JPH0641576B2 - 光学素子の接着方法 - Google Patents

光学素子の接着方法

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JPH0641576B2
JPH0641576B2 JP62232451A JP23245187A JPH0641576B2 JP H0641576 B2 JPH0641576 B2 JP H0641576B2 JP 62232451 A JP62232451 A JP 62232451A JP 23245187 A JP23245187 A JP 23245187A JP H0641576 B2 JPH0641576 B2 JP H0641576B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学素子の接着方法に関し、更に詳しくは接着
用剤に所定の屈折率または分光特性などの光学特性が要
求される場合の透過性を有する光学素子の接着方法に関
する。
〔従来の技術〕
従来より、透過光学系に用いられる光学素子、例えばレ
ンズ,プリズム等の接着にはバルサム,加熱又は室温硬
化タイプエポキシ樹脂系接着剤や種々の紫外線硬化型接
着剤等の有機系接着剤や特許出願61-139974,61-139975,
61-139976等に記載されている金属アルコキシドを加水
分解したものを利用した接着剤が使用されてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来より使用されてきた接着剤を用いる
と屈折率が狭い範囲に限定されてしまうため、被接着体
(光学素子)と接着層との屈折率差が生じ、接着界面で
の透過光量減少やフレアの発生等の無視できない光学特
性の低下原因となる。更に金属アルコキシドを用いる場
合はたとえ被接着体との屈折率マッチングは可能であっ
ても、接着作業上の繁雑さや被着物材質面での温度制約
で加熱不足に起因する接着不良,接着層経時変化に起因
する光学特性変動等の問題を有していた。また、更に、
硬化時の加熱が不充分だと248nmkrFレーザー光を透過す
る際に、接着剤中の未反応成分や残留溶剤が吸光・発熱
して、気泡発生等の接着層破壊を生じ界面反射による透
過率低下を引き起すという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであり、その
目的は、接着層の屈折率の選択自由度が広く、またレー
ザー等に対する接着層の耐久性が優れ、室温程度の温度
において接着が可能でり、接着作業が簡易であり、光学
的特性の経時変化が生じないもしくは少ない光学素子の
接着に好適な新規な方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、光学素子の接着すべき面同士を無
機塩類を含む液体を介して互いに密接させた後、室温に
おいて該無機塩類を固化してこれら光学素子を該接着面
で接着することを特徴とする光学素子の接着方法により
達成される。
本発明に用いる接着剤としての無機塩類は、後述するよ
うな方法等によって液化および固化することができるも
のを用いる。本発明の方法を用いる光学素子の接着後の
接着層に必要とされる光学的特性(屈折率、分光透過性
など)に応じて、接着剤としての無機塩類の種類を適宜
選定すればよく、しかもその選定範囲は従来用いられて
いた有機系接着剤に比べて、以下のように非常に広い範
囲を有する。
本発明に用いることのできる無機塩類は、例えば塩化ナ
トリウム,塩化カリウム等の種々塩化物、フッ化ナトリ
ウム,フッ化リチウム,フッ化マグネシウム,フッ化カ
ルシウム,フッ化バリウム,フッ化ランタン等の種々の
フッ化物、ヨウ化カリウム等種々のヨウ化物、臭化カリ
ウム等種々の臭化物などのハロゲン化物、ADP(リン
酸二水素アンモニウム),KDP(リン酸二水素カリウ
ム)等のリン酸塩類や、種々の亜リン酸塩類、その他種
々の炭酸塩類,硫酸塩類等広範な塩類が挙げられ、それ
らの中から単独もしくは2種類以上の組み合せで使用さ
れる。
なお、例えば上述の無機塩類をその屈折率、248nm光の
透過率により分類すると以下のようになる。
