JPH0642832B2 - カルモジュリンの製造 - Google Patents

カルモジュリンの製造

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JPH0642832B2
JPH0642832B2 JP63246239A JP24623988A JPH0642832B2 JP H0642832 B2 JPH0642832 B2 JP H0642832B2 JP 63246239 A JP63246239 A JP 63246239A JP 24623988 A JP24623988 A JP 24623988A JP H0642832 B2 JPH0642832 B2 JP H0642832B2
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coli
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滋 松木
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、カルモジュリンの遺伝子組換えによる製造技
術に関する。具体的には、改良したラットカルモジュリ
ンcDNA、該DNAで形質転換された大腸菌及びこれ
らを用いるカルモジュリンの製造法に関する。
従来技術 カルモジュリンは、真核細胞に広く分布しているカルシ
ウム結合蛋白質である。カルシウムと結合したカルモジ
ュリンは、様々な不活性状態の酵素と結合して、その酵
素を活性化する。活性化される酵素としてアデニル酸シ
クラーゼ、ホスホリラーゼbキナーゼ、グリコーゲンシ
ンターゼ、トリプトファンやチロシンの水酸化酵素、細
胞膜のCa2+,Mg2+−ATPアーゼ、NADキナー
ゼ、ホスホリパーゼ、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼなど
が知られている。
カルモジュリンのアミノ酸配列は公知である。すなわ
ち、ヒト、ブタ、ラットおよびウシ由来のカルモジュリ
ンは同一のアミノ酸配列を持つことが知られていて、こ
れらはいずれも148個のアミノ酸からなる分子量約1
6,000の蛋白質ある。ラットカルモジュリンcDN
Aは既に取得されている(H.NojimaおよびH.Sokabe:J.M
ol.Biol.193,p.439-445,1987)。ニワトリカルモジュリ
ンcDNAを用いたカルモジュリンの生産(A.R.Means
ら:J.Biol.Chem.260,p.4704-4712,1985)及び化学合成
されたカルモジュリン遺伝子の大腸菌における発現(D.
Martin Wattersonら:Biochemistry 24,P.5090-5098,19
85)については既に報告がある。
発明の概要 発明が解決しようとする問題点 カルモジュリンを製造する方法として、ほ乳類のカルモ
ジュリンの場合、通常臓器からの抽出、精製法が用いら
れている。一例としてウシ脳の場合、2kg当たり350
mgのカルモジュリンが得られた(M.Yazawa,M.Sakuma及
びK.Yagi:J.Biochem.,87,p.1313,1980)(S.Kakiuchi,
K.Sobue:続生化学実験講座 6,p.415-419,1986,東京化
学同人)。しかし精製の際に、脳血管および血液成分の
除去ならびに新鮮な脳の使用を怠ると、カルモジュリン
様の夾雑蛋白質の除去が困難になるなど操作が繁雑であ
る。故に精製度が高く、効率的なカルモジュリンの製造
には遺伝子組み換えによる方法がより優れていると言え
る。ニワトリカルモジュリンcDNAを用いた大腸菌に
よる生産に関して培地10当たり30mg−40mg製造
する方法が報告されているが(A.R.Meansら:J.Biol.Ch
em.260,p.4704-4712,1985)、効率的な生産ではない。
化学合成されたカルモジュリン遺伝子の大腸菌による発
現が試みられたことは前記したところであるが、これに
関しても効率的な生産ではないと言える(D.Martin Wat
tersonら:Biochem.24,p.5090-5098,1985)。
このため、遺伝子組換え技術によるカルモジュリン活性
を有するポリペプチドないし蛋白質のより効率的な製造
