JPH0642469Y2 - 鮎釣用曳き舟等における鮎取出口開閉蓋の掛金装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、友釣り等において、おとり鮎等の生魚を渓流
に泳がせた状態にして生かしておくのに用いられる鮎釣
用曳き舟等における鮎取出口開閉蓋の掛金装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、鮎取出口開閉蓋の掛金としては第６図に示したも
のと、実開昭59-186068号公報に開示されているものが
知られている。

第６図に示す掛金は、開閉蓋ａの開放端部に、長孔ｂと
収納箱ｃを設けて掛金ｄを前後方向へスライド自在にし
て曳き舟本体の掛止金具ｆと掛け外し自在に、かつスプ
リングｅにて前方へ掛止力を付勢せしめて取り付けた構
成である。又実開昭59-186068号公報に開示される構成
は口枠の前部に突設した鈎部が嵌合する鈎孔を設け、こ
の鈎孔の後方には鈎部と係合する欠円状のロックを軸着
して旋回自在に設け、さらにロックの適所にはめくら孔
を設けコイルスプリングを挿入し、その下端にボールを
押し込んで、そのボールの軌道上に90度ごとに凹孔を設
けロックの旋回を制御した構成である。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記掛金によると、掛金ｄのスライド動
作と開閉蓋ａの開き動作が別々である為開閉蓋ａの開き
操作が面倒で開き難い問題点があり、又、掛金ｄの開錠
方向と曳き舟の受ける河水の水流の方向が同じであるた
め、釣場の移動にて激流点を曳航する時など水の波動力
によって不用意に開錠して開閉蓋が開き捕獲した鮎が逃
げてしまうといった問題点があった。又上記公報に開示
されているものは開閉蓋を開閉の都度、摘みを回動する
必要があって、開錠方向と浮き蓋の開き方向が相異する
ので開閉操作が面倒であるばかりでなく、水中でロック
された操作杆の旋回操作をするので面倒であるという問
題点がある。

本考案は上記問題点を解消して、曳航時等の波等による
衝撃によって開くことはなく確実に閉蓋保持できるにも
かゝわらず掛け外し及び開閉をワンタッチ操作によって
容易にでき、しかも構造簡単にして安価に製作できるよ
うにした鮎取出口開閉蓋の掛金装置を提供しようとする
のが、その目的である。

〔問題点を解決する為の手段〕

即ち本考案は、曳き舟本体の鮎取出口を開閉自在とする
開閉蓋を、上記鮎取出口の口縁の一側面に枢着し、該開
閉蓋を上記曳き舟本体の後部に向けて開放可能とした鮎
釣用曳き舟において、上記開閉蓋の開放端部に、軸承部
と、該軸承部から上下対称に、上記開閉蓋側に略水平に
屈曲する指掛部を設けた指掛片と、掛止片とを一体に形
成した掛金を、上記曳き舟本体の内部に設けた掛止部と
掛け外し自在に、かつスプリングにより掛止力を付勢せ
しめて回転可能に、又上記曳き舟本体前方へ回転するこ
とにより掛止解除可能に軸支し、上記掛止片又は掛止部
の両方、又は何れか一方には掛止案内用傾斜面を設けて
構成し、上記問題点を解決したのである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述すれば、先ず
曳き舟本体１は第１図、第２図に示したように、有底状
の下部材２の上端開口部を上部材３で閉塞して外郭形状
が舟形で鮎収納用中空部４を内部に有して形成させてあ
ると共に、曳航時に、上記中空部４内におとり鮎等を泳
がしておくのに都合のよい水流を生じさせる為と、中空
部４内の水の代謝を行なわせるべく、上記下部材２の前
部には流入孔５を、側部には排水孔６を、後部には通水
孔７等を設けて形成させてある。

又、上記曳き舟本体１の上部前部には鮎取出口８を設け
てあり、該鮎取出口８を開閉可能に開閉蓋９の後端を、
上記鮎取出口８の口縁8aの後部に蝶番10にて枢着してあ
る。

上記開閉蓋９の略中央部には、当該開閉蓋９を開くこと
なく中空部４に鮎等を投入できるよう魚投入口11を設け
てあり、該魚投入口11には、その前縁に前端部を枢着12
して蓋板13を内方へ開き可能に、かつ介在したバネ14に
より閉じ力を付勢せしめて設けてある。

そして、上記開閉蓋９の掛金機構は第１図ないし第５図
に示したように、掛金15を、軸承部16から上下対称に指
掛片17と掛止片18を突出して、かつ適宜横幅を有して一
体に形成させてある。一方前記開閉蓋９の前端部左右両
側には軸受孔19、19を同軸上へ対向せしめて左右方向へ
貫設させてあると共に、該両軸受孔19、19の軸芯縁から
適宜寸法だけ下方には、曳き舟本体1aの下部を形成する
下部材２の内部に掛止具20を立設させてある。

