JPH0641341A - 樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

樹脂発泡体及びその製造方法

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JPH0641341A
JPH0641341A JP5124469A JP12446993A JPH0641341A JP H0641341 A JPH0641341 A JP H0641341A JP 5124469 A JP5124469 A JP 5124469A JP 12446993 A JP12446993 A JP 12446993A JP H0641341 A JPH0641341 A JP H0641341A
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resin foam
cells
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Kazufumi Ogawa
小川  一文
Tadashi Otake
忠 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂発泡体の気泡の内部を減圧化することに
より、防音性や断熱効果などを向上する。 【構成】 ポリエステル系ポリオール1と、共役不飽和
基を有する揮発性発泡剤2であるクロロプレン(bp.51
℃)30gとステアリンサンカルシウム5gと硬化剤3で
あるヘキサメチレンジイソシアネート60gを混合した発
泡硬化液4を用意し、Alラミネートフィルム製袋6に
入れて脱気し封止する。100 ℃程度で加熱すると、数分
で発泡硬化する。次に電子ビーム8を1Mrad程度照射す
ると、5センチ程度の厚みを電子線は十分透過してAl
ラミネートフィルム中の連続気泡やフィルムと発泡ポリ
ウレタン間隙のイソプレン等の不飽和基を有する揮発性
発泡剤が電子線で重合されて、袋9の形状を保った状態
で袋内が減圧になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続気泡及び/または
独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発泡成形体に関す
る。さらに詳しくは、気泡の内部の空間が減圧化され、
発泡プラスチックの防音性や断熱性に優れた効果を発揮
し得る樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックを機械的に発泡
させたり反応性ガスを用いて発泡させたり発泡材を用い
て発泡させることにより、断熱、吸音、浮力、弾力、軽
量等の諸特性を改善できることが知られており、このよ
うな発泡プラスチックは防音材や断熱材、建材、軽量構
造材、包装材、絶縁材料、クッション材、防震材、履物
等に広く利用されている。
【0003】最近では、省エネルギー、省資源、省スペ
ースのため、できるだけ薄い形状で断熱性をよくしたり
防音性をよくすることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、樹脂発泡体の厚さをそのまま薄くする
と、厚さに比例して防音性や断熱性が低下してしまうと
いう問題があり、単純に厚さを薄くすることは困難であ
った。
【0005】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、発泡されたプラスチック内の気泡内部を減圧また
は真空にし、断熱性や防音性を向上した樹脂発泡体及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の樹脂発泡体は、独立気泡を含む
気泡で発泡された樹脂発泡体であって、前記独立気泡の
内部に共役不飽和炭素基を含む発泡用モノマーが2量化
以上のオリゴマー化またはポリマー化されて存在してい
ることを特徴とする。
【0007】前記構成においては、発泡させた樹脂がポ
リスチレンまたは塩化ビニル、ポリウレタン、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ア
クリル樹脂から選ばれることが好ましい。
【0008】前記構成においては、発泡させた樹脂表面
にアルミニウムが蒸着されていることが好ましい。次に
本発明の第2番目の樹脂発泡体は、連続気泡または独立
気泡を含む気泡で発泡された樹脂発泡体であって、前記
樹脂発泡体は気密性のフィルムで気密封止され、かつ発
泡プラスチック内部の通気性気泡および独立気泡と前記
気密性フィルムと発泡プラスチックの間隙の発泡用モノ
