JP3346176B2 - 偏光子の製造方法 - Google Patents

偏光子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四ほう酸リチウム
単結晶から成る偏光子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、四ほう酸リチウム(以下、L
247 )は、SAW(弾性表面波)デバイス用の
基板材料に用いられている。SAWデバイス用の基板材
料としては、従来より水晶、タンタル酸リチウム、ニオ
ブ酸リチウムなどが用いられていたが、水晶は温度特性
が優れているものの電気機械結合係数がきわめて小さい
という欠点があり、逆に、ニオブ酸リチウムは電気機械
結合係数が優れているものの温度特性が劣っているとい
う欠点があった。一方、タンタル酸リチウムはこれらの
中間的な特性を有しているが、四ほう酸リチウムは、こ
のタンタル酸リチウムの持つ中間的な特性をさらに高め
た特性を有していることが報告されている。
【0003】一方、情報および通信の進展に伴い、光ア
イソレータ、スイッチなどの受動部品が必要になってき
た。これらの素子には偏光子が必要となる。偏光子とし
て要求される特性には、次の特性がある。 複屈折が大きいことが要求される。すなわち、異常光
と通常光の屈折率差が大きいことが要求される。
【0004】化学的に安定であることが要求される。 結晶の歪または粒界、積層欠陥などの結晶欠陥が少な
いことが要求される。 旋光能がない、または小さいことが要求される。 現在用いられている偏光子材料には、水晶、方解石、ル
チルなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの材料
が、上記の4つの条件をすべて満足しているわけではな
く、新たな偏光子材料が求められている。特に、FZ法
またはベルヌーイ法で人工的に作製されているルチルで
見られるような結晶欠陥および屈折率変動による結晶内
の歪によるコノスコープ像の干渉縞の変形のような光学
的不均一性が、精密な偏光子作製上から大きな問題にな
っていた。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、光学的な不均一性などの欠点を有さない新規な偏光
子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光学的な
不均一性などの欠点を有さない新たな偏光子材料につい
て鋭意検討した結果、四ほう酸リチウム単結晶が、偏光
子として優れた特性を有することを見い出し、本発明を
完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明を用いて製造される偏光
子は、四ほう酸リチウム単結晶からなることを特徴とす
る。好ましくは、結晶内の格子変動が5×10-5以下
で、且つエッチピット密度(EPD)が100/cm2
以下である四ほう酸リチウム単結晶から成ることを特徴
とする。
【0009】結晶内の格子変動は、たとえばボンド法に
より測定される。EPDは、たとえばエッチング法によ
り測定される。結晶内の格子変動が5×10-5より大き
い場合には、屈折率変動が10-5より大きくなる傾向に
あり好ましくない。また、EPDが100/cm2 より
も大きい場合には、上と同様の傾向にあり好ましくな
い。
【0010】本発明を用いて製造される偏光子は、コノ
スコープ像干渉縞の変形のような光学的不均一性がみら
れない再現性に富む精密な偏光子である。また、本発明
を用いて製造される偏光子は、消光比も高く、優秀な偏
光子である。本発明に係る偏光子の製造方法は、チョク
ラルスキー法により四ほう酸リチウム単結晶から成る偏
光子を製造する方法において、融液表面と融液直上1c
mの間の雰囲気の温度勾配を30℃/cm〜200℃/
cmとし、それより上部の雰囲気の温度勾配を10℃/