技術を確立することが望まれていた。
発明の要旨 本発明は、上記の問題点を解決することを目的とし、こ
の目的を、カルモジュリン活性を有するポリペプチドな
いし蛋白質を大腸菌で効率よく製造するための手段を提
供することにより達成したものである。すなわち本発明
は、 (1)第1図に示す塩基配列を含むDNA鎖を提供するも
のである。
また、本発明は、 (2)第1図に示す塩基配列を含むDNA鎖をその遺伝情
報が発現可能な状態で含むプラスミドによって形質転換
された大腸菌(E.coli)を提供するものである。
更にまた、本発明は、 (3)第1図に示す塩基配列を含むDNA鎖を用意し、こ
のDNA鎖を、その遺伝情報が発現可能な状態で含むプ
ラスミドの作成、このプラスミドによる大腸菌(E.c
oli)の形質転換および得られる形質転換体の培養か
ら成る工程に付して培養物中にカルモジュリンを産生さ
せることを特徴とするカルモジュリンの製造法を提供す
るものである。
発明の具体的説明 本発明のDNA鎖 本発明のDNA鎖は第1図に示す塩基配列を含むもので
ある。本発明のDNA鎖が「第1図に示す塩基配列を含
む」ということは、その上流側および(または)下流側
(あるいは場合によっては鎖中)に、合目的的な任意の
塩基配列が鎖員として存在していてもよいことを意味す
るものである(詳細下記)。また、従って、このように
定義される本発明のDNA鎖は、第1図の塩基配列から
なる鎖長の鎖長の鎖状体の外に、環状体(ないしプラス
ミド)の形態であってもよい。特に環状体ないしプラス
ミドの形態は、本発明DNAを大腸菌内で発現させてカ
ルモジュリンを産生させるときの形態である。
第1図に示す塩基配列は公知のカルモジュリンのアミノ
酸配列のN末にMetを付加したポリペプチドをコード
するものであるが、大腸菌で高発現させるために、5′
末端の塩基配列を大腸菌の各種遺伝子の翻訳開始部位に
共通な塩基配列に近づけ、更に、大腸菌において優先的
に用いられているコドンをMetを含むN末14個のア
ミノ酸に関してなるべく使用して(第3図中Aから
B)、本発明者らが設計したものである。
尚、大腸菌各種遺伝子の翻訳開始部位に共通な塩基配列
はSchererによって報告されており(Schererら、Nucl.A
cids.Res.8p,3895-3905,1980)、また、大腸菌において
優先的に用いられているコドンは池村によって報告され
ている(池村、Jpn.J.Genet.56,p.533-555,1981)。
本発明のDNA鎖は、これを適当なベクターに結合させ
て大腸菌に導入して高発現させるためのものであるが、
このDNA鎖の高発現を実現させるためには、前記の塩
基配列の5′の末端上流側にSD配列を含む下記の塩基
配列 TAAGGAGGTATATT ATTCCTCCATATAA (Schererら、Nucl.Acids Res.8,p.3895-3905,1980)を
有することが好ましい。尚、この塩基配列は大腸菌の各
種遺伝子の翻訳開始部位において使用頻度の高いもので
ある。また、本発明のDNA鎖は、第1図に示す塩基配
列の3′末端に接して停止コドンを少なくとも1個(例
えばTGA)をもつものが好ましい。更にこのような遺
伝子組換操作を容易にするために適当な制限酵素部位を
付加しておくことが好ましい。
従って、本発明の好ましいDNA鎖は、第5図中Aから
Bに示した塩基配列のものである。
本発明のDNA鎖の製造 本発明のDNA鎖の製造方法の一例は、下記に示す通り
である。
(1)大腸菌SD配列とMetを含んだカルモジュリンN
末14個のアミノ酸をコードするDNA塩基配列、及び
発現ベクターへの挿入が出来るように数種類の制限酵素
部位を含んだ81塩基対のオリゴヌクレオチドを、クロ
ーニングプラスミドpUC19(C.Yanisch-Perronら:
Gene 33,p.103-119,1985)に挿入連結する。第2図の
(ハ)は、この81塩基対のオリゴヌクレオチドの塩基配
列と制限酵素部位を示すものである。尚、このオリゴヌ
クレオチドは第2図中(イ)および(ロ)で示されるオリゴヌ
クレオチドをそれぞれ合成し、次いでこれらを会合させ
ることにより得られる。
具体的には、上記のオリゴヌクレオチドはいずれも既知
の合成法によって合成することができる(例えば、ホス
