JPH09178940A - 偏光素子 - Google Patents

偏光素子

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JPH09178940A
JPH09178940A JP33977595A JP33977595A JPH09178940A JP H09178940 A JPH09178940 A JP H09178940A JP 33977595 A JP33977595 A JP 33977595A JP 33977595 A JP33977595 A JP 33977595A JP H09178940 A JPH09178940 A JP H09178940A
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JP
Japan
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refractive index
adhesive
lithium tetraborate
prism
polarizing element
Prior art date
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Pending
Application number
JP33977595A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiji Kamiyama
一司 神山
Shin Murakami
慎 村上
Shinji Inoue
真司 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Polarising Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折結晶として用いられてきた従来の結晶
とは異なり、複屈折率が大きいうえ透過率が非常に良好
であり、しかも簡便かつ安価に製造が可能な偏光素子を
提供すること。 【解決手段】 二つの四ホウ酸リチウムから成る単結晶
体を屈折率が1.4 乃至1.7 の接着剤で貼り合わせたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に複屈折現象を
利用したグラン・トムソンプリズム,ロション・プリズ
ム,ニコル・プリズム,複合偏光プリズム,ウォラスト
ンプリズムなど、単結晶体どうしを貼り合わせて複屈折
部を構成している偏光素子に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、方解石,水晶,ル
チル,ニオブ酸リチウム等の非等方晶系の結晶体に偏光
していない光を入射させると、二本の屈折光線が観測さ
れることが一般によく知られている。これは複屈折現象
と呼ばれ、この二本の屈折光線はそれぞれ、スネルの法
則に従う常光線と、スネルの法則に従わない異常光線と
呼ばれている。
【0003】ここで、常光線の屈折率(常光屈折率)と
異常光線(異常光屈折率)の屈折率との差である複屈折
率が大きければ大きいほど、光軸に平行でない方向に入
射した光は、より大きな複屈折を生じることになるの
で、常光線と異常光線との分離角はより大きくなる。
【0004】したがって、常光線と異常光線との分離間
隔を一定とするならば、複屈折率の大きな結晶を用いる
ほど素子長を小型にすることができ、このような偏光素
子を使用する装置、例えば光記録装置の光読み取り部や
光アイソレータ等の小型化が実現される。
【0005】しかしながら、例えば方解石の場合は、そ
の複屈折率は約0.172 であり、この値は他の結晶と比較
すると大きいが、これは天然にのみ産出し、安価で高品
質なものは安定的に供給しにくいという欠点を有してい
る。
【0006】また水晶の場合は、天然に産出するものだ
けでなく水熱合成法により結晶合成ができるという利点
がある反面、その複屈折率は約0.009 であり、他の結晶
と比較すると小さいので、素子長が大型化するといった
欠点を有する。
【0007】また、ルチル(TiO2 )単結晶の場合
は、その複屈折率は約0.282 と非常に大きく、現在、光
アイソレ−タ−用の偏光子等に好適に用いられている
が、ベルヌーイ法やフローティングゾーン法といった方
法でしか育成ができず、良好な結晶性を有するものがで
きにくいので、粒界や内部歪の存在による歩留まりの低
下、あるいは大型の結晶が得にくいといった理由によ
り、結局、素子が高価なものになる等の問題点があっ
た。
【0008】また、ニオブ酸リチウム(LiNbO3
単結晶の場合、近年チョクラルスキ−法により結晶径3
乃至4インチの大型結晶が比較的容易に得られるため注
目されているが、次のような問題点を有する。すなわ
ち、偏光プリズムのように、例えばC軸に対して一定の
角度に切り出し、研磨された結晶面どうしを張り合わせ
る場合に、ニオブ酸リチウムやルチルのように屈折率の
大きな材料(屈折率2.0以上)では、これに近い屈折
率の接着剤がなく、用いる接着剤に対し透過波長に合わ
