JPH06100052A - 断熱箱体 - Google Patents
断熱箱体Info
- Publication number
- JPH06100052A JPH06100052A JP4240755A JP24075592A JPH06100052A JP H06100052 A JPH06100052 A JP H06100052A JP 4240755 A JP4240755 A JP 4240755A JP 24075592 A JP24075592 A JP 24075592A JP H06100052 A JPH06100052 A JP H06100052A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- heat
- polyurethane foam
- box body
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Packages (AREA)
- Refrigerator Housings (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 内箱等の使用される合成樹脂に対するケミカ
ルアタックが究めて小さく且つ製造コストが少なく済む
断熱箱体の提供。 【構成】 冷蔵庫等の断熱箱体1では,外箱2と内箱3
との間の空間内に,ポリオール成分と,イソシアネート
成分と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物を併用し
た発泡材等とより成る硬質ポリウレタンフォーム原料が
充填される。この時,水とイソシアネート成分とが反応
することにより二酸化炭素ガスが発生する。そして,上
記空間内で発泡・硬化された硬質ポリウレタンフォーム
中のフロン化合物の濃度が上記二酸化炭素ガスの濃度に
対して15%以下のモル%であれば,内箱3にABS樹
脂を用いた場合でもこのABS樹脂に割れを発生させる
ことがない。この場合,上記フロン化合物と共に高い併
用比率で水が用いられるので,断熱箱体1の製造コスト
の低減化を図ることができる。
ルアタックが究めて小さく且つ製造コストが少なく済む
断熱箱体の提供。 【構成】 冷蔵庫等の断熱箱体1では,外箱2と内箱3
との間の空間内に,ポリオール成分と,イソシアネート
成分と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物を併用し
た発泡材等とより成る硬質ポリウレタンフォーム原料が
充填される。この時,水とイソシアネート成分とが反応
することにより二酸化炭素ガスが発生する。そして,上
記空間内で発泡・硬化された硬質ポリウレタンフォーム
中のフロン化合物の濃度が上記二酸化炭素ガスの濃度に
対して15%以下のモル%であれば,内箱3にABS樹
脂を用いた場合でもこのABS樹脂に割れを発生させる
ことがない。この場合,上記フロン化合物と共に高い併
用比率で水が用いられるので,断熱箱体1の製造コスト
の低減化を図ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば冷蔵庫等の断熱
箱体に係り,詳しくは外箱と内箱との間の空間内に真空
断熱材を具備し,少なくともポリオール成分と,イソシ
アネート成分と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物
を併用した発泡剤とを上記空間内に充填して硬質ポリウ
レタンフォームを形成した断熱箱体に関するものであ
る。
箱体に係り,詳しくは外箱と内箱との間の空間内に真空
断熱材を具備し,少なくともポリオール成分と,イソシ
アネート成分と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物
を併用した発泡剤とを上記空間内に充填して硬質ポリウ
レタンフォームを形成した断熱箱体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年,大気圏内のオゾン層の破壊を防止
するために,このオゾン層を破壊するある種のフロン化
合物の使用が規制される情勢にある。この種のフロン化
合物としては,例えば冷蔵庫等の断熱箱体の空間内に充
填される硬質ポリウレタンフォームに,発泡剤として用
いられるトリクロロモノフルオロメタン(化学式:FC
Cl3 ,通称CFC−11といい,以下この通称を用い
る)が上げられる。上記CFC−11は,鋼板製の外箱
と共に上記断熱箱体を構成する内箱に使用される,例え
ばポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
(以下,ABS樹脂と言う)に対するケミカルアタック
性が小さいため,上記ABS樹脂に割れ等を生じさせる
ことがなく,重要な発泡剤であった。しかしながら,近
年上記CFC−11によるオゾン層の破壊作用が大きい
ことが判明し,その使用が国際的に禁止されることにな