屈折率の範囲 無機塩類(屈折率) 1.30〜1.49 フッ化ナトリウム(1.36) フッ化マグネシウム(1.41) フッ化リチウム(1.42) フッ化カルシウム(1.47) 1.50〜1.69 フッ化バリウム(1.51) KDP(1.57) ADP(1.58) 塩化カリウム(1.59) 塩化ナトリウム(1.65) フッ化ランタン(1.67) 1.70〜1.89 臭化カリウム(1.73) 1.90〜2.09 ヨウ化カリウム(2.05) 248nm透過率の範囲 無機塩類(透過率) 70%未満 ヨウ化カリウム(30%) 臭化カリウム(57%) 71〜89% 塩化カリウム(75%) フッ化ランタン(85%) KDP(85%) ADP(86%) フッ化バリウム(87%) 塩化ナトリウム(88%) 90%以上 フッ化カルシウム(90%) フッ化リチウム(92%) フッ化マグネシウム(92%) 以下、本発明の接着方法を更に詳しく説明する。まず、
先に挙げたような無機塩類の群の中から所望の光学特性
を有する無機塩類を選出し、後述する適当な方法で液化
する。
本発明の無機塩類の液化方法としては、用いる無機塩類
の特性および使用環境に応じて通常用いられる適当な方
法を用いればよく、例えば以下のような方法等を単独
で、または併用して用いることができる。
溶媒による溶解,分散,乳化,コロイド化など 大気にさらすことによる潮解 熱による融解 したがって、本発明でいう無機塩類を含む液体とは、こ
れら〜の方法に代表されるような方法等により液体
状態とした無機塩類をいう。
このようにして得た無機塩類を含む液体を被接着材とし
ての二つの光学素子の一方または両方の接着面に滴下
し、その接着面を互いに密接させる。その際には、その
液体中に気泡が混入しないようにその工程を行うことが
望ましい。また、本発明は二つの光学素子の接着に限定
されるものではなく、三つ以上の光学素子を同時に接着
しても構わない。また、無機塩類を含む液体を接着面上
に滴下する代わりに、例えば塗布,噴霧等の方法を用い
てもよい。
以上のようにして、無機塩類を含む液体を介して互いに
密接された光学素子における液体を後述する適当な方法
によって固化することにより、その光学素子同士を接着
固定することができる。本発明の無機塩類を含む液体の
室温における固化方法としては、無機塩類を液化する際
に用いた方法、その無機塩類の特性および使用環境に応
じて通常用いられる適当な方法を用いればよく、例えば
以下のような方法等を単独でまたは併用して用いること
ができる。
真空乾燥,乾燥剤による乾燥などによる溶媒の除去 遠心分離,超音波凝集などによる溶媒の分離 冷却による再結晶化 したがって、本発明でいう固化とは、これら〜の方
法に代表されるような方法によって固体化させ接着機能
を示すようにすることをいう。
本発明の接着方法は、特に短波長光(248nm以下程度)
を透過する光学素子に利用する場合に有用である。本発
明の方法により接着できる光学素子としては、例えば石
英ガラス,フッケイクラウン,ホウケイクラウン,重リ
ン酸クラウン,重バリウムクラウン,バリウムクラウ
ン,軽バリウムフリント,特重バリウムクラウン,バリ
ウムフリント,重バリウムフリント等の各種ガラス、あ
るいはPMMA,PC等のプラスチックなどの光学素子
(光学素子部品を含む)を挙げることができ、更には、
その接着面に、ZrO2,SiO2,MgF2,Al2O3,TiO2,ZnS,
CeO2,CeF2,SiO,Ta2O5等の膜を被覆してもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
第1図はプリズムタイプの偏光ビームスプリッターを示
す模式的断面図である。石英ガラスよりなる三角プリズ
ム1の被接着面側にはZrO2膜3がコーティングされてお
り、その膜3と石英ガラスよりなる三角プリズム2の被
接着面とが本発明による無機塩類の接着層4を介して互
いに接着固定されている。このような偏光ビームスプリ
ッターを作製するための本発明の実施例を以下で説明す
る。
実施例1 塩化ナトリウム飽和水溶液を、一方のプリズムの被接着
面上に適量滴下し、他方のプリズムの被接着面に密接さ
せ、その状態を保持したままデシケーターに入れ、常
圧,室温(約23℃)において3日間放置してその水溶液
の水分を除去し、塩化ナトリウム固形物を析出させた。
このようにして得た偏光ビームスプリッターの接着層4
の約20℃の温度下における屈折率は1.55(500nm)、分光
透過率は90%以上(250nm〜3000nm)であり、透過量減
少やフレア発生もない良好な偏光ビームスプリッターで
あった。
更に、上記光学特性測定後、その偏光ビームスプリッタ
ーを室温において3か月間放置し、上記測定を再度実施
したところ、屈折率および分光透過率の値の変化は無
