JPH0639952U - 誘導加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加熱材の板幅方向の寸法に応じて最適の温
度分布を形成することができるものである。 【構成】 Ｃ形鉄心２の上部鉄心部２ａと下部鉄心部２
ｂに、夫々中間開脚鉄心部３ａ、３ｂを上下に対向して
設けた誘導加熱装置において、前記中間開脚鉄心部３
ａ、３ｂを、上部および下部鉄心部２ａ、２ｂに沿って
移動する台車11、16に取付けたジャッキ13に昇降自在に
支持して、板幅調整時に中間開脚鉄心部３ａ、３ｂを上
下部鉄心部２ａ、２ｂから切り放して移動できるように
したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は連続的に搬送されてくる帯状の被加熱材をコイルを巻回したＣ形鉄心 の開口部を通過させて加熱する誘導加熱装置に関するものである。 ［考案の詳細な説明］

【０００２】

【従来の技術】

一般に、鉄鋼圧延ラインなどでは被加熱材を予め所定の温度に加熱してから連 続的に搬送しながら順次圧延ミルで圧延して薄板に成形する過程で、被加熱材の 端部側の温度が次第に降下してくる問題がある。このように端部側が温度降下し て全体に温度が不均一のまま圧延すると品質が一定せず、端部側の硬度が高くな って被加熱材が割れたり、圧延ミルのローラが摩耗するなどの問題が発生する。 このため鉄鋼圧延ラインの圧延ミルの上流側に被加熱材の端部を局部的に加熱す る誘導加熱装置が設置されている。

【０００３】 この従来の誘導加熱装置としては、例えば図３に示すように端部開脚鉄心部１ ａ、１ｂを形成したＣ形鉄心２の上部鉄心部２ａと下部鉄心部２ｂに夫々中間開 脚鉄心部３ａ、３ｂを上下に対向して突設し、前記上下の端部開脚鉄心部１ａ、 １ｂと中間開脚鉄心部３ａ、３ｂに加熱コイル４を巻回した構造になっている。 この誘導加熱装置では、連続的に搬送されてくる被加熱材５を開口部６に通過さ せて、端部開脚鉄心部１ａ、１ｂの間と中間開脚鉄心部３ａ、３ｂの間を上下に 貫通するトランスバース磁束７を被加熱材５に鎖交させて誘導加熱するようにな っている。

【０００４】 このような誘導加熱装置において、中間開脚鉄心部３ａ、３ｂの位置が固定さ れているため被加熱材５の板幅方向の寸法により温度分布が変化するため、最適 の温度分布を板幅寸法に応じて調整することができなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記欠点を除去し、被加熱材の板幅方向の寸法に応じて最適の温度分 布を形成することができる誘導加熱装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、Ｃ形鉄心の上部鉄心部と下部鉄心部に、夫々中間開脚鉄心部を上下 に対向して設けた誘導加熱装置において、前記中間開脚鉄心部を、上部および下 部鉄心部に沿って移動する台車に取付けたジャッキに昇降自在に支持したことを 特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案の誘導加熱装置は、被加熱材の板幅に応じて中間開脚鉄心部の位置を調 整する場合、上方の中間開脚鉄心部はジャッキを駆動させて支持フレームを下降 させると、これに支持された中間開脚鉄心部が下降して上部鉄心部から離れる。 この後シリンダーを駆動させ被加熱材の板幅に合わせて台車をレールに沿って移 動させる。次に再びジャッキを駆動させて支持フレームを上昇させると、これに 支持された中間開脚鉄心部も上昇して上部鉄心部の下面に一体に接合される。

【０００８】 また下方の中間開脚鉄心部は、ジャッキを駆動させて支持フレームを上昇させ ると、これに支持された中間開脚鉄心部が上昇して下部鉄心部から離れる。この 後、シリンダーを駆動させ被加熱材の板幅に合わせて台車を移動させる。次に再 びジャッキを駆動させて支持フレームを下降させると、これに支持された中間開 脚鉄心部も下降して下部鉄心部の上面に一体に接合される。

