JPH0641880U - フープ材の液切りノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の且つ比較的低圧の圧縮空気でもフープ
材表裏面の洗浄液を十分に且つ均一に除去することがで
きるフープ材の液切りノズルを提供する。 【構成】 帯状のフープ材１が通過する通路１０と、こ
の通路のフープ材入り口側に設けられ進行する前記フー
プ材に向かう方向にガスを吐出し前記通路を負圧にする
ガス吐出部７と、ガス吐出部に連通するガス供給口３
と、通路のフープ材出口側に設けられ通路内の負圧によ
り外気を吸引する吸気開口部５とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は帯状のフープ材の表裏面に付着した圧延油等を洗浄した後、その表裏 面に残留する洗浄液をガスの吹き付けにより除去するフープ材の液切りノズルに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来のフープ材の液切りノズルを示す図であり、図３（ａ）はフープ材 １の進行方向の前方から後方に向けて見た図、図３（ｂ）はフープ材１の進行方 向に垂直の方向から見た図である。フープ材１は帯状をなし、その表裏面に付着 している圧延油等は洗浄工程にて洗浄除去される。この洗浄後のフープ材の表裏 面には、洗浄液が残留しており、洗浄工程の後に、この残留洗浄液を除去する必 要がある。

【０００３】 図３に示す液切りノズルにおいては、吐出口２１の１点からエアーを円錐状に 噴射するフープ液切りノズル２０がその吐出方向をフープ材１の進行方向（矢印 方向）に向かう方向に向けフープ材１の表面に対して傾斜させて設けられている 。

【０００４】 この従来の液切りノズルにおいては、１点から円錐状に圧縮エアーを吐出する ので、その圧縮エアーの噴射領域が均一ではなく、洗浄液の除去にむらが生じ易 い。また、洗浄液を除去するためには、高度に圧縮した空気を使用する必要があ り、このため圧縮エアーの供給装置のコストが高い。

【０００５】 そこで、従来、図４に示すように、ノズル２２の中心部をフープ材１が通過し 、フープ材１の全周にエアーを吹き付けるようにした液切りノズルが開発されて いる。この図４に示す液切りノズル２２は、その本体２５の中心部に矩形断面の 孔からなる通路２６を設け、この通路２６を帯状のスープ材１が矢印方向に連続 的に通過するようにしたものである。この本体２５には、エアー吸入口２３を設 けた筒状の支持部材２７が嵌合されており、この支持部材２７はそのフープ材進 行方向の出口側でボルト２８により本体２５に固定されている。また、支持部材 ２７のフープ材進行方向の入り口側の面にはその中心部に傾斜面を有する開口を 設けた平板状の部材２９がボルト３０により固定されている。また、本体２５の フープ材進行方向の入り口側の部分はその垂直断面において端面が傾斜しており 、部材２９の開口傾斜面と、本体２５の傾斜端面との間で、エアーの吐出口２４ が構成されている。

【０００６】 このように構成された液切りノズルにおいては、フープ材１が矢印方向に進行 する間に、エアー吸入口２３から供給されたエアーが吐出口２４で絞られて断面 が矩形のフープ材１の面にその全周に亘って吹き付けられる。これにより、フー プ材１の表裏面に付着していた洗浄液が吐出エアーにより吹き飛ばされて除去さ れる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の液切りノズルにおいては、フープ材１の表裏面に矩 形リング状のエアー吐出口２４からエアーを吹き付けるので、フープ材１の表裏 面に均一にエアーを吹き付けることができるものの、フープ材１の表裏面に付着 した洗浄液を完全に吹き飛ばして除去するためには、大量の且つ高圧のエアーを 吐出口２４から吐出させる必要がある。このため、エアーの供給装置のコストが 高いという欠点は解消されていない。

【０００８】 本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、少量の且つ低圧のエア ーでもフープ材表裏面の洗浄液を十分に除去することができるフープ材の液切り ノズルを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るフープ材の液切りノズルは、帯状のフープ材が通過する通路と、 この通路のフープ材入り口側に設けられ進行する前記フープ材に向かう方向にガ スを吐出し前記通路を負圧にするガス吐出部と、前記ガス吐出部に連通するガス 供給口と、前記通路のフープ材出口側に設けられ前記通路内の負圧により外気を 吸引する吸気開口部とを有することを特徴とする。

