JPH0640174A - 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン - Google Patents
疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボンInfo
- Publication number
- JPH0640174A JPH0640174A JP4217138A JP21713892A JPH0640174A JP H0640174 A JPH0640174 A JP H0640174A JP 4217138 A JP4217138 A JP 4217138A JP 21713892 A JP21713892 A JP 21713892A JP H0640174 A JPH0640174 A JP H0640174A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- cationic dye
- ink ribbon
- thermal transfer
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱転写方式における画像形成材料として従来
用いることができなかったカチオン染料を使用可能なも
のとし、これにより転写時の感度、得られる画像の色相
及び耐光性を改善する。 【構成】 親水性カチオン染料のハロゲン等の対イオン
を、スルホコハク酸アニオン、例えばジエチルヘキシル
ヘキシルスルホコハク酸アニオン、アルキルベンゼンス
ルホン酸アニオン、例えばドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン、アルキル硫酸アニオン、例えばラウリル硫酸
アニオン又はせっけんアニオンなどの有機アニオンと交
換することにより、カチオン染料に疎水性を付与する。
この疎水化カチオン染料を含有するインク層3を、耐熱
滑性層1を有する支持体2上に積層することにより熱転
写インクリボン10とする。
用いることができなかったカチオン染料を使用可能なも
のとし、これにより転写時の感度、得られる画像の色相
及び耐光性を改善する。 【構成】 親水性カチオン染料のハロゲン等の対イオン
を、スルホコハク酸アニオン、例えばジエチルヘキシル
ヘキシルスルホコハク酸アニオン、アルキルベンゼンス
ルホン酸アニオン、例えばドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン、アルキル硫酸アニオン、例えばラウリル硫酸
アニオン又はせっけんアニオンなどの有機アニオンと交
換することにより、カチオン染料に疎水性を付与する。
この疎水化カチオン染料を含有するインク層3を、耐熱
滑性層1を有する支持体2上に積層することにより熱転
写インクリボン10とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写方式により画像
形成する場合に使用できる疎水化カチオン染料及びそれ
を用いた熱転写インクリボンに関する。
形成する場合に使用できる疎水化カチオン染料及びそれ
を用いた熱転写インクリボンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ信号から画像をハードコピ
ーするためのビデオプリンタの開発が進展している。
ーするためのビデオプリンタの開発が進展している。
【0003】この場合、画像の形成は熱転写方式にした
がって行われており、具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート基材と、疎水性のバインダーポリマーに染料を
混合或いは溶解させたインク層とからなるインクリボン
の当該インク層と、疎水性ポリマーからなる染料受容層
が合成紙に積層された構成の被転写体の当該染料受容層
とを重ね合せ、インクリボン側からサーマルヘッド等に
より画像信号に応じて加熱し、インク層中の分散染料を
染料受容層に熱移行させて画像を形成している。
がって行われており、具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート基材と、疎水性のバインダーポリマーに染料を
混合或いは溶解させたインク層とからなるインクリボン
の当該インク層と、疎水性ポリマーからなる染料受容層
が合成紙に積層された構成の被転写体の当該染料受容層
とを重ね合せ、インクリボン側からサーマルヘッド等に
より画像信号に応じて加熱し、インク層中の分散染料を
染料受容層に熱移行させて画像を形成している。
【0004】このような熱転写方式で使用する熱転写イ
ンクリボン用の染料としては、昇華性を有することが画
像形成原理上好ましいとされていたが、最近の材料構成
を考慮した研究動向によれば、昇華性よりも熱拡散性が
重要視されている。また、熱転写インクリボンのインク
層に用いる疎水性ポリマーとの相溶性、被転写材の疎水
性ポリマーからなる染料受容層に対する染着性、更に、
熱転写時の実用感度の達成程度等も重要な要素となる。
そこで、染料としては分散染料が用いられるようになっ
ている。
ンクリボン用の染料としては、昇華性を有することが画
像形成原理上好ましいとされていたが、最近の材料構成
を考慮した研究動向によれば、昇華性よりも熱拡散性が
重要視されている。また、熱転写インクリボンのインク
層に用いる疎水性ポリマーとの相溶性、被転写材の疎水
性ポリマーからなる染料受容層に対する染着性、更に、
熱転写時の実用感度の達成程度等も重要な要素となる。
そこで、染料としては分散染料が用いられるようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱転写
インクリボン用染料として分散染料を用いた場合、転写
の際の感度、画像の色相及び耐光性の点において、実用
上、十分ではないという問題があった。
インクリボン用染料として分散染料を用いた場合、転写
の際の感度、画像の色相及び耐光性の点において、実用
上、十分ではないという問題があった。
【0006】このため、特有の鮮明さ、高着色性、良好
な耐光性を有するアクリル繊維染色用の染料として知ら
れているカチオン染料を、熱転写インクリボン用の染料
として用いることも考えられる。しかし、カチオン染料
はアクリル基質上ではすぐれた耐光および湿潤堅ろう度
を示すが、それ自体は親水性であるため、熱転写インク
リボンのインク層のバインダーとして用いられる一般的