っている。そこで,特開平4−43280号公報や特開
平4−62379号公報の発明によれば,上記硬質ポリ
ウレタンフォームの発泡剤として,オゾン層の破壊につ
ながらないとされるフロン化合物,所謂低オゾン分解性
の代替フロン化合物を主として用い,水を補助的に併用
する技術が開示されている。これらの技術において,例
えばポリオール成分100重量部に対して発泡剤として
の水は0.5〜3.5重量部が添加され,上記代替フロ
ン化合物は30〜80重量部が添加されている。この場
合,上記したような配合比率による発泡剤を用いて充填
・成形された硬質ポリウレタンフォーム中の代替フロン
化合物の濃度は,水とイソシアネート成分との反応によ
り生じた二酸化炭素ガスの濃度に対して,最大モル濃度
で約90モル%以上になる。尚,上記代替フロン化合物
としては,例えばジクロロモノフルオロエタン(化学
式:CH3 CCl2 F,通称HCFC−141b と言
う,以下この通称を用いる)やジクロロトリフルオロエ
タン(化学式:CHCl2 CF3 ,通称HCFC−12
3と言い,以下この通称を用いる),或いはパーフロロ
ヘキサンやパーフロロペンタン等に代表されるパーフロ
ロアルカン類が挙げられる。
するために,このオゾン層を破壊するある種のフロン化
合物の使用が規制される情勢にある。この種のフロン化
合物としては,例えば冷蔵庫等の断熱箱体の空間内に充
填される硬質ポリウレタンフォームに,発泡剤として用
いられるトリクロロモノフルオロメタン(化学式:FC
Cl3 ,通称CFC−11といい,以下この通称を用い
る)が上げられる。上記CFC−11は,鋼板製の外箱
と共に上記断熱箱体を構成する内箱に使用される,例え
ばポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
(以下,ABS樹脂と言う)に対するケミカルアタック
性が小さいため,上記ABS樹脂に割れ等を生じさせる
ことがなく,重要な発泡剤であった。しかしながら,近
年上記CFC−11によるオゾン層の破壊作用が大きい
ことが判明し,その使用が国際的に禁止されることにな
っている。そこで,特開平4−43280号公報や特開
平4−62379号公報の発明によれば,上記硬質ポリ
ウレタンフォームの発泡剤として,オゾン層の破壊につ
ながらないとされるフロン化合物,所謂低オゾン分解性
の代替フロン化合物を主として用い,水を補助的に併用
する技術が開示されている。これらの技術において,例
えばポリオール成分100重量部に対して発泡剤として
の水は0.5〜3.5重量部が添加され,上記代替フロ
ン化合物は30〜80重量部が添加されている。この場
合,上記したような配合比率による発泡剤を用いて充填
・成形された硬質ポリウレタンフォーム中の代替フロン
化合物の濃度は,水とイソシアネート成分との反応によ
り生じた二酸化炭素ガスの濃度に対して,最大モル濃度
で約90モル%以上になる。尚,上記代替フロン化合物
としては,例えばジクロロモノフルオロエタン(化学
式:CH3 CCl2 F,通称HCFC−141b と言
う,以下この通称を用いる)やジクロロトリフルオロエ
タン(化学式:CHCl2 CF3 ,通称HCFC−12
3と言い,以下この通称を用いる),或いはパーフロロ
ヘキサンやパーフロロペンタン等に代表されるパーフロ
ロアルカン類が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上記特開平
4−62379号に開示の断熱箱体によれば,代替フロ
ン化合物として上記HCFC−123のみが用いられて
いる。上記HCFC−123やHCFC−141b は,
上記ABS樹脂やポリスチレン樹脂に対するケミカルア
タック性が強く,樹脂の表面白化や割れ発生の原因とな
っている。その為,上記開示の断熱箱体の内箱として上
記ABS樹脂やこのABS樹脂よりも廉価なポリスチレ
ン樹脂を使用することができなかった。一方,上記特開
平4−43280号公報に開示の断熱箱体において,H
CFC−123やHCFC−141b のABS樹脂等に
対するケミカルアタック性を低減化させたり,上記代替
フロン化合物として,ケミカルアタック性の小さなポリ
フロロアルカン類を上記HCFC−123やHCFC−
141b と所定比率で併用しているが,上記ポリフロロ
アルカン類は高価であり,その為取り扱いに注意を必要
としている。そこで,本発明の目的は,内箱等に使用さ
れる合成樹脂に対するケミカルアタックが究めて小さく
且つ製造コストが少なくて済む断熱箱体を提供すること
である。
4−62379号に開示の断熱箱体によれば,代替フロ
ン化合物として上記HCFC−123のみが用いられて
いる。上記HCFC−123やHCFC−141b は,
上記ABS樹脂やポリスチレン樹脂に対するケミカルア
タック性が強く,樹脂の表面白化や割れ発生の原因とな
っている。その為,上記開示の断熱箱体の内箱として上
記ABS樹脂やこのABS樹脂よりも廉価なポリスチレ