ホアミダイト法により固相合成法(Beaucageら:Tetrah
edron Letters 22,p.1859-1862,1981))。また、この
合成法に基づく自動合成機を使用することも可能であ
る。各オリゴヌクレオチドを会合した後5′末端を必要
に応じてポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化した後、
DNAリガーゼによってpUC19のHindIII及び
BamHIによる切断片に連結して、第2図(ハ)に示す
DNA塩基配列を含むプラスミドpCALN1を得る。
このプラスミドpCALN1で大腸菌JM109を形質
転換する。次いで、pCALN1を単離し、ダイデオキ
シ法によって塩基配列を確認する。
(2)ラットカルモジュリンcDNAを含むプラスミドp
RCM1(H.Nojima及びH.Sokabe:J.Mol.Biol.193,p.4
39-445,1987)をHindIII及びXbaIにて切断する
ことによって、翻訳領域の5′末端の一部を欠損したラ
ットカルモジュリンcDNAを得る。得られたcDNA
をプラスミドpCALN1のHindIII及びXbaI
による大切断片に挿入して連結し、pOCAL7を得、
これで大腸菌JM109を形質転換する。次いで、pO
CAL7を単離し、ダイデオキシ法によって塩基配列を
確認する。このようにして得られるpOCAL7をAf
1II及びBamHIにて消化することにより、第1図に
示す塩基配列、SD配列及び停止コドンを含む本発明の
DNA鎖(第5図中AからB)を得ることができる。
形質転換体の作成 上記のようにして調製される本発明DNA鎖は、カルモ
ジュリン蛋白をつくるための遺伝情報を含んでいるの
で、これを含むプラスミドを生物工学的手法によって大
腸菌(E.coli)に導入して形質転換し、得られる
形質転換体を培養することにより、カルモジュリン蛋白
をつくらせることができる。
形質転換体の作成(およびそれによるカルモジュリンの
生産)のための手順ないし方法そのものは、分子生物
学、生物工学ないし遺伝子工学の分野において慣用され
ているものでありうるので、本発明においては、下記し
たこと意外についてはこれら慣用技術に準じて実施すれ
ばよい。大腸菌中で本発明DNA鎖の遺伝子を発現させ
るためには、まず大腸菌中で安定に存在するプラスミド
ベクター中にこの遺伝子をつなぎかえる必要がある。こ
のプラスミドベクターとしては、pBR322等合目的
的な任意のものを用いることができる。
一方、本発明DNA鎖の遺伝子を大腸菌で発現させるた
めには、そのDNAをmRNAへ転写させる必要があ
る。そのためには、転写のためのシグナルであるプロモ
ーターを本発明DNA鎖の5′側上流に組込めばよい。
このプロモーターについてはすでにtrp、lac,P
L、OmpF等種々知られており、本発明においてこれ
らのいずれも利用することができる。
また、転写を終結させるためのターミネーターを本発明
のDNA鎖の3′側下流に組込むことが好ましい。ター
ミネーターを挿入することにより、プラスミドの安定性
を高めることができる。ターミネーターとしては、tr
pa、rrnc、toop等を用いることができる。
また、mRNAを蛋白に翻訳させる段階では、蛋白合成
の場であるリボソームが翻訳開始部位の先端に結合する
ために必要な配列(SD配列と呼ばれる)を、蛋白合成
の開始信号であるATGの前につける必要がある。更に
効率的に発現させる為には、このSD配列並びにこのS
D配列と蛋白合成の開始信号であるATGとの間の塩基
配列を、大腸菌における翻訳開始部位に共通な塩基配列
に近づけることが好ましい。例えば、この配列を下記の
塩基配列とすることが好ましい。
TAAGGAGGTATATT ATTCCTCCATATAA 尚、前記「本発明のDNA鎖の製造」において示した方
法によって調製される本発明のDNA鎖(第5図中Aか
らB)は、この塩基配列及び停止コドンTGAを含む好
ましいものである。
このようにしてつくったプラスミドによる大腸菌の形質
転換は、遺伝子工学ないし生物工学の分野で慣用されて
いる合目的的な任意の方法によって行なうことができ
る。その一般的な事項については適当な成書または総
説、例えばManiatisら、「Molecular Cloning-A Labora