マーが2量化以上のオリゴマー化またはポリマー化され
て存在していることを特徴とする。
【0009】前記構成においては、気密性フィルムがポ
リエチレン−アルミ箔、またはポリエステル−アルミ箔
−ポリエチレンのラミネートフィルムであり、発泡させ
たプラスチック原料がポリスチレン、塩化ビニル、ポリ
ウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエチレン、またはアクリル樹脂から選ばれるこ
とが好ましい。
【0010】次に本発明の第1番目の樹脂発泡体の製造
方法は、独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発泡体の
製造方法であって、揮発性で液体状の共役不飽和炭素基
を含む重合性発泡用モノマーと原料プラスチックを混合
し発泡させる工程と、少なくとも加熱またはエネルギー
ビームを照射し前記発泡させたプラスチック内部の独立
気泡の内部の前記揮発性で液体状の重合性発泡用モノマ
ーを2量化のオリゴマー化または重合させる工程含むこ
とを特徴とする。
【0011】前記構成においては、揮発性で液体状の共
役不飽和炭素基を含む重合性発泡用モノマーがハロゲン
含むことが好ましい。前記構成においては、発泡させる
プラスチック原料がポリスチレンまたは塩化ビニル、ポ
リウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエチレン、アクリル樹脂から選ばれることが好
ましい。
【0012】次に本発明の第2番目の樹脂発泡体の製造
方法は、独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発泡体の
製造方法であって、揮発性で液体状の共役不飽和炭素基
を含む重合性発泡用モノマーと原料プラスチックを混合
し加熱発泡させる工程と、エネルギービームを照射し前
記発泡させたプラスチック内部の独立気泡の内部の揮発
性で液体状の重合性モノマーを重合させる工程と表面に
金属を蒸着する工程含むことを特徴とする。
【0013】次に本発明の第3番目の樹脂発泡体の製造
方法は、連続気泡または独立気泡を含む気泡で発泡され
た樹脂発泡体の製造方法であって、揮発性で液体状の共
役不飽和炭素基を含む重合性発泡用モノマーとプラスチ
ック原料を混合し気密性のフィルムで脱気封止する工程
と、加熱発泡させる工程と、エネルギービームを照射し
前記気密性のフィルムで気密封止された発泡プラスチッ
ク内部の通気性気泡および独立気泡と前記気密性フィル
ムと発泡プラスチックの間隙の揮発性の重合性モノマー
を重合させる工程含むことを特徴とする。
【0014】前記構成においては、揮発性で液体状の共
役不飽和炭素基を含む重合性発泡用モノマーがハロゲン
含むことが好ましい。前記構成においては、気密性フィ
ルムがポリエチレン−アルミ箔、またはポリエステル−
アルミ箔−ポリエチレンのラミネートフィルムであり、
発泡させたプラスチック原料がポリスチレン、塩化ビニ
ル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエチレン、またはアクリル樹脂から選ば
れることが好ましい。
【0015】
【作用】本発明の第1番目の樹脂発泡体の構成によれ
ば、発泡させたプラスチック内部の独立気泡の内部が減
圧化できるので、発泡プラスチックの防音や断熱効果を
向上できる。さらに、表面を金属薄膜で包むことによ
り、熱輻射も低減できる。
【0016】次に本発明の第2番目の樹脂発泡体の構成
によれば、連続気泡であっても全体が気密性のフィルム
で気密封止されているので、さらに防音や断熱効果を向
上できる。
【0017】次に本発明の第1〜3番目の樹脂発泡体の
製造方法の構成によれば、前記した独立気泡及び/また
は気密性のフィルムの内部を減圧状態に保持することが
できるため、効率よく合理的に本発明の樹脂発泡体を製
造することができる。
【0018】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明に関する製造方法には、大きく分けて
2つの方法がある。たとえば、揮発性で液体状の共役不
飽和炭素基を含む重合性発泡用モノマーと原料プラスチ
ックを混合し発泡させる工程と、加熱し前記発泡させた
プラスチック内部の独立気泡の内部に残った揮発性で液
体状の共役不飽和炭素基を含む重合性モノマーを重合さ
せる工程により防音断熱効果の高い発泡プラスチックを
製造する方法、または、揮発性で液体状の共役不飽和炭
素基を含む重合性モノマーと原料プラスチックを混合し
加熱発泡させる工程と、エネルギービーム(たとえば電