く、本発明による偏光ビームスプリッターが経時変化の
無い安定した光学特性を有するものであることが確認で
きた。
更に、この偏光ビームスプリッターの接着層4に248nm
のフッ化クリプトンエキシマレーザー光を8mJ/cm2のパ
ワーで360000パルス照射した結果、異常(接着層の破損
等)は認められず、本発明の接着層はエキシマレーザー
光照射に対して優れた耐久性を示すことが確認できた。
実施例2 塩化ナトリウム水溶液の代わりに塩化カリウムを用いた
以外は実施例1と同様にしてプリズムを密着させた。そ
の状態を保持したまま真空度1Torr,室温において1時
間真空乾燥を行った。次に大気圧,室温において一昼夜
放置して塩化カリウムの固形物を析出させた。
このようにして得た偏光ビームスプリッターの接着層4
の約20℃の温度下における屈折率は1.50(500nm)、分光
透過率は90%以上(400〜16000nm)であり、3か月間放
置後も変化せず、実施例1で得た偏光ビームスプリッタ
ーと同様の良好な偏光ビームスプリッターであった。
更に、この偏光ビームスプリッターの接着層4にKrF
レーザー光を6mJ/cm2のパワーで100000パルス照射した
結果、異常は認められず、本発明の接着層はKrFレー
ザー光照射に対しても安定していることが確認できた。
実施例3 ♯6000のフッ化マグネシウム粒子を純水に分散させて得
た分散液を超遠心分離機により10000r.p.mで10分間遠心
分離処理した後デカンデーション法によって上澄液を除
去し、高濃度MgF2液を得た。このMgF2液を塩化ナトリウ
ム水溶液の代わりに用いる以外は実施例1と同様にして
プリズムを密着させた。次に、そのプリズムをその状態
に保持したまま室温において三昼夜放置し、その後真空
乾燥器により50℃,1Torrで1時間真空乾燥した後、更
に室温において一昼夜放置した。
このようにして得た偏光ビームスプリッターの接着層4
の約20℃の温度下における屈折率は1.378(常光線)、
1.390(異常光線)、分光透過率は90%以上(200〜6000
nm)であり、良好な偏光ビームスプリッターであった。
比較例1 市販のシリコンアルコキシド液(ゾルゲル法による光学
コーティング液)を、一方の石英ガラス製プリズムの被
着面上に適量塗布し、他方の石英ガラス製プリズムの被
接着面に密接させ、その状態を保持したまま室温におい
て1か月放置した。
このようにして得た偏光ビームスプリッターの接着層4
の約20℃の温度における透過率は90%以上(220〜300n
m)であった。
更に、この偏光ビームスプリッターの接着層4に248nm
のFKrエキシマレーザー光を8mJ/cm2のパワーで3600
00パルス照射した結果、接着層はレーザー光により焼き
切れたような傷(ハクリ部)が発生した。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の方法は、接着層として用
いることのできる無機塩類の種類の選択可能な範囲が広
いので、その光学特性の選択自由度も広く、またその経
時変化も生じないあるいは少ない。
更には、比較的低温(室温)において接着可能なので耐
熱性の低い光学素子を接着することもでき、その作業も
簡易である。また、レーザー光等の照射に対しても安定
しているなど耐久性にも優れる。
更には、安価な無機塩類を用いることにより、あるいは
作業が簡易である等の理由からコストダウンの点でも有
利である。
このような本発明の接着方法は、種々の光学素子に利用
することができ、例えば偏光ビームスプリッター,接合
レンズ,フィルター,ハーフミラーなど種々の素子を作
製することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例および比較例により得た偏光ビ
ームスプリッターを示す模式的断面図である。 1,2……三角プリズム、 3……ZrO2膜、 4……接着層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子の接着すべき面同士を無機塩類を
    含む液体を介して互いに密接させた後、室温において該
    無機塩類を固化してこれら光学素子を該接着面で接着す
    ることを特徴とする光学素子の接着方法。
  2. 【請求項2】前記光学素子が光透光性を有する特許請求
    の範囲第1項に記載の光学素子の接着方法。
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