JPH06411A - 空気清浄・調和方法及び装置 - Google Patents

空気清浄・調和方法及び装置

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JPH06411A
JPH06411A JP16512592A JP16512592A JPH06411A JP H06411 A JPH06411 A JP H06411A JP 16512592 A JP16512592 A JP 16512592A JP 16512592 A JP16512592 A JP 16512592A JP H06411 A JPH06411 A JP H06411A
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】空気中の浮遊微粒子に電荷を与えて荷電微粒子
とし、これを静電的に捕集して空気浄化をすると共に空
気調和を行う空気清浄・調和方法及びユニット装置を提
供する。 【構成】空気清浄・調和装置1の吸込口より空気を吸込
み、放電電極7と対向電極9との間に負のコロナ電圧を
印加することにより形成された陰イオンシャワー13内に
空気を通過させ、空気中の浮遊微粒子を負に荷電する。
負に荷電した浮遊微粒子はクーロン力により対向電極9
を覆う無帯電濾材シート11により一分捕集され、残りの
大部分の荷電浮遊微粒子は第1エレクトレット・フィル
ター15aに捕集される。清浄化された空気は、冷凍機2
3、冷却コイル25、加湿器27、過熱器29、送風機31、及
び整流板33から構成される空調装置により温度及び湿度
が選択的に調整され、ベクトル吹出口装置51により作業
域67へ供給される。空調の際発生した微量の浮遊微粒子
は、第1フィルター15a で未捕集の浮遊微粒子と共に、
第2エレクトレット・フィルター15b 、及び弯曲エレク
トレット・フィルター57a 、57b により捕集される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気清浄・調和方法及び
装置に関し、とくに空気中の浮遊微粒子に電荷を与えて
荷電微粒子とした後これを静電的に捕集して空気浄化を
すると共に空気調和を行う空気清浄・調和方法及びユニ
ット形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高清浄度のクリーンルームを必要とする
半導体産業から、レーザ・光学機器・精密機械・電子機
器・電子計測器・宇宙工学・新素材産業等に至る広範囲
な産業に於て、清浄度の差はあっても清浄な環境がIC
R(Industrial Clean Room)として求められている。
また、製薬・医工学・病院・食品工業・醸造・バイオテ
クノロジー等の分野でもBCR(Biological Clean Roo
m) として、対象となる作業に応じた清浄度のクリーン
ルームが求められている。清浄度の基準としては、JIS
B 9920がクラス1(粒径0.1μm以上の粒子が空気中に1
01個/m3)からクラス8(108個/m3) までを定めてい
る。
【0003】これらの求めに対し、簡便にしかも経済的
にそれぞれの使用目的に即したクリーンルームを提供す
る技術が開発されている。図5を参照して、高清浄度の
クリーンルームに従来使用される垂直整流形空気流方式
の一例を説明する。外気取入口63より取入れられた外気
及びクリーンルーム61からグレーチング69を介して吸い
込まれたリターンエアは、プレフィルターを含む空気調
和機21により温度及び湿度が調整される。空気調和機21
の出力は、必要に応じ送風機31により空調を受けないリ
ターンエアと適宜混合された後、中間フィルター5及び
最終の超高性能HEPA(High Efficiency Particulat
e Air)若しくはULPA(Ultra LowPenetration Ai
r)フィルターからなる超高性能最終フィルター12によ
り清浄化された後、クリーンルーム61に下向き垂直整流
サプライエアとして供給される。セントラル方式の場合
には、空気調和機21が機械室に設置され、天井裏に複数
