JPH0640799U - 精錬用炉体の冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最適な冷却効果を得るための冷却用ノズル配
置を炉体全周に亘って可能とする、精錬用炉体の冷却装
置を提供する。 【構成】 トラニオンリングに覆われた精錬用炉体の冷
却装置において、該トラニオンリングの内面全周に複数
分割した風箱及び風箱より分岐する枝管を設置し、風箱
及び枝管に夫々複数の冷却用媒体噴射ノズルを設け、前
記風箱からトラニオンリングの複数の炉体点検窓に設置
される環状送風管を介して送風装置に配管接続したこと
を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、転炉，ＡＯＤ炉等精錬用炉体の冷却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

転炉をはじめとする精錬用炉体は、精錬中に高熱の内容物により高温状態とな り、これに起因して炉体の強度低下による変形，破損を生じる場合がある。特に トラニオンリング内側の精錬用炉体鉄皮は、トラニオンリングが障害となり、変 形，破損の補修が非常に困難な部分であるため、従来より種々の方法で冷却し、 変形，破損を抑制する方策がとられてきた。

【０００３】 例えば、特公昭６１−１７４３１１号公報で提案されているように、トラニオ ンリング内を炉体腹部に対して垂直方向に貫通させた多数のスリーブ及びトラニ オンリング点検窓を介してノズルを取付け、該ノズルにより気体を噴射させ炉体 腹部を冷却する方法がある。 また、実公平３−１１０４７号公報で提案されているように、炉体とトラニオ ンリングとの間に複数のノズルを有する箱型パネルを設置し、冷却空気をトラニ オンリングより供給管を経て箱型パネルに供給し、該ノズルより冷却空気を炉体 に噴射し炉体を冷却する方法がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

精錬用炉体を冷却する場合、冷却部位の熱応力低減のためには、冷却範囲全体 を均等に冷却することが好ましいが、このためには冷却用ノズル配置のピッチ寸 法は小さい方が良い。 しかし、前記特公昭６１−１７４３１１号の冷却方法は、トラニオンリングに 冷却用ノズル管を通すための開口が必要となるが、トラニオンリングの強度上開 口数，開口配置のピッチ寸法には制限がある。このため、最適な冷却効果を得る ための冷却用ノズル管取付配置のピッチ寸法を選定する上で制約となっている。

【０００５】 また、トラニオンを支持するトラニオン軸取付部はトラニオン軸が障害となり 、冷却用ノズル管の取付が不可能なため、炉体全周の冷却は出来ないという問題 があった。 また、前記実公平３−１１０４７号の装置では、炉体は外側方向に変形するた め、炉体とトラニオンリングの間に箱型パネルを取付けると箱型パネルの厚さ分 だけ、炉体変形許容寸法が小さくなる。この対策として箱型パネルの厚さ分だけ トラニオンリングを大きくする方法はあるが、既設設備の場合は、トラニオンリ ングを物理的制約で大きく出来ない場合が多く、また大きく出来ても設備費が高 価なものとなる。また、トラニオンリングは周囲より高熱を受けるため、高熱に よる変形，亀裂発生を防止する目的でトラニオンリング内を水冷する場合が多い が、前記実公平３−１１０４７号の装置は、トラニオンリング内を冷却空気通路 にする必要があるため、トラニオンリング内を水で冷却する水冷式トラニオンリ ングには適用出来ないという問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本考案はなされたものであり、その要旨は、トラニ オンリングに覆われた精錬用炉体の冷却装置において、該トラニオンリングの内 面全周に複数分割した風箱及び風箱より分岐する枝管を設置し、風箱及び枝管に 夫々複数の冷却用媒体噴射ノズルを設け、前記風箱からトラニオンリングの複数 の炉体点検窓に設置される環状送風管を介して送風装置に配管接続したことを特 徴とする精錬用炉体の冷却装置である。

【０００７】

【作用】

冷却用空気をトラニオン軸内を経て、トラニオンリング下部に取付けられる送 風用ヘッダー管に供給し、更に送風用ヘッダー管からトラニオンリングの炉体点 検窓外周に設置される送風管を経て、トラニオンリング内面凹部全周に取付けら れる複数分割した風箱及び風箱より分岐する枝管に供給し、風箱及び枝管に設け られる多数のノズルより冷却用空気を精錬用炉体鉄皮に噴射し、トラニオンリン グ内側の精錬用炉体炉腹部を冷却する。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を図１〜４を参照して説明する。 図１は精錬用炉体と冷却装置の正面図、図２は図１をＡ−Ａ線で切った断面図 、図３は図２をＢ−Ｂ線で切った断面図、図４は図３のＣ−Ｃ方向の展開図であ る。

