JPH0642446A - 斜板式油圧作動装置 - Google Patents

斜板式油圧作動装置

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JPH0642446A
JPH0642446A JP4177980A JP17798092A JPH0642446A JP H0642446 A JPH0642446 A JP H0642446A JP 4177980 A JP4177980 A JP 4177980A JP 17798092 A JP17798092 A JP 17798092A JP H0642446 A JPH0642446 A JP H0642446A
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勉 林
Mitsuru Saito
充 齋藤
Isamu Sasao
勇 笹尾
Hideki Sasaki
英喜 佐々木
Satoru Noda
哲 野田
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Honda Motor Co Ltd
Keihin Corp
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Honda Motor Co Ltd
Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ケーシングに回転自在に支承されたシリンダに
多数のシリンダ孔が環状配列で設けられ、前記シリンダ
の軸線に直交するトラニオン軸線を中心として前記軸線
に対して傾斜した状態で斜板ホルダに支承されたリング
状の斜板の前面に、前記シリンダ孔にそれぞれ摺動可能
に嵌合されるプランジャの端部が当接、係合される斜板
式油圧作動装置において斜板を斜板ホルダに支承するた
めの構造の単純化および小型化を可能とする。 【構成】斜板19,30の外周および斜板ホルダ22,
33間には円筒状のラジアル軸受部材211 ,212
介設され、斜板19,30のシリンダ16,27とは反
対側の端面および斜板ホルダ22,33間には平板状の
スラスト軸受部材201 ,202 が介設され、両軸受部
材201 ,202 ;211 ,212 の少なくとも一面に
は、潤滑油を貯留可能な複数の凹部が凹設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーシングに回転自在
に支承されたシリンダに多数のシリンダ孔が環状配列で
設けられ、前記シリンダの軸線に直交するトラニオン軸
線を中心として前記軸線に対して傾斜した状態で斜板ホ
ルダに支承されたリング状の斜板の前面に、前記シリン
ダ孔にそれぞれ摺動可能に嵌合されるプランジャの端部
が当接、係合される斜板式油圧作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる斜板式油圧作動装置は、た
とえば特開平2−190668号公報等に開示されてい
るように、既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
斜板がアンギュラコンタクトベアリングおよびラジアル
ニードルベアリングを介して斜板ホルダに支承されてお
り、それらのベアリングを配設するだけのスペースが必
要となり、そのスペース分だけ装置の大型化が避けられ
ず、特に小容量の斜板式油圧作動装置では不利である。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、斜板を斜板ホルダに支承するための構造の単
純化および小型化を可能とした斜板式油圧作動装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、斜板の外周および斜板ホルダ間に
は円筒状のラジアル軸受部材が介設され、斜板のシリン
ダとは反対側の端面および斜板ホルダ間には平板状のス
ラスト軸受部材が介設され、両軸受部材の少なく一面に
は、潤滑油を貯留可能な複数の凹部が凹設される。
【0006】
【実施例】以下、図面により本発明を自動二輪車用静油
圧式無段変速機に適用したときの一実施例について説明
する。
【0007】図1ないし図7は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は静油圧式無段変速機の拡大横断平
面図、図2はスラスト軸受部材の平面図、図3は図2の
3−3線断面図、図4はラジアル軸受部材の斜視図、図
5は図1の5−5線断面図、図6は図1の6−6線断面
図、図7は図6の7−7線断面図である。
【0008】先ず図1において、静油圧式無段変速機
は、斜板式油圧作動装置としての定容量型の斜板式油圧
