JPH0642959B2 - ボイラー水系用イオン封鎖剤 - Google Patents

ボイラー水系用イオン封鎖剤

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JPH0642959B2
JPH0642959B2 JP21052389A JP21052389A JPH0642959B2 JP H0642959 B2 JPH0642959 B2 JP H0642959B2 JP 21052389 A JP21052389 A JP 21052389A JP 21052389 A JP21052389 A JP 21052389A JP H0642959 B2 JPH0642959 B2 JP H0642959B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はボイラー水系におけるスケールの生成を防止し
たり、また一旦付着したスケールを除去するためのボイ
ラー水系用イオン封鎖剤に関する。
[従来の技術] ボイラー水系では給水中に含まれる溶存イオンが濃縮さ
れ、さらに150℃以上の高温にさらされるため比較的
難溶性の化合物は過飽和となりスケールとして伝熱面に
析出する。伝熱面にスケールが析出すると熱伝導率が低
下するため燃料使用量が増加したり、蒸気発生量が低下
するばかりでなく、スケール堆積により伝熱面表面の温
度が上昇し、金属材質の強度が低下することによりボイ
ラーが破裂に至る場合がある。近年、ボイラーの高性能
化により単位伝熱面あたりの蒸発量が増加する傾向にあ
り、スケール生成の傾向が増大している。
従来はリン酸塩とアルカリを用いることによりカルシウ
ムとマグネシウムをそれぞれリン酸カルシウムや水酸化
マグネシウムの形で懸濁性固形分として不溶化させ、伝
熱面における難溶性化合物析出によるスケールトラブル
を防止し、この時発生する懸濁性固形分の沈着を防止す
るためタンニン,リグニン,スターチ等の天然高分子、
ポリ(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸−マレイン
酸コポリマー等のアニオン性合成高分子等の分散剤を併
用する方法が採られてきた。このような処理はその作用
が缶内で固形分を発生させてスケールを防止するもので
あるから、スケール防止効果が不十分であり、また復水
系統や給水系統の腐食生成物に由来する金属成分の沈積
防止に対しては効果を示さなかった。
有機ホスホン酸類やアニオン性合成高分子を水中のカル
シウムイオンを封鎖するのに必要な量よりもはるかに少
ない量で処理する、いわゆるスレッショルド処理はボイ
ラーのような高温水系では成功しなかった。一方、ED
TA,NTA等のキレート化剤を用いる方法はキレート
化剤が水中のカルシウム,マグネシウム,鉄等の金属イ
オンと安定なキレート化合物を形成し、可溶可するため
にスケール防止効果が優れている反面、水中の金属イオ
ンをキレート化するのに必要な量を超えてキレート化剤
を加えると、ボイラー鉄面の腐食を促進する欠点があっ
た。
キレート化剤による腐食問題を克服するため、既存のキ
レート化剤に替えてカルボキシレート官能基を含むアニ
オン性高分子を、水中の金属イオンの封鎖剤として用い
る試みがなされている。特開昭56−2897号にはイ
タコン酸重合体を含むスケール防除剤が開示されてい
る。また特開昭56−20169号には75モル%のイ
タコン酸と25モル%の以下の他の不飽和単量体とから
なるイタコン酸共重合体を含むスケール防除剤が開示さ
れている。このようなイタコン酸系重合体はカルシウム
系スケールに対するスケール防除効果は優れているが、
マグネシウム系スケールに対する防除効果が劣ってい
た。特開昭58−84099号にはポリアクリル酸,ア
クリル酸−アクリルアミドコポリマーをボイラー用イオ
ン封鎖剤として用いる方法が開示されている。これらの
ポリマーは封鎖効果が不十分であるばかりでなく、添加
量が不足するとポリマー自体がカルシウムと反応してポ
リマーの難溶性カルシウム塩を形成する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の課題は前記の諸問題を解消し、カルシウム系ス
ケールトマグネシウム系スケールの両者は勿論のこと、
アルカリ金属を除く金属を同時に効果的に防除できる改
良されたボイラー水系用イオン封鎖剤を提供することに
ある。本発明者らは合成技術を駆使して各種のモノエチ