子線,X線またはガンマ線)を照射し前記発泡させたプ
ラスチック内部の独立気泡の内部に残った揮発性で液体
状の共役不飽和炭素基を含む重合性モノマーを重合させ
る工程により防音断熱効果の高い発泡プラスチックを製
造する方法がある。
【0019】なお、このとき揮発性で液体状の重合性モ
ノマーとして、共役した炭素の2重結合や炭素−炭素の
3重結合基のような不飽和炭素結合を有する発泡剤を用
いれば加熱やエネルギービームで重合固化しやすいので
都合がよい。例えば下記式(化1〜3)に示すような共
役多重結合基を含む化合物などを用いることが好まし
い。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】また、このとき加熱によりラジカルを発生
するラジカル重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、
やアゾビスイソブチロニトリル等)や無機ハロゲン化物
(塩化第二錫や塩化第二鉄等)などの重合開始剤を添加
しておくと、内部圧力を低減できる。さらに、表面に熱
輻射を防止する目的で金属を蒸着すると熱輻射をさらに
低減できる。
【0024】なお、このとき発泡させるプラスチック原
料としてはポリスチレンまたは塩化ビニル、ポリウレタ
ン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エチレン、アクリル樹脂などが好都合である。
【0025】一方、揮発性で液体状の共役不飽和炭素基
を含む重合性発泡用モノマーと原料プラスチックを混合
し気密性のフィルムで脱気封止する工程と、発泡させる
工程と、少なくとも加熱またはエネルギービームを照射
し前記気密性のフィルムで気密封止された発泡プラスチ
ック内部の通気性気泡および独立気泡と前記気密性フィ
ルムと発泡プラスチックの間隙の前記重合性モノマーを
重合させる工程とにより防音断熱効果の高い発泡プラス
チックを封止した防音断熱材がある。
【0026】なお、このとき揮発性で液体状の重合性モ
ノマーがハロゲンを含んでいれば難燃性なので安全管理
上都合がよい。また、気密性フィルムとしてポリエチレ
ン−アルミ箔、またはポリエステル−アルミ箔−ポリエ
チレン等のAlラミネートフィルムを用い、発泡させる
プラスチック原料がポリスチレン、塩化ビニル、ポリウ
レタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエチレン、またはアクリル樹脂を用いると都合がよ
い。
【0027】また、前記においてエネルギービームを照
射して重合性モノマーを重合させる際、例えば800K
eV程度に加速した電子ビームを使用する場合、0.0
1〜10Mrad程度が好ましく、とくに0.2〜1M
radの範囲の照射が好ましい。また加熱硬化させる場
合は、30〜100℃程度に加熱することが好ましく、
とくに50〜90℃の加熱が好ましい。
【0028】以下順に実施例を用いて説明する。 実施例1(独立気泡型高熱絶縁性発泡プラスチックの製
造方法) 下記の方法により、80gの発泡硬化液を調製した。 (1) ベースポリマーとしてアジピン酸(無水フタル酸で
もよい)とエチレングリコール(プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン等でもよい)
を縮合した分子量2000程度のポリエステル系ポリオ
ール、またはグリセリン(ソルビトールでもよい)にエ
チレンオキサイド(プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイドでもよい)を付加重合した分子量2000程度
のポリアルキレンエーテル系ポリオール50gと、(2)
不飽和基を有する揮発性発泡剤であるシクロペンタジエ
ン(bp.41℃)を30gとを計量し、混合した。
【0029】次に、前記80gの発泡硬化液と、硬化剤
であるヘキサメチレンジイソシアネート(市販品として
は、旭硝子社のクルードMDIやクルードTDI、プレ
ポリマーMDI、プレポリマーTDI等がある)60g
とを混合(理論的にはアルコール基とイソシアネート基
がほぼ等モルとなるよう混合すればよい)してすぐ5セ
ンチギャプ程度の成形容器に入れると、発泡剤の沸点が
41℃なので反応熱で発泡し、数十秒から数分で硬化し
て独立気泡型の発泡ポリウレタンを作成できた。
【0030】その後、成形容器から発泡したウレタン樹
脂を取り出し、80℃の加熱器(オーブン)中で一晩放
置すると、シクロペンタジエンは2分子がカップリング
してジシクロペンタジエン(bp.170℃;室温での
蒸気圧数mmHg)となり、気泡内圧は、約10mmH