せて誘電体等の反射防止膜でもって、貼り合わせ部分で
の反射や透過光の損失を低減することが不可欠となり、
そのための工程が煩雑となり、結果的に高価となった
り、さらに透過率を99.5%以上とするのが困難であ
ったのである。
【0009】そこで、複屈折結晶として用いられてきた
従来の結晶とは異なり、複屈折率が大きいうえ透過率が
非常に良好であり、しかも簡便かつ安価に製造が可能な
偏光素子を提供することを本発明の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記偏光素子の複屈折部
として、近年チョクラルスキ−法により数インチ程度の
大型結晶が比較的容易に得られる四ホウ酸リチウム(L
2 4 7 )単結晶とするとよいことがわかった。
【0011】そして、上記目的を達成する偏光素子は、
二つの四ホウ酸リチウムから成る単結晶体を屈折率が1.
4 乃至1.7 の接着剤で貼り合わせたことを特徴とする。
【0012】特に、四ホウ酸リチウム単結晶の切断面ど
うしを屈折率が1.4 乃至1.7 の接着剤、例えばエポキシ
系, アクリル系樹脂, 天然高分子材料(バルサム等),
変性シリコーン樹脂などの接着剤でもって貼り合わせ
て、グラン・トムソンプリズム,ロション・プリズム,
ニコル・プリズム,複合偏光プリズム,ウォラストンプ
リズムなどとすると非常に好適であることがわかった。
【0013】すなわち、四ホウ酸リチウムは屈折率(1.
5 乃至1.6 )を接着剤の屈折率とほぼ同じとさせること
で、従来のように単結晶どうしを接着剤で貼り合わせる
場合に、貼り合わせ部での反射や透過光の損失を低減す
るための反射防止膜等の形成は全く不要となる。このた
め、透過率が非常に良好となるだけでなく、従来の材料
を用いた場合と比較して非常に簡便な製造工程となり、
安価でしかも性能の優れた偏光素子を提供できるのであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施例を図
面に基づき詳細に説明する。図1に示すように、育成炉
F内に配設された支持台5に載置された、白金製の坩堝
1中に四ホウ酸リチウム(Li2 4 7 )の原材料を
入れ、この原材料を溶融して融液2とし、この融液2に
先端に種結晶を設けた育成棒3を浸して、この育成棒3
を回転させながら所定の引き上げ速度でもって、外径約
80mm,長さ約100mm の単結晶体4を育成させた。次い
で、ダイシング等により外径約75mm,厚さ約1 mmのウエ
ハ−を切り出してプリズムを構成する板体を用意した。
なお、図1において坩堝1及び支持台5は断面図にて示
している。
【0015】このような板体の切断面をメカノケミカル
の研磨装置により研磨して、その屈折率の測定を行った
ところ、測定波長632.8 nmにおいて、平均の常光屈折
率が1.6089,平均の異常光屈折率1.552 であった。ここ
で、屈折率の測定は以下のようにして行った。
【0016】すなわち、プリズムカプラなどの屈折率測
定装置により常光屈折率と異常光屈折率とを測定した
が、ここで、常光屈折率と異常光屈折率とは、図2に示
すように、育成した単結晶の上部と下部のそれぞれから
切り出したウエハーWの測定点Pである14箇所(×印
の箇所)に光を入射させて測定し平均して求めた。
【0017】このようにして得られた常光屈折率(no
)と異常光屈折率(ne )とは、図3に示すように、
四ホウ酸リチウムのC軸を光軸とすると、光軸から離れ
るにしたがって屈折率差が大きくなる屈折率楕円を成
す。ここで、複屈折率=no −最大のne 、である。
【0018】次に、種々の材料を用いて、ある分離角
(常光線と異常光線との角度)のウォラストンプリズム
を作製し、それぞれの大きさを比較した結果について説
明する。分離角を約1.6度とした四ホウ酸リチウム単
結晶を用いたウォラストンプリズムは、図4(a)に示
すように、角柱状の板体6をC軸に対して約13.5度の傾
きになるように切断し、この切断面6aどうしをアクリ
ル系などの接着剤でもって接着しており、光はC軸に対
して垂直方向(図示左側)から入射されるようにしてい
る。
【0019】また、同様に分離角を約1.6 度としたニオ
ブ酸リチウム単結晶を用いたウォラストンプリズムは、
図4(b)に示すように、角柱状の板体7をC軸に対し
て約9.1 度の傾きになるように切断し、この切断面7a
に後記する反射防止膜を被覆してから、この切断面7a
どうしをアクリル系などの接着剤で接着しており、図4
(a)と同様に光はC軸に対して垂直方向から入射され
るようにしている。
【0020】また、同様に分離角を約1.6 度とした水晶
を用いたウォラストンプリズムは、図4(c)に示すよ
うに、角柱状の板体8をC軸に対して約56.6度の傾きに
なるように切断し、この切断面8aどうしをアクリル系
などの接着剤で接着しており、上記と同様に光はC軸に
対して垂直方向から入射されるようにしている。
【0021】このように、四ホウ酸リチウム単結晶を用
いたウォラストンプリズムの場合、四ホウ酸リチウムの
屈折率はエポキシ系やアクリル系の接着剤に非常に近似