ン樹脂を使用することができなかった。一方,上記特開
平4−43280号公報に開示の断熱箱体において,H
CFC−123やHCFC−141b のABS樹脂等に
対するケミカルアタック性を低減化させたり,上記代替
フロン化合物として,ケミカルアタック性の小さなポリ
フロロアルカン類を上記HCFC−123やHCFC−
141b と所定比率で併用しているが,上記ポリフロロ
アルカン類は高価であり,その為取り扱いに注意を必要
としている。そこで,本発明の目的は,内箱等に使用さ
れる合成樹脂に対するケミカルアタックが究めて小さく
且つ製造コストが少なくて済む断熱箱体を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明が採用する主たる手段は,その要旨とすると
ころが,外箱と内箱との間の空間内に真空断熱材を具備
し,少なくともポリオール成分と,イソシアネート成分
と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物を併用した発
泡剤とを上記空間内に充填して硬質ポリウレタンフォー
ムを形成した断熱箱体において,上記水と低オゾン分解
性のフロン化合物との併用比率を,上記硬質ポリウレタ
ンフォーム中の上記フロン化合物の濃度を上記水と上記
イソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素の
濃度に対して15%以下のモル%とするように設定した
ことを特徴とする断熱箱体として構成されている。上記
した構成における内箱としては,ポリアクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン樹脂より構成されたものや,或
いはポリスチレン樹脂より構成されたものであってもよ
い。
に,本発明が採用する主たる手段は,その要旨とすると
ころが,外箱と内箱との間の空間内に真空断熱材を具備
し,少なくともポリオール成分と,イソシアネート成分
と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物を併用した発
泡剤とを上記空間内に充填して硬質ポリウレタンフォー
ムを形成した断熱箱体において,上記水と低オゾン分解
性のフロン化合物との併用比率を,上記硬質ポリウレタ
ンフォーム中の上記フロン化合物の濃度を上記水と上記
イソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素の
濃度に対して15%以下のモル%とするように設定した
ことを特徴とする断熱箱体として構成されている。上記
した構成における内箱としては,ポリアクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン樹脂より構成されたものや,或
いはポリスチレン樹脂より構成されたものであってもよ
い。
【0005】
【作用】本発明に係る断熱箱体において,外箱と内箱と
の間の空間内に充填して形成される硬質ポリウレタンフ
ォーム中の低オゾン分解性のフロン化合物の濃度が,水
とイソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素
の濃度に対して,内箱を構成する例えばポリアクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン樹脂やこれよりも廉価な
ポリスチレン樹脂に対して上記フロン化合物によるケミ
カルアタックを生じさせない濃度即ち15%以下のモル
%となるように,上記水とフロン化合物との併用比率が
設定される。従って,上記断熱箱体の内箱等に使用され
る合成樹脂に対するケミカルアタックが究めて小さくな
る。一方,上記した発泡剤における水の併用比率は比較
的大きいため,例えばポリフロロアルカン類を用いた場
合と比べて製造コストが少なくて済みその取り扱いも楽
である。そして,上記した構成をとることにより上記内
箱等にポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂を用いることができる。更に,上記ポリアクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン樹脂よりも廉価なポリスチ
レン樹脂を用いることが可能となり,これによって上記
断熱箱体の製造コストの低減化に一層寄与することとな
る。
の間の空間内に充填して形成される硬質ポリウレタンフ
ォーム中の低オゾン分解性のフロン化合物の濃度が,水
とイソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素
の濃度に対して,内箱を構成する例えばポリアクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン樹脂やこれよりも廉価な
ポリスチレン樹脂に対して上記フロン化合物によるケミ
カルアタックを生じさせない濃度即ち15%以下のモル
