JPH0641265B2 - 履 帯 - Google Patents

履 帯

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JPH0641265B2
JPH0641265B2 JP60023043A JP2304385A JPH0641265B2 JP H0641265 B2 JPH0641265 B2 JP H0641265B2 JP 60023043 A JP60023043 A JP 60023043A JP 2304385 A JP2304385 A JP 2304385A JP H0641265 B2 JPH0641265 B2 JP H0641265B2
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JP
Japan
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master
pin
master pin
link
links
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廣志 後明
剛 佐京
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • B62D55/32Assembly, disassembly, repair or servicing of endless-track systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Snaps, Bayonet Connections, Set Pins, And Snap Rings (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばブルドーザ、油圧ショベル、油圧クレ
ーン等の装軌式車両に用いられる履帯に関する。
〔従来の技術〕
一般に、装軌式車両の履帯は、トラックピンを介して順
次連結された各一対のレギュラーリンクと、該各レギュ
ラーリンクのうち連結方向一側のレギュラーリンクにト
ラックピンを介して一端部が連結された一対のマスター
リンクと、該各マスターリンクの他端部と前記各レギュ
ラーリンクの連結方向他側のレギュラーリンクに挿嵌さ
れたマスターピンと、前記各一対のレギュラーリンクと
マスターリンクの外側に固着されたシューとから構成さ
れている。従来技術によるこの種の履帯を第5図ないし
第13図に示す。
まず、第5図ないし第10図は第1の従来技術を示す。
図において、1は履帯、2,2,…は後述のトラックピ
ン7を介して順次連結された各一対のレギュラーリンク
で、該各レギュラーリンク2は内側リンク部2Aと外側
にボス3が突出形成された外側リンク部2Bとを有して
おり、該内側リンク部2Aにはブッシュ嵌合穴4が形成
され、外側リンク部2Bにはボス3の中心に位置してト
ラックピン挿嵌穴5が形成されている。そして、各レギ
ュラーリンク2のブッシュ嵌合穴4にはブッシュ6が圧
入されている。該ブッシュ6にはトラックピン7が回動
可能に挿通されてブッシュ6の両端より突出し、該トラ
ックピン7の両端側挿嵌部は他の各レギュラーリンク2
のトラックピン挿嵌穴5に圧入して挿嵌されることによ
り、各一対のレギュラーリンク2は鎖状に連結されてい
る。
8,8は上述の如く連結されたレギュラーリンク2を装
軌式車両の駆動輪と遊動輪(いずれも図示せず)との間
に巻装するために、連結方向一側のレギュラーリンク2
と他側のレギュラーリンク2との間を連結する一対のマ
スターリンクで、該各マスターリンク8の一端部は内側
リンク部8Aになり、他端部8Bは外側にボス9が突出
形成された外側リンク部8Bになっている。そして、各
内側リンク部8Aには前記ブッシュ6が嵌合されるブッ
シュ嵌合穴10が設けられ、各外側リンク部8Bにはボ
ス9の中心に位置して同径のマスターピン挿嵌穴11が
貫通して設けられており、該外側リンク部8Bの内側面
には該マスターピン挿嵌穴11と同心状に環状段部12
が形成され、また、該ボス9の端面には後述のマスター
ピン14を回動不能に係止するための係止溝13が径方