なブチラール樹脂等の中に、均一かつ安定して保持させ
ておくことは困難であり、従ってカチオン染料を用いて
熱転写インクリボンを構成することができない。
な耐光性を有するアクリル繊維染色用の染料として知ら
れているカチオン染料を、熱転写インクリボン用の染料
として用いることも考えられる。しかし、カチオン染料
はアクリル基質上ではすぐれた耐光および湿潤堅ろう度
を示すが、それ自体は親水性であるため、熱転写インク
リボンのインク層のバインダーとして用いられる一般的
なブチラール樹脂等の中に、均一かつ安定して保持させ
ておくことは困難であり、従ってカチオン染料を用いて
熱転写インクリボンを構成することができない。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決しようとするものであり、熱転写方式における画像
形成材料として従来用いることができなかったカチオン
染料を使用可能なものとし、これにより転写時の感度、
得られる画像の色相及び耐光性を改善できるようにする
ことを目的とする。
解決しようとするものであり、熱転写方式における画像
形成材料として従来用いることができなかったカチオン
染料を使用可能なものとし、これにより転写時の感度、
得られる画像の色相及び耐光性を改善できるようにする
ことを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、カチオン
染料のハロゲン等の対イオンを有機アニオンと交換する
ことにより、カチオン染料に疎水性を付与することがで
き、しかもフルカラーで画像を形成するために必要なマ
ゼンタ、シアンのそれぞれについて、特定の染料が優れ
た階調性を有することを見出し、この発明を完成させる
に至った。
染料のハロゲン等の対イオンを有機アニオンと交換する
ことにより、カチオン染料に疎水性を付与することがで
き、しかもフルカラーで画像を形成するために必要なマ
ゼンタ、シアンのそれぞれについて、特定の染料が優れ
た階調性を有することを見出し、この発明を完成させる
に至った。
【0009】即ち、本発明はマゼンタ染料として、式
(1)
(1)
【0010】
【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立的に
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、、またR4とR5とは互いに連結して環を形成
してもよく、Z−は対イオンである)のジアザヘミシア
ニン系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換
することにより得られる疎水化カチオン染料を提供す
る。ここで有機アニオンと交換する前のカチオン染料の
例としては、C.I.Basic Red 22、46
等や、特公昭32−2387号公報、特公昭32−80
85号公報、特公昭34−6933号公報、特公昭36
−14337号公報等に記載の染料をあげることができ
る。
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、、またR4とR5とは互いに連結して環を形成
してもよく、Z−は対イオンである)のジアザヘミシア
ニン系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換
することにより得られる疎水化カチオン染料を提供す
る。ここで有機アニオンと交換する前のカチオン染料の
例としては、C.I.Basic Red 22、46
等や、特公昭32−2387号公報、特公昭32−80
85号公報、特公昭34−6933号公報、特公昭36
−14337号公報等に記載の染料をあげることができ
る。
【0011】また、本発明は別のマゼンタ染料として、
式(2)
式(2)
【0012】
【化6】 (式中、R21は置換もしくは非置換のアリール基又は
置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、R22及びR
23は、独立的に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルコキシ
基、アルケニル基、アルケノキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、アシル基又はアシルアミノ基
であり、これらは置換されていてもよく、またR24は
置換又は非置換アルキル基であり、R25及びR26は
独立的に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基又
は置換もしくは非置換のアラルキル基であり、あるいは
R25とR26とは互いに結合して環を形成していても
よく、Z−は対イオンである)の絶縁型アゾ系カチオン
染料の対イオンを、有機アニオンと交換することにより
得られる疎水化カチオン染料を提供する。ここで有機ア
ニオンと交換する前のカチオン染料の例としては、C.
I.Basic Red 18、23等や、特公昭34
−5235号公報, 同42−8753号公報、同42−
21023号公報、特開昭46−7490号公報、同4
6−8789号公報、同47−3533号公報、同47
−37673号公報、同47−37675号公報、同4
7−6223号公報等に記載の染料をあげることができ
る。
置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、R22及びR
23は、独立的に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルコキシ
基、アルケニル基、アルケノキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、アシル基又はアシルアミノ基
であり、これらは置換されていてもよく、またR24は
置換又は非置換アルキル基であり、R25及びR26は
独立的に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基又
は置換もしくは非置換のアラルキル基であり、あるいは
R25とR26とは互いに結合して環を形成していても
よく、Z−は対イオンである)の絶縁型アゾ系カチオン
染料の対イオンを、有機アニオンと交換することにより
得られる疎水化カチオン染料を提供する。ここで有機ア
ニオンと交換する前のカチオン染料の例としては、C.