しているため、貼り合わせ面において、反射防止膜を用
いることなく99.5%の透過率を得ることが出来た。
【0022】これに対して、ニオブ酸リチウム単結晶を
貼り合わせて作製したものは、ニオブ酸リチウムの屈折
率が2.0 以上であり、シリカ,マグネシア,チタニア等
の誘電体等の反射防止膜でもって、貼り合わせ部分での
反射や透過光の損失を低減することが不可欠となり、そ
のための工程が非常に煩雑となった。
【0023】また、水晶を貼り合わせて作製したもの
は、反射防止膜は不要であったが、四ホウ酸リチウムを
貼り合わせて作製したものより約4倍もの大きさとなっ
た。
【0024】このように、四ホウ酸リチウムを複屈折部
として利用した場合、小型化を容易に実現できるだけで
なく、一般的に用いられる接着剤である、エポキシ系や
アクリル系等の接着剤の屈折率は1.4 乃至1.7 程度であ
ることから、屈折率を充分に調整出来る範囲にあり、従
来、屈折率が2.0 以上のニオブ酸リチウムやルチル等の
ように、結晶どうしを貼り合わせる場合に必要であった
反射防止膜が全く不要となるのである。また、このため
に透過率の非常に優れたものが得られるのである。な
お、特に接着剤としてアクリル系の樹脂を用いると、そ
の屈折率がより四ホウ酸リチウムに近似していることか
ら、より好適であることが判明した。
【0025】なお、本実施例ではチョクラルスキー法に
て単結晶を育成する方法について述べたが、それ以外の
例えばブリッジマン法やフローティングゾーン法等を用
いてもよい。また、接着剤としては上記実施例で示した
もの以外に、屈折率が1.4 乃至1.7 の接着剤であればよ
く、例えば天然高分子材料(バルサム等),変性シリコ
ーン樹脂などを用いてよい。
【0026】さらに、上記実施例ではウォラストンプリ
ズムを一例として説明したが、これに限定されるもので
はなく、複屈折部に四ホウ酸リチウム単結晶を使用した
偏光素子であれば好適に実施が可能であり、例えば、プ
リズムの場合はグラン・トムソンプリズム,ロション・
プリズム,ニコル・プリズム,複合偏光プリズムなど各
種のものに適用が可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏光素子
によれば、四ホウ酸リチウム単結晶を複屈折部に用いる
ことにより、従来のように結晶どうしの貼り合わせ部に
おいて反射防止膜の形成が全く不要となるので、これに
より製造工程が単純化され、ひいては安価な偏光素子を
得ることができる。
【0028】また、貼り合わせ部において反射防止膜を
被覆する必要がないので、透過率を非常に良好にするこ
とができる。
【0029】さらに、複屈折率が大きな四ホウ酸リチウ
ム結晶を素材として用いているために、水晶などを用い
た偏光素子より大幅に小型化が可能である上、大量かつ
安価な偏光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶育成に用いたチョクラルスキ−
法を説明する育成炉内の概略模式図。
【図2】四ホウ酸リチウムのウエハの屈折率の測定位置
を示す平面図。
【図3】常光と異常光の屈折率楕円を示す図。
【図4】各種材質における分離角1.6度におけるウォ
ラストンプリズムのサイズを比較した断面図。
【符号の説明】
1 ・・・ 坩堝 2 ・・・ 融液 3 ・・・ 育成棒

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの四ホウ酸リチウムから成る単結晶
    体を屈折率が1.4 乃至1.7 の接着剤で貼り合わせたこと
    を特徴とする偏光素子。
JP33977595A 1995-12-26 1995-12-26 偏光素子 Pending JPH09178940A (ja)

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JP33977595A JPH09178940A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 偏光素子

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290874A (ja) * 2006-04-20 2007-11-08 Yamaguchi Univ MgTiO3単結晶体、これを使用したプリズム及びMgTiO3単結晶の製造方法
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CN112955791A (zh) * 2018-11-01 2021-06-11 日东电工株式会社 带粘合剂层的偏光板

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CN106811796B (zh) * 2015-11-28 2019-04-16 中国科学院新疆理化技术研究所 四硼酸六锂双折射晶体的制备方法和用途
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