JPH0641570A - 食品機械用グリース状油脂組成物 - Google Patents
食品機械用グリース状油脂組成物Info
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- JPH0641570A JPH0641570A JP21566792A JP21566792A JPH0641570A JP H0641570 A JPH0641570 A JP H0641570A JP 21566792 A JP21566792 A JP 21566792A JP 21566792 A JP21566792 A JP 21566792A JP H0641570 A JPH0641570 A JP H0641570A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 食品衛生上安全であり、しかも抗酸化性及び
潤滑性に優れた食品機械用グリ−ス状油脂組成物の提
供。 【構成】 (A)中鎖飽和脂肪酸グリセリド、やし油及
びパーム核油から選ばれる少なくとも1種40〜90重量
%、(B)ひまし硬化油5〜30重量%及び(C)植物性
ワックス及び/又は動物性ワックス5〜30重量%を含有
してなる食品機械用グリ−ス状油脂組成物。
潤滑性に優れた食品機械用グリ−ス状油脂組成物の提
供。 【構成】 (A)中鎖飽和脂肪酸グリセリド、やし油及
びパーム核油から選ばれる少なくとも1種40〜90重量
%、(B)ひまし硬化油5〜30重量%及び(C)植物性
ワックス及び/又は動物性ワックス5〜30重量%を含有
してなる食品機械用グリ−ス状油脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な食品機械用グリ−
ス状油脂組成物に関し、さらに詳しくは、食品衛生上安
全である上に、抗酸化性及び潤滑性に優れ、従って、食
品加工に使用される各種機械に潤滑剤として使用して好
適なグリ−ス状油脂組成物に係る。
ス状油脂組成物に関し、さらに詳しくは、食品衛生上安
全である上に、抗酸化性及び潤滑性に優れ、従って、食
品加工に使用される各種機械に潤滑剤として使用して好
適なグリ−ス状油脂組成物に係る。
【0002】
【従来の技術】農産物、畜産物、水産物、その他の原材
料を食品に加工する場合、原材料は、精選、分級、摩
砕、混合、焙焼、加熱、発酵、煮沸、乾燥、冷凍などの
工程を経て加工されるのが一般的であって、これらの諸
工程では各種の食品加工機械が使用されている。例え
ば、農産物加工では、茶の葉の採取機械・器具、精米麦
機械、製粉機械、酒、醤油、味噌などを製造する醸造機
械、製麺機械、製パン機械、製菓機械、果汁、ジャム、
漬物などを製造する加工機械などがあり、畜産物加工で
は、牛乳加工機械、チ−ズやバタ−などの乳製品製造機
械、ハムやソ−セ−ジなどを製造する食肉加工機械など
がある。また、水産物加工では、魚肉加工機械、海草加
工機械などが例示できる。この他にも、食品添加物、天
然フレ−バ−、医薬品などの製造に使用される機械、例
えば、真空薄膜蒸発機や混練機が、食品加工機械の一種
として挙げることができる。
料を食品に加工する場合、原材料は、精選、分級、摩
砕、混合、焙焼、加熱、発酵、煮沸、乾燥、冷凍などの
工程を経て加工されるのが一般的であって、これらの諸
工程では各種の食品加工機械が使用されている。例え
ば、農産物加工では、茶の葉の採取機械・器具、精米麦
機械、製粉機械、酒、醤油、味噌などを製造する醸造機
械、製麺機械、製パン機械、製菓機械、果汁、ジャム、
漬物などを製造する加工機械などがあり、畜産物加工で
は、牛乳加工機械、チ−ズやバタ−などの乳製品製造機
械、ハムやソ−セ−ジなどを製造する食肉加工機械など
がある。また、水産物加工では、魚肉加工機械、海草加
工機械などが例示できる。この他にも、食品添加物、天
然フレ−バ−、医薬品などの製造に使用される機械、例
えば、真空薄膜蒸発機や混練機が、食品加工機械の一種
として挙げることができる。
【0003】上に例示した各種の食品加工機械には、潤
滑剤として鉱物油系のグリ−スが従来使用されている。
この鉱物油系グリ−スは、基油に精製鉱油を用い、増ち
ょう剤としてリチウム、カルシウム、ナトリウムなどの
