JPH0641533A - 地盤改良剤 - Google Patents
地盤改良剤Info
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- JPH0641533A JPH0641533A JP29453391A JP29453391A JPH0641533A JP H0641533 A JPH0641533 A JP H0641533A JP 29453391 A JP29453391 A JP 29453391A JP 29453391 A JP29453391 A JP 29453391A JP H0641533 A JPH0641533 A JP H0641533A
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- JP
- Japan
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- fine powder
- white carbon
- sodium hydroxide
- strength
- admixture
- Prior art date
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- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高炉水砕スラグなどのカルシウム含有物の優れ
た水硬性を利用した改良剤において、浸透性が良好で、
かつ適度の長時間強度を示すようにする。 【構成】酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%で
あり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブレー
ン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、水酸化ナトリウムま
たは水酸化カリウムと、BET 表面積が40m2/g以上のホ
ワイトカーボンと、次記の石灰岩および粘土の微粉の混
合物である混和材とを主材とする。
た水硬性を利用した改良剤において、浸透性が良好で、
かつ適度の長時間強度を示すようにする。 【構成】酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%で
あり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブレー
ン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、水酸化ナトリウムま
たは水酸化カリウムと、BET 表面積が40m2/g以上のホ
ワイトカーボンと、次記の石灰岩および粘土の微粉の混
合物である混和材とを主材とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラウト注入用などの
地盤の改良剤に関する。
地盤の改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤の改良のためのグラウト注入剤とし
ては、種々のものが従来から用いられてきた。現在の多
くは、水ガラス系またはセメント系のものが大半であ
る。
ては、種々のものが従来から用いられてきた。現在の多
くは、水ガラス系またはセメント系のものが大半であ
る。
【0003】我が国のグラウト剤の歴史を振り返ってみ
れば、1960年代に樋口氏がセメント懸濁液と希釈水ガラ
ス溶液とを組み合わせたゲルタイムの短い不安定水ガラ
スグラウト(LW)、その後このLWに改良を加えて、
微粒子の高炉コロイドセメントと低モル比の水ガラス希
釈溶液とを組み合わせた、ゲルタイムが十数分の高強度
で恒久性の高い不安定水ガラスグラウト(C−LW)、
さらに高炉水砕スラグとポルトランドセメントの混合比
率を変化させ各モル比の水ガラス希釈溶液とを組み合わ
せた比較的にゲルタイムの長いグラウト(MS)が基礎
になっている。
れば、1960年代に樋口氏がセメント懸濁液と希釈水ガラ
ス溶液とを組み合わせたゲルタイムの短い不安定水ガラ
スグラウト(LW)、その後このLWに改良を加えて、
微粒子の高炉コロイドセメントと低モル比の水ガラス希
釈溶液とを組み合わせた、ゲルタイムが十数分の高強度
で恒久性の高い不安定水ガラスグラウト(C−LW)、
さらに高炉水砕スラグとポルトランドセメントの混合比
率を変化させ各モル比の水ガラス希釈溶液とを組み合わ
せた比較的にゲルタイムの長いグラウト(MS)が基礎
になっている。
【0004】現在では、浸透を目的とした場合には、水
ガラスと硬化剤とを組み合わせた溶液型のものが多い。
ガラスと硬化剤とを組み合わせた溶液型のものが多い。
【0005】しかし、懸濁液型または半懸濁液型のもの
も、高い強度を得るためには、有効であるために、多く
用いられている。
も、高い強度を得るためには、有効であるために、多く
用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高炉水砕スラグなどの
カルシウムを含む化合物に対してアルカリを添加する