レン性不飽和単量体の組合わせと共重合組成比を変えた
多数の共重合体を合成し、それらの分子組成とスケール
防止効果との関係を系統的に分類し、鋭意実験研究を重
ねた結果、本発明に到達したものである。
[課題を解決する手段] 本発明のボイラー水系用イオン封鎖剤は、(メタ)アクリ
ル酸,(メタ)アクリルアミド及び下式、 (ここでR1,R2はそれぞ独立に水素又は炭素数1〜8
のアルキル基である。)で示されるイタコン酸類からな
る三元共重合体を有効成分として構成する。より好まし
い構成としては、(メタ)アクリル酸の20〜80モル
%,(メタ)アクリルアミドの5〜65モル%,及び下式 (ここでR1,R2はそれぞ独立に水素又は炭素数1〜8
のアルキル基である。)で示されるイタコン酸の5〜4
0モル%、又はイタコン酸エステルの5〜30%モル%
からなり、かつ第2図の三角図表のABCDEF、又
A′BCDEF′により囲まれた区域内の組成比から選
択する三元共重合体を有効成分として構成する。
ここで(めた)アクリル酸とはアクリル酸、メタアクリル
酸のいずれか又は両方であってもよいが、好ましくはア
クリル酸である。また(メタ)アクリルアミドとはアクリ
ルアミド、メタクリルアミドのいずれか又は両方であっ
てもよいが、好ましくはアクリルアミドである。イタコ
ン酸類とはイタコン酸、イタコン酸モノ又はジメチルエ
ステル、イタコン酸モノ又はジエチルエステル、イタコ
ン酸モノ又はジプロエステル、イタコン酸モノ又はジブ
チルエステル、イタコン酸モノ又はジ(2−エチルヘキ
シル)エステル等があげられるが、これらは単独、又は
2種以上を組合わせて用いてもよい。第4成分として他
のモノエチレン性不飽和単量体を含む共重合体であって
もよいが、コモノマー組成比の20モル%以下に迎える
べきである。本発明のイオン封鎖剤は公知のラジカル重
合法により製造可能である。例えば所定量の単量体をモ
ノマーの合計濃度が10〜60モル%になるように適当
な溶媒に溶解したコモノマー溶液に重合開始剤及び必要
により連鎖移動剤を加えて、不活性ガスの気流下で温度
を40ないし120℃に維持しながら約2ないし8時間
攪拌混合することにより得られる。溶媒は通常水、イソ
プロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコ
ール等の低級アルコール類及びこれらの混合溶媒が用い
られる。重合開始剤としては過硫酸塩(ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩を含む)、過酸化水素、t
−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル等の過
酸化物、各種のアゾ化合物(例えば2,2′−アゾビス
(−アミゾノプロパン)ハイドロクロライド)等が使用可
能であり、又レドックス触媒系を用いてもよい。重合開
始剤の最適な量は、開始剤の種類によって異なるが通常
モノマーの合計量に対して01〜10%を用いる。
共重合体の重量平均分子量は1,000〜100,000の範囲であ
ることが好ましく、より好ましくは2,000〜50,000の範
囲である。ここで重量平均分子量はゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフ(GPC)の手法により、分子量既知の
ポリエチレングリコールを標準として測定される。
共重合体の分子量は連鎖移動剤を用いて、その使用量を
調節することにより制御可能である。連鎖移動剤として
は公知の化合物、例えばチオグリコール酸及びそのエス
テル類、β−メルカプトプロピオン酸及びそのエステル
類、アルキルメルカプタン類等のメルカプト化合物、
(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルアルコール等の
アリル化合物、次亜リン酸塩、重亜硫酸塩等が用いられ
る。
共重合体の分子量を制御するもう一つの方法は、コモノ
マー溶液及び重合開始剤溶液をそれぞれ別々に温度を一
定に維持した反応ベッセル中に一定流量で連続的に供給
する方法である。この方法において分子量は開始剤及び
モノマーの添加速度、反応温度、開始剤の濃度及びコモ
ノマー溶液濃度等の条件を変えることにより調節可能で
ある。
前記の如き、公知のラジカル重合法により製造された
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド及びイタコン
