JPH0643000Y2 - 容器の蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は容器の蓋に関し、さらに詳しくは簡単な蓋部品
の回動操作によりワンタッチ式に開閉できる止め栓タイ
プの蓋に関する。

〔従来の技術〕

一般に、容器の容器口に取つける止め栓タイプの蓋は、
蓋を取り外す手間を要せず、ワンタッチ式に容易に開閉
できるものが好ましい。

このため、ワンタッチ式で容易に開閉できる止め栓タイ
プの蓋が種々提案されており、たとえば、容器口に嵌合
筒体を固着し、この嵌合筒体に止め栓を掛脱自在に掛合
し、筒体上端部に設けたテーパ面を有する突片と止め栓
の天板下面に固定したテーパ面を有する突片とを、止め
栓の回動により互いに突片同士がテーパ面上に乗り上げ
て止め栓が外されるようにしたものが提案されている。
（実開昭60−142742号） 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、この種の止め栓タイプの容器の蓋は、止め栓
自体を回動しなければ止め栓を取り外すことができない
ため、止め栓の天板を大きくしたり、止め栓の天板と嵌
合筒体との間に間隙を設けたりして止め栓を回動しやす
くする必要があり、容器の外観を良好にすることができ
ず、また止め栓の取り外しもそれほど容易ではない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる現状に鑑みてなされたもので、容器の
蓋を、容器の容器口に容器口鍔部を挟持して嵌着固定し
外壁の外周面にリング状凹部を凹設するとともに外壁上
端に段部を設けて内壁を立設させこの内壁の上端面に放
射状のローレット切りによる刻み目を設けさらに内壁上
端内周面に突縁を突設した中栓と、中栓の外壁に凹設し
たリング状凹部に掛合する突条を内周壁に凸設して中栓
に回動自在に被嵌し内周壁上端部に内設した中空天板上
面にテーパ面を有する突起を突設した外蓋と、外蓋中空
天板上の突起のテーパ面と対向するテーパ面を有する突
起を天板の周部下面に突設し天板下面中央部に中栓内壁
上端面の放射状のローレット切りによる刻み目と掛合す
る放射状のローレット切りによる刻み目を形成した台盤
を突設するとともにこの台盤下面中央に栓芯を垂下固定
し栓芯の外周面に設けた突条を中栓の内壁上端内周面に
突設した突縁と掛脱自在に掛合して天板の周端縁を外蓋
の外周壁上端面に載置した止め栓とで構成することによ
って、ワンタッチ方式でより簡単に止め栓タイプの蓋の
開閉ができるようにし、かつ容器の外観を良好にしたも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を示す図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、１は容器、２は容器１の中
央部上端に立設した容器口であり、３は容器口２の上端
外周面に設けられた鍔部である。

４は容器口２の周壁を挟持する中栓であって、外壁５の
下端内周面に突縁６を突設し、この突縁６を容器口２上
端の鍔部３に掛合している。また外壁５の上端に段部７
を設けて内壁８を立設し、内壁下端部に挟持壁９を垂設
して、外壁５と挟持壁９とで容器口２の鍔部３を挟持
し、容器口２に嵌着固定している。10は外壁５の外周面
に凹設されたリング状凹部である。また内壁８の内周面
上端縁に突縁11が突設され、さらに内壁８の上端面にロ
ーレット切りによって放射状の刻み目12が刻設されてい
る。

13は中栓４に被嵌する外蓋で、内周壁にリング状の突条
14を凸設し、中栓４の外壁に凹設されたリング状凹部10
に掛合して、中栓４に回動自在かつ上下摺動不能に被嵌
している。15は外蓋13の内周壁上端部に内設した中空天
板、16はこの中空天板15上に前後左右に対抗して定着さ
れた突起であり、回転方向両面に上端を鋭角にして傾斜
させたテーパ面17が形成されている。

18は外蓋15を介して中栓４に嵌着される止め栓であり、
天板19の下面周部に、回転方向両面に下端を鋭角にして
傾斜させたテーパ面20を形成した突起21を、前後左右に
対抗して定着し、外蓋13の中空天板15上に定着された突
起16と対抗させて各テーパ面17および20が当接するよう
にしている。22は天板19の下面中央部に段差を設けて突
設した台盤であり、周面部にローレット切りによって放
射状の刻み目23を刻設している。また台盤22の下面中央
に栓芯24を垂下し、この栓芯24の外周面に突条25を突設
して、容器口２に嵌着された中栓４の内壁８上端内周面
に突設した突縁11に掛合している。そして、天板19の周
端縁を外蓋13の外周壁上端面に載置している。