と、加水分解が生じて高炉水砕スラグの潜在水硬性が発
現する。この性質を利用して、本出願人は先に、特願平
3−60494 号として、高炉水砕スラグなどのカルシウム
含有物の優れた水硬性を利用するとともに、浸透性およ
び長時間経過後の強度に優れた地盤改良剤として、酸化
カルシウムの含有量が20〜50重量%であり、内部構造の
90%以上がガラス質であり、ブレーン値が5000cm2 /g
以上の微粉末と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ムと、BET 表面積が40m2/g以上のホワイトカーボンとを
主材とする地盤改良剤を提案した。
カルシウムを含む化合物に対してアルカリを添加する
と、加水分解が生じて高炉水砕スラグの潜在水硬性が発
現する。この性質を利用して、本出願人は先に、特願平
3−60494 号として、高炉水砕スラグなどのカルシウム
含有物の優れた水硬性を利用するとともに、浸透性およ
び長時間経過後の強度に優れた地盤改良剤として、酸化
カルシウムの含有量が20〜50重量%であり、内部構造の
90%以上がガラス質であり、ブレーン値が5000cm2 /g
以上の微粉末と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ムと、BET 表面積が40m2/g以上のホワイトカーボンとを
主材とする地盤改良剤を提案した。
【0007】この場合、後に実施例で明らかにするよう
に、時間の経過とともに強度が増大する。たとえば、2
8日の圧縮強度が50kgf/cm2 程度になる。
に、時間の経過とともに強度が増大する。たとえば、2
8日の圧縮強度が50kgf/cm2 程度になる。
【0008】しかし、強度が高いことは通常は好ましい
ことであるが、地盤の改良に際して、一旦強化した地盤
を掘削する場合もあり、このような用途の場合には、経
時とともに強度が一元的または直線的に増大することは
好ましくなく、ある時間以降は強度がそれ以上増大しな
いまたは増大するとしてもその勾配が緩やかであること
が望まれる。
ことであるが、地盤の改良に際して、一旦強化した地盤
を掘削する場合もあり、このような用途の場合には、経
時とともに強度が一元的または直線的に増大することは
好ましくなく、ある時間以降は強度がそれ以上増大しな
いまたは増大するとしてもその勾配が緩やかであること
が望まれる。
【0009】したがって、本発明の課題は、強度が実用
上充分であるとともに、経時変化によって強度の増加が
さほどないようにすることにある。
上充分であるとともに、経時変化によって強度の増加が
さほどないようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、酸化カルシ
ウムの含有量が20〜50重量%であり、内部構造の9
0%以上がガラス質であり、ブレーン値が5000cm2 /g以
上の微粉末と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
と、BET 表面積が40m2/g以上のホワイトカーボンと、
次記の石灰岩および粘土の微粉の混合物である混和材と
を主材とすることで解決できる。 (混和材) Ig.loss 20〜30% SiO2 15〜25% Al2O3 7〜10% Fe2O3 3〜7 % CaO 60〜70% MgO 0.7 〜2 % SO3 1 %以下 この場合、ホワイトカーボンは、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウムの
群から選ばれた一種または二種以上のものを使用でき
る。また、配合としては、微粉末が200 〜500 kg/
m3 、10%濃度基準で水酸化ナトリウムが200 〜500 リ
ットル/m3 、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウ
ム溶液に対して0.01〜1.0 重量%であり、前記混和材は
微粉末に対して60重量%以上であるのが望ましい。
ウムの含有量が20〜50重量%であり、内部構造の9
0%以上がガラス質であり、ブレーン値が5000cm2 /g以
上の微粉末と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
と、BET 表面積が40m2/g以上のホワイトカーボンと、
次記の石灰岩および粘土の微粉の混合物である混和材と
を主材とすることで解決できる。 (混和材) Ig.loss 20〜30% SiO2 15〜25% Al2O3 7〜10% Fe2O3 3〜7 % CaO 60〜70% MgO 0.7 〜2 % SO3 1 %以下 この場合、ホワイトカーボンは、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウムの
群から選ばれた一種または二種以上のものを使用でき
る。また、配合としては、微粉末が200 〜500 kg/
m3 、10%濃度基準で水酸化ナトリウムが200 〜500 リ
ットル/m3 、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウ
ム溶液に対して0.01〜1.0 重量%であり、前記混和材は