酸類からなる三元共重合体は、線状のランダム重合体で
ある。
本発明のイオン封鎖剤の好ましい添加量は、有効成分で
ある三元共重合体を被処理水中に含まれる金属成分1pp
mに対して、2〜30ppmの範囲であり、より好ましくは
4〜20ppmの範囲である。ここで金属成分とはカルシ
ウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミ
ニウム等のボイラー水中にイオン性又は微細懸濁粒子状
(酸化物、水酸化物、各種塩類等)で存在するアルカリ金
属を除く金属成分を示す。
本発明のイオン封鎖剤は水中に存在する金属イオンをイ
オン封鎖する作用だけでなく、ボイラー鉄面を腐食する
ことなく、既にボイラー内に付着しているスケールを除
去する作用をも示す。本発明のイオン封鎖剤は過剰注入
によってもボイラー鉄面の腐食を促進しない。本発明の
イオン封鎖剤は高分子電解質であり、イオン封鎖作用だ
けでなく良好な分散作用を示すため、イオン封鎖効果が
十分でない場合でも生成した沈殿粒子を分散状態に保持
するのに好適である。
本発明のイオン封鎖剤は通常苛性ソーダ、苛性カリウム
等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア、各種アミン類
等のアルカリ化合物により中和した形で用いられる。中
和に用いるアルカリの量はボイラー給水及び缶水のpHが
7〜12の範囲内、より好ましくは9〜12になるよう
に調節するのが好適である。
本発明のイオン封鎖剤は脱酸素剤、復水系中和剤、復水
系被膜性防蝕剤、分散剤、消泡剤等の公知のボイラー処
理剤と併用して用いることができる。さらに本発明のイ
オン封鎖剤と脱酸素剤とを併用した場合、脱酸素剤単独
で処理した場合と比較して、ボイラー鉄面の腐食が大巾
に減少することを見い出した。このような脱酸素剤の例
としてヒドラジン、亜硫酸塩、カルボヒドラジド、ポリ
アクリル酸ヒドラジド、エリソルビン酸、L−アスコル
ビン酸、ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
[実施例] 実施例1 温度計、攪拌機、窒素ガス導入管および還流冷却器を備
えたガラス製反応容器に水332.8gを仕込み、アクリル酸
22.5g、アクリルアミド45gおよびイタコン酸ジメチル2
2.5gを加えて調製したコモノマー溶液を、窒素ガス気流
下で55℃に加熱した。β−メルカプトプロピオン酸2.
25gおよび過硫酸ナトリウム5.0gを水15gに溶解した溶
液を速やかに加えた後、反応熱を除去しながら55℃を
維持した。反応熱除去期間の終了後、さらに加熱により
55℃を30分間維持した後、80℃で2時間加熱して
反応を完結させた。反応に50%苛性ソーダ56.3gを加
えた後、水を加えてポリマー活性分濃度16%の水溶液
562gを得た。この溶液のpHは13.8、25℃における
ブルックフィールド粘度は15cpであった。
実施例2 実施例1と同じガラス製反応容器に水160gを仕込
み、アクリル酸12.5g、アクリルアミド25g及びイタコ
ン酸12.5gを加えて調製したコモノマー溶液にβ−メル
カプトプロピオン酸1.0gおよび過硫酸ナトリウム3gを
水20gに溶解した溶液を加え、窒素ガス気流下で60
℃に加熱した。反応の初期段階では反応熱を除去しなが
ら次いで加熱により60℃を2時間維持し、さらに80
℃で1時間加熱して反応を完結させた。反応物に50%
苛性ソーダ36.4gを加えた後、水を加えてポリマー活性
分濃度16%の水溶液312.5gをを得た。この溶液のpHは
12.9、25℃におけるブルックフィールド粘度は32cpで
あった。
実施例3〜8 実施例1と同様の反応容器及び方法を用いて、アクリル
酸、アクリルアミド、イタコン酸ジメチルのコモノマー
組成比、連鎖移動剤の種類(β−メルカプトプロピオン
酸、次亜リン酸ナトリウムのいずれか)および連鎖移動
剤の濃度を変えた共重合体を合成した。
実施例9〜14 実施例1と同様の反応容器及び方法を用いて、アクリル
酸、アクリルアミド、イタコン酸のコモノマー組成比及
び連鎖移動剤の濃度を変えて共重合体を合成した。
実施例1〜14により合成した共重合体、及び下表に示
すコモノマー組成比で同様に合成した比較例1〜11の
共重合体の組成及び物理的性状を下記の第1表にまとめ
て示す。
I.粘度測定法は下記の通りである。
測定に使用した粘度計(株)東京計器製BL形粘度計を用
いてNo.2ロータで60rpmの条件で測定した。