I.Basic Red 18、23等や、特公昭34
−5235号公報, 同42−8753号公報、同42−
21023号公報、特開昭46−7490号公報、同4
6−8789号公報、同47−3533号公報、同47
−37673号公報、同47−37675号公報、同4
7−6223号公報等に記載の染料をあげることができ
る。
【0013】更に、本発明はシアン染料として、式
(3)
(3)
【0014】
【化7】 (式中、R31、R32、R33及びR34は、独立的
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR33とR34とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のナフトスチリ
ル系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換す
ることにより得られる疎水化カチオン染料を提供する。
ここで有機アニオンと交換する前のカチオン染料の例と
しては、C.I.Basic Blue 69、62等
や、特公昭39−9238号公報、同41−20714
号公報、同43−9933号公報、同45−16345
号公報、同45−30076号公報、同48−2251
6号公報等に記載の染料をあげることができる。
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR33とR34とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のナフトスチリ
ル系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換す
ることにより得られる疎水化カチオン染料を提供する。
ここで有機アニオンと交換する前のカチオン染料の例と
しては、C.I.Basic Blue 69、62等
や、特公昭39−9238号公報、同41−20714
号公報、同43−9933号公報、同45−16345
号公報、同45−30076号公報、同48−2251
6号公報等に記載の染料をあげることができる。
【0015】また、本発明は別のシアン染料として、式
(4)
(4)
【0016】
【化8】 (式中、R41、R42、R43及びR44は、独立的
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR43とR44とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のチアゾール系
カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換するこ
とにより得られる疎水化カチオン染料を提供する。ここ
で有機アニオンと交換する前のカチオン染料の例として
は、C.I.Basic Blue 41、54等や、
特公昭38−6286号公報、同38−10737号公
報、同40−11074号公報、同40−18033号
公報、同43−24792号公報、同47−9113号
公報、同45−4332号公報、同46−15791号
公報、同47−6224号公報、同47−50209号
公報等に記載の染料をあげることができる。
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR43とR44とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のチアゾール系
カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換するこ
とにより得られる疎水化カチオン染料を提供する。ここ
で有機アニオンと交換する前のカチオン染料の例として
は、C.I.Basic Blue 41、54等や、
特公昭38−6286号公報、同38−10737号公
報、同40−11074号公報、同40−18033号
公報、同43−24792号公報、同47−9113号
公報、同45−4332号公報、同46−15791号
公報、同47−6224号公報、同47−50209号
公報等に記載の染料をあげることができる。
【0017】また、本発明は、上述した式(1)〜
(4)のいずれかの疎水化カチオン染料に加えて、支持
体及びその上に積層されたインク層からなる熱転写イン
クリボンにおいて、該インク層が式(1)〜(4)のい
ずれかの疎水化カチオン染料を含有することを特徴とす
る熱転写インクリボンも提供する。
(4)のいずれかの疎水化カチオン染料に加えて、支持
体及びその上に積層されたインク層からなる熱転写イン
クリボンにおいて、該インク層が式(1)〜(4)のい
ずれかの疎水化カチオン染料を含有することを特徴とす
る熱転写インクリボンも提供する。
【0018】本発明において使用する有機アニオンとし
ては、親水性のカチオン染料の対イオンと交換して染料
を疎水化することのできるものを使用する。このような
有機アニオンとしては、以下に示すようなアニオン性界
面活性剤のイオンを使用することができる。なお、これ
らの有機アニオンは親水性カチオン染料の対イオンと交
換する前は、アルカリ金属などとの塩の状態で入手可能
である。 (1)カルボン酸アニオン類 (1a)せっけん(RCOO−) (1b)N−アシルアミノ酸(RCON−COO−) (1c)アルキルエーテルカルボン酸(RO(C2H4
O)nCOO−) (2)スルホン酸アニオン類 (2a)アルキルスルホン酸(RSO3 −) (2b)アルキルベンゼンスルホン酸(式(5))
ては、親水性のカチオン染料の対イオンと交換して染料
を疎水化することのできるものを使用する。このような
有機アニオンとしては、以下に示すようなアニオン性界
面活性剤のイオンを使用することができる。なお、これ
らの有機アニオンは親水性カチオン染料の対イオンと交
換する前は、アルカリ金属などとの塩の状態で入手可能
である。 (1)カルボン酸アニオン類 (1a)せっけん(RCOO−) (1b)N−アシルアミノ酸(RCON−COO−) (1c)アルキルエーテルカルボン酸(RO(C2H4
O)nCOO−) (2)スルホン酸アニオン類 (2a)アルキルスルホン酸(RSO3 −) (2b)アルキルベンゼンスルホン酸(式(5))
【0019】
【化9】 (2c)アルキルナフタレンスルホン酸(式(6))
【0020】
【化10】 (2d)スルホコハク酸(式(7))
【0021】
【化11】 (2e)α−オレフィンスルホン酸 (2f)N−アシルスルホン酸(−CON−SO3 −) (3)硫酸エステルアニオン類 (3a)硫酸化油 (3b)アルキル硫酸(ROSO3 −) (3c)アルキルエーテル硫酸(RO(C2H4O)n
SO3 −) (3d)アルキルアリールエーテル硫酸(式(8))
SO3 −) (3d)アルキルアリールエーテル硫酸(式(8))
【0022】
【化12】 (3e)アルキルアミド硫酸(RCONH−OS
O3 −) (4)リン酸エステルアニオン類 (4a)アルキルリン酸(式(9)、(10))
O3 −) (4)リン酸エステルアニオン類 (4a)アルキルリン酸(式(9)、(10))
【0023】
【化13】 (4b)アルキルエーテルリン酸(式(11)、(1
2))
2))
【0024】
【化14】 (4c)アルキルアリールエーテルリン酸 なお、上述の有機アニオンにおいて、入手容易性とコス
トの点からR、Ra及びRbは好ましくは炭素数5〜2