第３図は本考案の容器の蓋の他の実施例を示したもの
で、鍔部３の上端面に一対の掛合溝26を設けるととも
に、中栓４の段部７の下端面に一対の掛合突起27を設
け、中栓４を容器口２に嵌着する際、中栓４の段部下面
の一対の掛合突起27を鍔部３の一対の掛合溝26に掛合す
るようにして、中栓４を容器口２に回動不能に嵌着した
以外は、前記第１図および第２図に示す容器の蓋と同様
にして構成されている。

〔作用〕

本考案容器の蓋は、このようにして構成され、外蓋13を
手で回動すると、外蓋13の中空天板15上に定着された突
起16が、止め栓18の天板下面の周面に定着した突起21に
当接し、これらの突起16および21の各テーパ面17と20が
接して乗り上げ、止め栓18を上方に押圧摺動する。しか
して、止め栓18の栓芯24外周面に突設された突条25が、
容器口鍔部３に嵌着された中栓４の突縁11から外れて、
中栓４から離脱し止め栓18が開かれる。このとき、特
に、止め栓18は天板19の周端縁を外蓋13の外周壁上端面
に載置しているため、わずかに押し上げられるだけで極
めて容易に開かれる。また止め栓18を閉じるときは、止
め栓18を外蓋13上から中栓４内に押し込めば、止め栓18
の栓芯24外周面に突設された突条25が、容器口２の鍔部
３に嵌着された中栓４の突縁11に掛合して、止め栓18が
閉じられる。

この際、中栓４の内壁８の上端面に放射状のローレット
切りによる刻み目12が刻設され、また天板19下面の台盤
22の周面部にも放射状のローレット切りによる刻み目23
が刻設されて、これらのローレット切りによる刻み目12
および23が掛合されているため、外蓋13を回動しても、
止め栓18は外蓋13と一体的に回転せず、前記のようにし
て止め栓18が開かれる。また中栓４は外壁５の下端内周
面に突設した突縁６を容器口２上端の鍔部３に掛合し、
さらに外壁５の内壁８下端部に挟持壁９を垂設して、外
壁５と挟持壁９とで容器口２の鍔部３を挟持しているた
め、容器口２にしっかりと嵌着固定され、外蓋13を回動
しても中栓４が一体的に回動することがないが、第３図
に示すように中栓４の段部下面に突設した一対の掛合突
起27を鍔部３の一対の掛合溝26に掛合するようにする
と、中栓４が容器口２に回動不能に嵌着される。しかし
て、必要に応じて第３図に示す構成を付加するのが好ま
しい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案にあっては、外蓋を手で回
転させるだけで、外蓋の中空天板および止め栓の天板に
それぞれ定着した突起が当接し、各突起のテーパ面に沿
った突起の乗り上げにより、天板の周端縁を外蓋の外周
壁上端面に載置した止め栓が上方に押圧摺動され、中栓
との掛合が外されて止め栓が開かれるため、蓋の開放が
簡単な操作で行え、しかもワンタッチ式に行うことがで
きる。また止め栓を閉じるときは、止め栓を外蓋上から
容器口に嵌着した中栓に強制嵌合するだけで、中栓に掛
合して止め栓を閉じることができ、片手で、しかもワン
タッチで容易に蓋を閉じることができる。従って、本考
案容器の蓋は片手で、しかもワンタッチで蓋の開閉を操
作することができ、取扱がきわめて容易である。また止
め栓と外蓋の径を同一平面にすることができ、外観も良
好なものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の蓋の分解斜視図、第２図は同断面
図、第３図は本考案容器の蓋の他の実施例を示す断面図
である。 １…容器、２…容器口、３…鍔部、４…中栓、５…外
壁、７…段部、８…内壁、10…リング状凹部、11…突
縁、12,23…刻み目、13…外蓋、14…突条、15…中空天
板、16,21…突起、17,20…テーパ面、18…止め栓、19…
天板、22…台盤、24…栓芯、25…突条

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の容器口に容器口鍔部を挟持して嵌着
   固定し外壁の外周面にリング状凹部を凹設するとともに
   外壁上端に段部を設けて内壁を立設させこの内壁の上端
   面に放射状のローレット切りによる刻み目を設けさらに
   内壁上端内周面に突縁を突設した中栓と、中栓の外壁に
   凹設したリング状凹部に掛合する突条を内周壁に凸設し
   て中栓に回動自在に被嵌し内周壁上端部に内設した中空
   天板上面にテーパ面を有する突起を突設した外蓋と、外
   蓋中空天板上の突起のテーパ面と対抗するテーパ面を有
   する突起を天板の周部下面に突設し天板下面中央部に中
   栓内壁上端面の放射状のローレット切りによる刻み目と
   掛合する放射状のローレット切りによる刻み目を形成し
   た台盤を突設するとともにこの台盤下面中央に栓芯を垂
   下固定し栓芯の外周面に設けた突条を中栓の内壁上端内
   周面に突設した突縁と掛脱自在に掛合して天板の周端縁
   を外蓋の外周壁上端面に載置した止め栓とからなる容器
   の蓋