金属石鹸とか、シリカゲルなどの無機化合物とか、尿素
誘導体などの有機化合物を、前記の基油に分散させて半
固体状又は固体状にしたものが一般的である。従って、
機械の運転中に鉱物油系グリ−スが僅かでも回転部から
加工食品中に混入することは、食品衛生上許されない。
これとは対照的に、万一加工食品に少量混入したとして
も、人体に悪影響を及ぼすことがなく、しかも、自然環
境の保全にも配慮した潤滑剤として、(1) 食品衛生法で
使用が許可されている脂肪酸グリセリド、脂肪酸、シリ
コ−ン樹脂及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシトルエンを含有する低公害型工業用潤滑油(特開昭
51-84803号公報参照)、(2) 炭素数5〜21の飽和脂肪酸
グリセリドを基油とし、これに炭素数12〜22の脂肪酸を
配合した食品加工機械用潤滑油(特開平2-209995号公報
参照)、(3) 食用油脂と天然ワックスとのエステル交換
反応で得られる高粘度油脂組成物(特開昭57-67694号公
報参照)などが知られている。しかし、上記(1) 及び
(2) の潤滑油は、それぞれ食品又は食品添加物から構成
されている関係で、食品衛生上安全であるものの、常温
では液状であるためグリ−スとして使用できない。ま
た、上記(3) の油脂組成物は、食品衛生上安全であるば
かりでなく、グリ−スとして使用することもできるが、
大豆油、ナタネ油を使用しているために、酸化安定性に
欠ける憾みがある。
滑剤として鉱物油系のグリ−スが従来使用されている。
この鉱物油系グリ−スは、基油に精製鉱油を用い、増ち
ょう剤としてリチウム、カルシウム、ナトリウムなどの
金属石鹸とか、シリカゲルなどの無機化合物とか、尿素
誘導体などの有機化合物を、前記の基油に分散させて半
固体状又は固体状にしたものが一般的である。従って、
機械の運転中に鉱物油系グリ−スが僅かでも回転部から
加工食品中に混入することは、食品衛生上許されない。
これとは対照的に、万一加工食品に少量混入したとして
も、人体に悪影響を及ぼすことがなく、しかも、自然環
境の保全にも配慮した潤滑剤として、(1) 食品衛生法で
使用が許可されている脂肪酸グリセリド、脂肪酸、シリ
コ−ン樹脂及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシトルエンを含有する低公害型工業用潤滑油(特開昭
51-84803号公報参照)、(2) 炭素数5〜21の飽和脂肪酸
グリセリドを基油とし、これに炭素数12〜22の脂肪酸を
配合した食品加工機械用潤滑油(特開平2-209995号公報
参照)、(3) 食用油脂と天然ワックスとのエステル交換
反応で得られる高粘度油脂組成物(特開昭57-67694号公
報参照)などが知られている。しかし、上記(1) 及び
(2) の潤滑油は、それぞれ食品又は食品添加物から構成
されている関係で、食品衛生上安全であるものの、常温
では液状であるためグリ−スとして使用できない。ま
た、上記(3) の油脂組成物は、食品衛生上安全であるば
かりでなく、グリ−スとして使用することもできるが、
大豆油、ナタネ油を使用しているために、酸化安定性に
欠ける憾みがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来技術の現状に鑑みて、食品衛生上安全性が高
く、かつ抗酸化性及び潤滑性に富んだ食品機械用グリ−
ス状油脂組成物を提供することを目的とする。
うな従来技術の現状に鑑みて、食品衛生上安全性が高
く、かつ抗酸化性及び潤滑性に富んだ食品機械用グリ−
ス状油脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上に掲げた目的に適う本
発明の食品機械用グリ−ス状油脂組成物は、(A)中鎖
飽和脂肪酸グリセリド、やし油及びパ−ム核油から選ば
れる少なくとも1種と、(B)ひまし硬化油と、(C)
植物性ワックス及び/又は動物性ワックスを必須成分と
して含有する。本発明に於いて、中鎖飽和脂肪酸グリセ
リドとは、炭素数6〜10の飽和脂肪酸、例えば、カプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸などと、グリセリンとの
