JPH063987A - 画像形成装置の定着装置 - Google Patents

画像形成装置の定着装置

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JPH063987A
JPH063987A JP18164292A JP18164292A JPH063987A JP H063987 A JPH063987 A JP H063987A JP 18164292 A JP18164292 A JP 18164292A JP 18164292 A JP18164292 A JP 18164292A JP H063987 A JPH063987 A JP H063987A
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fixing film
fixing
film
heating
fixing device
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JP18164292A
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English (en)
Inventor
Akihiro Sakai
井 昭 弘 酒
Shinichi Konno
野 真 一 今
Yoshiyuki Koshimizu
清 水 義 之 小
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜からなる定着フィルムを介して加熱体と加
圧ローラとを当接するように構成した定着装置におい
て、局部的な加熱、定着フィルムの延伸、片寄り、皺の
発生などによる定着不良を阻止する。 【構成】定着フィルムの駆動部にヒートパイプ、伝熱部
材、定着フィルムの延伸を補償する手段、潤滑剤付与手
段、潤滑剤の漏出阻止手段、定着フィルムの片寄りを検
知する手段などを適宜設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】個の発明は静電複写機、同プリン
タ等静電転写プロセスを利用する画像形成装置、就中、
その定着装置に関するものである。
【0002】
【従来技術と解決すべき課題】紙等の転写材に静電的に
形成したトナー像を転写材に溶融固定する定着手段とし
て、加圧ローラに当接して同期走行する薄肉で耐熱性の
定着フィルムを設け、該フィルムに対して加圧ローラと
反対側に加熱体を前記加圧ローラに対向するように配設
し、これら加圧ローラと定着フイルムの間に転写材を通
過させるように構成したものが提案されるている(例え
ば、特開昭63ー313182号公報参照)。
【0003】「図22」はこのような定着装置の典型的
な一例を示す概略側面図である。図示の装置の右方に
は、図示はして無いが、像担持体、その表面を均一に帯
電させ一次帯電器、これに画像信号を付与して静電潜像
を形成する手段、該潜像にトナーを供給してトナー像を
形成する現像手段、このトナー像を紙などの転写材に転
写させる手段その他画像形成に必要な部材をそなえた画
像形成部が配設してあるものとする。
【0004】図示の定着装置は、加圧ローラ17と、一
対のローラ8、11間に巻架されて不図示の駆動源によ
って図示矢印方向に走行する定着フィルム9とをそなえ
ており、該ローラ間には加熱体12が配設してあってこ
れが図示のように加圧ローラ17側に偏倚した位置にあ
って、この部位で定着フィルム9が加圧ローラ17に当
接している。
【0005】前記加熱体12は転写材の巾方向(紙面に
垂直方向)に延在する発熱体14とこれを支持するヒー
タ基板13とをそなえいる。
【0006】画像形成部においてトナー像Tを担持した
転写材Pが、前記加圧ローラ17と定着フィルム9とが
当接する定着部位に到来すると、前記加熱体12の作用
で、転写材に静電的に担持されているトナー像が該転写
材に溶融固定されて定着が行われた後、機外に排出され
るものとする。
【0007】この種の定着手段は、加圧ローラに加熱ロ
ーラを圧接してそのニップ部に転写材を通過させるよう
な定着手段、フラッシュ定着手段、オーブン定着手段な
ど公知の定着手段に比して、低容量の加熱体を利用でき
るので小電力ですみ、ウエイトタイムを減少できる、定
着点と分離点が別々に設定できるのでオフセット防止上
有利であるなど種々な利点があり一定の有効性を具有し
ているが、反面、以下に示すような欠点を免れない。こ
れらについて説明すると、
【0008】この種の装置は、通常、種々なサイズの転
写材に適合させるために、使用可能最大巾の転写材全巾
にわたって定着できるように、加熱体の全長(転写材の
全巾)にわたって加熱機能が作用するように該加熱体を
構成してあるのが普通であるので、使用可能の最大巾
(転写材巾)未満の転写材を通紙すると定着フィルムと
加圧ローラとの間に、熱を吸収するべき転写材が存在し
ない部分ができ、当該部分に対応する定着フィルム、加
圧ローラ表面が過度に昇温してこれらを損傷したり、定
着フィルムの走行の不安定化(フィルムの片寄りや皺の