微粉末に対して60重量%以上であるのが望ましい。
【0011】
【作用】本発明に係る微粉末として高炉スラグを用いる
ことができる。 このスラグ粒子に対して、アルカリすなわち水酸化ナ
トリウムが刺激して、CaO-MgO-Al2O3-nH2Oなる水和生成
物が生じる。 また、本発明に用いる混和材は、石灰岩の微粉と粘土
の微粉の混合物である。したがって、石灰岩の微粉とア
ルカリとが次記のように反応する。 CaCO3 +NaOH → Ca(OH)2 + Na2CO3 粘土の微粉末もアルカリと次記の反応を生じる R2O・XAl2O3・YSiO2 ・nH2O +NaOH → Na2SiO3(可
溶性ケイ酸) 粘土の微粉末とで生成した Ca(OH)2が反応して R2O・XAl2O3・YSiO2 ・nH2O+Ca(OH)2 →Ca−粘土(カ
ルシウム粘土) Ca−粘土とで生成した Na2CO3 が反応して Ca−粘土+ Na2CO3 → Na−粘土+CaCO3 Ca−粘土とで生成したNa2SiO3 が反応して Ca−粘土+Na2SiO3 → Na−粘土+CaSiO3(ケイ酸カル
シウム) が生じる。かかる〜の反応が連鎖的に生じ、ポゾラ
ン反応により生成したケイ酸カルシウムの微粒子が、ス
ラグ粒子間に有効に介在して強度の保証をする。また、
前記のホワイトカーボンは可溶性ケイ酸として働く。
ことができる。 このスラグ粒子に対して、アルカリすなわち水酸化ナ
トリウムが刺激して、CaO-MgO-Al2O3-nH2Oなる水和生成
物が生じる。 また、本発明に用いる混和材は、石灰岩の微粉と粘土
の微粉の混合物である。したがって、石灰岩の微粉とア
ルカリとが次記のように反応する。 CaCO3 +NaOH → Ca(OH)2 + Na2CO3 粘土の微粉末もアルカリと次記の反応を生じる R2O・XAl2O3・YSiO2 ・nH2O +NaOH → Na2SiO3(可
溶性ケイ酸) 粘土の微粉末とで生成した Ca(OH)2が反応して R2O・XAl2O3・YSiO2 ・nH2O+Ca(OH)2 →Ca−粘土(カ
ルシウム粘土) Ca−粘土とで生成した Na2CO3 が反応して Ca−粘土+ Na2CO3 → Na−粘土+CaCO3 Ca−粘土とで生成したNa2SiO3 が反応して Ca−粘土+Na2SiO3 → Na−粘土+CaSiO3(ケイ酸カル
シウム) が生じる。かかる〜の反応が連鎖的に生じ、ポゾラ
ン反応により生成したケイ酸カルシウムの微粒子が、ス
ラグ粒子間に有効に介在して強度の保証をする。また、
前記のホワイトカーボンは可溶性ケイ酸として働く。
【0012】一方、前述のように強度の増大を望まない
場合には、スラグの量を低減させることが考えられる
が、間隙率が40%の場合の土1m3 に対して、スラグ
量をたとえば350 kg/m3とする場合には、間隙充填率が
59%で28日圧縮強度が50kgf/m3であるのに対して、スラ
グ量をたとえば200 kg/m3とする場合には、間隙充填率
が34%で28日圧縮強度が0 〜4kgf/m3 と極端に低下し実
用には適しない。したがって、前記の提案の改良材で
は、強度の高いものしか得ることができない。これはセ
メントペーストのセメント水比(W/C)が強度を決定
する事実と同一である。
場合には、スラグの量を低減させることが考えられる
が、間隙率が40%の場合の土1m3 に対して、スラグ
量をたとえば350 kg/m3とする場合には、間隙充填率が
59%で28日圧縮強度が50kgf/m3であるのに対して、スラ
グ量をたとえば200 kg/m3とする場合には、間隙充填率
が34%で28日圧縮強度が0 〜4kgf/m3 と極端に低下し実
用には適しない。したがって、前記の提案の改良材で
は、強度の高いものしか得ることができない。これはセ
メントペーストのセメント水比(W/C)が強度を決定
する事実と同一である。
【0013】しかるに、本発明に従って、前記の混和材
を使用すると、強度が実用性を満足する程度に発現する
とともに、長期強度の過度の上昇を抑制することができ
る。
を使用すると、強度が実用性を満足する程度に発現する
とともに、長期強度の過度の上昇を抑制することができ
る。
【0014】
【実施例】以下本発明を具体的にさらに詳説する。本発
明では、酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%で
あり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブレー
ン値が5000cm2 /g以上の微粉末を用いる。
明では、酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%で
あり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブレー
ン値が5000cm2 /g以上の微粉末を用いる。
【0015】この代表例としては、高炉水砕スラグの微
粉末を挙げることができる。他の冶金スラグも用いるこ
とができる。酸化カルシウムの含有量はより好ましくは
25〜35重量%である。ブレーン値としては、浸透性
の点でより好ましくは8000〜16000cm2 /g である。粗大
