設けた突 出取付部１１の上部と下部に、伸縮可能なアーム３３とガイド３８の基部を、水 平方向に旋回自在で、上下方向に回動自在に装着し、ガイド３８の先端部にアー ム３３の先端部を上下方向に回動自在に装着し、前記ガイド３８に切梁ジャッキ ５５を装着できる吊下具４６を装着したものである。

【００３４】 したがって、腹起し７１を支えていた切梁ジャッキ５５を縮少して、アーム３ ３とガイド３８を略９０度旋回させると、切梁ジャッキ５５を腹起し７１の内面 に沿う位置に移動させることができ、管の吊下ろしに必要な空間の形成が容易で ある。

【００３５】 そして、切梁ジャッキ５５の再設置も、前記切梁ジャッキ５５を腹起し７１の 内面に沿わせる旋回移動と逆の操作をすることにより容易に再設置ができる。 そして、切梁ジャッキ５５を水平状態とするのも、アーム３３を伸縮させるこ とにより容易にできる。

【００３６】 よって、切梁ジャッキ５５の設置や移動が安全で容易にできるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の正面図

【図２】本考案の一実施例の平面図

【図３】本考案の一実施例の右側面図

【図４】従来例の斜視図

【符号の説明】

１ 取付具 １１ 突出取付部 ３３ アーム ３８ ガイド ４６ 吊下具 ４８ スライダ ５０ ジャッキホルダ ７１ 腹起し

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腹起し７１に固定して取り付けることの
   できる取付具１を設け、この取付具１に取付具１の上方
   で、かつ取付具１の内側に突出する突出取付部１１を設
   け、この突出取付部１１の先端部の上部に、伸縮可能に
   形成したアーム３３の基部を、水平方向に旋回自在に装
   着すると共に、上下方向に回動自在に装着し、突出部１
   １の先端部の下部に、ガイド３８の基部を水平方向に旋
   回自在に装着すると共に、上下方向に回動自在に装着
   し、このガイド３８の先端部に前記アーム３３の先端部
   を、上下方向に回動自在に装着し、前記ガイド３８に吊
   下具４６のスライダ４８を摺動可能に装着し、スライダ
   ４８の下部に切梁ジャッキ５５を装着できるジャッキホ
   ルダ５０を設けた旋回式土留用切梁ジャッキ支持具。