JPH0640109Y2 - 柵付きパレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主として長尺荷物を積み込むために使用す
る柵付きパレットに関する。

〔従来の技術〕

この種のパレットは、パレット本体の前後両端に荷崩れ
防止用の柵を設けたもので、パレット本体は、長尺荷物
を積み込む必要から横に長い矩形に形成されている場合
が多い。また、長尺荷物にも長短の寸法上の種類がある
ので、パレット本体についても幾段階かに寸法上の種類
があり、いずれのパレット本体にもフォークリフトの爪
を差し込む左右一対のフォークガイドが設けられてい
た。

また、荷崩れ防止用の柵は、左右一対の支柱とその両方
に架設する上端の横桟とからなるもので、横桟を支柱か
ら取り外すと、両支柱を内側に倒して仕舞うことができ
るようになっていたので、パレットから荷物を下ろすと
きには、両支柱を内側へ倒して荷物を下ろしやすくして
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の柵付きパレットは、上記のような構造であって、
長尺荷物は両柵の間に落とし込んで積み込まれるため、
荷崩れがその柵によって防止されるけれども、パレット
本体に対して長尺荷物が特に長い場合には、両端部が下
がることによって撓んで湾曲し、荷物に悪影響を及ぼす
ことがあり、また、荷物が横に振らついて支柱に強く当
たるため、支柱がその圧力に押されて破損することがあ
った。

そこで、前記の如くパレット本体は幾種類かに寸法が分
けられていたが、種類が多くなればそれだけ製造コスト
が高くなり、使用者においては、台数を多く備える必要
から、購入コストが高くなるし、保管や管理が複雑とな
るばかりか、種類を変えて使用分けするのに繁雑さが伴
う等の問題があった。

この考案は、上記のような実情に鑑みて、主フレームか
ら副フレームの引き出し・引込み操作がワンタッチでで
き、且つパレット本体が横へ伸縮自在であるために、積
み込む長尺荷物の寸法に差異があっても、いずれの寸法
の長尺荷物も安定して効率良く積み込むことのできる柵
付きパレットを提供することを目的としたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は、パレットの
主フレームの前後両端に荷崩れ防止用の柵を設け、主フ
レームの左右両端に副フレームを横へ伸縮可能に装着し
た柵付きパレットにおいて；上記主フレームは、基板の
左右両端に翼板を突設し、この翼板が、少なくとも側枠
と、上面に一定間隔にピン孔が穿設してあるパイプ状の
前後一対の伸縮ガイドとを備え、且つ上記側枠の両端部
には上記伸縮ガイドの内部と同形のガイド口が開けて成
り；上記副フレームは、端側枠と、上記伸縮ガイドの中
に密嵌されるパイプ状の前後一対の支持杆とから構成さ
れ、この支持杆の上面に一定間隔にピン孔が穿設して成
り；上記伸縮ガイドのピン孔と、上記副フレームの支持
杆のピン孔とを合わせ、この合わさったピン孔に差込む
ピンの構造を；胴部と頭部とからなり、その胴部に両開
口がやや狭い横孔を設け、横孔に一対の球とその間のバ
ネとが納めてあって、両球が狭い開口に掛かるために、
バネにより横孔から突出方向へ附勢されている構造に構
成し；このピンを上記合わせピン孔に差し込み又は引き
抜きにより、主フレームの左右両端に副フレームを横へ
伸縮可能に構成した。

〔作用〕

上記の構成によれば、長尺荷物を積み込むときに、前後
両端の柵の間にそれを並べて積み上げる。この場合に、
その長尺荷物が主フレームの長さに近い寸法であれば、
両端の副フレームを縮めた状態で長尺荷物の積込みをな
し、それよりも長い寸法であれば、両端の副フレームを
伸ばした状態で積込みをなす。

そうすると、長尺荷物の長短の如何にかかわらず、その
両端部がパレット本体に受けられるので、フォークリフ
トによる荷扱い中に長尺荷物が撓んで湾曲することはな
く、荷物が全体的に受けられるので、横振れすることも
ない。

副フレームの伸縮位置は、上記構成のピン装置により、
ワンタッチ操作で段階的に簡単に固定できるようになっ
ている。

〔実施例〕

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面は一実施例を示したもので、その柵付きパレットＰ
は、パレット本体１と前後一対の柵２、２とからなり、
パレット本体１は、主フレーム３に左右一対の副フレー
ム４、４を組み付けて構成される。

主フレーム３は、基板５の左右両端に翼板６、６を突設
したもので、そのうち、基板５は、フォークリフトの爪
を挿入する左右一対のフォークガイド７、７を主体とし
て、その間に前後枠部材８、８と中桟９とを挟んで溶接
することによって枠組みされ、フォークガイド７、７の
外側面両端に柵２用の支柱受皿10、10を溶接により固着
してある。

左右両翼板６、６は、基板５から間を隔てた側枠12と、
前後一対の伸縮ガイド13、13と、３本の中桟14、15、15
とからなり、基板５と一体となっている。

伸縮ガイド13は、四角断面の角パイプであって、上面に
等間隔おきにピン16の差込孔17、17、…が穿設されてい
る。また、伸縮ガイド13は、支柱受皿10と側枠12との両
方に溶接され、側枠12には両端部に伸縮ガイド13の内部
と同形のガイド口18が開けてある。

副フレーム４は、端側枠20と前後一対の支持杆21、21と
をコ字形に組み合わせて構成され、支持杆21には伸縮ガ
イド13の中に密嵌する断面四角形の角パイプが使用さ
れ、その上面に等間隔にピン16の通し孔22、22、…が穿
設してある。