向にフライス加工等の手段で凹設されている。
14はマスターリンク8の外側リンク部8Bと連結方向
他側のレギュラーリンク2を連結するためのマスターピ
ンで、該マスターピン14の両端側の挿嵌部14A,1
4Bは各マスターピン挿嵌穴11に対して0〜0.1mm
程度の圧入代を有する直径からなっており、また、軸方
向一側には前記係止溝13に回動不能に嵌合する上下面
取りのフランジ14Cが形成され、他側先端部には径方
向にピン挿嵌孔15が穿設されている。16は前記他側
レギュラーリンク2のブッシュ嵌合穴4に圧入嵌合さ
れ、内側にはマスターピン14が回動可能に挿通された
マスターブッシュ、17はマスターピン挿嵌穴11から
マスターピン14が抜け落ちるのを防止するための抜止
ピンで、該抜止ピン17はピン挿通孔15に挿通された
後、その両端部は係止溝13内でS字状に折曲げられて
いる。
なお、図中18,18は土砂等の侵入を防止するため各
マスターリンク8の環状段部12に嵌装されたスペー
サ、19,19,…はボルト20Aとナット20Bによ
って各リンク2,8に固着されたシューである。
第1の従来技術による履帯1は前述の如く構成されるが
駆動輪と遊動輪との間に巻装された履帯1は駆動時には
駆動輪によって引張られるため、マスターピン14はマ
スターブッシュ15に対して揺動運動を行い、マスター
リンク8から抜け出る現象が生じる。このため、マスタ
ーピン14の各挿嵌部14A,14Bにはマスターピン
挿嵌穴11,11に圧入して挿嵌するための圧入代を設
け、当該揺動運動を抑制してマスターピン14の抜け出
しを防止している。
さらに、揺動運動によってマスターピン14がマスター
ピン挿嵌穴11内で回動し、各挿嵌部14A,14Bが
摩耗して抜け出るのを防止するために、マスターピン1
4の基端には面取りを有するフランジ14Cを形成し、
マスターリンク8のボス9に設けた係止溝13に回動不
能に嵌合させるようになっている。一方、該マスターピ
ン14の先端側には抜止ピン17を挿通してマスターピ
ン14の抜け出しを確実に防止するようになっている。
而して、上述した第1の従来技術にあっては次のような
欠点がある。即ち履帯1の駆動時にマスターピン14に
揺動荷重が繰返し加えられると各挿嵌部14A,14B
の圧入代が摩耗により経時的に減少してマスターリンク
8から抜出し易くなる。この結果、抜止ピン17が係止
溝13の底面に当接して剪断力を受け、折損してしまう
ことである。
さらには、当該揺動荷重によってマスターピン14は僅
かずつ回動し、フランジ14Cが係止溝13の側壁に当
たるため、当該側壁が摩耗して第10図中一点鎖線に示
すように舟底状に変形し、マスターピン14の回動量が
次第に増大する現象が生じる。この結果、マスターピン
14に挿通されている抜止ピン17もマスターピン14
と一体的に回動し、抜止ピン17の各先端部が係止溝1
3の側壁に叩打されて剪断力を受けて折損してしまい、
該抜止ピン17がマスターピン7から抜け出してしまう
ことである。
上述した欠点を解決するためには、マスターピン挿嵌穴
11に対するマスターピン14の圧入代を大きくするこ
とが考えられる。しかし、マスターピン14を一対のマ
スターリンク8,8に打込む場合、一方のマスターリン
ク8に圧入により挿通されたマスターピン14の先端部
を他方のマスターリンク8に圧入するときの打込荷重は
第13図中実線(イ)で示すように増大する。従って、
作業現場で履帯1の分解、組立を行う場合に、人力によ
ってマスターピン14の抜取り、打込みを行うことがで
きるためにはマスターピン挿嵌穴11に対するマスター
ピン14の圧入代は0〜0.1mmが限度であり、油圧プ
レスを用いてレギュラーリンク2に圧入するトラックピ
ン7の圧入代0.2mm〜0.3mmと同程度まで大きくす
ると上記分解、組立作業が出来なくなるという問題があ
る。
次に、第11図に第2の従来技術を示す。なお、前述し
た第1の従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
図において、21,21はマスターリンクで、該各マス
ターリンク21の外側リンク部21Aには外側にボス2
2が突出形成されており、該ボス22の中心に位置して
