JPH0641124B2 - 木質系成形体の製造方法 - Google Patents

木質系成形体の製造方法

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JPH0641124B2
JPH0641124B2 JP27526885A JP27526885A JPH0641124B2 JP H0641124 B2 JPH0641124 B2 JP H0641124B2 JP 27526885 A JP27526885 A JP 27526885A JP 27526885 A JP27526885 A JP 27526885A JP H0641124 B2 JPH0641124 B2 JP H0641124B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は木質系成形体の製造方法、特に木質系成形用素
材を用いて、直接圧縮成形体を製造する方法に関するも
のである。
(従来の技術) 一般に、例えば木片等のチップを解繊機等により解繊し
て木質繊維を形成し、この木質繊維に合成樹脂等の結合
剤を添加して、後述するような成形用マットを形成し、
この成形用マットを熱圧成形等により圧縮成形して硬質
の木質系成形体を得るようにしており、この木質系成形
体は所謂ハードボードとして建築用,家具用の材料に広
く利用されている。
従来、上記木質系成形体を製造するには、まず、原料と
なる成形用素材を製造する。この素材の製造工程は、第
4図に示す解繊機1のホッパ2に木材チップCを投入
し、ホッパ2の底部に設けられたスクリューフィーダ3
によりチップCを蒸煮タンク4に供給する。蒸煮タンク
4の上部からはスチームSが供給されて前記チップCを
ふやかして、繊維分がバラけ易い状態としてからタンク
4の底部側のスクリュフィーダ5によって解繊ディスク
6に供給し、モータ7により駆動される解繊ディスク6
で摺り合せて木質繊維W1に解繊する。この解繊された
木質繊維W1は、圧送機7′により圧送管8を介して、
第5図に示す乾燥機10に供給される。この乾燥機10
は、ドライヤ11から供給される熱風Hにより前述の湿
った木質繊維W1を蛇行する乾燥管12により乾燥させ
た後、サイクロン13に供給し、このサイクロン13に
より水分Aを含む熱風と微粉とを除去している。このよ
うにして、5〜40mm程度の木質繊維W2が得られる。次
に、この木質繊維W2を第6図に示すように攪拌機15
の供給口16から供給し、複数のスプレーノズル17か
ら耐水剤(パラフィン)を1〜5%、接着剤(フェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂)等を結合剤
(バインダー)として5〜10%程度供給し、更に深絞り
成形用の麻繊維を約17%、マット化に必要な熱可塑性樹
脂としてのポリプロピレン繊維等を約7%程度添加し、
回転する攪拌羽根18によりこれらを均一に混合・攪拌
して取出口19より木質系成形用素材B1を得る。
次に、上記素材B1を用いて、第7図に示すようなマッ
ト製造装置20により、成形用マット材を製造する。こ
のマット製造装置20は、輸送管21を介してホッパ2
2に素材B1を供給し、このホッパ22の底部側から素
材B1を散布して駆動中のベルトコンベア23の搬送帯
23a上に素材B1を堆積させ、この堆積した素材B1
を搬送帯23aの上方に設けたプレヒータ24によって
加熱後、上下に夫々設けられた挾圧ローラ25…間を通
過させて平板状とし、最後に前記挾圧ローラ25…の送
り側に設けられた熱圧ローラ26,26によって上下両
面より熱圧して、成形用マット27を得るようにしてい
る。この成形用マット27を用いて圧縮成形により深絞
り部を有する成形体を製造する場合には、上述した木質
繊維以外に深絞り成形用の麻繊維や熱可塑性樹脂ネット
等をも添加して、これらが押し付けられたような状態に
形成すると、保管・運搬等の取扱いを容易に行えるの
で、マットの儘で保管され、必要に応じてこのマットの
状態で搬送される。
上記成形用マット27を用いて、木質系成形体を製造す
るには、例えば自動車用ドアトリムを熱圧成形する場合
であれば、完成後の成形体の形状より幾分大きめに切断
してから熱圧成形型に配設し、木質系成形体を熱圧成形
する。このとき、成形用マット27を構成している原材
料に含まれる木質繊維が多い場合には、このマット27
をその儘成形型に配設したのでは、ドアトリムのアーム
レスト部分のように平板の一面または両面に突出形成さ
れた凹凸部分(以下このような形状を深絞り部という)