gに減圧された。
【0031】このようにして作成された発泡ポリウレタ
ンは、従来のものに比べ約2倍程度断熱特性を改善でき
た。また、防音効果も2倍程度改善された。さらにこの
ようにして得た、発泡ウレタンの表面にアルミニウム等
の熱線反射効果の高い金属を真空蒸着1000オングス
トローム程度すると、熱輻射をかなり削減できさらに断
熱効果を向上できた。なお、発泡後Alラミネートフィ
ルムで真空封止した後電子線照射すれば、断熱効果の向
上とともに耐久性をも向上できる。
【0032】さらにまた、整泡剤としてジメチルシロキ
サン系界面活性剤を数パーセント添加しておけば起泡力
と泡の安定性を高められる。また、ポリオールとイソシ
アネートの反応を促進するため触媒として3級アミン
(例えば、ペンタメチルジエチレントリアミンや有機錫
(例えば、ジブチルチンジラウレート)を添加しておく
と樹脂化を促進できる。
【0033】なお、このとき、物性の改良のため、ポリ
オールや硬化剤、発泡剤は任意に選べばよいし、ブレン
ドして用いてもよい。特に発泡剤をブレンドしておけ
ば、照射により共重合物が生成されるので減圧効果が高
い。
【0034】実施例2(独立気泡型高熱絶縁性発泡プラ
スチックの製造方法) 下記の方法により、80gの発泡硬化液を調製した。 (1) ベースポリマーとしてアジピン酸(無水フタル酸で
もよい)とエチレングリコール(プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン等でもよい)
を縮合した分子量2000程度のポリエステル系ポリオ
ール、またはグリセリン(ソルビトールでもよい)にエ
チレンオキサイド(プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイドでもよい)を付加重合した分子量2000程度
のポリアルキレンエーテル系ポリオール50gと、(2)
不飽和基を有する揮発性発泡剤であるイソプレン(b
p.34℃)を30gとを計量し、混合した。
【0035】次に、前記80gの発泡硬化液と、硬化剤
であるヘキサメチレンジイソシアネート(市販品として
は、旭硝子社のクルードMDIやクルードTDI、プレ
ポリマーMDI、プレポリマーTDI等がある)60g
とを混合(理論的にはアルコール基とイソシアネート基
がほぼ等モルとなるよう混合すればよい)してすぐ5セ
ンチギャプ程度の成形容器に入れると、発泡剤の沸点が
34℃なので反応熱で発泡し数十秒から数分で硬化して
独立気泡型の発泡ポリウレタンを作成できた。
【0036】その後、成形容器から発泡したウレタン樹
脂を取り出し800KeV程度に加速した電子ビームを
0.01〜10Mrad程度(好ましくは0.2〜1M
rad)照射すると、5センチ程度の厚みであると電子
線は十分透過して独立気泡中の不飽和基を有する揮発性
発泡剤であるイソプレンが電子線で重合されて、個々の
独立気泡の中が減圧された。
【0037】このようにして作成された発泡ポリウレタ
ンは、電子線照射してないものに比べ約2倍程度断熱特
性を改善できた。また、防音効果も2倍程度改善され
た。さらにこのようにして得た、発泡ウレタンの表面に
アルミニウム等の熱線反射効果の高い金属を真空蒸着1
000オングストローム程度すると、熱輻射をかなり削
減できさらに断熱効果を向上できた。なお、発泡後Al
ラミネートフィルムで真空封止した後電子線照射すれ
ば、断熱効果の向上とともに耐久性をも向上できる。
【0038】さらにまた、整泡剤としてジメチルシロキ
サン系界面活性剤を数パーセント添加しておけば起泡力
と泡の安定性を高められる。また、ポリオールとイソシ
アネートの反応を促進するため触媒として3級アミン
(例えば、ペンタメチルジエチレントリアミンや有機錫
(例えば、ジブチルチンジラウレート)を添加しておく
と樹脂化を促進できる。
【0039】なお、このとき、物性の改良のため、ポリ
オールや硬化剤、発泡剤は任意に選べばよいし、ブレン
ドして用いてもよい。特に発泡剤をブレンドしておけ
ば、照射により共重合物が生成されるので減圧効果が高
い。
【0040】ちなみに、共役不飽和炭素基を含む重合性
発泡剤としては、イソプレン以外に、下記の化合物も一
例として挙げることができる。 (1)シクロペンタジエン[C5 6 ;bp.41℃] (2)ヘキサトリエン[CH2 =CH−CH=CH−C
H=CH2 ;bp.78℃] (3)イソプロペニルアセチレン[下記式(化4);b
p.31℃]
【0041】
【化4】
【0042】またハロゲンを含む発泡剤としては、一例
として下記の化合物を挙げることができる。 クロロプレン[CH2 =CCl−CH=CH2 ;bp.