%となるように,上記水とフロン化合物との併用比率が
設定される。従って,上記断熱箱体の内箱等に使用され
る合成樹脂に対するケミカルアタックが究めて小さくな
る。一方,上記した発泡剤における水の併用比率は比較
的大きいため,例えばポリフロロアルカン類を用いた場
合と比べて製造コストが少なくて済みその取り扱いも楽
である。そして,上記した構成をとることにより上記内
箱等にポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂を用いることができる。更に,上記ポリアクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン樹脂よりも廉価なポリスチ
レン樹脂を用いることが可能となり,これによって上記
断熱箱体の製造コストの低減化に一層寄与することとな
る。
【0006】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は本発明の一実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体の外観
を示す斜視図,図2は図1に於けるA−A矢視断面図で
ある。本実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体1は,図1及び
図2に示すように,鋼板製の外箱2と合成樹脂性の内箱
3とより内部に空間を有する箱体として構成される。上
記空間内の外箱2の内面には,気密性を有する外包材6
の内部にスペーサ材4を充填して構成された真空断熱材
7が固着されている。上記スペーサ材4としてはシリ
カ,パーライト等の無機質の微粉末が用いられる。又,
上記外包材6としてはアルミ箔,又はアルミ蒸着ポリエ
ステル等から成る非通気性のプラスチックラミネートフ
ィイルムが用いられる。そして,上記真空断熱材7の外
包材6内は,例えば約1torr.程度に減圧して密封
されている。上記真空断熱材7が,外箱2と内箱3との
空間内に設けられることにより,上記断熱箱体1の断熱
性能の向上化が図られている。このように組立られた外
箱2と内箱3とよりなる断熱箱体1に,図示せぬ発泡治
具が設置された後,硬質ポリウレタンフォームの原料が
上記発泡治具から外箱2内箱3との間の空間内に充填さ
れて硬質ポリウレタンフォーム5として発泡・成型され
る。上記硬質ポリウレタンフォーム5の原料は,ポリオ
ール成分と,イソシアネート成分と,発泡剤と,重合触
媒と,整泡剤等とよりなっている。本実施例では特に,
上記発泡剤として,低オゾン分解性の所謂代替フロン化
合物であるHCFC−141b と,水とが所定の比率で
併用される。上記発泡材としての水は,上記原料が上記
空間内に充填された時,イソシアネート成分の一部と反
応することにより,二酸化炭素ガスが発生する。この二
酸化炭素ガスとHCFC−141b との混合ガスが硬質
ポリウレタンフォーム5のフォーム源となる。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は本発明の一実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体の外観
を示す斜視図,図2は図1に於けるA−A矢視断面図で
ある。本実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体1は,図1及び
図2に示すように,鋼板製の外箱2と合成樹脂性の内箱
3とより内部に空間を有する箱体として構成される。上
記空間内の外箱2の内面には,気密性を有する外包材6
の内部にスペーサ材4を充填して構成された真空断熱材
7が固着されている。上記スペーサ材4としてはシリ
カ,パーライト等の無機質の微粉末が用いられる。又,
上記外包材6としてはアルミ箔,又はアルミ蒸着ポリエ
ステル等から成る非通気性のプラスチックラミネートフ
ィイルムが用いられる。そして,上記真空断熱材7の外
包材6内は,例えば約1torr.程度に減圧して密封
されている。上記真空断熱材7が,外箱2と内箱3との
空間内に設けられることにより,上記断熱箱体1の断熱
性能の向上化が図られている。このように組立られた外
箱2と内箱3とよりなる断熱箱体1に,図示せぬ発泡治
具が設置された後,硬質ポリウレタンフォームの原料が
上記発泡治具から外箱2内箱3との間の空間内に充填さ
れて硬質ポリウレタンフォーム5として発泡・成型され
る。上記硬質ポリウレタンフォーム5の原料は,ポリオ
ール成分と,イソシアネート成分と,発泡剤と,重合触
媒と,整泡剤等とよりなっている。本実施例では特に,
上記発泡剤として,低オゾン分解性の所謂代替フロン化
合物であるHCFC−141b と,水とが所定の比率で
併用される。上記発泡材としての水は,上記原料が上記
空間内に充填された時,イソシアネート成分の一部と反
応することにより,二酸化炭素ガスが発生する。この二
酸化炭素ガスとHCFC−141b との混合ガスが硬質
ポリウレタンフォーム5のフォーム源となる。