マスターピン挿嵌穴23が貫通して設けられ、また、該
外側リンク部21Aの内側面には該マスターピン挿嵌穴
23と同心の環状段部24が形成されているが、ボス2
2の端面には第1の従来技術における係止溝13は設け
られていない。
25は軸方向両端側が挿嵌部25A,25Bになったマ
スターピンで、該各挿嵌部25A,25Bは各マスター
ピン挿嵌穴23に対して0〜0.1mm程度の圧入代を有
している。26,26は径方向の側壁26A,26Bを
有する環状溝で、該各環状溝26は各マスターリンク2
1の環状段部24に対応させてマスターピン25に各挿
嵌部25A,25Bと隣接して周設されている。27,
27はマスターピン25がマスターリンク21から抜け
出るのを防止するためにマスターピン25の各環状溝2
6とマスターリンク21の環状段部24にかけて嵌合さ
れた止め輪で、該各止め輪27は弾性材をC字状に形成
したものからなっている。なお、図中、28,28は前
記各止め輪27を保持すために、該止め輪27の外周と
環状段部24との間に介装されたゴム製の保持リングで
ある。
第2の従来技術は上述の如く構成されており、マスター
ピン挿嵌穴23に対するマスターピン25の圧入代は第
1の実施例と同様に0〜0.1mm程度が良好であること
から、マスターピン25の各環状溝26とマスターリン
ク21の各環状段部24にかけて嵌合した一対の止め輪
27によってマスターピン25の軸方向への移動を規制
し、マスターピン25の抜け出しを防止するようになっ
ている。なお、マスターピン25をマスターリンク21
に圧入するときの打込荷重は第13図の実線(イ)で示
す如く、第1の従来技術のマスターピン14と同じ値で
ある。
而して、上述した構成によれば、連結された各リンク
2,21が駆動輪によって連結方向に引張られたとき、
マスターピン25には剪断力が働くが、当該剪断力は細
径となった各環状溝26,26に作用し、特に軸端側壁
面26A,26Aに集中するため、該各壁面26Aに応
力集中がおきてマスターピン25がこの部分で折損して
しまうという欠点がある。
更に、第12図に第3の従来技術を示す。なお、前述し
た第2の従来技術と同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
ここで、第3の従来技術の特徴は、マスターピン31は
軸方向両端側はマスターピン挿嵌穴23に対して0〜
0.1mm程度の圧入代を有する挿嵌部31A,31Bに
形成し、中間部31Cの直径は各マスターピン挿嵌穴2
3の穴径よりも若干小径に形成すると共に、該各挿嵌部
31A,31Bに隣接して中間部31Cとマスタリンク
21の各環状段部24との間には土砂等の侵入防止用の
スペーサ32,32を嵌装し、該各スペーサ32,32
間にマスターブッシュ16を設けたことにある。
上述した第3の従来技術によれば、各スペーサ32は各
マスターリンク21とレギュラーリンク2の摺接面間か
ら土砂等がマスターブッシュ16とマスターピン31の
中間部31Cとの間に侵入するのを防止では、しかも該
マスターピン31は各挿嵌部31A,31Bの圧入代に
よる嵌合力によって各マスターリンク21に保持されて
いるだけであるから、打込荷重は第13図中破線(ロ)
で示す値になり、前記各従来技術に比べて打込み易さは
ある。
しかし、前述した第1の従来技術によるフランジ14
C、抜止ピン17が設けられておらず、また第2の従来
技術による止め輪27が設けられていないから、該マス
ターピン31が揺動荷重によって回動したり、軸方向に
移動するのを規制することはできず、抜け出し防止効果
は劣るという欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように第1の従来技術によるものは、マスターピン
14の抜け止めを図るために抜止ピン17を用いている
都合上、該抜止ピンの折損によるマスターピン14が抜
け出し易いという問題点がある。
第2の従来技術では、マスターピン25の軸方向両側の
挿嵌部25A,25Bと隣接して軸方向両側に環状溝2
6,26を形成し、マスターリンク21の環状段部2
4,24との間に止め輪27,27を設け、マスターピ
ンの抜け出しの防止を図っている都合上、マスターピン