の深絞り性が充分に得られないために、成形用マットを
スチーム等により軟化させ、さらに予備成形型により予
備成形して所定の凹凸形状とし、熱圧成形型の型形状に
沿わせるようにしていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記従来の木質系成形体の製造方法によ
れば、以下の問題点を有していた。
まず、圧縮成形工程への供給を容易にするために、木質
系の素材を用いて成形用マットを形成し、このマットを
所定形状に裁断する工程を必要としていたので、製造工
程が煩雑で作業性が悪いばかりでなく、マットを完成後
の成形体より幾分大き目に裁断する際に、切り落とす部
分が無駄となり、生産コストが上昇するという問題点が
あった。また、素材をマット化するには結合剤が必要と
なり、さらに深絞り性を向上させるためには、マットの
材料として木質繊維以外に原料価格の高い麻等の長繊維
や熱可塑性樹脂ネットが必要であり、麻繊維を使用する
場合には余分に熱硬化性樹脂分を添加する必要があり、
これらの点でもコスト高となる問題点があった。
また、素材に含まれる木質繊維が多い場合、深絞り性向
上のためマットをスチームにより軟化させて予め成形体
の形状に予備成形しなければならず、加工工程が増加す
るばかりでなく、絞り加工により延ばされたマットの角
部等が薄肉化してしまい、この予備成形体を成形型に供
給してそのまま圧縮成形加工すると、薄肉化した角部が
低密度となり、完成した木質系成形体の屈曲部分の強度
が低下するという問題点も有していた。因みに、木質繊
維85%の場合も同様な問題が生じ、マットを形成した素
材と同様の素材を所謂パッチ当てするように屈曲部分に
補強してから圧縮成形するようにしていた。
ところで、最近に至って本発明者達は、上記のような問
題を解決するために木質繊維よりなる成形用素材を用い
て、低密度の素材集合体を形成し、この素材集合体を直
接成形型に供給して熱圧成形するようにした木質系成形
体の製造方法を提案している(特願昭60-230483号)。
この成形用素材により形成した集合体は、従来のマット
とは異なり極めて低密度であり、比重が僅かに0.008〜
0.05と軽く、厚さ50mm〜300mmというもので、木質繊維
の結合状態はさほど強固なものではない。
しかしながら、上述の素材集合体を経由する製造方法に
おいても、前記素材集合体を形成する過程で、成形用素
材が若干の湿り気を有しているとはいえ、極めて低比重
であるために、一定量の素材を用いて均一で低密度の集
合体を一定形状、例えば成形後に上述した成形体の深絞
り部となる集合体の厚肉部等の形状に形成するには、か
なりの技術を要し、単に木質繊維を無秩序に集合させた
だけでは、所望の密度及び形状を有する素材集合体を形
成することができないという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであ
り、木質繊維を異形状に形成した素材集合体を成形型に
直接供給して圧縮成形し、木質系成形体を製造するよう
にして、作業性及び生産コストの改善と、成形体の強度
の向上とを図ると共に、繊維の積層工程で、素材集合体
の形状の安定化と木質繊維の均一化を図り、製造コスト
の一層の改善を目的としている。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明に係る木質系成形体の
製造方法の特徴は、木質繊維に合成樹脂等を含む結合剤
を加えて攪拌した木質系成形用素材を用いて、まず低密
度の素材集合体を形成し、次いで、この素材集合体を直
接成形型内に供給・配設した後、熱圧成形して深絞り部
を有する木質系成形体を製造する方法において、前記素
材集合体を形成する際に、所定形状の素材集合体積層用
容器の上方から、前記木質系成形用素材を撒き散らすと
共に、まず、上記成形体の深絞り部となる素材集合体の
厚肉部を吸引して積層形成し、次いで前記素材集合体の
全体を吸引することにより積層形成して、低密度・異形
状の素材集合体を積層形成したことにある。
(作用) 上記のような工程を経ることにより、木質系成形体を製
造することができるので、木質繊維等の素材を用いて成
形用マットを形成したり、この成形用マットを裁断した
りする工程を省略することができ、またマット化するた
めの結合剤や、深絞り性向上のための麻等の長繊維,熱
可塑性樹脂ネット,熱硬化性樹脂分等の添加を不要乃至
は減少させることができる。また、深絞り部を有する圧
縮成形体を製造するために、深絞り成形を行う場合で
も、予備成形体を形成したり、所謂パッチ当て等の補強