ポンプPと、他の斜板式油圧作動装置としての可変容量
型の斜板式油圧モータMとが、通常の負荷運転中には低
圧路となるが逆負荷運転中には高圧路となる内周環状油
路11、ならびに通常の負荷運転中には高圧路となるが
逆負荷運転中には低圧路となる外周環状油路12を介し
て油圧閉回路を構成すべく接続されて成る。
【0009】斜板式油圧ポンプPは、入力ギヤ13を備
えた支持部材としての入力筒軸14と、この入力筒軸1
4の内周壁にボールベアリング15を介して相対回転自
在に支承されるポンプシリンダ16と、該ポンプシリン
ダ16にその回転軸線を囲むように環状配列で設けられ
た多数かつ奇数のポンプシリンダ孔17…にそれぞれ摺
動自在に嵌合される複数のポンププランジャ18…と、
各ポンププランジャ18…の外端部を係合、当接させる
ポンプ斜板19と、このポンプ斜板19をポンプシリン
ダ16の軸線と直交する仮想トラニオン軸線O1 を中心
にしてポンプシリンダ16の軸線に対して一定角度だけ
傾斜させた状態に保持すべく該斜板19を支承するポン
プ斜板ホルダ22とから構成され、ポンプ斜板ホルダ2
2は入力筒軸14と一体に形成される。
【0010】図2および図3を併せて参照して、ポンプ
斜板19のポンプシリンダ16とは反対側の端面とポン
プ斜板ホルダ22との間には、平板リング状であるスラ
スト軸受部材201 が介設される。このスラスト軸受部
材201 の表裏二面には、ポンプ斜板19およびポンプ
斜板ホルダ22との間に潤滑油を貯留するための複数の
凹部23…が内周縁および外周縁間にわたってそれぞれ
設けられる。
【0011】前記凹部23は、その内端から外端に向か
うにつれて周方向一方側となるようにした螺旋状である
とともに外端側に向かうにつれて幅を狭くして形成され
る溝である。しかも凹部23は、その横断面形状を三角
形状として形成されるものであり、逐うフィルタ23が
設けられている面に摺接する部材すなわちポンプ斜板1
9あるいはポンプ斜板ホルダ22の回転方向24に沿う
後方側の面23aは、前記ポンプ斜板19あるいはポン
プ斜板ホルダ2の回転に伴って潤滑油を導入し易くする
ために緩やかな斜面状に形成される。
【0012】このような凹部23…がスラスト軸受部材
201 の表裏二面に設けられることにより、ポンプ斜板
19およびスラスト軸受部材201 間、ならびにポンプ
斜板ホルダ22およびスラスト軸受部材201 間に潤滑
油を常時介在させることが可能となる。すなわち凹部2
3…に導入された潤滑油は、遠心力の作用により外端側
へと流動し、スラスト軸受部材201 とポンプ斜板19
およびポンプ斜板ホルタ22との間に、その全面にわた
って潤滑油を介在させて摺動抵抗を減少させることが可
能となる。
【0013】また図4を併せて参照して、ポンプ斜板1
9の外周とポンプ斜板ホルダ22との間には、円筒状で
あるラジアル軸受部材211 が介設される。このラジア
ル軸受部材211 の内外二面には、ポンプ斜板19およ
びポンプ斜板ホルダ22との間に潤滑油を貯留するため
の複数の凹部25…がそれぞれ設けられる。
【0014】前記凹部25は、その軸方向一端から他端
に向かうにつれて周方向一方側ととなるようにした横断
面三角形状の螺旋状に形成される溝である。しかも凹部
25は、横断面形状を三角形状として外端側に向かうに
つれて幅を狭くされる。
【0015】このような凹部25…がラジアル軸受部材
202 の内外二面に設けられることにより、ポンプ斜板
19およびスラスト軸受部材202 間、ならびにポンプ
斜板ホルダ22およびスラスト軸受部材202 間に潤滑
油を常時介在させて、摺動抵抗を減少させることができ
る。
【0016】このような油圧ポンプPにおいては、ポン
プ斜板19は、入力筒軸14の回転時、ポンププランジ
ャ18…に往復動を与えて吸入および吐出行程を繰返さ
せることができる。
【0017】油圧モータMは、ポンプシリンダ16と同
軸上で図1の左方に配置されるモータシリンダ27と、
該モータシリンダ27にその回転軸線を囲むように設け
られたモータシリンダ孔28…にそれぞれ摺動可能に嵌
合される複数のモータプランジャ29…と、各モータプ
ランジャ29…の外端を摺接させるモータ斜板30と、
スラスト軸受部材202 およびラジアル軸受部材212
を介して前記モータ斜板30を支承するモータ斜板ホル
ダ33と、該モータ斜板ホルダ33の背面を支承してケ
ーシング44に固定されるモータ斜板アンカ34とから
構成される。而してスラスト軸受部材202 は油圧ポン
プPにおけるスラスト軸受部材201 と同様に形成さ
れ、ラジアル軸受部材212 は油圧ポンプPにおけるラ
ジアル軸受部材211 と同様に形成される。
【0018】前記モータシリンダ孔28…は油圧ポンプ