のサプライエア用大径ダクトが設けられ、床下にはリタ
ーンエア用のダクトが設けられる。
【0004】図5の垂直整流以外にも他の空気流方式と
して水平整流形、乱流形、ベクター気流形、ライン気流
形などが従来使われているが、いずれも超高性能のHE
PAフィルター又はULPAフィルターを用い、慣性、
さえぎり(Interception)、拡散、重力、静電気力の諸
捕集機構により、空気中の浮遊微粒子を除去している。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】最近は技術の高度化
に伴い空気の清浄度に対する要求も一層厳しくなり、し
かも温度及び湿度に対する要求も厳しい。例えば空気清
浄度について、最近の4MDRAM等の半導体チップ製
造工程においては、1m3 の室内空気中に粒径0.1μm
の浮遊微粒子が数個存在しても問題となる。
【0006】他方、従来のクリーンルーム61は、図5に
示すように、超高性能フィルター及びダクトを必要と
し、フィルター及びダクト自体のコスト増加だけでな
く、天井裏及び床下のスペースを含む階高が増大する課
題がある。又、HEPAフィルター若しくはULPAフ
ィルター等の超高性能フィルターにおけるフィルター自
体からの発塵、ダクトからの発塵、フィルターにあるピ
ンホールの問題、フィルターの超微粒子に対する捕集率
の向上等の課題もある。更に、空調をセントラル方式と
した場合には、室内レイアウトの変更、クリーンルーム
の拡張、形状変更に細かく対応するのが困難であり、局
所的な発塵、内部発熱等環境条件の部分的変化に対応し
難い等の課題がある。
【0007】これらの課題解決のため本発明者は,静電
気力による微粒子捕集機構が超微粒子に対する捕集率を
改善する点に注目し、空気中の浮遊微粒子を荷電した後
に捕集する静電式空気清浄方法を平成4年5月18日出
願の平成4年特許願第123969号に開示した。この
方法によれば、浮遊微粒子に一極性の電荷を与えて荷電
し、この荷電微粒子を永久帯電エレクトレット繊維製エ
レクトレット・フィルターによって静電的に捕集し、微
粒子捕集率を従来のHEPAフィルターに比べて約2000
倍までにも改善することができた。
【0008】この静電式空気清浄装置は構造が簡単であ
るため従来のユニット形空気調和装置に組込むことが可
能であり、原理的にダクトを省略して階高を低く抑えし
かも高い清浄度を与えることが期待できる。
【0009】従って、本発明の目的は、静電式空気清浄
と空気調和とを結合した空気清浄・調和方法及び装置を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1の実施例を参照する
に、本発明の空気清浄・調和方法は、吸込口3から吸い
込んだ空気の温度及び湿度を冷却コイル25、加湿器27、
及び加熱器29により選択的に調整した後吹出口41より吹
き出す空気調和方法において、吸込口3の下流部位に空
気の流れ方向と交差する空隙17を介して放電電極7と対
向電極9とを設け、浮遊微粒子が含まれる空気流を空隙
17に通して浮遊微粒子を荷電し、前記空気流の流路の空
隙17の下流に設けた永久帯電エレクトレット繊維製エレ
クトレット・フィルター15a 及び/又は15b (包括的に
記号15で表わす。)によって荷電粒子を捕集する。放電
電極7へ好ましくは負の放電電圧を印加し、空隙17に陰
イオンの流れを発生させて空隙17中の浮遊微粒子をその
陰イオンの流れにより負に荷電し、荷電された浮遊微粒
子をエレクトレット・フィルター15で静電的に捕集す
る。なお、放電電圧は負電圧に限定されず、正電圧によ
って放電させ、陰イオンの流れの替りに陽イオンの流れ
を発生させ、空隙17中の浮遊微粒子をその陽イオンの流
れにより正に荷電することも可能である。また空調手段
は上記冷却コイル25、加湿器27、及び加熱器29に限定さ
れず、他の空調手段、例えばヒートポンプの使用も可能
である。
【0011】また図1に示す本発明の空気清浄・調和装
置は、室内の空気を吸い込む吸込口3、吸い込まれた空
気に対し選択的に空気調和を施す空調機、及び選択的空
気調和後の空気を吹き出す吹出口41を有するユニット型