かくして、上記軸受孔19、19のうち、その一方の軸受孔
19に外側から支軸21を差し込みして上記掛金15の軸承部
16と他方の軸受孔19に差し込むことによって上記掛金15
を開閉蓋９の開放端部である前端部に前後方向へ回転自
在に、かつ掛止片18を上記掛止部20と掛け外し可能なる
よう枢着させてあると共に、上記支軸21にスプリング22
を外装し、一端22aを上記開閉蓋９の裏面に、他端22bを
上記掛金15における掛止片18の内側面に夫々掛止せしめ
て掛金15を第１図において時計回り方向へ回転付勢せし
め、掛止片18が掛止部20に掛止保持される為の掛止力を
掛金15に付勢せしめて構成させてある。

こゝで、上記指掛片17は、指先を掛けて、上記スプリン
グ22による付勢力に抗して掛金15を掛止解除方向、つま
り第１図において曳き舟本体１の前方に向けて反時計回
り方向へ回転操作し易く、かつ掛止解除と同時に開閉蓋
９を引き上げ開蓋できるよう、起立部17aの先端から後
方、つまり開閉蓋９側へ略水平に屈曲した指掛部17bを
一体に設けてある。

又、上記掛止片18の下端外側部と、上記掛止部20の上端
内側部とには、互いに掛止可能に形成した掛止突部18
a、20aを夫々設けてある。又図示例では、開閉蓋９を第
５図の開蓋位置から閉じる方向へ回動した時相互に突き
合わせられ、閉蓋力により、上記スプリング22のバネ力
に抗して掛止片18が第１図において反時計回り方向へ回
転案内されるよう掛止片18の下端には、その下端から掛
止突部18a側へ傾斜上昇する傾斜面18bを、一方掛止部20
の上端には、その上端から掛止突部20a側へ傾斜下降す
る傾斜面20bを夫々設けてあるが、該傾斜面は掛止片18
又は掛止部20のうち何れか一方へ設けるようにしてもよ
い。

更に、上記指掛片17を図示例のように曳き舟本体１の上
面から上方へ突出することがないよう短かく形成した場
合は、その指掛部17bに指先23を第３図に示した如く掛
止するのに都合がよいよう、上記開閉蓋９の前端上部に
凹部24を設けるようにするとよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る鮎釣用曳き舟等におけ
る鮎取出口開閉蓋の掛止装置は構成したから、開閉蓋９
を開く時は、掛金15の指掛片17に指先を掛け、曳き舟本
体１の前方へ回転操作し、このまま指掛片17を持って引
き上げるといった一つの動作で掛止解除と開蓋を行なう
ことができ、又開閉蓋９を閉じる時は、該開閉蓋９を閉
じる方向へ押し下げ回動することで傾斜面18b又は20bに
掛止片18が案内されることによって閉蓋掛止を行ない得
るから開閉蓋９の開閉を容易、かつ確実ならしめること
ができ、しかもスプリング22によるバネ力付勢と、上記
掛金15を曳き舟本体１の前方に回転操作することにより
掛止解除可能として波の力や水の流れが強ければ強いほ
ど閉じようとする力は大きくなることによって曳航時い
不用意に開くようなことはなく、更に、一体成形した掛
金15をスプリング22を介して開閉蓋９に枢着して、数少
ない部品で構造簡単に、かつ容易にして製作できる等の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る鮎釣用曳き舟等における鮎取出口
開閉蓋の掛金装置の実施例を断面して示した曳き舟の側
面図、第２図は同実施例を備えた曳き舟の平面図、第３
図、第４図、第５図は同実施例における開閉蓋の開蓋状
態を順番に示す各拡大縦断側面図、第６図は開閉蓋掛金
の従来例を示す縦断側面図である。 １……曳き舟本体、８……鮎取出口 8a……口縁、９……開閉蓋 15……掛金、16……軸承部 17……指掛片、18……掛止片 18b、20b……傾斜面、20……掛止部 22……スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】曳き舟本体１の鮎取出口８を開閉自在とす
   る開閉蓋９を、上記鮎取出口の口縁8aの一側面に枢着
   し、該開閉蓋を上記曳き舟本体の後部に向けて開放可能
   とした鮎釣用曳き舟において、上記開閉蓋の開放端部
   に、軸承部16と、該軸承部から上下対称に、上記開閉蓋
   側に略水平に屈曲する指掛部17aを設けた指掛片17と、
   掛止片18とを一体に形成した掛金15を、上記曳き舟本来
   の内部に設けた掛止部20と掛け外し自在に、かつスプリ
   ング22により掛止力を付勢せしめて回転可能に、又上記
   曳き舟本体前方へ回転することにより掛止解除可能に軸
   支し、上記掛止片又は掛止部の両方、又は何れか一方に
   は掛止案内用傾斜面18b又は20bを設けてなることを特徴
   とする鮎釣用曳き舟等における鮎取出口開閉蓋の掛金装
   置。