51℃] 但し、沸点が60℃以上の発泡剤を使用する場合は、ポ
リオールと発泡剤を含む硬化剤を混合した後、100℃
程度に加熱する必要がある。
【0043】実施例3(連続気泡型高熱絶縁性発泡プラ
スチックの製造方法) 図1に示すように、下記の方法により、まず85gの発
泡硬化液4を調製した。 (1) ベースポリマーとしてアジピン酸(無水フタル酸で
もよい)とエチレングリコール(プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン等でもよい)
を縮合した分子量2000程度のポリエステル系ポリオ
ール、またはグリセリン(ソルビトールでもよい)にエ
チレンオキサイド(プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイドでもよい)を付加重合した分子量2000程度
のポリアルキレンエーテル系ポリオール1を50gと、
(2) 不飽和基を有する揮発性発泡剤2であるクロロプレ
ン(bp.51℃)(ヘキサトリエン:bp.78℃で
もよい)30gと、(3) ステアリンサンカルシウム5g
とを計量して混合した。
【0044】次に、前記85gの発泡硬化液4と、硬化
剤3であるヘキサメチレンジイソシアネート60gとを
混合し(図1(a))、ポリオール1と発泡剤2及び硬
化液4となどを混合した混合液5(理論的にはアルコー
ル基とイソシアネート基がほぼ等モルとなるよう混合す
ればよい)をAlラミネートフィルム6製袋に入れて脱
気して封止した(図1(b))。
【0045】その後、5センチギャプ程度加熱盤に挟
み、100℃程度で加熱すると、数分で発泡硬化し連続
気泡型発泡ポリウレタン7が気密封じされた断熱材を作
成できた(図1(c))。
【0046】その後、さらに加熱板から袋詰めされた断
熱材を取り出し800KeV程度に加速した電子ビーム
8を1Mrad程度照射すると、5センチ程度の厚みで
あると電子線は十分透過してAlラミネートフィルム中
の連続気泡やフィルムと発泡ポリウレタン間隙のイソプ
レン等の不飽和基を有する揮発性発泡剤が電子線で重合
されて、袋9の形状を保った状態で袋内が減圧になる
(図1(d))。
【0047】このようにして作成された発泡ポリウレタ
ン断熱材は、電子線照射してないものに比べ約3倍程度
断熱特性を改善できた。また、防音効果も3倍程度改善
された。なお、このとき発泡剤の重合触媒として、塩化
第二錫を1wt%程度添加しておけば、発泡剤は発泡後
の加熱で重合することも可能なので、さらに効率よく内
部を減圧できる。
【0048】また、上記実施例以外に、不飽和基を有す
る共役した不飽和炭素基を含む揮発性発泡剤イソプロペ
ニルアセチレンをポリスチレンにいれた粒状の樹脂を作
成し、摂氏120度程度で加熱した5センチギャプ程度
の加熱板に挟み数十秒から数分で発泡硬化すると独立気
泡型の発泡ポリスチレンを作成できる。なおこのとき、
樹脂中の発泡剤の濃度を制御し界面活性剤を添加するこ
とで独立気泡型発泡ポリスチレンと連続気泡型発泡ポリ
スチレンをつくり分けできる。その後、加熱板から発泡
したポリスチレンを取り出し室温に冷却した後、800
KeV程度に加速した電子ビームを0.01〜10Mr
ad程度照射すると、5センチ程度の厚みであると電子
線は十分透過して独立気泡中のイソプロペニルアセチレ
ンが電子線で重合されて、個々の独立気泡の中が減圧で
きる。
【0049】また、不飽和基を有する揮発性発泡剤シク
ロペンタジエン等を塩化ビニル樹脂に混合し金型にいれ
て、200℃程度で加熱すると独立気泡型の発泡ポリ塩
化ビニルを作成できる。なおこのとき同様に、樹脂中の
発泡剤の濃度を制御し界面活性剤を添加することで独立
気泡型発泡ポリ塩化ビニルと連続気泡型発泡ポリ塩化ビ
ニルをつくり分けできる。
【0050】その後、発泡したポリ塩化ビニルを取り出
し800KeV程度に加速した電子ビームを0.01〜
10Mrad程度照射すると、電子線は十分透過して独
立気泡中のシクロペンタジエンが電子線で重合されて、
個々の独立気泡の中が減圧できる。
【0051】さらにまた、あらかじめレゾール型縮合物
またはノボラック型縮合物を作成し、不飽和基を有する
揮発性発泡剤のクロロプレンを混合し金型にいれて、摂
氏150度程度で加熱すると独立気泡型の発泡フェノー
ル樹脂を作成できる。なおこのとき同様に、樹脂中の発
泡剤の濃度を制御し界面活性剤を添加することで独立気
泡型発泡フェノール樹脂と連続気泡型発泡フェノール樹
脂をつくり分けできる。
【0052】その後、発泡した発泡フェノール樹脂を取
り出し冷却後800KeV程度に加速した電子ビームを
0.01〜10Mrad程度照射すると、電子線は十分
透過して独立気泡中のクロロプレンが電子線で重合され
て、個々の独立気泡の中が減圧されるなお上記以外にも
ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、アクリル樹
脂を用いて同様の熱絶縁性が高く防音効果の高い発泡プ
ラスチックを作成できる。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、発
泡させたプラスチック内部の独立気泡の内部や気密性の
フィルムで気密封止された発泡プラスチック内部の通気
性気泡および独立気泡と前記気密性フィルムと発泡プラ
スチックの間隙を減圧できるので、発泡プラスチックの
防音や断熱効果を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第3の実施例である発泡ポリウレタン
を製造する工程を説明するために、概念的に示した工程
断面図である。
【符号の説明】
1 ポリオール 2 発泡剤 3 硬化剤 4 発泡硬化液 5 ポリオールと発泡剤及び硬化剤の混合液 6 Alラミネートフィルム 7 発泡ポリウレタン 8 電子ビーム 9 発泡剤の硬化された発泡ポリウレタン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発