空気調和装置において、吸込口3の下流部位に空気の流
れ方向と交差する空隙17を介して設けた放電電極7と対
向電極9とを有するイオン流発生装置、及びその空気流
路の空隙17の下流に設けた永久帯電エレクトレット繊維
製エレクトレット・フィルター15(15a及び/又は15bを
包括的に記号15で表わす。)を備えてなる構成を有す
る。図1の例における空調機は、冷凍機23と冷却コイル
25と加湿器27と加熱器29と送風機31と整流板33とからな
る。放電電極7へ例えば負の放電電圧を印加して空隙17
に陰イオンシャワー13を発生させて、空隙17中の浮遊微
粒子をその陰イオンシャワー13中の陰イオンの流れによ
り負に荷電し、荷電された浮遊微粒子をエレクトレット
・フィルター15で静電的に捕集する。なお、上記放電電
圧は負電圧に限定されず、正電圧によって放電させ、陰
イオンの流れからなる陰イオンシャワー13の替りに陽イ
オンの流れを発生させ、空隙17中の浮遊微粒子をその陽
イオンの流れにより正に荷電することも可能である。
【0012】空調機としては、温度及び湿度を選択的に
調整する空調機能があれば足り、図1に示す冷凍機23、
冷却コイル25、加湿器27、加熱器29、送風機31、及び整
流板33からなる構成に限定されるものではなく、例えば
ヒートポンプを利用することも可能である。イオン流発
生装置の配列も、図1の冷凍機23の上流に限定されるも
のではない。更に図1では、冷凍機23の上流に第1のエ
レクトレット・フィルター15a 、送風機31の下流に第2
のエレクトレット・フィルター15b と2カ所に分けてエ
レクトレット・フィルター15を設けているが、その配置
数は2カ所に限定されるものではなく、空隙17の下流に
連通する空気流路内に1カ所以上設置すれば足りる。
【0013】好ましくは、対向電極を無帯電濾材シート
11で覆い、荷電された浮遊微粒子の一部を対向電極9へ
静電的に吸引しつつ無帯電濾材シート11で捕集し、未捕
集の浮遊微粒子をエレクトレット・フィルター15で静電
的に捕集する。
【0014】更に好ましくは、放電電極7を1本以上の
針状電極又は1枚以上の板状電極とし、無帯電濾材シー
ト11をHEPAフィルターとし、エレクトレット・フィ
ルター15を永久帯電エレクトレット繊維製の不織布とす
る。
【0015】
【作用】本発明の空気清浄・調和装置の動作を図1、及
び図4により説明する。放電電極7に例えば負のコロナ
電圧を印加すると、放電電極7でコロナ放電が発生し放
電電極7の周辺に陰イオンが多数生じ、陽極性の対向電
極9に吸引されてこの対向電極9に向かう陰イオンシャ
ワー13を形成する。但し、コロナ電圧は負電圧に限定さ
れない。
【0016】放電電極7と対向電極9との間の空隙17に
浮遊する浮遊微粒子(図4参照)のうち無帯電粒子18a
の大部分は、前記陰イオンシャワー13中の移動する陰イ
オンから電子を与えられて負に帯電された浮遊微粒子と
なり、その一部は正電位にある対向電極9の方向にクー
ロン力で吸引される。空隙17に浮遊する正帯電微粒子18
b の大部分も、前記陰イオンシャワー13中の陰イオンか
ら電子を与えられ一旦中和された後さらに負に帯電され
た浮遊微粒子となり、無帯電粒子18a の場合と同様にク
ーロン力で吸引され無帯電濾材シート11に一部捕集され
る。即ち、空隙17に浮遊する負帯電浮遊微粒子18c だけ
でなく、前記放電電極7のコロナ放電により電子を供給
される無帯電浮遊微粒子18a 及び正帯電浮遊微粒子18b
もまた負帯電して対向電極9に一部吸引されその表面に
到達する直前に無帯電濾材シート11に捕集されるので、
粒子捕集率が向上する。殆どの負帯電浮遊微粒子は、空
気流と共に移動してエレクトレット・フィルター15で捕
集される。
【0017】図3のエレクトレット・フィルター15は、
例えばポリプロピレンやポリエステル等の高分子誘導体
からなるエレクトレット材料を繊維状とし且つ残留静電
分極を生じさせて永久帯電エレクトレット繊維16とし、
さらに例えば不織布としたものである。図4は永久帯電
エレクトレット繊維16の浮遊微粒子捕集機構を示す。帯
電しているエレクトレット繊維16により負帯電浮遊微粒
