JPH0641786A - 耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板およびその製造方法

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JPH0641786A
JPH0641786A JP19858592A JP19858592A JPH0641786A JP H0641786 A JPH0641786 A JP H0641786A JP 19858592 A JP19858592 A JP 19858592A JP 19858592 A JP19858592 A JP 19858592A JP H0641786 A JPH0641786 A JP H0641786A
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JP
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tin
steel sheet
layer
blackening
resistance
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JP19858592A
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Inventor
Toshio Sato
藤 利 夫 佐
Toshimichi Ukiana
穴 俊 通 浮
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板を提供
することおよびそのような缶用錫めっき鋼板の製造方法
を提供すること。 【構成】鋼板表面に錫鉄合金層を介して形成された金属
錫層の上に錫、錫酸化物および水和クロム酸化物を混在
させた層が形成されていることを特徴とする耐硫化黒変
性に優れた缶用錫めっき鋼板。鋼板表面に錫めっきして
からリフロー処理し、引き続き活性錫めっき処理を行っ
た後、クロメート処理することを特徴とする耐硫化黒変
性に優れた缶用錫めっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筍、蕗等の硫化物を多
く含む内容物用の缶類を製造するための鋼板として、内
面無地に使用することのできる良好な耐硫化黒変性を有
する錫めっき鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫化黒変とは蛋白質食品中の硫黄と缶内
面の錫、鉄が反応して、青紫色または黒色のSnS、F
eSなどの硫化物を生じて食品を汚染するものである。
この対策として一般にリフロー処理した錫めっき鋼板表
層に水和クロム酸化物等を形成したぶりきが用いられて
いる。
【0003】しかし、前記のようなクロメート処理を施
して水和クロム酸化物層を形成した錫めっき鋼板を使用
して缶体を形成し、筍等の缶詰とした場合、缶体におい
て内容物の接している部分および加工部は硫化黒変を生
ずることを避け得ない。この対策が特開昭63−199
895に於いて開示されている。
【0004】具体的には、(1) 鋼板表面に錫鉄合金層を
介して形成された金属錫層と、クロメート処理による水
和クロム酸化物を主体とした被覆層下面の主として錫酸
化物より成る層との間に、金属錫と主に錫酸化物との混
在した介在層を形成した缶用錫めっき鋼板、および、
(2) 鋼板表面に錫鉄合金層を介して形成された金属錫層
と、クロメート処理もしくはクロム酸処理による水和ク
ロム酸化物と金属クロムを主体とした被覆層下面の主と
して錫酸化物より成る層との間に、金属錫と主に錫酸化
物との混在した介在層を形成した缶用錫めっき鋼板、を
提案し、このような缶用錫めっき鋼板をリフロー処理前
に陽極電解処理を行うことにより得ている。
【0005】しかしながら、上記提案では陽極電解処理
によって外観が若干損なわれること、さらにはリフロー
処理により生成した錫酸化物がその後のクロメート処理
までの間に成長してしまい効果が半減するなどの問題が
ある。従って、硫化黒変について一層向上した解決法の
出現が強く要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板を提供
することであり、第2の目的はその様な鋼板の製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第1の目的
は、鋼板表面に錫鉄合金層を介して形成された金属錫層
の上に錫、錫酸化物および水和クロム酸化物を混在させ
た層が形成されていることを特徴とする耐硫化黒変性に
優れた缶用錫めっき鋼板により達成され、第2の目的は
鋼板表面に錫めっきしてからリフロー処理し、引き続き
活性錫めっき処理を行った後、クロメート処理すること
を特徴とする耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板の
製造方法により達成される。
【0008】以下、本発明の構成を詳述するがより好ま
しい態様およびそれに基づく利点が明らかとなろう。
【0009】本発明の缶用錫めっき鋼板 従来の缶用錫めっき鋼板は図2に示すように鋼板1上に
錫・鉄合金層2を介して形成された金属錫層3上にリフ
ロー処理などで得られた錫酸化物膜層4を主体とした層
を介して、クロメート処理による水和クロム酸化物を主
としたクロメート層5および油膜7が形成されたもので
ある。
【0010】一方、本発明の錫めっき鋼板は、図1に示
すような層構成の鋼板である。つまり鋼板1上に錫鉄合
金層2を介して形成された金属錫層3が形成され、その
上に錫および錫酸化物と水和クロム酸化物の混在層6が
形成され油膜7が存在する。
【0011】このような、本発明の缶用鋼板は錫、錫酸
化物および水和クロム酸化物の混在層が存在することに
特徴があり、それ故缶内面における局部的異常腐食を抑
えることが可能である。すなわち、従来の錫めっき鋼板
の場合、錫酸化物が水和クロム酸化物にほぼ完全に被覆
されており、製缶時の微小疵あるいは内容物の接触によ
る局部腐食が進行する。しかし、本発明のように錫およ
び錫酸化物と水和クロム酸化物が混在する場合は、内容