II.キレート化価の測定は下記の方法による。
1 実験器具 1) オリオン・リサ-チ社 イオンアナライザーEA 940型 2) 〃 カルシウム測定用電極 93-20型 3) 〃 2価陽イオン測定陽電極 93-32型 4) 〃 Ag/Ag Cl比較電極 90-02型 5) 東亜電波 pHメーター HM-18ET型 6) 〃 pHスタッタ HSM-10A型 A.カルシウムキレート化価測定法 a.試薬 1)カルシウム標準液→ClCl2・ZH2Oの45.7g/溶液をN/10
0 EDTAにより標定し、この溶液のCa濃度を求めた。この
溶液もCa濃度として10000ppm(CaCo3として)になるよう
に純水で希釈する。また希釈を際にKClを6g/になるよ
う加える。
2)検量線作成用標準液→カルシウム標準液をKCl(6g/)
溶液で希釈してカルシウム硬度として10,100,1000ppm
を含む溶液を作成する。
3)ポリマー溶液→ 合成品5gを精秤しKCl(6g/)溶
液で50mlにメスアップする。
b.測定 N/10-KOHを加えpHを10に調整後イオン濃度を測定し記録
する。ポリマー添加量対イオン濃度の関係をグラフ上に
プロットしカーブの初期勾配の傾きによりキレート化価
(ポリマー1gによって錯体化されたカルシウムのCaC
換算mg)を求めた。
B.マグネシウムキレート化価測定法 a.試薬 1)マグネシウム標準液→MgCl2・6H2Oを純水に溶解してMg
Hとして10000ppmになるように調整する。
2)検量線作成用標準液→マグネシウム標準液を純水で希
釈してMgH 10,100ppm溶液を作成する。
3)ポリマー溶液→ 合成品5gを精秤し純水で50mlにメ
スアップする。
b.測定 N/10-NaOHを加えpHを9に調整後イオン濃度を測定し記
録する。カルシウムキレート化価と同様に初期勾配より
マグネシウムキレート化価を求める。
実施例15 100mlの脱イオン水に第2表に示す濃度の供試剤を加
え、以下に示す試薬を溶解した。次いで0.5規定水酸化
ナトリウムによりpHを11.8に調節した。
MgCl2.6H2O 30.6mg/ NaHCO3 840mg/ Na2SiO3.5H2O 1060mg/ Na2SO4 444mg/ FeCl3 29.1mg/ この溶液はカルシウム硬度22ppm(カルシウムとして8.
8ppm)、マグネシウム硬度14ppm(マグネシウムとして
3.4ppm)、全鉄9.5ppm、シリカ300ppm、硫酸イオン3
00ppm、Mアルカリ度500ppmを含んでいる。
この溶液はオートクレーブにセットし温度180℃に維
持した恒温油槽中で静置した。18時間後、オートクレ
ーブを冷却して内容液を取り出し、0.45μメンブランフ
ィルターで過した液について原子吸光分析法により
カルシウム及びマグネシウムの濃度を測定し、下記式に
より抑止率を算出した。
ここで、CA:供試剤添加時のカルシウム又はマグネシウ
ムネシウムの測定置 CB:供試剤無添加時のカルシウム又はマグネシウム測定
値 CO:カルシウム又はマグネシウムの初期濃度 試験結果を第2表に示す。
実施例16 実験は第1図に示す実験用ボイラーを用いて行なった。
ボイラー伝熱管(9)は直径28mm、長さ345mmの円筒
形で材質は炭素鋼(S25C)である。伝熱管の内側に3.5KW
の電気ヒーターを挿入して連続的に加熱した。ボイラー
の圧力は10kgf/cm2に制御され、蒸気発生量は約3.7
/h、缶水温度は180℃であった。補給水として第3
表に示す水質のものを使用した。
補給水は給水タンク(3)で第4表に示す処理剤と混合さ
れ給水ポンプ(4)により液面が一定に維持されるように
実験用ボイラー(8)に自動的に供給された。連続的なブ
ローダウンは実施せず、一定時間ごとにボイラー缶水を
サンプリングして濃縮度(給水対缶水の塩素イオン濃度
の比)および実施例15と同様の方法によりカルシウム
とマグネシウムの抑止率を求めた。試験時間は8時間で
あった。第4表に伝熱管(9)に付着したスケール重量の
結果を示す。また第5表に缶水濃縮度数と抑止率の結果
を示す。
実施例17 実施例16と同じ実験装置を用いてボイラー圧力20kg
f/cm2、缶水温度210℃における評価を実施した。補
給水として第6表に示す水質のものを使用した。
補給水は給水タンク(3)で第7表に示す処理剤と脱酸素
剤としてヒドラジン3.5ppmとが混合され実験用ボイラー
(8)に供給された。缶水の濃縮度が5倍になるように連
続ブローダウンを実施した。試験時間は10時間であっ