作業を行わなくても成形体の各部分の密度を均一にでき
る。
また、木質繊維を用いて、例えば深絞り成形部分を有す
る木質系成形体を形成するような場合には、前記素材集
合体を予め所定形状に集合形成することが必要である
が、上記のような集合体形成過程を経ることにより、低
比重で浮遊状態にある木質繊維を下方側から吸引して、
まず、成形後に深絞り部となる厚肉部を所望の形状・密
度に集合させて形成し、その後に全体を吸引して、異形
状の素材集合体を形成することができるので、集合体の
形状の安定化と、木質繊維の密度の均一化を図ることが
できる。従って、この集合体を用いて熱圧成形を行うこ
とにより、特に深絞り部を有する木質系成形体の絞り加
工等において優れた成形性を示し、歩留まりの向上も図
ることができる。
以上のように作用して、従来に比べ幾つかの工程を省略
することができると共に、木質繊維を均一に含む集合体
を安定した形状で提供することができるので、熱圧成形
時の作業性の向上を図れると共に、特に深絞り成形を行
う場合であっても成形体の密度の均一化と深絞り部の高
強度化を図ることができ、また、歩留まりの向上をも図
ることができる。
(実施例) 以下、本発明に係る木質系成形体の製造方法の実施例に
つき、図面に従い詳細に説明する。
第1図乃至第3図は本発明の一実施例を説明するもの
で、第1図は前記素材集合体を形成する工程を示す概略
断面図、第2図,第3図は木質系成形用素材により形成
した素材集合体を熱圧成形型に配設して圧縮成形する工
程を夫々示す概略断面図である。なお、第4図乃至第7
図と同一符号を付したものは同一または相当する部材を
示している。
まず、原料となる木質繊維を製造する工程については、
第4図乃至第6図を用いて説明した従来の方法と略同一
であるので、相違点のみ説明して重複説明を省略する。
最初に、第4図に示す解繊機1により木片等のチップC
を解繊して木質繊維W1を製造し、第5図に示す乾燥機
10によって乾燥された木質繊維W2を製造して、この
木質繊維W2を第6図に示す攪拌機15に供給する過程
までは同一である。異る点は攪拌機15で攪拌する際に
添加する材料及びその分量である。耐水剤(例えばパラ
フィン)は従来と略同じ1〜5%程添加するが、本発明
はマット化を行わないので、結合剤(バインダ)とそて
の接着剤(フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂または熱可
塑性樹脂)の分量は、2〜10%(好ましくは5%)程
度添加するだけでよい。この割合で充分に攪拌して均一
に混合すると、木質繊維を主体とした成形用素材B1が
でき上がり、必要に応じてこの状態で貯蔵することもで
きる。
次に、第1図に示すような素材集合体製造装置30を用
いて、上記成形用素材B1から集合体を製造する工程に
ついて、説明する。
まず、集合体製造装置30は、例えば鉄板等を矩形状に
形成した散布用容器34と、この散布用容器34の下部
側に設けられて、上述した木質繊維等の成形用素材B1
を積層乃至堆積させる積層用容器32とにより概略構成
されている。前記散布用容器34の内部には、圧送管
(図示せず)を介して供給された上記素材B1を散布す
る散布器33が設けられており、また散布用容器34の
上部には、前記素材B1の散布方向を規制するため、内
側にエア吹出口31a,31aを有するエア吹出容器3
1が設けられている。前記散布用容器34と積層用容器
32との間には、上記素材B1が浮遊しつつ降下する際
に素材B1が周囲に零れ出るのを防止するための嵌合部
34aが設けられており、また上記積層用容器32の底
部側には集合体の底面形状を規整する金網,パンチング
メタル等より成る付形部材35が設けられており、この
付形部材35により形成される膨出部分35aを取囲む
積層用容器32の底部側は仕切り板36によって仕切ら
れて、前記膨出部分35aに対応する分割吸引室37a
と、それ以外の部分に対応する分割吸引室37b,37
bとが形成されている。前記分割吸引室37a,37b
には夫々吸引管38…が接続されており、吸引室37に
接続された吸引管38aにはバルブV1が設けられ、さ
らに、吸引室37b,37bに接続された吸引管38
b,38bは途中で連結された後、バルブV2を介して
前記吸引管38aと連結されて、吸引ファン等の吸引機
構39に接続されている。
また、上記積層容器32の側壁には、成形用素材B1が
付形部材35の膨出部分35a内に充填されたのを検知
する高さセンサー40が設けられており、積層用容器3