【００１０】

【作用】

本考案においては、ガス供給口から供給された圧縮ガスをガス吐出部からフー プ材に向けて吐出させると、このガスの吐出によりフープ材の通路に負圧が発生 する。そうすると、フープ材出口側に設けられた吸気開口部内に前記負圧により 周辺のガスが吸引され、これがフープ材の表裏面をフープ材の進行方向と逆方向 に通流する。これにより、このガス吸気開口部から吸引された外気がガス供給口 から供給されたガスと共に前記ガス吐出部にてフープ材表裏面の残留洗浄液を吹 き飛ばして除去する。このため、ガス供給口から供給するガスは圧力が従来ほど 高くなくても洗浄液を高効率で除去することができる。また、ガスの供給量も少 なくて足りる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。

【００１２】 図１は本考案の実施例に係る液切りノズルを示す縦断面図である。図１に示す ように、この液切りノズル２の本体８は、そのフープ材入り口側の中央にフープ 材１の通路１０となる矩形の開口部を有し、フープ材出口側には外気吸引用の吸 気開口部５が形成されている。この本体８には、支持部材９がボルト８ａにより 固定されており、更にこの支持部材９のフープ材入り口側には、中央にフープ材 通路となると共に、ガス吹き出し口となる矩形の開口部４を有する部材６がボル ト９ａにより固定されている。支持部材９にはエアー供給口３が設けられており 、部材６にはフープ材１の通路及びガス吐出口となる矩形の開口部を形成するた めの凸部がその中央に設けられている。

【００１３】 そして、本体８のフープ材入り口側の端面は傾斜しており、この傾斜端面に対 向する部材６の本体側端面も本体８の傾斜端面と同様の角度で傾斜している。こ の本体８の傾斜端面と部材６との間の間隙により、ガスの吐出部７が形成されて いる。

【００１４】 このように構成されたフープ材の液切りノズルにおいては、エアー供給口３を 介して圧縮空気を供給すると、吐出部７で絞られて通路４を通過するフープ材１ に吹き付けられる。このエアーの吐出により、通路４が負圧になり、吸気開口部 ５も負圧になる。これにより、外気が吸気開口部５内に吸引され、更に通路４を 介して外気が開口部４に吸引されて、この外気が吐出部７を介して供給された圧 縮空気と共にフープ材１の表裏面に吹き付けられる。これにより、ガス供給口３ に供給すべき圧縮空気の圧力が低く、その風量が少なくても、フープ材１の表裏 面の残留洗浄液を十分に吹き飛ばして除去することができる。また、本実施例に おいては、部材６の中央に凸部が設けられていて吐出部７を介して吐出された圧 縮空気が前記凸部により形成される開口部４をフープ材１の長手方向にその表裏 面に沿って通流する。このため、フープ材１の表裏面の付着物の除去効果が高め られる。

【００１５】 図２は本考案の他の実施例に係る液切りノズル１２を示し、（ａ）はその縦断 面図、（ｂ）はその水平断面図、（ｃ）はフープ材の入り口側からみた側面図、 （ｄ）はフープ材の出口側からみた側面図である。本実施例は、部材６と本体８ との間の間隙により形成される圧縮空気の吐出部１７が図１に示す吐出部７より も狭く、圧縮空気がこの吐出部１７でより一層圧縮されてフープ材に吹き付けら れる。このため、洗浄液の除去効率が更に一層高くなる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、圧縮空気の圧力が従来より低く、風量 が少なくても、フープ材の表裏面の残留洗浄液を高効率で均一に除去することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るフープ材の液切りノズル
を示す断面図である。

【図２】本考案の他の実施例に係るフープ材の液切りノ
ズルを示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は水平断面図、
（ｃ），（ｄ）は側面図である。

【図３】従来の液切りノズルを示す断面図である。

【図４】従来の他の液切りノズルを示す断面図である。

【符号の説明】

１；フープ材 ２，１２，２０，２２；液切りノズル ３，２３；圧縮空気の供給口 ４；開口部 ５；吸気開口部 ６；部材 ７，１７；吐出口 ８；本体 ９；支持部材 １０；通路 ２４；エアー吐出口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状のフープ材が通過する通路と、この
   通路のフープ材入り口側に設けられ進行する前記フープ
   材に向かう方向にガスを吐出し前記通路を負圧にするガ
   ス吐出部と、前記ガス吐出部に連通するガス供給口と、
   前記通路のフープ材出口側に設けられ前記通路内の負圧
   により外気を吸引する吸気開口部とを有することを特徴
   とするフープ材の液切りノズル。