子18c と負の帯電になった無帯電浮遊微粒子18a 及び正
帯電浮遊微粒子18b はクーロン力により図4に示す様に
捕集される。但し、エレクトレット・フィルター15の場
合には、負に帯電してない正帯電浮遊微粒子18b'が存在
すれば静電気力により捕集される。そのほかエレクトレ
ット繊維16のもつ誘起力により、無帯電浮遊微粒子18a'
が存在すれば捕集される。さらに、エレクトレット・フ
ィルター15にはHEPAフィルター及びULPAフィル
ターと同様に微粒子の拡散及びさえぎり等による捕集が
ある。従って、殆どの負帯電・正帯電・無帯電の浮遊微
粒子はエレクトレット・フィルター15によって捕集され
る。(金岡、江見ほか、エレクトレットフィルタにおけ
る最大粒子透過率 第2回 エアロゾル科学 技術研究討
論会 1984 (P78);江見、金岡ほか、エアフィルタの高
性能化 第3回、エアロゾル科学 技術研究討論会 198
5 (P226); 小畑、田村ほか、帯電超極細繊維から成る
準超高性能フィルタ 第5回、空気清浄とコンタミネー
ションコントロールに関する技術研究大会 1986 (P22
9))
【0018】本発明者の実験的解析によれば、従来の無
帯電浮遊粒子と無帯電フィルター(HEPAフィルター
及びULPAフィルター等)との組合せに比し、本発明
のコロナ放電とエレクトレット・フィルターとの組合せ
は約2000倍の捕集効率を期待することができる。しか
も、圧力損失を1/5 ないし1/10に低減することができ
る。なお、正電荷をもった浮遊微粒子は自然界に存在す
るが、陰イオンシャワーを含む本発明の場合には、陰イ
オンとの接触により負電荷を帯びるようになる。
【0019】静電気力により清浄化された空気は、空調
機により温度及び湿度の調整を受けた後吹き出され、例
えば作業域67全面に垂直流サプライエア83として供給さ
れる。
【0020】こうして、本発明の目的である「静電式空
気清浄と空気調和とを結合した空気清浄・調和方法及び
装置の提供」が達成される。
【0021】
【実施例】図1、図2(A)、及び図3(A)は、本発
明によるクリーンルーム側壁に設置された空気清浄・調
和装置の一例を示す。
【0022】図示例で設けたベクトル吹出口装置51は、
前記吹出口41の全面に所要の異なる向きで取付けた案内
羽根群53、案内羽根群53に対向配置した弯曲面状の永久
帯電エレクトレット繊維製弯曲エレクトレット・フィル
ター57、及び吹出口41の周縁に前記弯曲エレクトレット
・フィルター57の周縁を気密に結合する結合手段55を有
する。弯曲エレクトレット・フィルター57は、案内羽根
群53と共働して、作業域67等の負荷域の上方部全体へサ
プライエア83を分布させながら吹き出せるような形状の
ものである。弯曲エレクトレット・フィルター57を吹出
口41の周縁に気密に結合する結合手段55は、気密結合を
与えるものであれば足り、例えば接着剤とすることがで
きる。図1の例では弯曲エレクトレット・フィルター57
が四等分円の円弧状であるので、天板55a がこの結合手
段55に含まれる。吹出口41から吹き出される空気は、案
内羽根群53により弯曲エレクトレット・フィルター57の
全面へと方向付けられ、方向により異なる吹出し風速分
布が与えられる。吹出口41からの空気は弯曲エレクトレ
ット・フィルター57の弯曲面の法線方向にサプライエア
83として吹き出され、吹出口41の段階で残っている浮遊
微粒子は弯曲エレクトレット・フィルター57により捕集
される。
【0023】図示例の弯曲エレクトレット・フィルター
57は、内側多孔質弯曲板57a と外側多孔質弯曲板57b
との間に挟持される。両弯曲板57a 、57b の孔の選択
により弯曲エレクトレット・フィルター57を通る空気速
度の分布を制御することができる。又、弯曲エレクトレ
ット・フィルター57の形状は、図2(A)の四等分円形
の断面を有するものの他、図2(B)に示す等辺形断面
を有するもの、及び図2(C)に示す不等辺形断面を有
するものも可能である。
【0024】図示実施例の空気清浄・調和装置では、吹
込口3に中間フィルター5を設け、空隙17で荷電する前