    泡体であって、前記独立気泡の内部に共役不飽和炭素基
    を含む発泡用モノマーが2量化以上のオリゴマー化また
    はポリマー化されて存在していることを特徴とする樹脂
    発泡体。
  2. 【請求項2】 発泡させた樹脂がポリスチレンまたは塩
    化ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹
    脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、アクリル樹脂から選
    ばれる請求項1に記載の樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 発泡させた樹脂表面にアルミニウムが蒸
    着されている請求項1に記載の樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 連続気泡または独立気泡を含む気泡で発
    泡された樹脂発泡体であって、前記樹脂発泡体は気密性
    のフィルムで気密封止され、かつ発泡プラスチック内部
    の通気性気泡および独立気泡と前記気密性フィルムと発
    泡プラスチックの間隙の発泡用モノマーが2量化以上の
    オリゴマー化またはポリマー化されて存在していること
    を特徴とする樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 気密性フィルムがポリエチレン−アルミ
    箔、またはポリエステル−アルミ箔−ポリエチレンのラ
    ミネートフィルムであり、発泡させたプラスチック原料
    がポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、フェノー
    ル樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ま
    たはアクリル樹脂から選ばれる請求項4に記載の樹脂発
    泡体。
  6. 【請求項6】 独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発
    泡体の製造方法であって、揮発性で液体状の共役不飽和
    炭素基を含む重合性発泡用モノマーとプラスチック原料
    を混合し発泡させる工程と、少なくとも加熱またはエネ
    ルギービームを照射し前記発泡させたプラスチック内部
    の独立気泡の内部の前記揮発性で液体状の重合性発泡用
    モノマーを2量化のオリゴマー化または重合させる工程
    含むことを特徴とする樹脂発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 独立気泡を含む気泡で発泡された樹脂発
    泡体の製造方法であって、揮発性で液体状の共役不飽和
    炭素基を含む重合性発泡用モノマーと原料プラスチック
    を混合し加熱発泡させる工程と、エネルギービームを照
    射し前記発泡させたプラスチック内部の独立気泡の内部
    の揮発性で液体状の重合性モノマーを重合させる工程と
    表面に金属を蒸着する工程含むことを特徴とする樹脂発
    泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 連続気泡または独立気泡を含む気泡で発
    泡された樹脂発泡体の製造方法であって、揮発性で液体
    状の共役不飽和炭素基を含む重合性発泡用モノマーと原
    料プラスチックを混合し気密性のフィルムで脱気封止す
    る工程と、加熱発泡させる工程と、エネルギービームを
    照射し前記気密性のフィルムで気密封止された発泡プラ
    スチック内部の通気性気泡および独立気泡と前記気密性
    フィルムと発泡プラスチックの間隙の揮発性の重合性モ
    ノマーを重合させる工程含むことを特徴とする樹脂発泡
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】 揮発性で液体状の共役不飽和炭素基を含
    む重合性発泡用モノマーがハロゲンを含む請求項6,7
    または8に記載の樹脂発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 発泡させるプラスチック原料がポリス
    チレンまたは塩化ビニル、ポリウレタン、フェノール樹
    脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、アクリ
    ル樹脂から選ばれる請求項6,7または8に記載の樹脂
    発泡体の製造方法。
  11. 【請求項11】 気密性フィルムがポリエチレン−アル
    ミ箔、またはポリエステル−アルミ箔−ポリエチレンの
    ラミネートフィルムであり、発泡させたプラスチック原
    料がポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、フェノ
    ール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、
    またはアクリル樹脂から選ばれる請求項8記載の樹脂発
    泡体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014511923A (ja) * 2011-04-04 2014-05-19 イェトゥー カンパニー リミテッド 発泡成形体、これを含む浮力材及び建築用資材

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