【０００９】 図中、１は精錬用炉体、２は炉体内面の耐火物、３は精錬用炉体１を保持する ためのトラニオンリング、４はトラニオンリング３を冷却するための冷却水流路 、５はトラニオン軸、６はトラニオン軸５を支持するための軸受スタンド、７は 精錬用炉体１を傾動するための傾動装置、８は冷却用空気を供給する送風機、９ は送風用ダクト、１０はトラニオン軸５と送風用ダクト９を連結する回転継手、 １１はトラニオンリング３の下部（位置は特定しない）に取付けられる送風用ヘ ッダー管、１２はトラニオンリング３に設けられている炉体点検窓、１３は送風 用ヘッダー管１１と炉体点検窓１２の外周に取付けられる炉体点検窓内送風管１ ４を連結する分岐配管、１５はトラニオンリング３の内面に取付けられる風箱、 １６は風箱より分岐する枝管、１７は風箱１５及び枝管１６に設けられる冷却用 空気噴射ノズルを示す。

【００１０】 炉体冷却用空気は送風機８により、送風用ダクト９，回転継手１０，トラニオ ン軸５内を経て、トラニオンリング３下部の送風用ヘッダー管１１に供給される 。送風用ヘッダー管１１に供給された冷却用空気は、分岐配管１３を通り、トラ ニオンリング３に設けられている炉体点検窓１２の外周に取付けられる炉体点検 窓内送風管１４を経てトラニオンリング３の内面に取付けられる風箱１５及び風 箱より分岐する枝管１６に供給され、風箱１５及び枝管１６に設けられる冷却用 空気噴射ノズル１７より精錬用炉体１に冷却用空気を噴射しトラニオンリング３ の内側の精錬用炉体１を冷却する。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、冷却用空気をトラニオンリングの炉体点 検窓より、トラニオンリング内面に取付けられる風箱及び風箱より分岐する枝管 へ供給するため、トラニオンリング内は水冷が可能となり、またトラニオンリン グに炉体冷却用ノズル管を取付けるための開口を設ける必要はなく、且つトラニ オンリング内面全周に風箱及び枝管が取付可能なため、トラニオンリング内側の 精錬用炉体全周の冷却が可能になると共に、最適な冷却効果を得るためのノズル 配置のピッチ寸法を自由に選定出来る。

【００１２】 また冷却用空気噴射ノズルを有する風箱及び風箱より分岐する枝管は、トラニ オンリング内面に設けられる凹部内に取付けられるため、精錬用炉体とトラニオ ンリング間の隙間を小さくすることなく炉体冷却装置の設置が可能となり、トラ ニオンリングを大きくすることなく適用が可能なため、設備費も安価なものとな る。

【００１３】 又、分割した風箱と枝管を構成させることにより一体形風箱に比較して、炉体 からの輻射熱による熱応力を低減することが可能となり、風箱の変形損傷を低減 する効果もある。 更に加えて風箱及び風箱より分岐する枝管は、トラニオンリング内面より出張 らないため、精錬用炉体からの地金，スラグ等の落下による損傷を受けることは ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例を示す正面図である。

【図２】図２は図１をＡ−Ａ線で切った断面図である。

【図３】図３は図２をＢ−Ｂ線で切った断面図である。

【図４】図４は図３のＣ−Ｃ方向の展開図である。

【符号の説明】

１…精錬用炉体 ２…耐火物 ３…トラニオンリング ４…冷却水流路 ５…トラニオン軸 ６…軸受スタンド ７…傾動装置 ８…送風機 ９…送風用ダクト １０…回転継手 １１…送風用ヘッダー管 １２…炉体点検窓 １３…分岐配管 １４…炉体点検窓内送風管 １５…風箱 １６…枝管 １７…ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラニオンリングに覆われた精錬用炉体
   の冷却装置において、該トラニオンリングの内面全周に
   複数分割した風箱及び風箱より分岐する枝管を設置し、
   風箱及び枝管に夫々複数の冷却用媒体噴射ノズルを設
   け、前記風箱からトラニオンリングの複数の炉体点検窓
   に設置される環状送風管を介して送風装置に配管接続し
   たことを特徴とする精錬用炉体の冷却装置。