エステルを意味し、そのグリセリドは単一グリセリド
(結合している脂肪酸基が同一種のエステル)であって
も、混合グリセリド(2種又は3種の脂肪酸基を含むエ
ステル)であっても差し支えない。また、当該グリセリ
ドは、トリグリセリドであることが好ましいが、モノ又
はジグリセリドも本発明の(A)成分として使用するこ
とができる。本発明の(A)成分としては、やし油及び
パ−ム核油も単独又は混合して使用することができる
が、これらを使用する場合は中鎖飽和脂肪酸グリセリ
ド、特に中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド(以下MCTと
略称する)との併用が好ましい。(A)成分としてMC
Tを使用すると、酸化安定性が良好で、より滑らかなグ
リ−スを得ることができる。(A)成分は、本発明の油
脂組成物に滑らかさを付与する重要な成分である。中鎖
飽和脂肪酸グリセリド以外にも低融点の油脂は知られて
いるが、菜種油や大豆油の白絞油は、酸化安定性が著し
く低く、水素添加によって酸化安定性を向上させても、
その酸化安定性には限界がある。また、酸化安定性が高
いと言われているパ−ム油やオリ−ブ油でも、その酸化
安定性には限界がある。
発明の食品機械用グリ−ス状油脂組成物は、(A)中鎖
飽和脂肪酸グリセリド、やし油及びパ−ム核油から選ば
れる少なくとも1種と、(B)ひまし硬化油と、(C)
植物性ワックス及び/又は動物性ワックスを必須成分と
して含有する。本発明に於いて、中鎖飽和脂肪酸グリセ
リドとは、炭素数6〜10の飽和脂肪酸、例えば、カプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸などと、グリセリンとの
エステルを意味し、そのグリセリドは単一グリセリド
(結合している脂肪酸基が同一種のエステル)であって
も、混合グリセリド(2種又は3種の脂肪酸基を含むエ
ステル)であっても差し支えない。また、当該グリセリ
ドは、トリグリセリドであることが好ましいが、モノ又
はジグリセリドも本発明の(A)成分として使用するこ
とができる。本発明の(A)成分としては、やし油及び
パ−ム核油も単独又は混合して使用することができる
が、これらを使用する場合は中鎖飽和脂肪酸グリセリ
ド、特に中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド(以下MCTと
略称する)との併用が好ましい。(A)成分としてMC
Tを使用すると、酸化安定性が良好で、より滑らかなグ
リ−スを得ることができる。(A)成分は、本発明の油
脂組成物に滑らかさを付与する重要な成分である。中鎖
飽和脂肪酸グリセリド以外にも低融点の油脂は知られて
いるが、菜種油や大豆油の白絞油は、酸化安定性が著し
く低く、水素添加によって酸化安定性を向上させても、
その酸化安定性には限界がある。また、酸化安定性が高
いと言われているパ−ム油やオリ−ブ油でも、その酸化
安定性には限界がある。
【0006】本発明の(B)成分は、ひまし油を水素添
加して得られるひまし硬化油(以下CWと略称する)で
ある。このものは12−ヒドロキシステアリン酸トリグリ
セリドを主成分とし、少量のステアリン酸トリグリセリ
ド及びその他のグリセリドを含有する混合グリセリドで
あり、その融点は概して80〜95℃、典型的には85〜90℃
の範囲にある。CWは任意の方法で調製することがで
き、例えば、ひまし油に還元ニッケル触媒を0.1 〜1.0
重量%添加し、反応温度150 〜160 ℃、圧力約15〜30 k
g/cm2 Gの条件で、約3時間水素添加することにより、
本発明の(B)成分として好ましいCWを得ることがで
きる。周知の通り、ひまし油は食用に適さず、医薬分野
で下剤に用いられているが、Masri らによれば、ひまし
油の下剤としての薬効は、主要構成脂肪酸であるリシノ
−ル酸の12位の水酸基と、9−10位の2重結合が関与し
ているとされ、また、天然にはシス型のみが存在する
が、下剤としてはトランス異性化したひまし油やリシノ
エライジン酸が有効であるとされている。このような理
由から、ひまし油自体が食品工業に使用された例は従来
殆どないが、アメリカ合衆国のFDCA(食品薬品化粧
品法)では、ハ−ドキャンディ−を製造する際に、型離