2のさらに上方の側壁には、集合体の全体の積層量を検
知する高さセンサー41が設けられている。なお、符号
42は、散布用容器31内にエアを供給するエア供給
管,符号43はその切換えバルブである。
以上の構成を有する集合体製造装置30を用いて素材集
合体を形成する工程につき説明する。
まず、切換えバルブ43を開口させて、エア供給管42
よりエア吹出容器31内にエアを供給して積層用容器3
2に至るエアの流れを形成し、このエアの流れにのせ
て、図示しない圧送管により上記散布器33に供給され
た素材B1を、エア吹出容器31のエア吹出口31aか
らのエアによって、浮遊状態で積層容器22の底面方向
に降下せしめる。前記素材B1は散布器33より積層用
容器32内に散らばっていくが、このときエア吹出容器
31の内側にはエア吹出口31a,31aが開口してい
るので、このエア吹出口31a,31aを左右に切換え
バルブ43で切換え、又は両方とも閉の状態にすること
によって前記素材B1は所定部位に散りばめられ積層さ
れることになる。また、前記積層用容器32の底面側で
は、吸引機構39による吸引が行われているが、上記素
材B1の散布開始直後は、バルブV1のみ開放され、バ
ルブV2は閉じられているので、吸引室37のうち分割
吸引室37aのみの吸引が行われ、素材B1は付形部材
35の膨出部分35aのみに積層されていくことにな
る。この状態で素材の堆積が行われ、素材B1が積層用
容器32側壁の高さセンサー40の高さまで積層される
と、バルブV2に開放信号が送出され、バルブV2を介
して吸引管38b,38bからも吸引が行われることに
なる。この儘の状態で素材B1が次第に積層されていく
と、集合体B2は上面が平らな状態で積層され、高さセ
ンサー41…の一つ乃至は所定の幾つかが素材B1の上
面側の積層を検知して信号を送出し、切換えバルブ43
を操作しエアの供給を停止し、高さセンサー41の総て
が素材B1の積層量を検知して素材集合体B2の集合工
程が終了することとなる。
以上のようにして、素材集合体B2の積層が完了する
と、図示しない搬送機構により第2図に示す熱圧成形型
45の下型46内に供給される。この熱圧成形型45
は、凹部C1を有する下型46と、凸部C2を有する上
型47とにより、成形空間Cを形成しており、上下両型
46,47の夫々下面及び上面には図示しないヒータ及
び温調機により熱せられる熱板48,48が設けられ、
下型46の外周側には保持板49が設けられている。さ
らに上型47には、吸引孔47a及びこの吸引孔47a
の上部側に位置する吸引空間47bが形成され、この吸
引空間47bには、素材集合体B2への押圧時に、成形
空間C内を吸引する吸引管50がバルブ51を介して接
続されている。
上記構成の熱圧成形型45は、上型47の下降と共に、
バルブ51を開いて素材集合体B2内のガス抜きを行っ
て、第3図に示すように、木質系成形体Mが圧縮成形さ
れることになる。なお、この木質系成形体Mには、成形
型の凹部C1,凸部C2により深絞り部M1が形成され
ている。
なお、上述したものは本発明の一実施例を示すのみであ
り本発明の目的・構成・効果を逸脱しない限り如何なる
変形変更も自由である。
例えば上記実施例においては、散布用容器34の上方側
より浮遊状態の成形用素材を積層用容器35側に送り込
むエアを供給し、積層用容器35の下方側からも吸引す
ることにより素材集合体の形状を付形部材に沿わせるも
のとして説明したが、本発明はこれに限定されず、送り
込み用のエア及び形状出し用の吸引を行うことなく、単
に上方より素材を散りばめるようにして素材集合体を積
層形成するようにしてもよい。このように、積層機構を
より簡略化することにより、設備コストの一層の低減化
を図れるという特有の効果を奏する。
また、上記実施例においては、素材の積層を管理する方
法として、容器側壁に高さセンサー40,41を設ける
ものとして説明したが本発明はこれに限定されず、例え
ばタイマ回路等を設けて、素材の積層を時間によって管
理するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明に係る木質系成形
体の製造方法によれば、木質繊維に合成樹脂等を含む結
合剤を加えて攪拌した木質系成形用素材を用いて、ま
ず、低密度の素材集合体を形成し、次いで、この素材集
合体を直接成形型内に供給・配設した後、熱圧成形して
深絞り部を有する木質系成形体を製造する方法におい
て、前記素材集合体を形成する際に、所定形状の素材集
合体積層用容器の上方から、前記木質系成形用素材を撒
き散らすと共に、まず前記成形体の深絞り部となる素材