25に剪断力が作用したときには細径となった環状溝2
6,26の位置で折損しやすいという問題点がある。
さらに、第3の従来技術はマスターピン31の挿嵌部3
1A,31Bをマスターリンク21のマスターピン挿嵌
穴23,23に圧入しているだけであるから、抜け出し
防止効果に劣るという問題点がある。
本発明は上述した各従来技術が有する各問題点に鑑みな
されたもので、本発明はマスターピンの両端を圧入した
後、揺動荷重によってマスターピンがマスターリンクに
対して回動するようになっても、いすれの軸方向への移
動をも規制し、マスターリンク抜け出るのを完全に防止
できるようにした履帯を提供することを目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上述した問題点を解決するために、本発明が採用する構
成は、マスターピンの軸方向両端を一対のマスターリン
クのマスターピン挿嵌穴に圧入して挿嵌するようにした
形式の履帯において、前記一対のマスターリンクにそれ
ぞれ設けられたマスターピン挿嵌穴は一方を大径挿嵌穴
に、他方を小径挿嵌穴として形成し、前記マスターピン
の各挿嵌部を該大径挿嵌穴と小径挿嵌穴にそれぞれ圧入
挿嵌するように、前記マスターピンはその軸方向一端側
の挿嵌部から中間部を大径に形成すると共に、軸方向他
端側の挿嵌部を他方のマスターリンクに当接するストッ
パ段部を介して小径に形成し、また前記各マスターピン
挿嵌穴のうち一方の大径挿嵌穴の内周面には環状溝を凹
設し、一方、前記マスターピンには軸方向一端側の軸端
寄りに位置して小径軸部を設け、該小径軸部の奥部側の
端面には段部を形成し、前記マスターリンクの環状溝に
は該段部に当接する環状係止部材を嵌合するように設け
る構成としたことを特徴とする。
〔作用〕
このように構成することにより、マスターピンの大径挿
嵌部と小径挿嵌部は、各マスターリンクの大径挿嵌穴と
小径挿嵌穴にそれぞれ圧入されているが、前記マスター
ピンの軸方向他端側はストッパ段部を介して他方のマス
ターリンクに対して軸方向に位置決めされている。この
状態で、マスターピンに揺動荷重によって軸方向一側へ
の抜出し力が作用しても、この抜出し力はマスターピン
の段部から環状係止部材に対して拡径するような方向の
力として作用するのみで、前記マスターピンの抜出しを
確実に規制する。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を第1図ないし、第4図に基づ
いて詳述する。なお、各実施例において前述した従来技
術の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、
その説明を省略する。
図において、41,42は本実施例に用いる一対のマス
ターリンクで、該各マスターリンク41,42の連結方
向一端部は従来技術と同様にブッシュ嵌合穴が形成され
た内側リンク部(図示せず)となり、他端部は外側リン
ク部41A,41Bとなっている。そして、一方のマス
ターリンク41の外側リンク部41Aには従来技術によ
る各レギュラーリンク2のトラックピン挿嵌穴5と同径
のマスターピン挿嵌穴43が穿設され、他方のマスター
リンク42の外側リンク部42Aには該マスターピン挿
嵌穴43よりも若干小径のマスターピン挿嵌穴44が穿
設されている。また、各マスターリンク41,42の内
側面には各マスターピン挿嵌穴43,44と同心状に環
状段部45,45が凹設され、該各環状段部45にはス
ペーサ18が嵌装されている。また、46は後述の環状
係止部材50を嵌装するために前記一方のマスターリン
ク41に設けられた環状溝で、該環状溝46はマスター
ピン挿嵌穴43の内周面に位置してその軸方向中間部に
凹設されている。
47は前記各マスターリンク41,42を一対のレギュ
ラーリンク2,2,に連結するためのマスターピンで該
マスターピン47は軸方向両端部が各マスターピン挿嵌
穴43,44に挿嵌される挿嵌部47A,47Bになっ
ている。ここで、前記マスターピン47は一端側挿嵌部
47Aから中間部47Cにかけての直径は前記一方のマ
スターピン挿嵌穴43の穴径に対して0〜0.1mm程度
の圧入代を有しており、また、前記他端側挿嵌部47B