tory Manual」 Cold Spring Harbor Laboratory(1982)
を参照すればよい。
形質転換体は、本発明DNA鎖によって導入された遺伝
情報による新しい形質(すなわちカルモジュリンの生産
能)および使用ベクター由来の形質、ならびに場合によ
っては生じているかも知れない遺伝子組換時の使用ベク
ターからの一部の遺伝情報の欠落を除けば、そのゼノタ
イプないしフェノタイプあるいは菌学的性質に関しては
使用大腸菌と同じである。
カルモジュリンの生産 上記のようにして得られる形質転換体のクローンは、こ
れを培養すれば培養物の菌体中にカルモジュリン蛋白を
生産する。
形質転換体の培養ないし増殖条件は、使用大腸菌に対す
るそれと本質的には変らない。また、培養物すなわち菌
体および(または)培養液からの生産蛋白の回収も合目
的的な任意の方法(例えば、後記実施例5記載の方法)
に従って行なうことができる。カルモジュリンは大腸菌
中に生産されるので、菌体破砕後、Tris−HCl
(pH8.0)緩衝液などを用いてカルモジュリン活性を
有する蛋白質を抽出し、常法に従って精製することが好
ましい。
実施例 以下、本発明を実施例でもって更に詳しく説明する。
実施例1:オリゴヌクレオチドの合成及びクローニング
ベクターへの挿入 第2図(イ)及び(ロ)に示す2本のオリゴヌクレオチドは、
ホスホアミダイト法(Beaucageら:Tetrahedron Letter
s 22,p.1859-1862,1981)を用いたDNA自動合成機
(アプライドバイオシステムズ社製380A型、M.Hunk
apillerら:Nature 310,p.105-111,1984)を使用して合
成した。
合成終了後、濃アンモニア水で60℃で5時間処理し
て、塩基の保護基を除くとともに担体からの切り出しを
行なった。得られたオリゴヌクレオチドを8M尿素を含
む12%ポリアクリルアミドを用いた電気泳動にかけ
た。電気泳動後ゲルの下に蛍光色素を含む薄層クロマト
のプレートを置き、UVランプを用いて目的のバンドの
存在を確認した。目的とするオリゴヌクレオチドを含む
ゲル片を、透析チユーブ内に封入し、DNAをゲルから
電気的に溶出した。この透析チユーブ内液をセファデッ
クスG−25(ファルマシア社製)のゲルろ過カラム
(φ1.5×43cm)にかけ、0.05Mトリエチルア
ミン重炭酸緩衝液(pH7.5)にて溶出して、脱塩し
た。目的とするオリゴヌクレオチドを含む溶出液を減圧
濃縮して、純粋なオリゴヌクレオチドを得た。
このようにして得られたオリゴヌクレオチド2本(各1
nmol)の各5′末端を、各々20μlのリン酸化反応液
(50mMTris−HCl(pH7.4)、10mMMgC
、10mMDTT、5mMATP、15ユニットのT4
ポリヌクレオチドキナーゼ(ベーリンガー・マンハイム
社))中で、37℃30分間反応させることにより完全
にリン酸化した。
次いで、反応溶液を混合し、95℃5分間加熱し2時間
かけて常温まで戻して、二重鎖DNAを調製した。
クローニングベクターには大腸菌のプラスミドpUC1
9(ファルマシア社)を用いた。1μgのpUC19D
NAを30μlの反応液 (10mMTris−HCl(pH7.5)、10mMMgC
、1mMDTT、50mMNaCl、10ユニットのH
indIII(宝酒造)、10ユニットのBamHI(宝
酒造))中で、37℃2時間反応させた後、0.8%ア
ガロース電気泳動により大フラグメントを分離した。ゲ
ル片をチユーブに入れ、泳動緩衝液中で電気泳動するこ
とにより溶出した。溶出液にエタノールを加えて沈澱さ
せ、20μlのTE溶液(10mMTris、1mMEDT
A、pH8.0)にてこの沈澱を溶解した。前記のように
して調製した81塩基対の二重鎖DNAの0.1μg
を、上記のpCU19DNA断片TE溶液に加え、反応
液30μl(66mMTris−HCl(pH7.4)、
6.6mMMgCl、10mMDTT、0.1mMATP、
3ユニットのT4DNAリガーゼ(ベーリンガー・マン
ハイム社))中で、14℃で6時間反応させた。
この反応液を用い、大腸菌JM109株(宝酒造
(株))(C.Yanisch-Perronら:Gene 33.P.103-119,19
85)を既知の方法(D.Hanahan:J.Mol.Biol.p.557-580.