Pにおけるポンプシリンダ孔17…と同数の奇数個がモ
ータシリンダ27に穿設される。また相互に当接するモ
ータ斜板ホルダ33およびモータ斜板アンカ34の対向
当接面は、モータシリンダ27の軸線と前記仮想トラニ
オン軸線O1 に平行なトラニオン軸線O2 との交点を中
心とする球面状に形成されており、モータ斜板ホルダ3
3は、前記トラニオン軸線O2 まわりの回動を可能とし
てモータ斜板アンカ34に支承される。
【0019】モータ斜板アンカ34のモータシリンダ2
7側端部には筒状のシリンダホルダ35が連設され、こ
のシリンダホルダ35とモータシリンダ27の外周との
間にはボールベアリング36が介設される。
【0020】さらにモータ斜板30には、パルスモータ
37に連結されているボールねじ機構38が連結されて
おり、パルスモータ37の作動に応じてボールねじ機構
38がモータシリンダ27の軸線方向に進退作動するこ
とにより、モータ斜板30がモータシリンダ27の軸線
に対し直角となる直立位置と、或る角度で傾倒する最大
傾斜位置との間でトラニオン軸線O2 まわりに回動せし
められる。而して、その傾斜状態では、モータシリンダ
27の回転に伴いモータプランジャ29…に往復動を与
えて膨脹および収縮行程を繰り返させることができる。
【0021】ポンプシリンダ16およびモータシリンダ
27は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構
成するものであり、このシリンダブロックBには、同軸
の出力軸41および軸42が一体に設けられる。すなわ
ちシリンダブロックBにおけるモータシリンダ27のモ
ータ斜板30に対向する部分の中心部から出力軸41が
一体に突設され、前記シリンダブロックBにおけるポン
プシリンダ16のポンプ斜板19に対向する部分の中心
部から前記出力軸41と同軸にして軸42が一体に突設
される。
【0022】軸42はポンプ斜板19を貫通するもので
あり、軸42およびポンプ斜板19間にはアンギュラコ
ンタクトボールベアリング43が介設される。
【0023】出力軸41は、モータ斜板30、モータ斜
板ホルダ33およびモータ斜板アンカ34を貫通するよ
うに延びており、モータ斜板アンカ34よりも軸方向外
方側で出力軸41には出力スプロケット46が固定され
る。またモータ斜板アンカ34と出力軸41との間には
アンギュラコンタクトボールベアリング47が介装され
る。
【0024】シリンダブロックBには、補給油路48を
形成する中心孔49が、軸42側および出力軸41を貫
通して同軸に設けられており、中心孔49の一端はねじ
栓50で閉塞される。
【0025】ポンプシリンダ16のポンプシリンダ孔1
7…群とモータシリンダ27のモータシリンダ孔28…
群との間において、シリンダブロックBの内周側には内
周環状油路11が形成され、シリンダブロックBの外周
側には内周環状油路11を同心に囲繞する外周環状油路
12が形成される。
【0026】内周環状油路11は、シリンダブロックB
の中心孔49内に挿入固定される円筒体51とシリンダ
ブロックBとの間に形成される。また外周環状油路12
は、ポンプシリンダ孔17…群およびモータシリンダ孔
28…群間におけるポンプシリンダ孔17…群寄りの部
分でシリンダブロックBの外周に設けられる環状凹部5
2aと、ポンプシリンダ孔17…群およびモータシリン
ダ孔28…群間におけるモータシリンダ孔28…群寄り
の部分でモータシリンダ孔28…に個別に対応してシリ
ンダブロックBの外周に設けられるとともに前記環状凹
部52aに共通に連なる多数の個別凹部52b…とを、
シリンダブロックBの外周にろう付けされるリング体5
3で共通に覆うことにより形成される。
【0027】図5および図6を併せて参照して、ポンプ
シリンダ16のポンプシリンダ孔17…群とモータシリ
ンダ27のモータシリンダ孔28…群との間におけるシ
リンダブロックBの内周環状油路11および外周環状油
路12間の環状隔壁、ならびにリング体53を放射状に
貫通するようにして、前記ポンプシリンダ孔17…と同
数の第1および第2弁孔57…,58…が設けられる。
しかも第1弁孔57…はポンプシリンダ孔17…群側に
配置され、第2弁孔58…はモータシリンダ孔28…群
側に配置される。
【0028】前記第1弁孔57…にはスプール型の第1
分配弁61…が、また前記第2弁孔56…には同じくス
プール型の第2分配弁62…がそれぞれ摺動自在に嵌合
される。そして、第1分配弁61…の外端にはそれらの
第1分配弁61…を囲む第1偏心輪63が、また第2分
配弁62…の外端にはそれら62…を囲む第2偏心輪6
4が、それぞれボールベアリグ65,66を介して係合
される。しかも第1分配弁61…の外端部は第1偏心輪
63と同心関係の第1強制輪67により相互に連結さ