集合体の厚肉部を積層させ、次いで素材集合体全体を積
層させたので、以下のような効果を奏する。
素材集合体の形成に際し、まず、成形体の深絞り部と
なる素材集合体の厚肉部分を積層形成し、次いで、全体
を積層形成するようにしたので、低密度・異形状の素材
集合体の形状を安定化させることができ、また集合体の
素材密度を均一にすることもできるので、素材集合体を
熱圧成形する際に、素材集合体の形状ずれに基づく熱圧
成形不良を防止でき、簡単な構成により作業性及び製造
コストの向上を図れる。
従来のような成形用マットの製造及び裁断工程や所謂
パッチ当て作業等を省略でき、素材の運搬作業等も簡略
化できるので、木質系成形体の製造の全般に関して、作
業性及び製造コストを大幅に向上することができる。
また、上述したように成形用マットの裁断や所謂パッ
チ当て作業を省略できるので、裁断の際に生ずるマット
切落とし部分やパッチ材等の素材の無駄使いをなくして
原料を節約でき、製品歩留まりの向上を図ることもでき
る。
さらに、成形体が所謂深絞り部分を有し、かつ成形用
材料としての木質系素材中に繊維分が多い場合でも、素
材集合体の深絞り加工部分を予め厚肉状にしておくだけ
で、直ちに圧縮成形工程に供することができ、成形用マ
ットのようにスチームで軟化させたり、予備成形したり
する必要がなく、また、マット化するための熱可塑性樹
脂等が不要となり、深絞り性を得るための麻等の繊維や
熱可塑性樹脂ネット等をも不要とすることができるの
で、これらの点でも製造工程の簡略化と低コスト化を達
成できる。
また、成形用マット,予備成形体を経由する製造方法
により製造したものと異なり、本発明方法により製造し
た木質系成形体では、所謂パッチ当て等を行わなくと
も、深絞り成形部分の成形体密度を均一・緊密化するこ
とができ、強度性に優れた成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明に係る木質系成形体の製造方
法の一実施例を説明するためのものであり、第1図は前
記素材集合体を形成する工程を示す概略断面図、第2
図,第3図は木質系成形用素材により形成した素材集合
体を圧縮成形型にセットして圧縮成形する工程を夫々示
す概略断面図である。また、第4図乃至第6図は原料と
なる木質繊維を製造する工程を示すもので、第4図は解
繊機を示す概略斜視図、第5図は同じく木質繊維の乾燥
機を示す概略構成図、第6図は同じく木質繊維と結合剤
とを攪拌する攪拌機を示す一部切欠斜視図である。 さらに、第7図は従来の成形用マットの製造工程を示す
概略構成図である。 30…素材集合体製造装置、31…エア吹出容器、32
…積層用容器、34…散布用容器、35…付形部材、3
5a…膨出部分、36…仕切り板、37…分割吸引室、
38…吸引管、45…熱圧成形型、B1…成形用素材、
B2…素材集合体、M…木質系成形体、M1…深絞り
部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維に合成樹脂等を含む結合剤を加え
    て撹拌した木質系成形用素材を用いて、まず、低密度の
    素材集合体を形成し、次いで、この素材集合体を直接成
    形型内に供給・配設した後、熱圧成形して深絞り部を有
    する木質系成形体を製造する方法において、 上記素材集合体を形成する際に、所定形状の素材集合体
    積層用容器の上方から、前記木質系成形用素材を撒き散
    らすと共に、まず、上記成形体の深絞り部となる素材集
    合体の厚肉部を吸引して積層形成し、次いで前記素材集
    合体の全体を吸引することにより積層形成して、低密度
    ・異形状の素材集合体を積層形成したことを特徴とする
    木質系成形体の製造方法。
JP27526885A 1985-10-16 1985-12-07 木質系成形体の製造方法 Expired - Lifetime JPH0641124B2 (ja)

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JP27526885A Expired - Lifetime JPH0641124B2 (ja) 1985-10-16 1985-12-07 木質系成形体の製造方法

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JPS62134218A (ja) 1987-06-17

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