cm〜50℃/cmとし、引き上げ速度を0.1mm/
時間〜2mm/時間として結晶内の格子変動が5×10
-5以下で、且つエッチピット密度が102 /cm2 以下
である四ほう酸リチウム単結晶から成る偏光子を製造す
ることを特徴とする。本発明に係る偏光子の製造方法に
よれば、結晶欠陥の少ない偏光子を容易に量産的に製造
することができる。
【0011】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面に基づ
いて説明する。図1は本実施形態で用いる四ほう酸リチ
ウム単結晶の引き上げ装置10である。
【0012】この引き上げ装置10は、四ほう酸リチウ
ムが融解される白金坩堝1を有している。この白金坩堝
1の周囲には、断熱材2,3を介して、坩堝内の四ほう
酸リチウムを融解させるためのヒータ4(例えば抵抗加
熱ヒータ)が設けられている。一方、白金坩堝1の上部
には、断熱壁5,6が二重に設けられており、種結晶が
取り付けられる引き上げ軸7が、この断熱壁5,6を貫
通するようになっている。
【0013】このような引き上げ装置10を用いて、四
ほう酸リチウム単結晶を育成する。すなわち、所定モル
比の四ほう酸リチウム多結晶体を白金坩堝内に充填し、
ヒータで融解した後、引き上げ方位<110>で単結晶
を引き上げる。このとき、融液表面と融液直上10mm
の間の温度勾配を50〜150°C/cm、それより上
部の温度勾配を5〜10°C/cmとし、単結晶の直胴
部を引き上げる際の引き上げ速度を0.3〜1mm/時
間とすることが好ましい。
【0014】このようにして引き上げられた四ほう酸リ
チウム単結晶から成るウェーハを切断し、図2(A),
(B)に示す形状の偏光子としてのプリズム20を作製
する。図2(A)はプリズム20の正面図、同図(B)
は側面図である。入射面22と出射面24と両側面2
6,26は、ラッピング、ポリッシングなどの研磨手段
で研磨される。
【0015】本実施形態に係るプリズム20は、コノス
コープ像干渉縞の変形のような光学的不均一性がみられ
ない再現性に富む精密な偏光子である。また、本実施形
態に係るプリズム20は、消光比も高く、優秀な偏光子
である。なお、本発明は、上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で種々に改変すること
ができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明のさらに詳細な実施例を説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されない。実施例1 図1に示す引き上げ装置10を用いて、四ほう酸リチウ
ム単結晶を作製した。白金坩堝1としては、直径90m
m、高さ100mmのものを用いた。
【0017】まず、所定モル比の純度99.99%の四
ほう酸リチウム多結晶体1300gを白金坩堝内に充填
し、ヒータで融解したのち、引き上げ方位<110>で
直径2インチの単結晶を引き上げた。このとき、融液表
面と融液直上10mmの間の温度勾配を80°C/c
m、それより上部の温度勾配を30°C/cmとし、単
結晶の直胴部を引き上げる際の引き上げ速度を0.5m
m/時間とした。
【0018】この単結晶の結晶内の格子変動をボンド法
により調べたところ、1×10-6/mmであった。ま
た、エッチピット密度(EPD)をエッチング法により
調べたところ、10/cm2 であった。この単結晶を図
2に示す形状に切断して偏光子としてのグラントムプリ
ズム20を得た。プリズム20の光入射面22は、四ほ
う酸リチウム単結晶の(010)面に対して、0°の角
度で傾いており、プリズム20の光出射面24は、入射
面22に垂直な底面に対して、θ=60±0.5度傾い
ていた。入射面22と出射面24と両側面26,26
は、ラッピングにより光学研磨した。
【0019】図2において、プリズム20の幅aは5.