の直径は一端側挿嵌部47Aよりも小径に形成されてい
る。そして、この挿嵌部47Bの直径は前記他方のマス
ターピン挿嵌穴44の穴径に対しては0〜0.1mm程度
の圧入代を有している。かくして、マスターピン47は
他端側挿嵌部47Bと中間部47Cの間の段差部分が環
状のストッパ段部47Dとなっており、該ストッパ段部
47Dはマスターリンク42の環状段部45に当接し、
前記マスターピン47の図中右方ヘの抜け止めを図って
いる。
48はマスターピン47の一端側挿嵌部47A側に先端
から軸方向に環状溝46に臨む位置まで設けられた小径
軸部で、該小径軸部48の奥部端面は後述の環状係止部
材50が当接する段部49となっている。
50は前記各マスターリンク41,42に挿嵌されたマ
スターピン47が軸方向に移動するのを規制するための
環状係止部材で、該環状係止部材50は断面円形の棒状
金属材をC字状に形成したものからなり、隙間部50A
を有して拡縮径可能になっている。そして、該環状係止
部材50は内周側をマスターピン挿嵌穴43の周面から
突出させた状態で環状溝46内に嵌合されており、当該
内周側にはマスターピン47の段部49外周縁が当接す
るようになっている。
本実施例は上述の如く構成されており、各マスターリン
ク41,42を一対のレギュラーリンク2に連結する場
合はマスターピン47の他端側挿嵌部47Bを一方のマ
スターリンク41のマスターピン挿嵌穴43から挿入
し、中間部47Cをマスターピン挿嵌穴43に圧入しつ
つ、レギュラーリンク2に嵌合されているマスターブッ
シュ16に回動可能に挿通した後、該マスターピン47
の他端側挿嵌部47Bを他方のマスターリンク42のマ
スターピン挿嵌穴44に圧入すると共に、一端側挿嵌部
47Aをマスターリンク41のマスターピン挿嵌穴43
に圧入する。しかる後、縮径状態にした環状係止部材5
0をマスターピン挿嵌穴43と小径軸部48との間の隙
間から環状溝46内に押込むことにより、該環状係止部
材50は該溝46内で拡径して係合すると共に、その内
周側はマスターピン47の段部49外周縁に当接する。
この結果、マスターピン47は軸方向左側への移動は環
状係止部材50によって規制され、軸方向右側への移動
はストッパ段部47Dによって規制される。
このように、本実施例によればマスターピン47は、各
挿嵌部47A,47Bの圧入代によって第4図中実線
(ハ)で示すように、第13図中の実線(イ)で示す従
来技術と同様の打込荷重を必要とし、従って、従来技術
と同様に初期の抜け出し防止効果が図られている。
しかし、本実施例では、揺動荷重によってマスターピン
47が回動するようになっても、該マスターピン47に
は一端側挿嵌部47Aに比較して若干小径な他端側挿嵌
部47Bを形成すると共に、その中間部47Cとの間に
ストッパ段部47Dを形成し、また他側のマスターピン
挿嵌穴44は一側のマスターピン挿嵌穴43よりも若干
小径穴として形成しているから、マスターピン47のス
トッパ段部47Dが他側のマスターリンク42の環状段
部45に当接し、図中右方への抜け出しが規制されてい
る。
さらに、マスターピン47に揺動荷重による図中左方へ
の抜出し力Fが働いても、第3図に示すように、当該抜
出し力Fの分力fが断面球形をした環状係止部材50に
対して拡径する方向に働くために、該環状係止部材50
が環状溝46内から脱落することはなく、マスターピン
47の抜け出しを確実に防止することができる。
さらにまた、第2の従来技術によるマスターピン25に
おいては、軸方向両端部に応力集中を受けやすい環状溝
26,26を設ける構成としているのに対し、本実施例
のマスターピン47には従来技術のような環状溝を設け
ていないから、該マスターピン47に高荷重が作用して
も、応力集中による折損を防止することができる。
〔発明の効果〕
本発明に係る履帯は以上詳細に述べた如くであって、下
記各項の効果を奏する。
マスターピンの軸方向両端の挿嵌部をマスターリンク
のマスターピン挿嵌穴に圧入したにも拘らず、揺動荷重
によってマスターリンクに対してマスターピンが回動す
るようになっても、該マスターピンの軸方向一側の段部
が環状係止部材に当接して該マスターピンの軸方向一側