【0007】そこで,以下に示す表−1に,発泡材とし
て水のみを使用した場合の硬質ポリウレタンフォーム5
(表中(a)で示す)と,水とHCFC−141b とを
併用した場合の硬質ポリウレタンフォーム5(表中
(b)〜(d)で示す)とのそれぞれの原料処方,熱伝
導率,HCFC−141b 濃度の二酸化炭素ガス濃度に
対するモル濃度(モル%)及びHCFC−141b のケ
ミカルアタックによる内箱3の割れの評価結果の一例を
示す。
て水のみを使用した場合の硬質ポリウレタンフォーム5
(表中(a)で示す)と,水とHCFC−141b とを
併用した場合の硬質ポリウレタンフォーム5(表中
(b)〜(d)で示す)とのそれぞれの原料処方,熱伝
導率,HCFC−141b 濃度の二酸化炭素ガス濃度に
対するモル濃度(モル%)及びHCFC−141b のケ
ミカルアタックによる内箱3の割れの評価結果の一例を
示す。
【表1】 尚,表中に示した部数はいずれも重量部である。又,上
記内箱3の割れ評価結果は,内箱3としてABS樹脂を
用い,各原料処方毎の硬質ポリウレタンフォーム5が充
填された断熱箱体1に対してヒートサイクル試験を行っ
て得たものである。上記ヒートサイクル試験は,上記断
熱箱体1を−30℃の温度条件下に24時間保持する試
験工程と70℃の温度条件下に24時間保持する試験工
程とを1サイクルとし,これを14サイクル繰り返して
行われる。そして,表−1に示した硬質ポリウレタンフ
ォーム5((b)及び(c))における水とHCFC−
141b との併用比率は,硬化・成型された硬質ポリウ
レタンフォーム中のHCFC−141b の濃度が水とイ
ソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素ガス
の濃度に対して13〜14モル%,即ち15%以下のモ
ル%となるように設定されている。このように,上記硬
質ポリウレタンフォーム中のHCFC−141b の濃度
を上記二酸化炭素ガスの濃度に対して15%以下のモル
%にすることにより,上記ABS樹脂に対するケミカル
アタック性を究めて小さくすることができ,これによっ
て例えばHCFC−141b の水に対する併用比率が高
い硬質ポリウレタンフォーム5(表中の(d)で示す)
のように,内箱3のABS樹脂に割れが発生することを
防止できる。尚,上記(d)の硬質ポリウレタンフォー
ム5の場合,ヒートサイクル試験において僅か2サイク
ル目に割れが発生した。
記内箱3の割れ評価結果は,内箱3としてABS樹脂を
用い,各原料処方毎の硬質ポリウレタンフォーム5が充
填された断熱箱体1に対してヒートサイクル試験を行っ
て得たものである。上記ヒートサイクル試験は,上記断
熱箱体1を−30℃の温度条件下に24時間保持する試
験工程と70℃の温度条件下に24時間保持する試験工
程とを1サイクルとし,これを14サイクル繰り返して
行われる。そして,表−1に示した硬質ポリウレタンフ
ォーム5((b)及び(c))における水とHCFC−
141b との併用比率は,硬化・成型された硬質ポリウ
レタンフォーム中のHCFC−141b の濃度が水とイ
ソシアネート成分との反応により生じた二酸化炭素ガス
の濃度に対して13〜14モル%,即ち15%以下のモ
ル%となるように設定されている。このように,上記硬
質ポリウレタンフォーム中のHCFC−141b の濃度
を上記二酸化炭素ガスの濃度に対して15%以下のモル
%にすることにより,上記ABS樹脂に対するケミカル
アタック性を究めて小さくすることができ,これによっ
て例えばHCFC−141b の水に対する併用比率が高
い硬質ポリウレタンフォーム5(表中の(d)で示す)
のように,内箱3のABS樹脂に割れが発生することを
防止できる。尚,上記(d)の硬質ポリウレタンフォー
ム5の場合,ヒートサイクル試験において僅か2サイク
ル目に割れが発生した。
【0008】一方,本実施例の断熱箱体1に用いた硬質
ポリウレタンフォーム5(表中(b)及び(c))では
HCFC−141b に対する水の併用比率が高く水のみ
が併用されるので,例えばポリフロロアルカン類とHC
FC−141b とを少量の水と併用させることによりH
CFC−141b のケミカルアタック性を抑えた構成と
比べて,比較的高価なポリフロロアルカン類を使用する
必要がない為,その分製造コストの低減化を図ることが
できる。その上,上記ポリフロロアルカン類と比べて水
は取り扱いやすい。ところで,上記発泡材として水のみ
を用いれば,るオゾン層の破壊やABS樹脂等に対する
ケミカルアタック性を考慮しなくてすむと考えられる
が,その場合表中(a)で示した硬質ポリウレタンフォ
ーム5のようにこの硬質ポリウレタンフォーム5の熱伝
導率が究めて高くなり実用的でなくなる。しかしなが
ら,本実施例の硬質ポリウレタンフォーム(表中の
(b)及び(c))によれば,上記ABS樹脂に対しケ
ミカルアタックの影響を及ぼさない範囲で,比較的熱伝
導率の低いHCFC−141b を水と併用したので,こ