0の直鎖又は分枝アルキル基もしくはアルケニル基であ
る。
トの点からR、Ra及びRbは好ましくは炭素数5〜2
0の直鎖又は分枝アルキル基もしくはアルケニル基であ
る。
【0025】このような有機アニオンの中でも、(2
d)のスルホコハク酸アニオン、例えばジエチルヘキシ
ルスルホコハク酸アニオン、(2b)のアルキルベンゼ
ンスルホン酸アニオン、例えばドデシルベンゼンスルホ
ン酸アニオン、(3b)のアルキル硫酸アニオン、例え
ばラウリル硫酸アニオン又は(1a)のせっけんアニオ
ンを好ましく使用することができる。
d)のスルホコハク酸アニオン、例えばジエチルヘキシ
ルスルホコハク酸アニオン、(2b)のアルキルベンゼ
ンスルホン酸アニオン、例えばドデシルベンゼンスルホ
ン酸アニオン、(3b)のアルキル硫酸アニオン、例え
ばラウリル硫酸アニオン又は(1a)のせっけんアニオ
ンを好ましく使用することができる。
【0026】本発明の疎水化カチオン染料は、親水性の
カチオン染料の水溶液中に、撹拌下で上述したような有
機アニオンを含有する塩類の水溶液を滴下し、得られた
混合溶液をトルエンその他の有機溶媒によって抽出し、
有機層から溶媒を除去することことにより水に不溶もし
くは難溶性の残査として得ることができる。
カチオン染料の水溶液中に、撹拌下で上述したような有
機アニオンを含有する塩類の水溶液を滴下し、得られた
混合溶液をトルエンその他の有機溶媒によって抽出し、
有機層から溶媒を除去することことにより水に不溶もし
くは難溶性の残査として得ることができる。
【0027】本発明の疎水化カチオン染料は疎水性であ
るので、従来の親水性のカチオン染料を用いることがで
きないような疎水性の樹脂に均一かつ安定的に混合する
ことができる。例えば、本発明の疎水化カチオン染料
は、熱転写インクリボンのインク層の疎水性ポリマーバ
インダーと均一かつ安定的に混合することができるの
で、熱転写インクリボン用の染料として好適である。
るので、従来の親水性のカチオン染料を用いることがで
きないような疎水性の樹脂に均一かつ安定的に混合する
ことができる。例えば、本発明の疎水化カチオン染料
は、熱転写インクリボンのインク層の疎水性ポリマーバ
インダーと均一かつ安定的に混合することができるの
で、熱転写インクリボン用の染料として好適である。
【0028】従って、支持体及びその上に積層されたイ
ンク層からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク
層がこの発明の疎水化カチオン染料を含有することを特
徴とする熱転写インクリボンも本発明の一部である。
ンク層からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク
層がこの発明の疎水化カチオン染料を含有することを特
徴とする熱転写インクリボンも本発明の一部である。
【0029】本発明の熱転写インクリボンのインク層
は、本発明の疎水化カチオン染料のみから構成されても
よいが、必要に応じて、他の成分、例えば疎水性ポリマ
ーバインダー、溶融温度調節剤、可塑剤、溶剤、粘結
剤、本発明の疎水化カチオン染料以外の顔料または染料
等を含んでいてもよい。
は、本発明の疎水化カチオン染料のみから構成されても
よいが、必要に応じて、他の成分、例えば疎水性ポリマ
ーバインダー、溶融温度調節剤、可塑剤、溶剤、粘結
剤、本発明の疎水化カチオン染料以外の顔料または染料
等を含んでいてもよい。
【0030】また、本発明の熱転写インクリボンの支持
体としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ナイロンフィルム、トリアセチルセルロースフィル
ム、防湿セロファン紙、コンデンサ紙、薄葉紙、布等を
用いることができる。
体としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ナイロンフィルム、トリアセチルセルロースフィル
ム、防湿セロファン紙、コンデンサ紙、薄葉紙、布等を
用いることができる。
【0031】本発明の熱転写インクリボンは常法により
製造することができ、例えば、支持体に、本発明の疎水
化カチオン染料を含有するインク組成物をワイヤーバー
コーターにより塗布することにより製造することができ
る。
製造することができ、例えば、支持体に、本発明の疎水
化カチオン染料を含有するインク組成物をワイヤーバー
コーターにより塗布することにより製造することができ
る。
【0032】本発明の熱転写インクリボンを用いて被転
写体にカラー画像を形成するには、熱転写インクリボン
のインク層と被転写体の染料受容層とを一時的に対面さ
せ、インクリボンの支持体側から、プリンターのサーマ
ルヘッドまたはレーザー光線等を用いて画像形成部分を
加熱し、インク層の染料成分が昇華または熱拡散し被転
写体の染料受容層に移行させればよい。
写体にカラー画像を形成するには、熱転写インクリボン
のインク層と被転写体の染料受容層とを一時的に対面さ
せ、インクリボンの支持体側から、プリンターのサーマ
ルヘッドまたはレーザー光線等を用いて画像形成部分を
加熱し、インク層の染料成分が昇華または熱拡散し被転
写体の染料受容層に移行させればよい。
【0033】
【作用】本発明の疎水化カチオン染料は、親水性カチオ
ン染料の対イオンを有機アニオンと交換することに疎水
性にしているので、非水溶媒及び疎水性ポリマーへの相
溶性を高めることが可能となる。従って、熱転写インク
リボン用の染料として使用可能となる。
ン染料の対イオンを有機アニオンと交換することに疎水
性にしているので、非水溶媒及び疎水性ポリマーへの相
溶性を高めることが可能となる。従って、熱転写インク
リボン用の染料として使用可能となる。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳細に説明
する。
する。
【0035】実施例1(C.I.Basic Red
22 ラウリル硫酸塩の合成) エタノールを用いるソックスレー抽出処理により硫酸ナ
トリウム等の添加物を除外したアクリル繊維染色用のジ
アザヘミシアニン系カチオン染料C.I.Basic
Red 22(商品名;STRAZON RED F3
BL LIQ:バイエル社製)1gを100mlの水に
溶解した。この染料溶液を撹拌しながら、その中2重量
%ラウリル硫酸酸ナトリウム水溶液50gを滴下するこ
とにより対イオンを有機アニオン(ラウリル硫酸アニオ
ン)で交換した。
22 ラウリル硫酸塩の合成) エタノールを用いるソックスレー抽出処理により硫酸ナ
トリウム等の添加物を除外したアクリル繊維染色用のジ
アザヘミシアニン系カチオン染料C.I.Basic
Red 22(商品名;STRAZON RED F3
BL LIQ:バイエル社製)1gを100mlの水に
溶解した。この染料溶液を撹拌しながら、その中2重量
%ラウリル硫酸酸ナトリウム水溶液50gを滴下するこ
とにより対イオンを有機アニオン(ラウリル硫酸アニオ
ン)で交換した。
【0036】この溶液を減圧下で濃縮乾固し、得られた
残存物へトルエンを加えて染料を抽出した。この染料の
トルエン溶液をろ過し、未反応物および副反応物(無機
塩)をろ別した。ろ液を減圧下で濃縮乾固した。その結
果、濃い赤紫色を示すタール状の標題の疎水化カチオン
染料約1.6gを得た。
残存物へトルエンを加えて染料を抽出した。この染料の
トルエン溶液をろ過し、未反応物および副反応物(無機