物(内容液)による腐食を露出している錫および錫酸化
物が均一に受け、全体としてうっすらと黒っぽい表面を
呈するだけで局部的な異常腐食が進行しないからであ
る。
【0012】なお、耐硫化黒変性を重視される面は缶詰
の内容物に接する内面である。従って、本発明の錫めっ
き鋼板においては、缶の内側になる面および缶の外側に
なる面について次の形式がある。
【0013】その一つは、缶の内外面ともに錫、錫酸化
物および水和クロム酸化物の混在層が存在するものであ
り、ほかの一つは缶の内面にだけ該混在層が存在するも
のである。どの形式とするかまた各成分をどのくらいの
量にするかは缶の内容物缶外面の塗装(紙巻)等の条件
によって異なる。製造時に各面の電解条件を調整するこ
とによりこれらを制御できる。
【0014】通常は、錫鉄合金層は0.20〜1.50
g/m2 、金属錫層は1.5g/m 2 以上、錫、錫酸化
物および水和クロム酸化物が混在する層は0.5〜6
0.0mg/m2 である。
【0015】本缶用錫めっき鋼板の製法 以上の本発明の耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板
を得るには鋼板を錫めっき後、リフロー処理を行い、そ
のあとで活性Snめっきを行い、クロメート処理後、
錫、錫酸化物および水和クロム酸化物の混在層を形成せ
しめることにより得られる。
【0016】前記リフロー処理で発生した錫酸化物皮膜
を活性錫めっき処理で発生した活性なH2 ガスにより除
去し、錫および錫酸化物を析出させ、リンス後、クロメ
ート処理により水和クロム酸化物を混在した層が得られ
る。このとき、リフロー処理のすぐあとでアルカリ浴中
で陰極電解処理を施すことができる。この陰極電解処理
により、活性錫めっきの際に、リフロー処理で発生した
錫酸化物皮膜の除去が促進される。
【0017】ここで、活性錫めっき処理は、Snイオン
濃度1.5〜10g/l、pH0〜0.5の強酸性錫め
っき浴を用いて電流密度を1〜50A/dm2 で行うことが
好ましい。この活性錫めっき処理浴のSnイオンは、硫
酸錫、塩化錫、ホウフッ化錫、ピロリン酸錫、フッ化錫
等の錫化合物を用いて供給され、酸としては硫酸、塩
酸、フッ酸、ホウフッ酸等の無機酸あるいはフェノール
スルフォン酸、クレゾールスルフォン酸等の有機酸をそ
れぞれ単独あるいは混合して用いることができる。
【0018】活性錫めっき浴中のSnイオンの濃度は
1.5〜10g/l、特には1.5〜5g/lが好まし
い。Snイオン濃度がこの範囲であれば錫が析出しやす
く外観も優れる。浴中の水素イオン濃度はpHが0〜
0.5が好ましいがこの範囲であれば活性なH2 ガスの
発生が十分であり、密着力の十分なSnめっきが得られ
る。めっき電流密度は1〜50A/dm2 が好ましいがこの
範囲であれば活性なH2 ガスの発生効率がよく、発熱等
の問題もない。めっき温度は30〜50度が好ましい範
囲である。Snめっき量は水和クロム酸化物量にもよる
が錫および錫酸化物として60mg/m2 以下が好ましい。
また、浴中にオキシエチレン鎖、
【数1】 を有する界面活性剤、例えばエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、エトキシ化αナフトール等を0.
1〜10g/l程度含有させることにより、錫の析出状
態がよくなるため有効である。
【0019】
【実施例】以下、具体的に実施例を以って本発明を説明
する。 (実施例、比較例)0.22mm厚のぶりき原板(鋼
板)をアルカリ液中で電解脱脂し、且つ硫酸液中で酸洗
した後、ハロゲン錫めっき液にてSnめっきを行った。
その後、最高温度250℃でリフロー処理を行い、陰極
電解処理を行った後、活性Snめっき処理、クロメート
処理を行った。
【0020】以上のようにして得られた錫めっき鋼板を
硫化カリウム、硝酸、乳酸の混合液中で125℃×60
分間レトルト処理を行い、エリクセン加工部と平面部の
黒変の程度を目視で評価した(○は特に良いものを示
し、△は良いものを示し、×は不良のものを示す)。各
処理の条件および結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明によって筍、蕗等硫化物を多く含
む内容物の硫化黒変に有効な缶用錫めっき鋼板が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の錫めっき鋼板の断面模式図である。
【図2】 従来の錫めっき鋼板の断面模式図である。
【符号の説明】 1 鋼板 2 錫鉄合金層 3 金属錫層 4 錫酸化膜層 5 クロメート層 6 錫、錫酸化物および水和クロム酸化物の混在層 7 油膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面に錫鉄合金層を介して形成された
    金属錫層の上に錫、錫酸化物および水和クロム酸化物を
    混在させた層が形成されていることを特徴とする耐硫化
    黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板。
  2. 【請求項2】鋼板表面に錫めっきしてからリフロー処理
    し、引き続き活性錫めっき処理を行った後、クロメート
    処理することを特徴とする耐硫化黒変性に優れた缶用錫
    めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記活性錫めっき処理において、Snイオ
    ン1.5〜10g/lを含み、pH0〜0.5である強
    酸性錫めっき浴を用いて1〜50A/dm2 の電流密度で錫
    めっきを行うことを特徴とする請求項2に記載の耐硫化
    黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板の製造方法。
JP19858592A 1992-07-24 1992-07-24 耐硫化黒変性に優れた缶用錫めっき鋼板およびその製造方法 Withdrawn JPH0641786A (ja)

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