に予め粗塵と呼ばれる大きな浮遊粒子を補足する。好ま
しくは、図1に示す中間フィルター5を、室内作業域67
の床面71より低くない空気清浄・調和装置の底面に設け
る。但し、中間フィルターの位置は吸込口3の下流で且
つ空隙17及び空気調和装置の上流であれば足り、図1の
位置に限定されるものではない。
【0025】室内下部における気流の乱れを避け、下向
きの垂直流を形成するため、好ましくは空気清浄・調和
装置の底面を床面より上げ、リターンエアを扇状に強制
吸引する。こうすることにより、作業域への垂直流サプ
ライエアへの影響を抑えることができる。但し高清浄度
が要求される場合、或いは床面よりの再発塵が問題とな
る場合には、従来広く使用されているグレーチング69を
採用して床下にスペースをとり、垂直流を下方まで下げ
る。
【0026】例えば、空気清浄・調和装置の底部を約15
cmクリーンルーム床面71より上げ、その底部に設けた中
間フィルター5により空気中の粒径の大きい浮遊微粒子
を捕集する。針状(タングステン針又はチタン針)の放
電電極7と対向電極9との間に負のコロナ電圧を印加し
て空隙17に陰イオンシャワー13を形成し、この陰イオン
シャワー13内に空気を通過させて空気中の浮遊微粒子を
負に荷電する。実施例のように対向電極9を無帯電濾材
シート11で覆う場合には、負に荷電した浮遊微粒子はク
ローン力により対向電極9を覆う無帯電濾材シート11に
より一部捕集され、残りの大部分の負に荷電した浮遊微
粒子はクーロン力により第1エレクトレット・フィルタ
ー15a に捕集される。
【0027】清浄化された空気は、冷凍機23に連結した
冷却コイル25により冷却され、クリーンルーム用に特に
大きくした加湿器27で温度を調節し、加熱器10で必要に
応じて再加熱し、送風機31で送風される。温度及び湿度
の調和の際発生した微量の浮遊微粒子は、第1エレクト
レット・フィルター15a で未捕集の浮遊微粒子と共に第
2エレクトレット・フィルター15b により捕集される。
【0028】サプライエア83は作業域67の上方より下方
に向かって流れ、下方では空気清浄・調和装置により吸
込口3へ強制吸引されるため、床面71に沿った扇形流の
リターンエア81となる。必要な外の空気は外気取入口63
より取り込み、プレフィルター(図示せず)により粗塵
と呼ばれる大きな浮遊粒子を除去した後、中間フィルタ
ー5の前でリターンエア81と混合される。
【0029】図3(A)から図3(D)までに示すよう
に、本発明の空気清浄・調和装置1、ベクトル式吹出口
装置51、及びダクト35を組み合わせることにより、幅方
向及び長さ方向に対して連結してクリーンルームを形成
することが可能となり、クリーンルームの大小・拡張・
形状の変化・レイアウトの変更に対応することができ
る。又、クリーンルーム内の局所的環境条件の変化に対
しては、図3(A)のように本発明の空気清浄・調和装
置1を設置することにより対応できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によるユニッ
ト型空気清浄・調和方法及び装置は、静電的に空気中の
浮遊微粒子を捕集し、且つ空気調和した空気を供給し、
好ましくはベクトル式吹出口装置により下向き垂直流と
して作業域に供給するので、次の効果を奏する。
【0031】(イ)従来のHEPAフィルターに比し約
2000倍以上の捕集効率を挙げ、しかも圧力損失を1/5 か
ら1/10に低減するので、高清浄度の空気を簡便にしかも
経済的に供給することができる。
【0032】(ロ)空気調和に関する機器がコンパクト
にまとめられ、ユニット型空気清浄・調和装置内に収め
られているため、機械室を必要としない。但し、騒音・
微振動を特に問題とする場合は、その対策として冷凍
機、ファン等のコンデンシングユニットを室外に置き、
室内にはファンコイルユニットを置いて冷媒配管でつな
いでスプリット形(リモートコンデンサ形)にすること
も可能である。
【0033】(ハ)ユニット型空気清浄・調和装置、ベ
クトル式吹出口装置、及び短いダクトの組み合わせによ
りクリーンルームの大小に適合でき、しかも拡張・形状