塩)をろ別した。ろ液を減圧下で濃縮乾固した。その結
果、濃い赤紫色を示すタール状の標題の疎水化カチオン
染料約1.6gを得た。
【0037】この疎水化カチオン染料を水−トルエン相
中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトルエン
相にとどまった。一方、有機アニオン交換処理を施さな
い染料は、同様の操作を行ってもほとんど水相にとどま
ったことから、上記の処理により、有機溶媒との相溶性
が飛躍的に改善されたことがわかる。
中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトルエン
相にとどまった。一方、有機アニオン交換処理を施さな
い染料は、同様の操作を行ってもほとんど水相にとどま
ったことから、上記の処理により、有機溶媒との相溶性
が飛躍的に改善されたことがわかる。
【0038】(熱転写インクリボンの作製)次に得られ
た疎水化カチオン染料を用いて図1に示す熱転写インク
リボン10を以下のようにして作製した。
た疎水化カチオン染料を用いて図1に示す熱転写インク
リボン10を以下のようにして作製した。
【0039】まず、片面に耐熱滑性層1を設けた厚さ6
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を支持体2とし、この支持体2の耐熱滑性層1を設けた
側とは反対の側に下記組成の熱転写用インク組成物をワ
イヤーバーコーティングにより、25g/m2の割合で
塗布し、乾燥した。これにより、図1に示すようなPE
Tフィルムからなる支持体2上に膜厚約1μmのインク
層3を有する熱転写インクリボン10を得た。
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を支持体2とし、この支持体2の耐熱滑性層1を設けた
側とは反対の側に下記組成の熱転写用インク組成物をワ
イヤーバーコーティングにより、25g/m2の割合で
塗布し、乾燥した。これにより、図1に示すようなPE
Tフィルムからなる支持体2上に膜厚約1μmのインク
層3を有する熱転写インクリボン10を得た。
【0040】熱転写用インク組成物 本発明疎水化カチオン染料 1重量部 ポリビニルブチラール 1重量部 (6000−CS、電気化学工業株式会社製) トルエン 12重量部 メチルエチルケトン 12重量部 次に、上述の工程により得た熱転写インクリボン10を
リボンカセット(図示せず)に装着して、カラービデオ
プリンタ(商品名;CVP−G500:ソニー株式会社
製)を用い、染料受容層が塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体樹脂からなる印画紙(商品名;UPC−3010:ソ
ニー株式会社製)、染料受容層がポリエステル樹脂から
なる印画紙(商品名;VPM−30ST:ソニー株式会
社製)及び染料受容層がセルロースエステル樹脂からな
る印画紙(商品名;VPM−30STA:ソニー株式会
社製)にそれぞれ単色で印画した。その結果、良好なマ
ゼンタの色相を呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られ
た。
リボンカセット(図示せず)に装着して、カラービデオ
プリンタ(商品名;CVP−G500:ソニー株式会社
製)を用い、染料受容層が塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体樹脂からなる印画紙(商品名;UPC−3010:ソ
ニー株式会社製)、染料受容層がポリエステル樹脂から
なる印画紙(商品名;VPM−30ST:ソニー株式会
社製)及び染料受容層がセルロースエステル樹脂からな
る印画紙(商品名;VPM−30STA:ソニー株式会
社製)にそれぞれ単色で印画した。その結果、良好なマ
ゼンタの色相を呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られ
た。
【0041】また、図2に、このインクリボンのいわゆ
る動的感度(発色)特性を示す。尚、グラフの横軸の階
調(STEP)は、画像記録のために加えるエネルギー
を段階的に表したものである。同図に示されるように、
本実施例で作成したインクリボンは、印画紙への熱転写
による階調印画が可能であった。
る動的感度(発色)特性を示す。尚、グラフの横軸の階
調(STEP)は、画像記録のために加えるエネルギー
を段階的に表したものである。同図に示されるように、
本実施例で作成したインクリボンは、印画紙への熱転写
による階調印画が可能であった。
【0042】実施例2(C.I.Basic Red
46 ラウリル硫酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Red 46
(商品名;Kayacryl Red GRL:日本化
薬株式会社製)1gとラウリル硫酸ナトリウム1gとを
反応させ、タール状の標題の疎水化カチオン染料約1.
8gを得た。この疎水化カチオン染料を水−トルエン相
中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトルエン
相にとどまったことから、対イオン交換処理により、有
機溶媒との相溶性が飛躍的に改善されたことが分かっ
た。
46 ラウリル硫酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Red 46
(商品名;Kayacryl Red GRL:日本化
薬株式会社製)1gとラウリル硫酸ナトリウム1gとを
反応させ、タール状の標題の疎水化カチオン染料約1.
8gを得た。この疎水化カチオン染料を水−トルエン相
中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトルエン
相にとどまったことから、対イオン交換処理により、有
機溶媒との相溶性が飛躍的に改善されたことが分かっ
た。
【0043】また、実施例1と同様にして、この疎水化
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なマゼンタの色相を
呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図3に、こ
のインクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示
す。同図に示されるように、本実施例で作成したインク
リボンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であ
った。
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なマゼンタの色相を
呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図3に、こ
のインクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示
す。同図に示されるように、本実施例で作成したインク
リボンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であ
った。
【0044】実施例3(C.I.Basic Red