1980)により形質転換させた。その際、プレートには5
0μg/mlのアンピシリンを含むLBプレートを用い
た。
前記のようにして調製した二重鎖DNAがpUC19の
HindIII及びBamHIの間に挿入された場合、挿
入されたDNAによるユニークなAflII制限酵素部位
が存在する。そこで、プラスミドDNAをアルカリ法
(T.Maniatisら:Molecular Cloning,p,368-369,1982,C
old Spring Harbor)にて大腸菌株より分離し、AflI
I(宝酒造)によって消化されることを確認した。この
ようにして得られたプラスミドpCALN1に挿入され
たDNAについてダイデオキシ法(Hattoriら:Anal.Bi
ochem.152,p.232-238,1986)を用いてその塩基配列を確
認した。菌株をpCALN1/JM109と命名した
(第6図参照)。
実施例2:ラットカルモジュリンcDNAのサブクロー
ニング ラットカルモジュリンcDNAは、ラット脳mRNAか
らOkayama-Berg法によって作成したcDNAライブラリ
ーをラットカルモジュリン偽遺伝子(H.NojimaおよびH.
Sokabe:J.Mol.Biol.190,p.391-400,1986)をプローブ
としてスクリーニングを行うことによってクローニング
することができる(H.NojimaおよびH.Sokabe:J.Mol.Bi
ol.193,p.439-455,1987)。
ラットカルモジュリンcDNAがクローニングされてい
るプラスミドpRCM1で形質転換されている大腸菌D
H1株より、アルカリ法(T.Maniatisら:Molecular Cl
oning p.368-369,1982,Cold Spring Harbor)を用いて
pRCM1を単離した(第4図中A〜BはpRCM1中
のラットカルモジュリンcDNAを示す)。1μgのp
RCM1DNAを30μlの反応液(10mMTris−
HCl(pH7.5)、10mMMgCl、1mMDTT、
50mMNaCl、10ユニットのHindIII(宝酒
造)、10ユニットのXbaI(宝酒造))中で37℃
2時間反応させた後、0.8%アガロース電気泳動によ
り小フラグメントを分離した。ゲル片をチューブに入
れ、泳動緩衝液中で電気泳動することにより溶出した。
溶出液にエタノールを加えて沈殿させ、20μlのTE
溶液(10mMTris、1mMEDTA、pH8.0)にて
この沈澱を溶解した。
実施例1で得られたプラスミドpCALN1を30μl
の反応液(10mMTris−HCl(pH7.5)、10
mMMgCl、1mMDTT、50mMNaCl、10ユニ
ットのXbaI(宝酒造))中で、37℃2時間反応さ
せた後、0.8%アガロース電気泳動により大フラグメ
ントを分離した。ゲル片をチューブに入れ、泳動緩衝液
中で電気泳動することにより溶出した。溶出液にエタノ
ールを加えて沈澱させ、20μlのTE溶液(10mMT
ris、1mMEDTA、pH8.0)にてこの沈澱を溶解
した。このTE溶液に、前記のようにして調製した43
3塩基対のN末の一部を欠損したカルモジュリンcDN
A0.2μgを反応液30μl(66mMTris−HC
l(pH7.4)、6.6mMMgCl、10mMDTT、
0.1mMATP、3ユニットのT4DNAリガーゼ(ベ
ーリンガー・マンハイム社))中で、14℃で6時間反
応させた。この反応液を用い、大腸菌JM109株(C.