の変更に対応するのが容易である。クリーンルーム内の
各作業域に要求される局所的環境条件の変化に対して
も、個々の空気清浄・調和装置で対処でき、高いフレキ
シビリティを与える。
【0034】(ニ)クリーンルームの天井面よりサプラ
イエアを吹出し、床面より直接リターンエアを強制吸引
する構造とし、従来のクリーンルームに比べ天井裏及び
床下のスペースを節約でき、クリーンルームの階高を低
くできる。もちろん、必要に応じてグレーチングを使用
することも可能である。
【0035】(ホ)陰イオンでなく陽イオンを発生させ
ても浮遊微粒子の捕集には同様に有効である。(図示実
施例とは正・負の極性を逆にする。)
【0036】(ヘ)据付の付帯工事は配水管と電気配線
のみであり、初期据付が簡単であり、複雑な建物内の設
置、既設建物の改造による設置、設置後の移設などを簡
単にしかも短期間で行うことができる。
【0037】(ト)取扱いが簡便で熟練技術者を必要と
せず、設備費、運転費を抑制でき、ユニットの選択的運
転による省エネルギーも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す説明図である。
【図2】本発明のベクトル式吹出口装置の構成を示す説
明図である。
【図3】本発明装置を用いたクリーンルームの構成を示
す説明図である。
【図4】エレクトレット繊維による浮遊微粒子捕集の図
式的説明図である。
【図5】従来技術の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ユニット形空気清浄・調和装置 3…吸込口 5…中間フィルター 7…放電電極 9…対向電極 11…無帯電濾材シート 12…HEPAフィルター 13…陰イオンシャワー 15、15a 、15b …エレクトレット・フィルター 16…エレクトレット繊維 17…空隙 18…浮遊微粒子 21…空気調和機 23…冷凍機(圧縮機、凝縮器) 25…冷却コイル 27…加湿器 29…加熱器 31…送風機 33…整流板 35…ダクト 41…吹出口 51…ベクトル式吹出口装置 53…案内羽根群 55…結合手段 55a …天板 57…弯曲エレクトレット・フィルター 57a 、57b …多孔質弯曲板 61…クリーンルーム 63…外気取入口 65…壁パネル 67…作業域 69…グレーチング 71…床面 81…リターンエア 83…サプライエア。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込口から吸い込んだ空気に対し温度
    及び湿度の選択的な調整を施した空調後の空気の吹き出
    しをする空気調和方法において、前記吸込口の下流部位
    に放電電極と対向電極とを前記空気の流れ方向と交差す
    る空隙を介して設け、前記放電電極と対向電極との間に
    放電電圧を印加して前記空隙にイオン流を発生させ、前
    記空隙を通る空気中の浮遊微粒子を前記イオン流によっ
    て荷電し、荷電された前記浮遊微粒子を前記空隙の下流
    部位に設けた永久帯電エレクトレット繊維製エレクトレ
    ット・フィルターにより前記吹き出し前に静電的に捕集
    すると共に前記空調を施してなる空気清浄・調和方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気清浄・調和方法に
    おいて、前記対向電極を無帯電濾材シートで覆い、前記
    対向電極へ静電的に吸引される前記浮遊微粒子の一部を
    前記無帯電濾材シートで捕集してなる空気清浄・調和方
    法。
  3. 【請求項3】 室内空気を吸い込む吸込口と吸いこん
    だ空気の温度及び湿度を選択的に調整する空調機と空調
    後の空気を前記室内へ吹き出す吹出口とを有するユニッ
    ト形空気調和装置において、 前記吸込口の下流部位に前記空気の流れ方向と交差する
    空隙を介して設けた放電電極と対向電極とを有するイオ
    ン流発生装置、 及び、前記空隙の下流で前記吹出口までの部位に設けた
    永久帯電エレクトレット繊維製エレクトレット・フィル