23 オレイン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Red 23
(商品名;ASTRAZON RED BBL:バイエ
ル社製)1gとオレイン酸ナトリウム1gとを反応さ
せ、濃い赤色のタール状の標題の疎水化カチオン染料約
1.6gを得た。この疎水化カチオン染料を水−トルエ
ン相中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトル
エン相にとどまったことから、対イオン交換処理によ
り、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改善されたことが分
かった。
23 オレイン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Red 23
(商品名;ASTRAZON RED BBL:バイエ
ル社製)1gとオレイン酸ナトリウム1gとを反応さ
せ、濃い赤色のタール状の標題の疎水化カチオン染料約
1.6gを得た。この疎水化カチオン染料を水−トルエ
ン相中に入れ、振とうしたところ、染料はほとんどトル
エン相にとどまったことから、対イオン交換処理によ
り、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改善されたことが分
かった。
【0045】また、実施例1と同様にして、この疎水化
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なマゼンタの色相を
呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図4に、こ
のインクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示
す。同図に示されるように、本実施例で作成したインク
リボンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であ
った。
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なマゼンタの色相を
呈し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図4に、こ
のインクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示
す。同図に示されるように、本実施例で作成したインク
リボンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であ
った。
【0046】実施例4(C.I.Basic Blue
69 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 6
9(商品名;ASTRAZON Blue FRR:バ
イエル社製)1gとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1gとを反応させ、濃い青色タール状の標題の疎水
化カチオン染料約1.6gを得た。この疎水化カチオン
染料を水−トルエン相中に入れ、振とうしたところ、染
料はほとんどトルエン相にとどまったことから、対イオ
ン交換処理により、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改善
されたことが分かった。
69 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 6
9(商品名;ASTRAZON Blue FRR:バ
イエル社製)1gとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1gとを反応させ、濃い青色タール状の標題の疎水
化カチオン染料約1.6gを得た。この疎水化カチオン
染料を水−トルエン相中に入れ、振とうしたところ、染
料はほとんどトルエン相にとどまったことから、対イオ
ン交換処理により、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改善
されたことが分かった。
【0047】また、実施例1と同様にして、この疎水化
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験をソニー株式会社性の2種類の印画紙(U
PC−3010及びVPM−30STA)に対して行っ
たところ、良好なシアンの色相を呈し、かつ階調性に富
んだ画像が得られた。図5に、このインクリボンのいわ
ゆる動的感度(発色)特性を示す。同図に示されるよう
に、本実施例で作成したインクリボンは、印画紙への熱
転写による階調印画が可能であった。
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験をソニー株式会社性の2種類の印画紙(U
PC−3010及びVPM−30STA)に対して行っ
たところ、良好なシアンの色相を呈し、かつ階調性に富
んだ画像が得られた。図5に、このインクリボンのいわ
ゆる動的感度(発色)特性を示す。同図に示されるよう
に、本実施例で作成したインクリボンは、印画紙への熱
転写による階調印画が可能であった。
【0048】実施例5(C.I.Basic Blue
41 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 4
1(商品名;ASTRAZON Blue FGGL:
バイエル社製)1gとドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム1gとを反応させ、青紫色タール状の標題の疎水
化カチオン染料約1.6gを得た。この疎水化カチオン
染料を水−トルエン相中に入れ、振とうしたところ、染
料はほとんどトルエン相にとどまったことから、有機イ
オン交換処理により、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改
善されたことが分かった。
41 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 4
1(商品名;ASTRAZON Blue FGGL:
バイエル社製)1gとドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム1gとを反応させ、青紫色タール状の標題の疎水
化カチオン染料約1.6gを得た。この疎水化カチオン
染料を水−トルエン相中に入れ、振とうしたところ、染
料はほとんどトルエン相にとどまったことから、有機イ
オン交換処理により、有機溶媒との相溶性が飛躍的に改
善されたことが分かった。
【0049】また、実施例1と同様にして、この疎水化
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なシアンの色相を呈
し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図6に、この
インクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示す。
同図に示されるように、本実施例で作成したインクリボ
ンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であっ
た。