な粒子の場合、地盤中に対する浸透性が悪い。ブレーン
値がより高くとも、浸透性の向上はさほど期待できず、
また粉砕に要するコストの増大を招く。
粉末を挙げることができる。他の冶金スラグも用いるこ
とができる。酸化カルシウムの含有量はより好ましくは
25〜35重量%である。ブレーン値としては、浸透性
の点でより好ましくは8000〜16000cm2 /g である。粗大
な粒子の場合、地盤中に対する浸透性が悪い。ブレーン
値がより高くとも、浸透性の向上はさほど期待できず、
また粉砕に要するコストの増大を招く。
【0016】この種のスラグに対して、アルカリが添加
される。アルカリとしては、水酸化ナトリウムが好適で
あるが、水酸化カリウムもコストの点を除けば使用でき
るとともに、効果は基本的に同一であることを確認済で
ある。さらに、本発明においては、微粒ホワイトカーボ
ンが添加される。この微粒ホワイトカーボンとしては、
無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水
ケイ酸アルミニウムの群から選ばれた一種または二種以
上のものを用いることができる。BET 表面積としては、
40m2/g以上、好ましくは50〜300m2/g のものを好適に用
いることができる。とりわけ、含水ケイ酸カルシウム
は、アルカリ溶液によるスラグ粒子の加水分解速度を遅
延させるので、ゲルタイムの調整が容易となり、望まし
い。
される。アルカリとしては、水酸化ナトリウムが好適で
あるが、水酸化カリウムもコストの点を除けば使用でき
るとともに、効果は基本的に同一であることを確認済で
ある。さらに、本発明においては、微粒ホワイトカーボ
ンが添加される。この微粒ホワイトカーボンとしては、
無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水
ケイ酸アルミニウムの群から選ばれた一種または二種以
上のものを用いることができる。BET 表面積としては、
40m2/g以上、好ましくは50〜300m2/g のものを好適に用
いることができる。とりわけ、含水ケイ酸カルシウム
は、アルカリ溶液によるスラグ粒子の加水分解速度を遅
延させるので、ゲルタイムの調整が容易となり、望まし
い。
【0017】また、本発明においては、特に下記の石灰
岩の微粉末と粘度の微粉末との混合物としての混和材を
スラグに対して併用する。 Ig.loss 20〜30% SiO2 15〜25% Al2O3 7〜10% Fe2O3 3〜7 % CaO 60〜70% MgO 0.7 〜2 % SO3 1 %以下 この場合、粒度構成としては、平均1〜5μm 、最大1
5μm の程度の微粉が好ましい。
岩の微粉末と粘度の微粉末との混合物としての混和材を
スラグに対して併用する。 Ig.loss 20〜30% SiO2 15〜25% Al2O3 7〜10% Fe2O3 3〜7 % CaO 60〜70% MgO 0.7 〜2 % SO3 1 %以下 この場合、粒度構成としては、平均1〜5μm 、最大1
5μm の程度の微粉が好ましい。
【0018】本発明に係る地盤改良剤の好適な配合は、
酸化カルシウム含有微粉末が200 〜500 kg/m3 、10%
濃度基準で水酸化ナトリウムが200 〜500 リットル/m
3 、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウム溶液に
対して0.01〜1.0 重量%であり、さらに前記混和材は微
粉末に対して60重量%以上であるものである。
酸化カルシウム含有微粉末が200 〜500 kg/m3 、10%
濃度基準で水酸化ナトリウムが200 〜500 リットル/m
3 、ホワイトカーボンが10%水酸化ナトリウム溶液に
対して0.01〜1.0 重量%であり、さらに前記混和材は微
粉末に対して60重量%以上であるものである。
【0019】微粉末は、少量のアルカリによっても硬化
反応を生じるが、強度の早期発現の点で200 リットル/
m3以上含有するのが好ましい。逆に、水酸化ナトリウム
が過剰であると、地盤中にアルカリが残存し、生活環境
を阻害する要因を発生させる虞れがある。水酸化ナトリ
ウムの濃度によって、添加量は一次反比例的に調節でき
る。たとえば、5%濃度の場合には、400 〜1000リット
ル/m3となる。ホワイトカーボン微粒子の添加量は、効
果を発現させるために、0.01重量%以上添加することが
要求される。逆に、過度に添加量が多いと、ゲルタイム
が短くなるとともに、浸透性を阻害する。混和材は微粉
末に対して60重量%以上とするのが望ましい。60重量%
未満では、強度が過度になりがちである。
反応を生じるが、強度の早期発現の点で200 リットル/
m3以上含有するのが好ましい。逆に、水酸化ナトリウム
が過剰であると、地盤中にアルカリが残存し、生活環境
を阻害する要因を発生させる虞れがある。水酸化ナトリ
ウムの濃度によって、添加量は一次反比例的に調節でき
る。たとえば、5%濃度の場合には、400 〜1000リット
ル/m3となる。ホワイトカーボン微粒子の添加量は、効
果を発現させるために、0.01重量%以上添加することが
要求される。逆に、過度に添加量が多いと、ゲルタイム
が短くなるとともに、浸透性を阻害する。混和材は微粉