れ、また第2分配弁62…の外端部は第2偏心輪64と
同心関係にある第2強制輪68により相互に連結され
る。
【0029】第1偏心輪63は入力筒軸14に一体に設
けられるものであり、図5に示すように仮想トラニオン
軸線O1 に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距
離ε 1 だけ偏心して配置される。また第2偏心輪64は
シリンダホルダ35に連設されるものであり、図6で示
すようにトラニオン軸線O2 に沿ってシリンダブロック
Bの中心から所定距離ε2 だけ偏心して配設される。
【0030】ここで第1分配弁61の作用について説明
すると、入力筒軸14とポンプシリンダ16すなわちシ
リンダブロックBとの間に相対回転が生じると、各第1
分配弁61は、第1偏心輪63により第1弁孔57にお
いて偏心量ε1 の2倍の距離をストロークとしてポンプ
シリンダ16の半径方向内方位置および外方位置間を往
復動される。そして、図5に示すように、油圧ポンプP
の吐出領域Dでは、第1分配弁61は前記内方位置側を
移動して、対応するポンプシリンダ孔17を外周環状油
路12に連通するとともに内周環状油路11と不通に
し、それにより吐出行程中のポンププランジャ18によ
りポンプシリンダ孔17から外周環状油路12へ作動油
が圧送される。また油圧ポンプPの吸入領域Sでは、第
1分配弁61は前記外方位置側を移動して、対応するポ
ンプシリンダ孔17を内周環状油路11に連通するとと
もに外周環状油路12と不通にし、それにより吸入行程
中のポンププランジャ18により内周環状油路11から
ポンプシリンダ孔17に作動油が吸入される。
【0031】また第2分配弁62の作用について説明す
ると、モータシリンダ27すなわちシリンダブロックB
が回転すると、各第2分配弁62は、第2偏心輪64に
より第2弁孔58において偏心量ε2 の2倍の距離をス
トロークとしてシリンダブロックBの半径方向内方位置
および外方位置間を往復動される。而して図6に示すよ
うに、油圧モータMの膨脹領域Exでは、第2分配弁6
2は前記内方位置側を移動し、対応するモータシリンダ
孔28を外周環状油路12に連通するとともに該モータ
シリンダ孔28および内周環状油路11間を不通にし、
それにより外周環状油路12から膨脹行程中のモータプ
ランジャ29のモータシリンダ孔28に高圧の作動油が
供給される。また油圧モータMの収縮領域Shでは、第
2分配弁62は前記外方位置側を移動し、対応するモー
タシリンダ孔28を内周環状油路11に連通するととも
に該モータシリンダ孔28および外周環状油路12間を
不通にし、それにより収縮行程中のモータプランジャ2
9のモータシリンダ孔28から内周環状油路12へ作動
油が排出される。
【0032】かくして、シリンダブロックBは、ポンプ
シリンダ16が吐出行程のポンププランジャ18を介し
てポンプ斜板19から受ける反動トルクと、モータシリ
ンダ27が膨脹行程のモータプランジャ29を介してモ
ータ斜板30から受ける反動トルクとの和によって回転
され、その回転トルクは出力軸41の出力スプロケット
46から出力される。
【0033】この場合、入力筒軸14に対する出力軸4
1の変速比は、{変速比=1+(油圧モータMの容量/
油圧ポンプPの容量)で与えられる。したがって、油圧
モータMの容量を零から或る値に変えれば、変速比を1
から或る必要な値まで変えることができる。しかも、そ
の油圧モータMの容量はモータプランジャ29のストロ
ークにより決定されるので、モータ斜板30を直立位置
から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比を1
から或る値まで無段階に制御することができる。
【0034】図7を併せて参照して、シリンダブロック
Bの外周部において、周方向にたとえば120度ずつの
等間隔をあけた位置で、相互に隣接する第1弁孔57,
57間ならびに第2弁孔58,58間には、クラッチ弁
69…がシリンダブロックBの軸線と平行な方向にかつ
外周環状油路12の環状凹部52aを横切るようにして
往復動可能として配設される。すなわちシリンダブロッ
クBの前記外周部には、基本的に棒状に形成されている
クラッチ弁69を摺動自在に嵌合するための3つの摺動
孔70…がシリンダブロックBの軸線と平行にして周方
向等間隔位置に穿設される。またシリンダブロックBに
は、内端を内周環状油路11に開口させるとともに外端
をリング体53で閉塞されるようにして半径方向に延び
るとともに前記各摺動孔70…を横切る3つの連通孔7
1…と、座ぐり加工により外周環状油路12における環
状凹部52aを半円状に掘り下げて形成される3つの凹
部72…とが設けられる。