れを容易にしたり、キャンディ−同志のブロッキングを
防止する目的で、500 ppm 以下の量でひまし油を使用す
ることが許可されている。さらに、食品に接触するフィ
ルムの成分として、あるいはビタミンやミネラルの錠剤
の保護コ−ティングの成分として、2重結合のないひま
し硬化油を使用することも、FDCAで認可されてい
る。従って、少なくともひまし硬化油については、食品
衛生上安全な油脂と言える。
加して得られるひまし硬化油(以下CWと略称する)で
ある。このものは12−ヒドロキシステアリン酸トリグリ
セリドを主成分とし、少量のステアリン酸トリグリセリ
ド及びその他のグリセリドを含有する混合グリセリドで
あり、その融点は概して80〜95℃、典型的には85〜90℃
の範囲にある。CWは任意の方法で調製することがで
き、例えば、ひまし油に還元ニッケル触媒を0.1 〜1.0
重量%添加し、反応温度150 〜160 ℃、圧力約15〜30 k
g/cm2 Gの条件で、約3時間水素添加することにより、
本発明の(B)成分として好ましいCWを得ることがで
きる。周知の通り、ひまし油は食用に適さず、医薬分野
で下剤に用いられているが、Masri らによれば、ひまし
油の下剤としての薬効は、主要構成脂肪酸であるリシノ
−ル酸の12位の水酸基と、9−10位の2重結合が関与し
ているとされ、また、天然にはシス型のみが存在する
が、下剤としてはトランス異性化したひまし油やリシノ
エライジン酸が有効であるとされている。このような理
由から、ひまし油自体が食品工業に使用された例は従来
殆どないが、アメリカ合衆国のFDCA(食品薬品化粧
品法)では、ハ−ドキャンディ−を製造する際に、型離
れを容易にしたり、キャンディ−同志のブロッキングを
防止する目的で、500 ppm 以下の量でひまし油を使用す
ることが許可されている。さらに、食品に接触するフィ
ルムの成分として、あるいはビタミンやミネラルの錠剤
の保護コ−ティングの成分として、2重結合のないひま
し硬化油を使用することも、FDCAで認可されてい
る。従って、少なくともひまし硬化油については、食品
衛生上安全な油脂と言える。
【0007】本発明の(C)成分は植物性ワックス及び
/又は動物性ワックスであって、これらのワックスはい
ずれも高級アルコ−ルの脂肪酸エステルを主成分をして
含有する。本発明で使用可能な植物性ワックスを具体的
に例示すると、これにはコペルニシア・セリフェラ・マ
リウム(Copernicia Cerifera Marius)と呼ばれるヤシ科
の植物の葉から得られるカルナウバワックス、ユホルビ
ア・セリフェラ・アルコセル(Euphorbia Cerifera Alco
cer)と呼ばれるキャンテリラ草の表面から分泌するキャ
ンデリラワックス、米糠油中に含まれるライスワックス
なとが挙げられる。同様にして、動物性ワックスとして
は、アピス・メリフェラ(Apis merifera)又はアピス・
ドルサテ(Apis dorsate)と呼ばれる蜜蜂の下腹部から分
泌される蜜ロウ、綿羊の皮脂腺から分泌され、羊毛に付
着している脂質分であるラノリン及び鯨油から抽出され
る鯨ロウなどが例示できる。本発明ではこれらの植物性
ワックスや動物性ワックスの1種又は2種以上を、
(C)成分として使用することができ、植物性ワックス
と動物性ワックスの併用も、勿論差し支えない。しか
し、最終的に得られる油脂組成物の滴点を高める上で
は、融点の高いカルナウバワックス、キャンデリワック
ス、ライスワックスなどを使用することが好ましく、油
脂組成物に良好な滑らかさを付与するには、蜜ロウ、ラ
ノリンなどを使用することが好ましい。
/又は動物性ワックスであって、これらのワックスはい
ずれも高級アルコ−ルの脂肪酸エステルを主成分をして
含有する。本発明で使用可能な植物性ワックスを具体的
に例示すると、これにはコペルニシア・セリフェラ・マ
リウム(Copernicia Cerifera Marius)と呼ばれるヤシ科
の植物の葉から得られるカルナウバワックス、ユホルビ
ア・セリフェラ・アルコセル(Euphorbia Cerifera Alco
cer)と呼ばれるキャンテリラ草の表面から分泌するキャ
ンデリラワックス、米糠油中に含まれるライスワックス
なとが挙げられる。同様にして、動物性ワックスとして