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なシアンの色相を呈
し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図6に、この
インクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示す。
同図に示されるように、本実施例で作成したインクリボ
ンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であっ
た。
【0050】実施例6(C.I.Basic Blue
54 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 5
4(三菱化成株式会社製)1gとドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1gとを反応させ、濃い青色タール状
の標題の疎水化カチオン染料約1.8gを得た。この疎
水化カチオン染料を水−トルエン相中に入れ、振とうし
たところ、染料はほとんどトルエン相にとどまったこと
から、有機イオン交換処理により、有機溶媒との相溶性
が飛躍的に改善されたことが分かった。
54 ドデシルベンゼンスルホン酸塩の合成) 実施例1と同様に、C.I.Basic Blue 5
4(三菱化成株式会社製)1gとドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1gとを反応させ、濃い青色タール状
の標題の疎水化カチオン染料約1.8gを得た。この疎
水化カチオン染料を水−トルエン相中に入れ、振とうし
たところ、染料はほとんどトルエン相にとどまったこと
から、有機イオン交換処理により、有機溶媒との相溶性
が飛躍的に改善されたことが分かった。
【0051】また、実施例1と同様にして、この疎水化
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なシアンの色相を呈
し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図7に、この
インクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示す。
同図に示されるように、本実施例で作成したインクリボ
ンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であっ
た。
カチオン染料を用いて熱転写インクリボンを作成し、同
様の印画試験を行ったところ、良好なシアンの色相を呈
し、かつ階調性に富んだ画像が得られた。図7に、この
インクリボンのいわゆる動的感度(発色)特性を示す。
同図に示されるように、本実施例で作成したインクリボ
ンは、印画紙への熱転写による階調印画が可能であっ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明のカチオン染料は疎水性であるた
め、疎水性のポリマーに十分かつ均一に混合でき、保存
安定性もよい。従って、本発明の疎水化カチオン染料と
疎水性のバインダーポリマーから熱転写インクリボンの
インク層を構成すると、転写時の感度、得られる画像の
色相、耐光性を向上させることができる。
め、疎水性のポリマーに十分かつ均一に混合でき、保存
安定性もよい。従って、本発明の疎水化カチオン染料と
疎水性のバインダーポリマーから熱転写インクリボンの
インク層を構成すると、転写時の感度、得られる画像の
色相、耐光性を向上させることができる。
【図1】本発明の熱転写インクリボンの断面図である。
【図2】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
【図3】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
【図4】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
【図5】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
【図6】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
【図7】本発明のインクリボンの動的感度特性図であ
る。
る。
1 耐熱滑性層 2 支持体 3 インク層 10 熱転写インクリボン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 勝昭 大阪府大阪市北区同心2丁目10番5号
Claims (8)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立的に
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR4とR5とは互いに連結して環を形成し
てもよく、Z−は対イオンである)のジアザヘミシアニ
ン系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換す
ることにより得られる疎水化カチオン染料。 - 【請求項2】 支持体及びその上に積層されたインク層
からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク層が請
求項1記載の疎水化カチオン染料を含有することを特徴
とする熱転写インクリボン。 - 【請求項3】 式(2) 【化2】 (式中、R21は置換もしくは非置換のアリール基又は
置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、R22及びR
23は、独立的に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルコキシ
基、アルケニル基、アルケノキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、アシル基又はアシルアミノ基
であり、これらは置換されていてもよく、またR24は
置換もしくは非置換アルキル基であり、R25及びR2
6は独立的に水素原子、置換もしくは非置換のアルキル
基又は置換もしくは非置換のアラルキル基であり、ある
いはR25とR26とは互いに結合して環を形成してい
てもよく、Z−は対イオンである)の絶縁型アゾ系カチ
オン染料の対イオンを、有機アニオンと交換することに
より得られる疎水化カチオン染料。 - 【請求項4】 支持体及びその上に積層されたインク層
からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク層が請
求項39記載の疎水化カチオン染料を含有することを特
徴とする熱転写インクリボン。 - 【請求項5】 式(3) 【化3】 (式中、R31、R32、R33及びR34は、独立的
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR33とR34とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のナフトスチリ
ル系カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換す
ることにより得られる疎水化カチオン染料。 - 【請求項6】 支持体及びその上に積層されたインク層
からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク層が請
求項5記載の疎水化カチオン染料を含有することを特徴
とする熱転写インクリボン。 - 【請求項7】 式(4) 【化4】 (式中、R41、R42、R43及びR44は、独立的
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アルケニル
基、アルケノキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基又はアシル基であり、これらは置換されていて
もよく、またR43とR44とは互いに連結して環を形
成してもよく、Z−は対イオンである)のチアゾール系
カチオン染料の対イオンを、有機アニオンと交換するこ
とにより得られる疎水化カチオン染料。 - 【請求項8】 支持体及びその上に積層されたインク層
からなる熱転写インクリボンにおいて、該インク層が請
求項7記載の疎水化カチオン染料を含有することを特徴
とする熱転写インクリボン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4217138A JPH0640174A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4217138A JPH0640174A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0640174A true JPH0640174A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16699454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4217138A Pending JPH0640174A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0640174A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0751188A1 (en) * | 1995-06-30 | 1997-01-02 | Sony Corporation | Hydrophobic cationic dyes and thermal transfer ink ribbons using the same |
EP2241244A1 (en) | 2008-06-04 | 2010-10-20 | Fujifilm Corporation | Illumination device for use in endoscope |
EP3222201A1 (en) | 2009-08-10 | 2017-09-27 | Fujifilm Corporation | Endoscopic device |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP4217138A patent/JPH0640174A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0751188A1 (en) * | 1995-06-30 | 1997-01-02 | Sony Corporation | Hydrophobic cationic dyes and thermal transfer ink ribbons using the same |
EP2241244A1 (en) | 2008-06-04 | 2010-10-20 | Fujifilm Corporation | Illumination device for use in endoscope |
EP3222201A1 (en) | 2009-08-10 | 2017-09-27 | Fujifilm Corporation | Endoscopic device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2502228B2 (ja) | 赤外線吸収性スクエアリ―リウム化合物を含む感熱画像用ドナ―エレメント | |
JPH0549037B2 (ja) | ||
JPH0684115B2 (ja) | 熱染料転写に使用する黄色染料供与素子 | |
EP0464268B1 (en) | Thermal transfer printing with ultraviolet-absorbing compound | |
US5656759A (en) | Hydrophobic cationic dye compounds | |
EP0578870B1 (en) | Thiazolylazoaniline dyes for use in thermal dye sublimation transfer | |
JPH0640174A (ja) | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン | |
JPH0444918B2 (ja) | ||
KR0119563B1 (ko) | 열전사 기록용 피리돈계 옐로우 모노아조 염료 | |
EP0484814B1 (en) | Magenta pyrazolylazoaniline dye-donor element for thermal dye transfer | |
JP3263138B2 (ja) | 熱転写シート | |
JPH03189191A (ja) | 熱染料昇華転写印刷法 | |
JPH0640172A (ja) | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン | |
JP2003113329A (ja) | 疎水化カチオン染料及びこれを用いた熱転写インクリボン | |
EP0257577B1 (en) | N-alkyl- or n-aryl-aminopyrazolone merocyanine dye-donor element used in thermal dye transfer | |
JPH0535079B2 (ja) | ||
JPH0753885A (ja) | 熱転写印刷に使用するためのトリアゼン染料 | |
US5698490A (en) | Thermal transfer ink ribbons using the same | |
JP3293003B2 (ja) | 熱転写画像形成用金属イオン供給化合物を用いた記録材料および画像形成方法 | |
EP0384990B1 (en) | Cyan dyes in dye-donor elements for use in thermal dye transfer methods | |
JPH06329929A (ja) | 熱染料転写記録用染料及び染料供与体材料 | |
JPH0725171A (ja) | 熱染料転写記録用染料のための光安定剤 | |
JPH06108380A (ja) | 熱染料昇華転写供与体材料 | |
JPH0672056A (ja) | 熱染料昇華転写により使用するための染料供与体材料 | |
US5455218A (en) | Dye donor element for use in a thermal dye transfer process |