末に対して60重量%以上とするのが望ましい。60重量%
未満では、強度が過度になりがちである。
【0020】本発明に係る地盤改良剤は、通常、各材料
を予め調合し一液で対象地盤の施す、たとえば注入管を
介して地盤中に注入することができるが、酸化カルシウ
ム含有微粉末の懸濁液と水酸化ナトリウム溶液とを別に
注入管に送給し、注入管内でまたは地盤中で合流混合さ
せることができる。この場合、ホワイトカーボンは一方
の液側に添加することができる。さらに、本発明に係る
地盤改良剤は、グラウト注入の場合のほか、攪拌混合工
法などの他の工法にも用いることができる。
を予め調合し一液で対象地盤の施す、たとえば注入管を
介して地盤中に注入することができるが、酸化カルシウ
ム含有微粉末の懸濁液と水酸化ナトリウム溶液とを別に
注入管に送給し、注入管内でまたは地盤中で合流混合さ
せることができる。この場合、ホワイトカーボンは一方
の液側に添加することができる。さらに、本発明に係る
地盤改良剤は、グラウト注入の場合のほか、攪拌混合工
法などの他の工法にも用いることができる。
【0021】〔実施例〕以下に実施例を示し本発明の効
果を明らかにする。 (前提実験例1)土1m3に対して、高炉水砕スラグの微
粉末(ブレーン値15000cm2 /g)を350kg/m3、および
10%濃度の水酸化ナトリウムを350 リットル/m3を添
加する配合の下で、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム
および希釈水ガラスを添加し、粘性の変化を調べた。た
だし、本発明の混和材は添加していない。結果を表1に
示す。添加量は重量%である。
果を明らかにする。 (前提実験例1)土1m3に対して、高炉水砕スラグの微
粉末(ブレーン値15000cm2 /g)を350kg/m3、および
10%濃度の水酸化ナトリウムを350 リットル/m3を添
加する配合の下で、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム
および希釈水ガラスを添加し、粘性の変化を調べた。た
だし、本発明の混和材は添加していない。結果を表1に
示す。添加量は重量%である。
【0022】
【表1】
【0023】この結果から、希釈水ガラスを添加した場
合より、含水ケイ酸および含水ケイ酸カルシウムを添加
する場合の方が、粘度の上昇を抑制でき、かつ含水ケイ
酸カルシウムはその効果が大きいことが判った。また、
1.0 体積%以上となると、ゲル化時間が短くなり、好ま
しくないことも判った。 (前提実験例2)さらに、含水ケイ酸、含水ケイ酸カル
シウムおよび希釈水ガラスを添加した各添加量配合にお
いて、練り置き時間を10分に設定し、注入管により豊
浦標準砂を充填したモールド(直径5mmΦ×長さ100
mm)に対して、注入圧力1kg/cm2 で一液注入を行
い、その浸透性および28日後の強度を調べた結果を、
表2に示した。この結果から、ホワイトカーボンの添加
は浸透性および強度の向上をもたらし、かつ含水ケイ酸
カルシウムは含水ケイ酸より、浸透性が良好となること
が判明した。
合より、含水ケイ酸および含水ケイ酸カルシウムを添加
する場合の方が、粘度の上昇を抑制でき、かつ含水ケイ
酸カルシウムはその効果が大きいことが判った。また、
1.0 体積%以上となると、ゲル化時間が短くなり、好ま
しくないことも判った。 (前提実験例2)さらに、含水ケイ酸、含水ケイ酸カル
シウムおよび希釈水ガラスを添加した各添加量配合にお
いて、練り置き時間を10分に設定し、注入管により豊
浦標準砂を充填したモールド(直径5mmΦ×長さ100
mm)に対して、注入圧力1kg/cm2 で一液注入を行
い、その浸透性および28日後の強度を調べた結果を、
表2に示した。この結果から、ホワイトカーボンの添加
は浸透性および強度の向上をもたらし、かつ含水ケイ酸
カルシウムは含水ケイ酸より、浸透性が良好となること
が判明した。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例1および実施例2)前提実験例1
におけるホワイトカーボンを0.25重量%としたとき、高
炉スラグに対する次記の混和材(三菱マテリアル社製
「SKF」)の量を変えて、粘度の経時変化および注入
材として用いた場合(注入圧力1kg/cm2 、浸透長さ50
cm)の浸透性を調べたところ、図1および図2の結果が
得られた。 (混和材の組成) Ig.loss 23.70 % SiO2 20.73 % Al2O3 7.92 % Fe2O3 4.83 % CaO 63.31 % MgO 1.09 % SO3 0.72 % また、配合による圧縮強度の相違を調べたところ、表3
に示す結果となった。
におけるホワイトカーボンを0.25重量%としたとき、高
炉スラグに対する次記の混和材(三菱マテリアル社製
「SKF」)の量を変えて、粘度の経時変化および注入
材として用いた場合(注入圧力1kg/cm2 、浸透長さ50
cm)の浸透性を調べたところ、図1および図2の結果が
得られた。 (混和材の組成) Ig.loss 23.70 % SiO2 20.73 % Al2O3 7.92 % Fe2O3 4.83 % CaO 63.31 % MgO 1.09 % SO3 0.72 % また、配合による圧縮強度の相違を調べたところ、表3