    ターを備え、前記放電電極と対向電極との間に放電電圧
    を印加して前記空隙にイオン流を発生させ、前記空隙を
    通る空気中の浮遊微粒子を前記イオン流によって荷電
    し、荷電された前記浮遊微粒子を前記エレクトレット・
    フィルターにより静電的に捕集して空気を浄化すると共
    に空調機による空調を施してなるユニット形空気清浄・
    調和装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の空気清浄・調和装置に
    おいて、前記対向電極を無帯電濾材シートで覆い、前記
    対向電極へ静電的に吸引される前記浮遊微粒子の一部を
    前記無帯電濾材シートで捕集してなるユニット形空気清
    浄・調和装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の空気清浄・調和装置に
    おいて、前記無帯電濾材シートをHEPA濾材シートと
    してなるユニット形空気清浄・調和装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5記載の空気清浄・
    調和装置において、前記エレクトレット・フィルターを
    永久帯電エレクトレット繊維製の不織布としてなるユニ
    ット形空気清浄・調和装置。
  7. 【請求項7】 請求項3、4、5又は6記載の空気清
    浄・調和装置において、前記放電電極を1本以上の針状
    電極としてなるユニット形空気清浄・調和装置。
  8. 【請求項8】 請求項3、4、5又は6記載の空気清
    浄・調和装置において、前記放電電極を1枚以上の板状
    電極としてなるユニット形空気清浄・調和装置。
  9. 【請求項9】 請求項3、4、5、6、7、又は8記
    載の空気清浄・調和装置において、前記吸込口及び吹出
    口をそれぞれ空気清浄・調和装置の下端及び上端に設
    け、前記吸込口に中間フィルターを設け、前記吹出口に
    前記吹出口の全面に所要の異なる向きで取付けた案内羽
    根群、 前記案内羽根群に対向配置した弯曲面状の永久帯電エレ
    クトレット繊維製弯曲エレクトレット・フィルター、 及び、前記吹出口の周縁に前記弯曲エレクトレット・フ
    ィルターの周縁を気密に結合する結合手段を備えたベク
    トル吹出口装置を設けてなるユニット形空気清浄・調和
    装置。
  10. 【請求項10】 所要の異なる向きの案内羽根群が全
    面に取付けられた枠体、前記案内羽根群に対向配置した
    弯曲面状の永久帯電エレクトレット繊維製エレクトレッ
    ト・フィルター、及び前記枠体の周縁に前記エレクトレ
    ット・フィルターの周縁を気密に結合する結合手段とを
    備えてなるベクトル吹出口装置。
  11. 【請求項11】 清浄な空気を有する作業域、及び前記
    作業域に接続されたユニット形空気清浄・調和装置を備
    えてなり、前記空気清浄・調和装置に前記作業域の下方
    部に開口する吸込口、 前記吸込口に設けた中間フィルター、 前記吸込口の下流部位に設けた前記吸込口より吸い込ん
    だ空気の温度及び湿度を選択的に調整する空調機、 前記吸込口の下流部位に前記空気の流れ方向と交差する
    空隙を介して設けた放電電極と対向電極とを有するイオ
    ン流発生器、 前記空隙の下流部位に設けた永久帯電エレクトレット繊
    維製エレクトレット・フィルター、 前記エレクトレット・フィルターの下流部位で前記作業
    域の上方部に開口する吹出口、 及び、前記吹出口の全面に所要の異なる向きで取付けた
    案内羽根群と前記案内羽根群に対向配置した弯曲面状の
    永久帯電エレクトレット繊維製弯曲エレクトレット・フ
    ィルターと前記吹出口の周縁に前記弯曲エレクトレット
    ・フィルターの周縁を気密に結合する結合手段とを備え
    てなるベクトル吹出口装置、を設けてなるクリーンルー
    ム。
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