09mmであり、底面の長さbは10mmであり、高さhは
10mmであった。このプリズム20を、図3に示すよう
に、ポーラライザーPと2つのアナライザーAとの間に
配置した。ポーラライザーPは、レーザ装置から照射さ
れたレーザ光の偏光方向を1つに揃える作用を有する。
アナライザーAも、ポーラライザーPと同様な偏光子で
あり、これらをそれぞれ回転させることにより、ポーラ
ライザーPと同じ偏光の光を通したり、通さないように
したりする。アナライザーAを回転させ、ポーラライザ
ーPと同じ偏光方向の光を通す位置にすると、最大の明
るさで光を通し、ポーラライザーPと直交する位置に回
転させると、光をほとんど通さず暗くなる。アナライザ
ーAを透過後の光の明るさを測定した。最大の明るさと
最大の暗さとの比が消光比である。なお、2つのアナラ
イザーAのうちの一方が、常光のためのものであり、他
方が異常光のためのものである。
【0020】ポーラライザーPへ入射するレーザ光とし
ては、λ=633nm、ビーム径1mm、出力200mJ
のHe−Neレーザ光と、λ=1550nm、ビーム径
0.2mm、出力100mJのレーザ光とを用いた。それ
ぞれのレーザ光を用いて、同一単結晶から切り出したサ
ンプルA,Bに関して、常光および異常光の消光比を求
めた結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すように、消光比は、50dB以
上になり、四ほう酸リチウム単結晶が、偏光子として優
れていることが確認された。また、直線偏光を四ほう酸
リチウムに通した時の出力光の形の観測から、旋光能が
ないかどうかを調べたところ、旋光能はないことが確認
された。
【0023】さらに、異常光と常光との屈折率差を測定
したところ、約0.06であり、大きいことが確認され
た。さらにまた、本実施例のプリズムは、四ほう酸リチ
ウム単結晶から成るので、化学的に安定であると共に、
結晶欠陥が少ない。なお、結晶欠陥の測定は、前述した
ように、格子変動とEPDとを測定することにより行っ
た。
【0024】比較例1 図3に示すプリズム20として、方解石〔CaCO
3 (化学組成)〕を用いた以外は、前記実施例1と同様
にして、消光比を求めた。消光比は、45dBであっ
た。
【0025】この方解石の格子変動を測定したところ、
8×10-5であった。また、EPDは103 /cm2
あった。また、旋光能は、観察されなかった。さらに、
異常光と常光との屈折率差を測定したところ、0.17
2であった。
【0026】方解石は、水に弱く溶解し、また酸により
ふ食する。又モース硬度が3なので軟らかく研磨は難し
かった。このように比較例1に係るプリズムの場合に
は、製品としてのバラ付き、ケンマの困難さ等あること
から、プリズムとしては、好ましくない。
【0027】比較例2 図3に示すプリズム20として、TiO2 (ルチル)を
用いた以外は、前記実施例1と同様にして、消光比を求
めた。消光比は、35dBであった。このTiO2 の格
子変動を測定したところ、1×10-4であった。また、
EPDは104 /cm2 であった。
【0028】また、旋光能は、観察されなかった。さら
に、異常光と常光との屈折率差を測定したところ、0.
296であった。TiO2 は、化学的に安定である。こ
のように比較例2に係るプリズムの場合には、製品のバ
ラ付き、育成が難しいことから、プリズムとしては、好
ましくない。
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、復屈折率が大きく、旋光能がなく、結晶欠陥が少な
く、化学的に安定した優れた特性の偏光子を容易に量産
的に製造することができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る四ほう酸リチ
ウム単結晶の製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2(A),(B)は実施例で用いるプリズム
の正面図および側面図である。
【図3】図3は実施例の実験装置の概略図である。
【符号の説明】
20… プリズム 22… 光入射面 24… 光出射面 26… 側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−15976(JP,A) 特開 平3−97690(JP,A) 特開 平9−178940(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30 C30B 15/14 H01S 3/108

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チョクラルスキー法により四ほう酸リチウ
    ム単結晶から成る偏光子を製造する方法において、 融液表面と融液直上1cmの間の雰囲気の温度勾配を3
    0℃/cm〜200℃/cmとし、それより上部の雰囲
    気の温度勾配を10℃/cm〜50℃/cmとし、引き
    上げ速度を0.1mm/時間〜2mm/時間として結晶
    内の格子変動が5×10-5以下で、且つエッチピット密
    度が102 /cm2 以下である四ほう酸リチウム単結晶
    から成る偏光子を製造することを特徴とする偏光子の製
    造方法。
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