に示す結果となった。
【0026】
【表3】
【0027】(考察)これらの結果によると、地盤に対
する浸透性を阻害することなく、混和材の使用によっ
て、経時的粘度の上昇を抑制でき、かつ過度の強度でな
く、地盤の強化後に充分掘削できる強度の改良体を得る
ことができることが判明する。
する浸透性を阻害することなく、混和材の使用によっ
て、経時的粘度の上昇を抑制でき、かつ過度の強度でな
く、地盤の強化後に充分掘削できる強度の改良体を得る
ことができることが判明する。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高炉水砕
スラグなどのカルシウム含有物の優れた水硬性を利用で
きるとともに、浸透性および長時間経過後の強度が適度
である地盤改良剤を得ることができる。
スラグなどのカルシウム含有物の優れた水硬性を利用で
きるとともに、浸透性および長時間経過後の強度が適度
である地盤改良剤を得ることができる。
【図1】混和材の添加量の相違による経時的粘度変化グ
ラフである。
ラフである。
【図2】混和材の添加量の相違による浸透性の調査結果
の棒グラフである。
の棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウベール バットモン フランス国 92000 ナンテール市 ワッ トフォールアベニュー 6 ソールタンシ ュ エンタープライズ内
Claims (3)
- 【請求項1】酸化カルシウムの含有量が20〜50重量
%であり、内部構造の90%以上がガラス質であり、ブ
レーン値が5000cm2 /g以上の微粉末と、水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムと、BET 表面積が40m2/g以上
のホワイトカーボンと、次記の石灰岩および粘土の微粉
の混合物である混和材とを主材とすることを特徴とする
地盤改良剤。 (混和材) Ig.loss 20〜30% SiO2 15〜25% Al2O3 7〜10% Fe2O3 3〜7 % CaO 60〜70% MgO 0.7 〜2 % SO3 1%以下 - 【請求項2】ホワイトカーボンは、無水ケイ酸、含水ケ
イ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム
の群から選ばれた一種または二種以上のものである請求
項1記載の地盤改良剤。 - 【請求項3】微粉末が200 〜500 kg/m3 、10%濃度基
準で水酸化ナトリウムが200 〜500 リットル/m3 、ホ
ワイトカーボンが10%水酸化ナトリウム溶液に対して0.
01〜1.0 重量%であり、前記混和材は微粉末に対して60
重量%以上である請求項1記載の地盤改良剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29453391A JP2904626B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 地盤改良剤 |
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JP29453391A JP2904626B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 地盤改良剤 |
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JPH0641533A true JPH0641533A (ja) | 1994-02-15 |
JP2904626B2 JP2904626B2 (ja) | 1999-06-14 |
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JP29453391A Expired - Fee Related JP2904626B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 地盤改良剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100341876B1 (ko) * | 1999-11-12 | 2002-06-24 | 백우현 | 활성도석을 주원료로 한 토양개량제 및 그 제조방법 |
KR100444152B1 (ko) * | 2002-01-19 | 2004-08-09 | 홍정식 | 토양개량제의 제조방법 |
JP5531234B1 (ja) * | 2013-02-08 | 2014-06-25 | 強化土株式会社 | 地盤注入材並びに地盤注入工法 |
-
1991
- 1991-11-11 JP JP29453391A patent/JP2904626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2904626B2 (ja) | 1999-06-14 |
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