【０００９】

【実施例】

以下本考案を図１を参照して詳細に説明する。端部開脚鉄心部１ａ、１ｂを形 成したＣ形鉄心２の上部鉄心部２ａと下部鉄心部２ｂに夫々別個に形成した中間 開脚鉄心部３ａ、３ｂが取付けられている。中間開脚鉄心部３ａの取付け構造は 、上部鉄心部２ａの上面にレール10、10が固定され、この上を台車11の車輪12が 走行するようになっている。台車11の上面にはジャッキ13が上方に向かって設け られ、このジャッキ13の上端に枠状の支持フレーム14が固定され、上部鉄心部２ ａをまたいで中間開脚鉄心部３ａを両側から支持して移動できるようになってい る。また台車11の側面にはシリンダー15が接続され、台車11を上部鉄心部２ａに 沿って移動するようになっている。

【００１０】 また下方の中間開脚鉄心部３ｂの取付け構造は、下部鉄心部２ｂの両側面にレ ール10、10が固定され、台車16の上部に取付けた車輪12、12が、前記レール10、 10を走行するようになっている。台車16の下面にはジャッキ13が下方に向かって 設けられ、このジャッキ13の下端に枠状の支持フレーム17が固定され、下部鉄心 部２ｂをまたいで中間開脚鉄心部３ｂを両側から支持して移動できるようになっ ている。また台車16の側面にはシリンダー15が接続され、台車16を下部鉄心部２ ｂに沿って移動するようになっている。

【００１１】 上記誘導加熱装置において、板幅の異なる被加熱材５を加熱する場合、先ず上 方の中間開脚鉄心部３ａは、ジャッキ13を駆動させて支持フレーム14を下降させ ると、これに支持された中間開脚鉄心部３ａが下降して上部鉄心部２ａから離れ る。この後、シリンダー15を駆動させ被加熱材５の板幅に合わせて台車11をレー ル10に沿って移動させる。次に再びジャッキ13を駆動させて支持フレーム14を上 昇させると、これに支持された中間開脚鉄心部３ａも上昇して上部鉄心部２ａの 下面に一体に接合される。

【００１２】 また下方の中間開脚鉄心部３ｂは、ジャッキ13を駆動させて支持フレーム17を 上昇させると、これに支持された中間開脚鉄心部３ｂが上昇して下部鉄心部２ｂ から離れる。この後、シリンダー15を駆動させ被加熱材５の板幅に合わせて台車 16をレール10に沿って移動させる。次に再びジャッキ13を駆動させて支持フレー ム17を下降させると、これに支持された中間開脚鉄心部３ｂも下降して下部鉄心 部２ｂの上面に一体に接合される。この状態で加熱コイル４に通電して開口部６ に被加熱材５を走行させることにより、板幅方向の寸法に応じた最適の温度分布 に加熱することができる。

【００１３】 なお上記実施例では、上部鉄心部２ａと下部鉄心部２ｂに１組の中間開脚鉄心 部３ａ、３ｂを移動自在に設けた構造について示したが２組以上設けた構造でも 良い。また上記実施例では被加熱材５の片側を加熱する場合について示したが、 両側に設けて、両端を長手方向に沿って加熱する構造でも良い。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案によれば、中間開脚鉄心部を鉄心本体と分離して可動 式に形成されているので、被加熱材の板幅方向の寸法に応じて最適の温度分布を 形成できる誘導加熱装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による誘導加熱装置を示す側
面図である。

【図２】図１の中間開脚鉄心部を示す断面図である。

【図３】従来の誘導加熱装置を示す側面図である。

【図４】図３の誘導加熱装置を示す正面図である。

【符合の説明】

１ａ 端部開脚鉄心部 １ｂ 端部開脚鉄心部 ２ Ｃ形鉄心 ２ａ 上部鉄心部 ２ｂ 下部鉄心部 ３ａ 中間開脚鉄心部 ３ｂ 中間開脚鉄心部 ４ 加熱コイル ５ 被加熱材 ６ 開口部 ７ 磁束 10 レール 11 台車 12 車輪 13 ジャッキ 14 支持フレーム 15 シリンダー 16 台車 17 支持フレーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｃ形鉄心の上部鉄心部と下部鉄心部に、
   夫々中間開脚鉄心部を上下に対向して設けた誘導加熱装
   置において、前記中間開脚鉄心部を、上部および下部鉄
   心部に沿って移動する台車に取付けたジャッキに昇降自
   在に支持したことを特徴とする誘導加熱装置。