【0035】クラッチ弁69…の一端には、シリンダブ
ロックBにおけるモータシリンダ27を囲繞する操作輪
73の内周にそれぞれ連結される。またモータ斜板アン
カ334には、シリンダブロックBの軸線方向に沿って
移動可能な操作軸74が支承されており、この操作軸7
4の一端にはボールベアリング75を介して操作輪73
が連結される。さらに操作軸74の他端には、シリンダ
ブロックBの軸線とは直交する軸線を有するとともに図
示しないクラッチレバーの操作に応じて回動する回動軸
76が連結される。
【0036】このようなクラッチ弁69…は、前記クラ
ッチレバーの操作により、内周環状油路11に通じる連
通孔71…および外周環状油路12間を遮断するクラッ
チオン位置と、該クラッチオン位置から図5の右方に前
進して前記連通孔71…および外周環状油路12間を連
通するクラッチオフ位置と、該クラッチオフ位置からさ
らに前進して前記連通孔71…および外周環状油路12
間を連通するとともに連通孔71…および外周環状油路
12を外部に開放する連通・放出位置とを切換可能にし
て移動することになる。
【0037】再び図1において、シリンダブロックBに
おいて一端をねじ栓50で閉塞された中心孔49の他端
側には、オイルフィルタ77が嵌入、固定され、該オイ
ルフィルタ77には、油溜78から補給ポンプ79で汲
み上げた作動油が供給され、補給ポンプ77は入力筒軸
14に設けられたギヤ80によって駆動される。また軸
42には、補給油路48内の油を潤滑油としてポンプ斜
板19側に向けて噴出ための噴出孔83が穿設され、出
力軸41には、補給油路48内の油を潤滑油としてモー
タ斜板30側に向けて噴出するための噴出孔84が穿設
される。
【0038】ところで、シリンダブロックBの中心孔4
9内には円筒体51が圧入され、円筒体51とシリンダ
ブロックBとの間には、内周環状油路11が形成される
とともに、シリンダブロックBに設けられた連通路88
を介して外周環状油路12に通じる環状連絡油路87が
形成される。また円筒体51には、該円筒体51で補給
油路48を区画するのを避けるための連通孔89が偏心
した位置で軸方向に両端間にわたって穿設される。
【0039】円筒体51内には、内周環状油路11から
補給油路48への作動油の逆流を阻止する第1チェック
弁91と、外周環状油路12すなわち環状連絡油路87
から補給油路48への作動油の逆流を阻止する第2チェ
ック弁92と、外周環状油路12の油圧の過大上昇を防
止すべく外周環状油路12すなわち環状連絡油路87な
らびに内周環状油路11間に介設される調圧弁93とが
設けられる。
【0040】このような静油圧式無段変速機によると、
油圧ポンプPにおけるポンプ斜板19とポンプ斜板ホル
ダ22との間には、平板状のスラスト軸受部材201
よび円筒状のラジアル軸受部材211 が介設され、油圧
モータMにおけるモータ斜板30とモータ斜板ホルダ3
3との間には平板状のスラスト軸受部材202 および円
筒状のラジアル軸受部材212 が介設され、スラスト軸
受部材201 ,202には複数の凹部23…が表裏二面
に、またラジアル軸受部材211 ,212 には複数の凹
部25…が内外二面にそれぞれ設けられる。したがって
アンギュラコンタクトベアリングおよびラジアルニード
ルベアリングを用いていた従来のものと比べると、充分
な潤滑を得ながら構造を単純化することができ、しかも
各軸受部材201 ,202 ,211 ,212 は摺動面積
が大きいので面圧を低くすることができることに起因し
て厚みを小さく設定可能であり、それにより油圧ポンプ
Pおよび油圧モータMの小型化に寄与することができ
る。
【0041】図8および図9は第2実施例のスラスト軸
受部材を示すものであり、図8はスラスト軸受部材の平
面図、図9は図8の9−9線断面図である。
【0042】このスラスト軸受部材203 の表裏二面に
は、螺旋状である複数の凹部24…と、円形の窪みであ
る複数の凹部95…と、有底の長穴状である複数の凹部
96…と、表裏二面で相互に連通する円形の凹部97…
とがそれぞれ設けられる。
【0043】この第2実施例によると、凹部95…,9
6…に潤滑油を貯留して摺接面の発熱を抑えることがで
き、また凹部97…によりスラスト軸受部材203 の両
面への摺接面圧をほぼ均等にすることができる。
【0044】図10は第3実施例のスラスト軸受部材を
示すものであり、このスラスト軸受部材204 における
表裏二面には、螺旋状である複数の凹部24…に加え
て、螺旋状にして外端を閉じた長短二種類の溝状である
凹部98…、99…が設けられ、それらの逐うフィルタ
98…,99…の深さは外方に向かうにつれて浅く形成
されている。
【0045】この第3実施例によると、凹部98…,9