は、アピス・メリフェラ(Apis merifera)又はアピス・
ドルサテ(Apis dorsate)と呼ばれる蜜蜂の下腹部から分
泌される蜜ロウ、綿羊の皮脂腺から分泌され、羊毛に付
着している脂質分であるラノリン及び鯨油から抽出され
る鯨ロウなどが例示できる。本発明ではこれらの植物性
ワックスや動物性ワックスの1種又は2種以上を、
(C)成分として使用することができ、植物性ワックス
と動物性ワックスの併用も、勿論差し支えない。しか
し、最終的に得られる油脂組成物の滴点を高める上で
は、融点の高いカルナウバワックス、キャンデリワック
ス、ライスワックスなどを使用することが好ましく、油
脂組成物に良好な滑らかさを付与するには、蜜ロウ、ラ
ノリンなどを使用することが好ましい。
【0008】本発明の油脂組成物に於いて、上記3成分
の含有量は、(A)40〜90重量%、(B)5〜40重量
%、(C)5〜30重量%の範囲にあるのが一般的であっ
て、好ましくは(A)40〜80重量%、(B)10〜30重量
%、(C)5〜25重量%の範囲にある。各成分の含有量
が上記した一般的範囲を逸脱した場合は、最終的に得ら
れる油脂組成物をグリ−ス状とすることが難しいとか、
油脂組成物を高滴点にできても、滑らかなグリ−ス状と
することがでないとかの不都合を生ずる虞がある。
尚、食品加工機械にあっては、一般用機械に比べて、要
求される潤滑性能が比較的温和な部分(例えば、摩擦熱
の少ない回転部分)があるので、食品機械用潤滑油は、
必ずしも一般機械用グリ−スと同等の滴点(80℃以上)
を具備している必要はなく、少なくともの70℃の滴点を
有していれば、その潤滑油は上記した摩擦熱の少ない回
転部分などに使用できる。しかし、潤滑油の使用中の垂
れ落ちをほぼ完全に防止するためには、本発明の油脂組
成物にも80℃又はそれ以上の滴点を保持さることが好ま
しい。
の含有量は、(A)40〜90重量%、(B)5〜40重量
%、(C)5〜30重量%の範囲にあるのが一般的であっ
て、好ましくは(A)40〜80重量%、(B)10〜30重量
%、(C)5〜25重量%の範囲にある。各成分の含有量
が上記した一般的範囲を逸脱した場合は、最終的に得ら
れる油脂組成物をグリ−ス状とすることが難しいとか、
油脂組成物を高滴点にできても、滑らかなグリ−ス状と
することがでないとかの不都合を生ずる虞がある。
尚、食品加工機械にあっては、一般用機械に比べて、要
求される潤滑性能が比較的温和な部分(例えば、摩擦熱
の少ない回転部分)があるので、食品機械用潤滑油は、
必ずしも一般機械用グリ−スと同等の滴点(80℃以上)
を具備している必要はなく、少なくともの70℃の滴点を
有していれば、その潤滑油は上記した摩擦熱の少ない回
転部分などに使用できる。しかし、潤滑油の使用中の垂
れ落ちをほぼ完全に防止するためには、本発明の油脂組
成物にも80℃又はそれ以上の滴点を保持さることが好ま
しい。
【0009】本発明に係る油脂組成物の調製には、任意
の方法を採用することができるが、その一例を示すと、
上記の(A)〜(C)3成分を上記した割合で混合後、
その混合物を90〜100 ℃に加熱して溶融し、次いでこれ
を25℃以下に急冷しながら練り合わせることによって、
本発明のグリ−ス状油脂組成物を得ることができる。
の方法を採用することができるが、その一例を示すと、
上記の(A)〜(C)3成分を上記した割合で混合後、
その混合物を90〜100 ℃に加熱して溶融し、次いでこれ
を25℃以下に急冷しながら練り合わせることによって、
本発明のグリ−ス状油脂組成物を得ることができる。
【0010】本発明の油脂組成物には、その性能をさら
に向上させるために、必要に応じて各種の添加剤を1種
又は2種以上配合することができる。そうした任意添加
剤としては、例えば、アルコルビン酸、アルコルビン酸
の脂肪酸エステル、トコフェロ−ル、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシアニソ−ルなどで例示される
抗酸化剤、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸のよ
うな脂肪酸、ソルビタンモノオレ−トのようなソルビタ
ン脂肪酸エステルなどで例示される錆止め兼油性剤を挙