ピン16は、胴部16aと頭部16bとからなり、その胴部16a
に両開口42a、42aがやや狭い横孔42を設け、横孔42に一
対の球43、43とその間のコイルバネ44とを納めてあっ
て、両球43、43が狭い開口42a、42aに掛かるために、バ
ネ44により横孔42から突出方向へ附勢されている。

柵２は、左右一対の支柱25、25と、その支持片26、26
と、横桟27とからなる。

支柱25には四角断面の角パイプが使用され、その下端前
面に軸ピン28を突設し、それよりも少し上の前面と外側
面に掛止ピン29、30を突設してある。

支持片26は、前面壁26aと外側壁26bとからなる断面Ｌ字
形であって、前面壁26aに支柱25の軸ピン28が掛かる縦
長の軸支溝33を設け、前面壁26aと外側壁26bの上端に掛
止ピン29、30が掛かる切欠溝31、32を設けてある。

そこで、支柱25を持ち上げて両掛止ピン29、30を切欠溝
31、32から外すと、軸支溝33に掛かる軸ピン28を中心に
支柱25を内側へ倒すことができる。このとき、両支柱2
5、25の軸ピン28、28が軸支溝33、33でそれぞれ高さ位
置が調節されるため、両支柱25、25を水平に重ね合わせ
ることができる。35は、この重ね合わせの障害にならな
いよう他方の支柱25の掛止ピン30が嵌まるようにした凹
所である。

また、基板５の上面には、左右両支持片26、26の前面壁
26a、26a間に渡して尺状部材38を固着し、尺状部材38に
は荷造り用の紐を通す掛止孔39を設けるほか、支柱25の
掛止ピン29が掛かる掛止溝40を設けてある。この掛止溝
40には重ね時に下位の支柱25の掛止ピン29が掛かること
によって、その支柱25の横ずれが防止される。

なお、上記軸ピン28および掛止ピン29、30はそれぞれ軸
支溝33及び切欠溝31、32に掛かるように頭部付きであ
る。

上記のパレットＰを使用する場合は、両方の柵２、２を
組み立てる一方、パレット本体１の長さを長尺荷物の長
さに適合させて調節する。この調節には、翼板６の伸縮
ガイド13、13に副フレーム４の支持杆21、21を出し入れ
するが、その際に、伸縮ガイド13の差込孔17に支持杆21
の通し孔22を合わせてから、その両孔17、22にピン16の
胴部16aを差し込む。そうすると、差込孔17の口縁によ
って両球43、43がバネ44の弾力に抗して横孔42に押し込
まれるため、胴部16aの差し込みに支障とならない。そ
して両球43、43が胴部16aと共に支持杆21の中に押し込
められると、その空間部ではバネ44の弾力で両球43、43
が突出して、支持杆21の通し孔22の口縁に掛かる状態と
なるので、ピン16を特に抜き取ろうとしない限り抜けな
い状態となる。

なお、ピン16を差し込み難いときは、指で両球43、43を
押し込みながらその作業をするのが良い。

ピン16を取り外すときは、頭部16bを摘んで引き上げ
る。そうすると、同じように両球43、43が通し孔22の口
縁で溝孔42へ押し込まれることによって、両孔22、17か
ら抜けて脱出するので、ピン16の引き抜きができる。

ピン16の頭部16bの下には軟質座板45を嵌め、ピン16を
引き抜くときに頭部16bに指を掛けやすくしてある。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案の柵付きパレットによれ
ば、 主フレームの左右両端に副フレームを横へ伸縮可能に
装着し、しかも、その副フレームの伸縮位置を本考案に
係るピンの使用により、ワンタッチ操作で固定したり変
動したりできるので、非常に簡便であり、 また、副フレームの伸縮によってパレット本体の長さ
が伸縮自在であるために、積み込む長尺荷物の寸法の如
何にかかわらず、それが撓んだり振れたりすることがな
く、安定した積み込み状態で荷役作業をすることがで
き、多種類のパレットが不要となるため、製造者におい
ては量産による安価な提供に適し、使用者においては多
種類に兼用できて作業上能率的であり、保管、管理も容
易となるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の柵付きパレットを示す斜視図、第２
図は第１図Ａ−Ａ線矢視の拡大断面図である。 Ｐ……柵付きパレット、１……パレット本体、２……
柵、３……主フレーム、４……副フレーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パレットの主フレームの前後両端に荷崩れ
   防止用の柵を設け、主フレームの左右両端に副フレーム
   を横へ伸縮可能に装着した柵付きパレットにおいて；上
   記主フレームは、基板の左右両端に翼板を突設し、この
   翼板が、少なくとも側枠と、上面に一定間隔にピン孔が
   穿設してあるパイプ状の前後一対の伸縮ガイドとを備
   え、且つ上記側枠の両端部には上記伸縮ガイドの内部と
   同形のガイド口が開けて成り；上記副フレームは、端側
   枠と、上記伸縮ガイドの中に密嵌されるパイプ状の前後
   一対の支持杆とから構成され、この支持杆の上面に一定
   間隔にピン孔が穿設して成り；上記伸縮ガイドのピン孔
   と、上記副フレームの支持杆のピン孔とを合わせ、この
   合わさったピン孔に差込むピンの構造を；胴部と頭部と
   からなり、その胴部に両開口がやや狭い横孔を設け、横
   孔に一対の球とその間のバネとが納めてあって、両球が
   狭い開口に掛かるために、バネにより横孔から突出方向
   へ附勢されている構造に構成し；このピンを上記合わせ
   ピン孔に差し込み又は引き抜きにより、主フレームの左
   右両端に副フレームを横へ伸縮可能に構成したことを特
   徴とする柵付きパレット。