た。第7表に実験結果を示す。
第2表から明らかなとおりアクリル酸とアクリルアミド
とイタコン酸系単量体とからなる三元共重合体はカルシ
ウムとマグネシウムの両方のイオンに対して顕著なイオ
ン封鎖効果を示した。一方三元共重合体を構成する単量
体のうちのいずれか一つが欠けた二元共重合体はカルシ
ウムかマグネシウムのいずれか一方のイオンに対しての
みしか効果を示さなかった。
第4表,第5表及び第7表より本発明のイオン封鎖剤は
水中の硬度物質の濃度が極めて高いボイラー水の条件で
用いても良好なスケール防止効果を示すことが分かる。
第5表及び第7表で本発明のイオン封鎖剤のカルシウム
抑止率が100%を超えているが、これはボイラー内に
既に付着していたスケールが除去されたことを示してい
る。一方、マグネシウム抑止率は50%前後であったが
ボイラー伝熱管にスケールが全く認められなかったこと
から、イオン封鎖作用とともに分散作用が働いているも
のと考えられる。
また第7表より実施例2の共重合体とヒドラジンとを併
用した場合、ヒドラジンのみで処理した場合と比較して
腐食の改善効果が認められた。
[発明の効果] 実施例が示すとおり本発明のイオン封鎖剤は、従来の公
知のスケール防止剤と比較して高温水系におけるスケー
ル防止効果が優れており、ボイラーの安全操業に寄与
し、かつ伝熱効率を改善するとともにボイラー缶水の濃
縮度を上昇させることができるため燃料使用量を大巾に
節減することができる。またスケールを防止するだけで
なく既存のスケールを除去する作用をも示すため科学洗
浄に要する費用及び工期を節減することができる。さら
に公知の脱酸素剤と併用することによりボイラー鉄面の
腐食を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例および比較例に用いた実験用
ボイラーのフローチャートを示す。 第2図は、本発明のボイラー水系用イオン封鎖剤の好ま
しい三元共重合体の共重合体組成比を示す。 (1)……補給水タンク、(2)……補給水ポンプ (3)……給水タンク、(4)……給水ポンプ (5)……給水加熱器、(6)……薬液タンク (7)……薬注入ポンプ、(8)……実験用ボイラー (9)……伝熱管、(10)……電気ヒーター (11)……液面計、(12)……自動液面調節器 (13)……ブロー水冷却器 (14)……ミストセパレーター (15)……圧力計、(16)……自動圧力調節器 (17)……圧力調節弁、(18)……復水器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリルアミド
    及び下式、 (ここでR1,R2,はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜
    8のアルキル基である。)で示されるイタコン酸類から
    なる三元共重合体を有効成分として含有することを特徴
    とするボイラー水系用イオン封鎖剤。
  2. 【請求項2】(メタ)アクリル酸の20〜80モル%,(メ
    タ)アクリルアミドの5〜65モル%,及び下式 (ここでR1,R2はそれぞ独立に水素又は炭素数1〜8の
    アルキル基である。)で示されるイタコン酸の5〜40
    モル%からなり、かつ第2図の三角図表のABCDEF
    により囲まれた区域内の組成比から選択する好ましい三
    元共重合体を有効成分として含有することを特徴とする
    ボイラー水系用イオン封鎖剤。
  3. 【請求項3】(メタ)アクリル酸の20〜80モル%,(メ
    タ)アクリルアミドの5〜65モル%,及び下式 (ここでR1,R2はそれぞ独立に水素又は炭素数1〜8の
    アルキル基である。)で示されるイタコン酸エステルの
    5〜30モル%からなり、かつ第2図の三角図表のA′
    BCDEF′により囲まれた区域内の組成比から選択す
    る好ましい三元共重合体を有効成分として含有すること
    を特徴とするボイラー水系用イオン封鎖剤。
  4. 【請求項4】前記請求項1〜3のいずれかに記載のボイ
    ラー水系用イオン封鎖剤の有効成分である三元共重合体
    を、被処理水中に含まれる金属成分(アルカリ金属を除
    く)1ppmに対して2〜30ppmの範囲で使用することを
    特徴とするボイラーのスケールを防止する方法。
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