Yanisch-Perronら:Gene 33,P.103-119,1985)を既知の
方法(D.Hanahan:J.Mol.Biol.166,p.557-580,1980)に
より形質転換させた。その際、プレートには50μg/
mlのアンピシリンを含むLBプレートを用いた。アンピ
シリン耐性のコロニーよりプラスミドDNAをアルカリ
法(T.Maniatisら:Molecular Cloning,p.368-369,198
2,Cold Spring Harbor)にて大腸菌株より分離し、Af
lII及びBamHIにて消化し、約500塩基対のSD
配列を含むのカルモジュリンをコードするDNAが挿入
された事を確認した。ついでダイデオキシ法(Hatttori
ら:Anal.Biochem.,152,p.232-238,1986)を用いて塩基
配列を確認した(第5図)。得られた菌株をpOCAL
7/JM109と命名した(第6図参照)。
実施例3:カルモジュリンの発現用プラスミドの構築 既に提案されてあるヒト顆粒球マクロファージコロニー
刺激因子の発現用プラスミド(hGM−CSF)pST
6311(第6図)(特願昭62−106148号明細
書参照)を用いて、カルモジュリンの発現用プラスミド
pTCAL7を構築した。
pST6311は、pBR322由来のpAT153
(アマシャム・ジャパン)を基にして構築されたもので
あって、EcoRIとAflIIの間に化学合成した大腸
菌のトリプトファンオペロンのプロモーター、オペレー
ター及び転写開始点よりSD配列直前までの塩基配列
を、AflIIとBamHIの間に化学合成したSD配列
及び hGM−CSFの構造遺伝子を、更に、 BamHIとSphIの間に化学合成した trpaのターミネーターを、それぞれ含んでいる、h
GM−CSF発現用ベクターである。
実施例2で得られたpOCAL7をAflII及びBam
HIにて消化後、0.8%アガロース電気泳動により、
498塩基対のDNA断片を精製した。上記発現用ベク
ターpST6311をAflII及びBamHIにより消
化後、上記498塩基対のSD配列を含むカルモジュリ
ンをT4リガーゼによりライゲーションして挿入し、次
いで大腸菌W3110株(ATCC27325)を形質
転換した。アンピシリン耐性のコロニーよりプラスミド
を単離し、AflII及びBamHIにて消化して、約5
00塩基対のDNA断片を得、本発明のSD配列を含む
遺伝子(第5図中AからB)が挿入された事を確認し
た。得られた菌株をpTCAL7/W3110と命名し
た(第6図参照)。
実施例4:カルモジュリンの製造法(第1図のDNA鎖
の発現) プラスミドpTCAL7/W3110の発現 実施例3で得られたpTCAL7/W3110をアンピ
シリンを含むL培地にて37℃で一晩振とう培養した。
この培養液50mlを1000mlのM9培地(0.8%グ
ルコース,0.4%カザミノ酸、10μg/mlチアミ
ン、50μg/mlアンピシリンを含む)に加え、37℃
にて3時間振とうした。インドールアクリル酸を最終濃
度20μg/mlになるように添加した。このまま更に4
時間振とう培養した。得られた大腸菌の一部をサンプル
緩衝液中で煮沸(5分)し、煮沸液についてSDS−ポ
リアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)を行な
って、カルモジュリンの含有量を調べた。この条件にお
いては、カルモジュリン含有量は大腸菌細胞蛋白質の約
25%以上であった。
この培養液を遠心分離して菌体を得た。得られた菌体を
20mMTris−HCl(pH8.0)250mlに懸濁
し、この懸濁液にリゾチームを最終濃度10mg/mlにな
るように添加し、氷中で1時間放置した後、1mMジチオ
スレイトール、1mMEDTAに調整して超音波処理を氷
中で行なった。この懸濁液を90℃で5分間加熱後、氷
中にて冷却し、100,000×gで超遠心を30分間
4℃にて行ない、上清を回収した。
予め50mMTris−HCl(pH7.5、1mMEDT
A)150mlにて平衡化しておいたフェニルセファロー
スCL−4Bカラム(ファルマシア社:φ1×19cm)
に上記で得られた上清を添加し、50mMTris−HC
l(pH7.5、1mMEDTA)150mlにて溶出した。
素通り画分を集め、5mMCaClに調整し、予め50