げることができる。これら以外の公知添加剤も、勿論本
発明の油脂組成物に任意に添加することができる。任意
添加剤の添加量は、通常、その合計量が油脂組成物全量
基準で、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であ
る。
に向上させるために、必要に応じて各種の添加剤を1種
又は2種以上配合することができる。そうした任意添加
剤としては、例えば、アルコルビン酸、アルコルビン酸
の脂肪酸エステル、トコフェロ−ル、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシアニソ−ルなどで例示される
抗酸化剤、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸のよ
うな脂肪酸、ソルビタンモノオレ−トのようなソルビタ
ン脂肪酸エステルなどで例示される錆止め兼油性剤を挙
げることができる。これら以外の公知添加剤も、勿論本
発明の油脂組成物に任意に添加することができる。任意
添加剤の添加量は、通常、その合計量が油脂組成物全量
基準で、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であ
る。
【0011】
【実施例】表1に示す配合割合でグリセリド、ひまし硬
化油及びワックスをビ−カ−に採取し、これを湯煎で又
熱板上で90℃以上に加熱して溶融し、攪拌を行って各成
分を完全に均質化してから、練り機にて25℃以下に急冷
しながら練り合わせて各組成物を得た。これを室温で3
時間以上放置した後、下記の方法により、各組成物の滴
点、ちょう度、酸化安定性及び耐荷重性を測定した。結
果を表1に示す。
化油及びワックスをビ−カ−に採取し、これを湯煎で又
熱板上で90℃以上に加熱して溶融し、攪拌を行って各成
分を完全に均質化してから、練り機にて25℃以下に急冷
しながら練り合わせて各組成物を得た。これを室温で3
時間以上放置した後、下記の方法により、各組成物の滴
点、ちょう度、酸化安定性及び耐荷重性を測定した。結
果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1の記号説明と油脂組成物の試験方法
は、次の通りである。 MCT :中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド N :やし油 PK :パ−ム核油 MCT-N-PK:N/PK/MCT=25/25/50(重量比)混
合物のエステル交換物 CW :ひまし硬化油 LW :ラノリン KW :カルナウバワックス CYW :キャンテリワックス RW :ライスワックス BW :蜜ロウ
は、次の通りである。 MCT :中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド N :やし油 PK :パ−ム核油 MCT-N-PK:N/PK/MCT=25/25/50(重量比)混
合物のエステル交換物 CW :ひまし硬化油 LW :ラノリン KW :カルナウバワックス CYW :キャンテリワックス RW :ライスワックス BW :蜜ロウ
【0014】滴点 :JIS K 2220 5.4に規定される滴
点試験方法に準拠し、加熱速度を毎分2℃としてその滴
点(℃)を求めた。 ちょう度 :JIS K 2220 5.3に規定されるちょう度試験
方法により、60回混和ちょう度を測定した。 酸化安定性:JIS K 2220 5.8に規定される「酸化安定度
試験方法」に従い、酸化安定性を測定した。この試験
は、試料を酸素封入下(酸素圧7.7kgf/cm 2 )のボンベ
中で99℃に加熱し、一定時間毎に圧力降下を記録して10
0 時間後の酸素圧の減少(単位kgf/cm2 )を測定するも
のであり、この値が大きいほど酸化安定性が低いことを
示す。 耐荷重性 :ASTM D 2596 に規定される「Measurement
of Extreme-PressureProperties of Lubricating Greas
e(Four-ball Method)」に従い、耐荷重性を測定した。
この試験は、焼付荷重(Weld Load,WL)を測定する試験で
あり、この値が大きいほど良好であることを示す。