の時の硬質ポリウレタンフォーム5の熱伝導率を(a)
で示した硬質ポリウレタンフォーム5よりも小さくする
ことができ,実用的なものとすることができる。更に,
上記硬質ポリウレタンフォーム5中のHCFC−141
b の濃度が二酸化炭素ガスの濃度に対して15%以下の
モル%となるように,水とHCFC−141b との併用
比率を設定することにより,上記内箱3の材料としてA
BS樹脂と比べて廉価な耐衝撃性ポリスチレン樹脂や汎
用のポリスチレン樹脂を用いた場合でも,この内箱3に
割れを生じることがない。その結果,上記断熱箱体1の
製造コストを更に低減化させることが可能となる。又,
表中(b)及び(c)で示した硬質ポリウレタンフォー
ム5は,(a)で示した硬質ポリウレタンフォーム5と
比べて,HCFC−141b の作用により,原料の粘度
が低く,流動性が高い。その為,上記断熱箱体1への充
填作業が容易になり,充填後の硬質ポリウレタンフォー
ム5にボイド(空気溜)が発生しにくくなる。尚,発泡
材として水と併用される代替フロン化合物としては,上
記HCFC−141b に替えて,HCFC−123が挙
げられる。このHCFC−123と水とを併用した試験
結果は例示されていないが,上記HCFC−123はH
CFC−141b よりもABS樹脂やポリスチレン樹脂
に対するケミカルアタック性が強い。その為,水に対す
るHCFC−123の併用比率は,HCFC−141b
の場合よりも若干小さく設定する必要がある。しかしな
がら,この場合にも上記した実施例と究めて近い効果を
奏することは言うまでもない。
ポリウレタンフォーム5(表中(b)及び(c))では
HCFC−141b に対する水の併用比率が高く水のみ
が併用されるので,例えばポリフロロアルカン類とHC
FC−141b とを少量の水と併用させることによりH
CFC−141b のケミカルアタック性を抑えた構成と
比べて,比較的高価なポリフロロアルカン類を使用する
必要がない為,その分製造コストの低減化を図ることが
できる。その上,上記ポリフロロアルカン類と比べて水
は取り扱いやすい。ところで,上記発泡材として水のみ
を用いれば,るオゾン層の破壊やABS樹脂等に対する
ケミカルアタック性を考慮しなくてすむと考えられる
が,その場合表中(a)で示した硬質ポリウレタンフォ
ーム5のようにこの硬質ポリウレタンフォーム5の熱伝
導率が究めて高くなり実用的でなくなる。しかしなが
ら,本実施例の硬質ポリウレタンフォーム(表中の
(b)及び(c))によれば,上記ABS樹脂に対しケ
ミカルアタックの影響を及ぼさない範囲で,比較的熱伝
導率の低いHCFC−141b を水と併用したので,こ
の時の硬質ポリウレタンフォーム5の熱伝導率を(a)
で示した硬質ポリウレタンフォーム5よりも小さくする
ことができ,実用的なものとすることができる。更に,
上記硬質ポリウレタンフォーム5中のHCFC−141
b の濃度が二酸化炭素ガスの濃度に対して15%以下の
モル%となるように,水とHCFC−141b との併用
比率を設定することにより,上記内箱3の材料としてA
BS樹脂と比べて廉価な耐衝撃性ポリスチレン樹脂や汎
用のポリスチレン樹脂を用いた場合でも,この内箱3に
割れを生じることがない。その結果,上記断熱箱体1の
製造コストを更に低減化させることが可能となる。又,
表中(b)及び(c)で示した硬質ポリウレタンフォー
ム5は,(a)で示した硬質ポリウレタンフォーム5と
比べて,HCFC−141b の作用により,原料の粘度
が低く,流動性が高い。その為,上記断熱箱体1への充
填作業が容易になり,充填後の硬質ポリウレタンフォー
ム5にボイド(空気溜)が発生しにくくなる。尚,発泡
材として水と併用される代替フロン化合物としては,上
記HCFC−141b に替えて,HCFC−123が挙
げられる。このHCFC−123と水とを併用した試験
結果は例示されていないが,上記HCFC−123はH
CFC−141b よりもABS樹脂やポリスチレン樹脂
に対するケミカルアタック性が強い。その為,水に対す
るHCFC−123の併用比率は,HCFC−141b
の場合よりも若干小さく設定する必要がある。しかしな
がら,この場合にも上記した実施例と究めて近い効果を
奏することは言うまでもない。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば,外箱と内箱との間の空
間内に真空断熱材を具備し,少なくともポリオール成分
と,イソシアネート成分と,水及び低オゾン分解性のフ
ロン化合物を併用した発泡剤とを上記空間内に充填して
硬質ポリウレタンフォームを形成した断熱箱体におい
て,上記水と低オゾン分解性のフロン化合物との併用比
率を,上記硬質ポリウレタンフォーム中の上記フロン化
合物の濃度を上記水と上記イソシアネート成分との反応
により生じた二酸化炭素の濃度に対して15%以下のモ
ル%とするように設定したことを特徴とする断熱箱体が
提供される。それにより,内箱等に使用される合成樹脂