発生など)を招来するおそれがある。
【0009】したがつて、本発明の一つの目的は、この
ような定着フィルムの局部的な過昇温とこれによる上記
のような欠点のない定着装置を提供することにある。
【0010】また、この種の定着装置では、通常、支持
部材に低容量の発熱体を配設し、これに通電して発熱さ
せるような加熱体を用いているため、これらを接合する
接着剤を含めて複数種の材料から構成されているので、
加熱の際、各部材の熱膨張係数の差異によって内部応力
の発生を免れず、これによって発熱体の損傷、変形を生
じて定着不良の原因となる可能性があり、また各部が膨
張収縮するので電流供給端子にも大きなストレスを与え
て断線が発生しやすくなる等の問題があった。
【0011】即ち、本発明の他の目的は、上記のような
発熱体とこれを支持する部材とを少なくとも2部材以上
で構成させて、これらが長手方向に自由に伸縮できるよ
うにして加熱による内部応力の発生を阻止し、発熱体の
破損や給電端子の断線を防止できるような定着装置を提
供することにある。
【0012】またこの種の定着装置は加熱によって定着
を遂行するので、定着フィルムの加熱による膨張によっ
て定着フィルムが延伸し、展張されているフィルムの張
力が小さくなるので、例えば、前記「図22」に示すよ
うな定着装置において、定着フィルムを巻架するローラ
に一つにばね25を配設して張力を調節するようなもの
が提案されている。しかしこのようにテンションローラ
を必要とする。このため装置が大型化してコストアップ
につながる。「図23」、「図24」はテンションロー
ラを廃した構成のものを例示しており、前者では加熱体
をばね25で加圧ローラに押圧しており、後者では駆動
ローラ8を加熱体から離れる方向に押圧している。
【0013】しかしながら、前者の場合、加熱体が定着
に必要なニップを形成するので精度を要するがこのよう
な構成では熱膨張による寸法誤差を拾いやすく、ニップ
の位置が変化して画像に悪影響をあたえる欠点があり、
また後者では、定着フィルムの伸縮によって駆動ローラ
8の位置が変化するので、駆動側のギヤトレーンなどの
接続が厄介になり、これを補償するために大型化、コス
トアップを招来することを免れない。
【0014】したがって、本発明の他の目的は、定着フ
ィルムを巻架する駆動ローラを熱によって適度に膨張す
る材料で構成して、定着フイルムの延伸を駆動ローラの
外径の膨張によつて補償して、定着フィルムの張力を一
定に維持できるような定着装置を提供することにある。
【0015】さらに、この種の定着装置では、前述のよ
うに、加熱体が定着フィルムの内面に摺擦しているの
で、該フィルムが加圧ローラに対向する部位において摩
擦負荷が増大して加圧ローラと定着フイルムとの同期走
行を阻害する傾向となり、この問題を回避するために定
着フィルムが加熱体と当接する面に潤滑剤を塗布するこ
とが提案されているが、このようにすると、通常無端ベ
ルト状に形成されている定着フィルムを走行させるため
の駆動ローラと該フィルムとの間にスリツプが生じてこ
の面から駆動力が働きにくくなつて不都合を生ずる。
【0016】即ち、本発明の一つの目的は、定着フィル
ムの加熱体と当接する側に潤滑剤を付与するとともに、
該フィルムを駆動する駆動部材と定着フィルムとの間の
摩擦力が減少することがないような構成として、長期に
わたり安定した定着が遂行できるような定着装置を提供
することにある。
【0017】さらにまた、上記のように、定着フィルム
と加熱体を利用する定着装置において、潤滑剤を使用し
て定着フィルムと加熱体との摩擦を小さくすると、これ
が外部にしみ出して転写材に付着したり、これによって
必要部位の潤滑剤の量が不足して定着フィルムや加熱体
が削れて削粉が画像上にスジとなって現れたりするよう
な画質の劣化を招来するおそれがある。
【0018】そこで、本発明のさらに他の目的は、定着
フィルムに潤滑剤を付与するように構成した定着装置に
おいて、加熱体の長手方向端部において、該フィルムの
加熱体に当接する面に密接するように潤滑剤のしみ出し
を阻止する部材を配設して、定着フィルムと加熱体の当
接部位に常時適量の潤滑剤が保持されるようにして、所
定部位における潤滑剤の不足による画質の劣化を発生す
ることがないような定着装置を提供することにある。
【0019】さらに、加熱体、定着フィルムを使用する
定着装置では、該フィルムの熱膨張によって張力が小さ
くなると、巻架したフィルムの走行中に片寄りが発生し
やすくなり、通常これを検知するためにフィルムの位置
検知手段が配設してあるが、この配置位置によっては誤
検知が生じやすくなるという問題があった。
【0020】したがって、本発明のさらに他の目的は、
定着フィルム検知手段を駆動ローラの巻き取り側と加熱
体との間、フイルムの張力が大でフイルムの変位の少な
い位置に配置してフィルムの位置検知を正確に行い得る
ような定着装置を提供することにある。
【0021】
【発明の構成】
【課題を解決する技術手段、その作用】上記の目的を達
成するため、本発明は、少なくとも1個の駆動ローラと
加熱体との間に定着フィルムを巻架し、該定着フィルム