9…に入った潤滑油を遠心力の作用により外方へと流動
させることにより、凹部98…,99…の外端部から溢
れ出させ、それによるフローテイング効果により充分な
潤滑作用を得ることができる。
【0046】またラジアル軸受部材についても、図11
で示すラジアル軸受部材213 に円形の窪みである複数
の凹部100…を設けるようにしてもよく、また図12
で示すラジアル軸受部材214 に内端を閉じた螺旋状の
溝である凹部101…,102…をそれぞれ複数ずつ設
けるようにしてもよい。
【0047】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行なうことが可能である。
【0048】たとえば、ラジアル軸受部材およびスラス
ト軸受部材のいずれか一面のみに凹部を設けるようにし
てもよい。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、斜板の外
周および斜板ホルダ間には円筒状のラジアル軸受部材が
介設され、斜板のシリンダとは反対側の端面および斜板
ホルダ間には平板状のスラスト軸受部材が介設され、両
軸受部材の少なく一面には、潤滑油を貯留可能な複数の
凹部が凹設されるので、確実な潤滑を可能としながら、
斜板の斜板ホルダへの支承構造を単純化するとともに小
型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の静油圧式無段変速機の拡大横断平
面図である。
【図2】スラスト軸受部材の平面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】ラジアル軸受部材の斜視図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】図1の6−6線断面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】第2実施例のスラスト軸受部材の平面図であ
る。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】第3実施例のスラスト軸受部材の平面図であ
る。
【図11】第4実施例のラジアル軸受部材の側面図であ
る。
【図12】第5実施例のラジアル軸受部材の側面図であ
る。
【符号の説明】
16・・・・・・ポンプシリンダ 17・・・・・・ポンプシリンダ孔 18・・・・・・ポンププランジャ 19・・・・・・ポンプ斜板 201 〜204 ・・・・・・スラスト軸受部材 211 〜214 ・・・・・・ラジアル軸受部材 22・・・・・・ポンプ斜板ホルダ 27・・・・・・モータシリンダ 28・・・・・・モータシリンダ孔 29・・・・・・モータプランジャ 30・・・・・・モータ斜板ホルダ 23,25,95〜102・・・・・・凹部 O1 ,O2 ・・・・・・トラニオン軸線 M・・・・・・斜板式油圧作動装置としての油圧モータ P・・・・・・斜板式油圧作動装置としての油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹尾 勇 宮城県角田市角田字牛館2−110 (72)発明者 佐々木 英喜 宮城県古川市七日町9−5 (72)発明者 野田 哲 宮城県角田市角田字流159−1−204

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(44)に回転自在に支承さ
    れたシリンダ(16,27)に多数のシリンダ孔(1
    7,28)が環状配列で設けられ、前記シリンダ(1
    6,27)の軸線に直交するトラニオン軸線(O1 ,O
    2 )を中心として前記軸線に対して傾斜した状態で斜板
    ホルダ(22,33)に支承されたリング状の斜板(1
    9,30)の前面に、前記シリンダ孔(17,28)に
    それぞれ摺動可能に嵌合されるプランジャ(18,2
    9)の端部が当接、係合される斜板式油圧作動装置にお
    いて、斜板(19,30)の外周および斜板ホルダ(2
    2,33)間には円筒状のラジアル軸受部材(211
    214 )が介設され、斜板(19,30)のシリンダ
    (16,27)とは反対側の端面および斜板ホルダ(2
    2,33)間には平板状のスラスト軸受部材(201
    204 )が介設され、両軸受部材(201 〜204 ,2
    1 〜214 )の少なくとも一面には、潤滑油を貯留可
    能な複数の凹部(23,25,95,96,97,9
    8,99,100,101,102)が凹設されること
    を特徴とする斜板式油圧作動装置。
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