に対するケミカルアタックを抑えることができる。これ
によって,汎用のポリアクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン樹脂やこれよりも廉価なポリスチレン樹脂を上
記内箱の材料として用いることが可能となる。又,上記
低オゾン分解性のフロン化合物に対する水の併用比率が
比較的高い為,例えばポリフロロアルカン類を用いた場
合と比べて,製造コストの低減化を図ることができると
共に,取り扱いが容易になる。
間内に真空断熱材を具備し,少なくともポリオール成分
と,イソシアネート成分と,水及び低オゾン分解性のフ
ロン化合物を併用した発泡剤とを上記空間内に充填して
硬質ポリウレタンフォームを形成した断熱箱体におい
て,上記水と低オゾン分解性のフロン化合物との併用比
率を,上記硬質ポリウレタンフォーム中の上記フロン化
合物の濃度を上記水と上記イソシアネート成分との反応
により生じた二酸化炭素の濃度に対して15%以下のモ
ル%とするように設定したことを特徴とする断熱箱体が
提供される。それにより,内箱等に使用される合成樹脂
に対するケミカルアタックを抑えることができる。これ
によって,汎用のポリアクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン樹脂やこれよりも廉価なポリスチレン樹脂を上
記内箱の材料として用いることが可能となる。又,上記
低オゾン分解性のフロン化合物に対する水の併用比率が
比較的高い為,例えばポリフロロアルカン類を用いた場
合と比べて,製造コストの低減化を図ることができると
共に,取り扱いが容易になる。
【図1】 本発明の一実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体の
外観を示す斜視図。
外観を示す斜視図。
【図2】 図1に於けるA−A矢視断面図。
1…断熱箱体 2…外箱 3…内箱 5…硬質ウレタン
フォーム 7…真空断熱材
フォーム 7…真空断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 22:00 4F C08L 75:04
Claims (3)
- 【請求項1】 外箱と内箱との間の空間内に真空断熱材
を具備し,少なくともポリオール成分と,イソシアネー
ト成分と,水及び低オゾン分解性のフロン化合物を併用
した発泡剤とを上記空間内に充填して硬質ポリウレタン
フォームを形成した断熱箱体において,上記水と低オゾ
ン分解性のフロン化合物との併用比率を,上記硬質ポリ
ウレタンフォーム中の上記フロン化合物の濃度を上記水
と上記イソシアネート成分との反応により生じた二酸化
炭素の濃度に対して15%以下のモル%とするように設
定したことを特徴とする断熱箱体。 - 【請求項2】 上記内箱が,ポリアクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン樹脂より構成された請求項1に記載
の断熱箱体。 - 【請求項3】 上記内箱が,ポリスチレン樹脂より構成
された請求項1に記載の断熱箱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4240755A JPH06100052A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 断熱箱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4240755A JPH06100052A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 断熱箱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100052A true JPH06100052A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17064235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4240755A Pending JPH06100052A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 断熱箱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100052A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105668006A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-06-15 | 上海先农台电子商务有限公司 | 无动力自然调转保温箱 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02205582A (ja) * | 1989-01-20 | 1990-08-15 | Hitachi Ltd | 断熱箱体 |