への移動が規制されると共に、該マスターピンの軸方向
他側のストッパ段部が他側のマスターリンクに当接して
軸方向他側への移動が規制され、マスターリンクから抜
け出る事態を完全に防止することができる。
マスターピンに揺動荷重による抜出し力が作用して
も、この抜出し力はマスターピンの段部から環状係止部
材に対してこれを拡径させる方向の力として作用し、か
つ該環状係止部材はマスターピン挿嵌穴の内周面側に形
成した環状溝に嵌合されているから、この環状係止部材
が脱落するのを確実に防止し、ひいては長期間にわたっ
てマスターピンの抜出しを防止することができる。
マスターピンにはリンク連結方向の駆動力が作用する
位置に応力集中による欠陥となりやすい環状溝を設けて
いないから、該マスターピンに高荷重が作用しても、応
力集中による折損事故の割合を減少することができる。
環状係止部材を断面円形をしたC字状の部材とするこ
とにより、該環状係止部材を縮径させてマスターピン挿
嵌穴と小径軸部との間の隙間から環状溝内に押込むだけ
でよく、装着作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の実施例を示し、第1図は
本実施例に係る履帯の縦断面図、第2図は環状係止部材
の正面図、第3図は第1図中の要部拡大図、第4図は本
実施例による打込み荷重の変化を示す説明図、第5図な
いし第10図は第1の従来技術を示し、第5図は履帯の
外観斜視図、第6図は履帯の分解斜視図、第7図は第5
図に示す履帯の左側面図、第8図は同じく履帯の右側面
図、第9図は第7図中のIX−IX矢示方向断面図、第10
図はマスターピンの係止溝の摩耗状態を示す説明図、第
11図は第2の従来技術に係る履帯の縦断面図、第12
図は第3の従来技術に係る履帯の縦断面図、第13図は
各従来技術においてマスターリンクにマスターピンを打
込む場合の打込み荷重の変化を示す説明図である。 2……レギュラーリンク、7……トラックピン、19…
…シュー、41,42……マスターリンク、43,44
……マスターピン挿嵌穴、46……環状溝、47……マ
スターピン、47A,47B……挿嵌部、47C……中
間部、47D……ストッパ段部、48……小径軸部、4
9……段部、50……環状係止部材。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラックピンを介して一対毎に順次連結さ
    れたレギュラーリンクと、該各レギュラーリンクの連結
    方向一側に位置する一対のレギュラーリンクにトラック
    ピンを介して一端部が連結され、他端部にマスターピン
    挿嵌穴を有する一対のマスターリンクと、該各マスター
    リンクの他端部に前記各レギュラーリンクの連結方向他
    側に位置する一対のレギュラーリンクを連結すべく、軸
    方向両端の挿嵌部が前記各マスターピン挿嵌穴に圧入し
    て挿嵌されたマスターピンと、前記各レギュラーリンク
    とマスターリンクの外側に固着されたシューとからなる
    履帯において、前記一対のマスターリンクにそれぞれ設
    けられたマスターピン挿嵌穴は一方を大径挿嵌穴に、他
    方を小径挿嵌穴として形成し、前記マスターピンの各挿
    嵌部を該大径挿嵌穴と小径挿嵌穴にそれぞれ圧入挿嵌す
    るように、前記マスターピンはその軸方向一端側の挿嵌
    部から中間部を大径に形成すると共に、軸方向他端側の
    挿嵌部を他方のマスターリンクに当接するストッパ段部
    を介して小径に形成し、また前記各マスターピン挿嵌穴
    のうち一方の大径挿嵌穴の内周面には環状溝を凹設し、
    一方、前記マスターピンには軸方向一端側の軸端寄りに
    位置して小径軸部を設け、該小径軸部の奥部側の端面に
    は段部を形成し、前記マスターリンクの環状溝には該段
    部に当接する環状係止部材を嵌合するように設ける構成
    としたことを特徴とする履帯。
  2. 【請求項2】前記環状係止部材は断面円形をしたC字状
    の部材である特許請求の範囲(1)項記載の履帯。
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