mMTris−HCl(pH7.5、1mMCaCl)30
0mlにて平衡化しておいたフェニルセファロースCL−
4Bカラム(ファルマシア社:φ1×38cm)に添加し
た。初め50mMTris−HCl(pH7.5、1mMCa
Cl)300mlにて溶出した。次に50mMTris−
HCl(pH7.5、1mMCaCl、0.5MNaC
l)300mlにて溶出した。最後に50mMTris−H
Cl(pH7.5、1mMEDTA)300mlにて溶出し、
目的のカルモジュリン蛋白画分を回収した。回収した溶
液を水に対して3回透析を繰り返し、凍結乾燥を行なっ
て、粉末のカルモジュリン蛋白質(約100mg)を得
た。
実施例5:カルモジュリンの活性 各種カルモジュリンによる、ラットの脳から調製したC
yclicAMP(cAMP)ホスホジエステラーゼの
活性化を測定した。
反応液0.5ml(80mMイミダゾール塩酸緩衝液(pH
6.9)、3mMMgCl、0.3mMジチオスレイトー
ル、0.2mMCaCl、1mg/mlウシ血清アルブミ
ン、ホスホジエステラーゼ200μg/ml、カルモジュ
リン(大腸菌におて発現されたカルモジュリン(実施例
4で得られた凍結乾燥粉末)あるいはラット脳から調製
されたカルモジュリン)、2mMcAMP)30℃で30
分間反応後、100℃、3分間加熱して反応を停止し
た。これに0.2mlの5′−ヌクレオチダーゼ溶液
(0.5mg/ml5′−ヌクレオチダーゼ、30mMnCl
)を加え30℃で20分間インキュベートして、Pi
形成を行なった (S.Kakiuchiら(1982):J.Biochem.,92,p.1041)。
16.7%過塩素酸を0.3ml添加して反応を停止後、
3000rpmで5分間遠心して、蛋白質の除去を行な
い、上澄み画分のPiを無機リン定量法(B.N.Ames:
“Methods in Enzymology”,E.F.Neufeld編、V.Ginsbu
rg,Academic Press,New York,Vol.8,p.115,1966)を用
いて定量した。すなわち、反応液2.1ml(0.7ml
(上記上澄み画分+HO)、1.4ml(0.2ml10
%アスコルビン酸+1.2ml10.42%アンモニウム
モリブデン酸、1N硫酸中))を、45℃で20分間イ
ンキュベートし、その後室温に戻して770nmでの吸光
度を測定して、Piの定量を行なった。その結果、大腸
菌で発現されたカルモジュリン蛋白質は脳から調製され
たカルモジュリンとほぼ同等の活性を示した。測定結果
は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カルモジュリンのアミノ酸配列とこれをコー
ドする本発明によるDNA塩基配列を示す説明図であ
る。 第2図は、化学合成したオリゴヌクレオチドの塩基配列
と制限酵素部位を示す説明図である。 第3図は、第2図のDNA塩基配列にコードされるアミ
ノ酸配列を示す説明図である。 第4図は、pRCM1中のラットカルモジュリンcDN
Aの塩基配列と制限酵素部位を示す説明図である。 第5図は、カルモジュリンをコードする塩基配列、SD
配列及び停止コドンを含む本発明の好ましいDNA鎖を
示す説明図である。 第6図は、カルモジュリンの発現ベクターの構築を示す
説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す塩基配列を含むDNA鎖。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のDNA鎖をその遺伝情報
    が発現可能な状態で含むプラスミドによって形質転換さ
    れたものであること特徴とする大腸菌(E.col
    i)。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のDNA鎖を用意し、この
    DNA鎖を、これをその遺伝情報が発現可能な状態で含
    むプラスミドの作成、このプラスミドによる大腸菌
    (E.coli)の形質転換および得られる形質転換体
    の培養から成る工程に付して培養物中にカルモジュリン
    を産生させることを特徴とするカルモジュリンの製造
    法。
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