JPH0493581A (ja) * | 1990-08-07 | 1992-03-26 | Matsushita Refrig Co Ltd | 断熱箱体 |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP4240755A patent/JPH06100052A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02205582A (ja) * | 1989-01-20 | 1990-08-15 | Hitachi Ltd | 断熱箱体 |
JPH0493581A (ja) * | 1990-08-07 | 1992-03-26 | Matsushita Refrig Co Ltd | 断熱箱体 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105668006A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-06-15 | 上海先农台电子商务有限公司 | 无动力自然调转保温箱 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5532284A (en) | Polymer foams containing gas barrier resins | |
US8633339B2 (en) | Blowing agents for forming foam comprising unsaturated fluorocarbons | |
RU2162031C2 (ru) | Теплоизолирующее устройство | |
US5965231A (en) | Gas mixtures for thermal insulation | |
US5889067A (en) | Open cell rigid polyurethane foam and method for producing the same and method for making vacuum insulation panel using same | |
JP2761019B2 (ja) | 密閉セルポリウレタンフォームの組成物の製造方法およびそれにより得られる組成物 | |
US5227408A (en) | Carbon dioxide blown polyurethane packaging foam with chemical nucleating agents | |
JP2653884B2 (ja) | 硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法と断熱材並びにそれを用いた冷蔵庫 | |
US20180334547A1 (en) | Fluorinated Compounds Useful As Foam Expansion Agents | |
JPH03243614A (ja) | 硬質ポリウレタンフォームとその製造方法およびそれを用いた製品 | |
CA2115547C (en) | Blowing agent and process for preparing polyurethane foam | |
JPH06100052A (ja) | 断熱箱体 | |
JPH06213561A (ja) | 断熱材及びそれを用いた冷蔵庫 | |
JP2559014B2 (ja) | 発泡断熱体およびその製造方法 | |
JPH03137138A (ja) | 発泡断熱材 | |
JPH11286679A (ja) | 含フッ素ケトンからなる断熱ガス及びそれを充填した断熱材 | |
US6117917A (en) | Blowing agent blends and use thereof | |
EP3360922A1 (en) | Compositions and uses of cis-1,1,1,4,4,4-hexafluoro-2-butene | |
JPH10238691A (ja) | 真空断熱パネル及びその製造方法並びにこの真空断熱パネルを用いた冷蔵庫 | |
KR0185151B1 (ko) | 개방셀 경질 폴리우레탄 발포체 및 그 제조방법과, 그를 이용하여 제조된 진공단열 판넬 | |
JPH07156313A (ja) | 断熱構造体及びその製造方法 | |
JP3125017B2 (ja) | 断熱材 | |
JPH02205582A (ja) | 断熱箱体 | |
WO2022213067A1 (en) | Blowing agents comprising z-1-chloro-2,3,3,3-tetrafluoropentene (hcfo-1224yd(z)) | |
JP3350150B2 (ja) | 発泡断熱材および断熱箱体 |