点試験方法に準拠し、加熱速度を毎分2℃としてその滴
点(℃)を求めた。 ちょう度 :JIS K 2220 5.3に規定されるちょう度試験
方法により、60回混和ちょう度を測定した。 酸化安定性:JIS K 2220 5.8に規定される「酸化安定度
試験方法」に従い、酸化安定性を測定した。この試験
は、試料を酸素封入下(酸素圧7.7kgf/cm 2 )のボンベ
中で99℃に加熱し、一定時間毎に圧力降下を記録して10
0 時間後の酸素圧の減少(単位kgf/cm2 )を測定するも
のであり、この値が大きいほど酸化安定性が低いことを
示す。 耐荷重性 :ASTM D 2596 に規定される「Measurement
of Extreme-PressureProperties of Lubricating Greas
e(Four-ball Method)」に従い、耐荷重性を測定した。
この試験は、焼付荷重(Weld Load,WL)を測定する試験で
あり、この値が大きいほど良好であることを示す。
【0015】表1に示す結果から明らかな通り、本発明
の油脂組成物は、比較例のそれに比較して、滴点、ちょ
う度、酸化安定性及び耐荷重性の各点で優れた性能を具
備していることが分かる。
の油脂組成物は、比較例のそれに比較して、滴点、ちょ
う度、酸化安定性及び耐荷重性の各点で優れた性能を具
備していることが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明の食品機械用グリ−ス状油脂組成
物は、食品衛生上安全であると共に、抗酸化性及び潤滑
性に優れているので、食品加工機械の潤滑油として望ま
しい適性を備えている。
物は、食品衛生上安全であると共に、抗酸化性及び潤滑
性に優れているので、食品加工機械の潤滑油として望ま
しい適性を備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:00 Z 8217−4H 30:10 40:06 50:10 (72)発明者 清水 照夫 埼玉県大宮市大字堀崎208−4
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)中鎖飽和脂肪酸グリセリド、やし油及びパ−ム核油から選ばれる少なく とも1種 40〜90重量% (B)ひまし硬化油 5〜30重量% 及び (C)植物性ワックス及び/又は動物性ワックス 5〜30重量% を含有してなる食品機械用グリ−ス状油脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21566792A JPH0641570A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 食品機械用グリース状油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21566792A JPH0641570A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 食品機械用グリース状油脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641570A true JPH0641570A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16676179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21566792A Pending JPH0641570A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 食品機械用グリース状油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641570A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-07-21 JP JP21566792A patent/JPH0641570A/ja active Pending
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