を介して加圧ローラに前記加熱体を当接させ、前記定着
フィルムと加圧ローラの間に転写材を挿通するようにし
た定着装置において、前記駆動ローラをヒートパイプと
したことを特徴とし、または、上記のような定着装置に
おいて、前記加熱体の背後に、該加熱体に接離する伝熱
部材を配設したことを特徴とし、または、上記のような
定着装置において、前記加熱体が、給電によって発熱す
る発熱体とこれを支持する支持部材とをそなえ、該支持
部材が前記発熱体を支持する第1部材と、発熱体の給電
部位近傍の部分を支持する第2部材とを有しており、該
第2部材が前記第1部材に対して発熱体の長手方向に変
位自在であることを特徴とし,または、上記のような定
着装置において、前記駆動ローラの温度変化による外径
変化を、同様の温度変化による定着フィルムの伸縮を補
償するように設定したことを特徴とし、または、定着フ
イルムを介して加熱体を加圧ローラに当接させて、該加
圧ローラを駆動源として前記定着フイルムを走行させる
とともに、定着フィルムの間に転写材を挿通させるよう
にした定着装置において、前記定着フィルムの加熱体と
摺擦する側の面に潤滑剤を塗布する手段を配設したこと
を特徴とし、または、走行する定着フィルムを介して加
圧ローラと加熱体とを当接させ、前記定着フィルムと前
記加圧ローラとの間に転写材を挿通させるようにした定
着装置において、前記加熱体が前記定着フィルムに摺擦
する側の該加熱体の長手方向両端部に前記定着フィルム
内面に密着する密閉手段を設けたことを特徴とし、また
は、少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との間に定着
フィルムを巻架した定着装置おいて、該定着フィルムが
駆動ローラに進入する側でと加熱体との間の位置に定着
フイルムの片寄りを検知する検知手段を配設したことを
特徴とするものである。
【0022】このように構成することによって、薄膜か
らなる定着フィルムを常時安定した駆動作用で走行させ
るとともに、加熱体との摺擦も円滑に行うことが可能と
なり、良好な定着作用を期待できる。
【0023】
【実施例の説明】「図1」は本発明の実施態様をしめす
定着装置の側面図であって、その基本的な構成は前述の
公知のものととくに変わりはなく、対応する部位には同
一の符号を付して示してあり、それらについては必要な
い限り説明を省略する。
【0024】図示符号8は駆動ローラ、符号11はテン
ションローラ、符号12は加熱体で、これらを囲繞する
ように定着フィルム9が巻架してあり、該定着フィルム
9の外側に配置した加圧ローラ17に前記加熱体12が
定着フイルム9を介して圧接している。
【0025】前記加圧ローラ17はシリコンゴムなど離
型性のよい材料で構成してあり、不図示の適宜の付勢手
段によって加熱体12方向に40〜70[N](4〜7
kgf)で圧接しているものとする。
【0026】エンドレスベルト状の定着フィルム9は、
離型性、耐熱性、耐久性にすぐれた材料で形成するのを
可とし、具体的には100μm以下、好適には50μm
以下の薄肉のポリイミド・ポリエーテルイミド・PES
・PFA(4フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱性樹脂の単層フ
ィルム、あるいは20μm厚のフィルムの画像当接面側
にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFAなどのフ
ツ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm
厚に施したものなどを利用できる。
【0027】図示の装置における加熱体12は、転写材
の巾方向(紙面に垂直方向)に延在して剛性、耐熱性、
断熱性を有する支持部材12’、とこれに支持されるヒ
ータ基板13及び通電によって発熱する発熱体14、こ
れの発熱範囲を限定する分岐電路、温度センサ10など
をそなえている。
【0028】前記支持部材12’は加熱体全体の強度を
確保するもので、たとえば、PPS(ポリフェニレンサ
ルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポ
リイミド)、PEEK(ポエーテルエーテルケトン)、
液晶ポリマなどの高耐熱性樹脂、これらの樹脂とセラミ
ック、金属、ガラス等との複合材で構成するのが好まし
い。
【0029】発熱体14は、ヒータ基板13の定着フィ
ルム9への当接側のほぼ中央部(転写材走行方向にみ
て)に配置されるものとし、銀パラジュウムなどの抵抗
材料を巾1.0〜4.0mmに塗工(スクリーン印刷な
ど)して設けた線状ないしは帯状の低熱容量の発熱材を
用いる。
【0030】ヒータ基板13の、発熱体14とは反対側
には温度センサ10が配設してあり、図示の装置では基
板13の温度を加熱体12の温度として検知するように
なっている。
【0031】通電態様は、たとえば直流のパルス状電流
で、前記センサ10とマイクロコンピユータ(不図示)
によつて制御された所定温度、エネルギー放出量に応じ
てパルスの巾を変化させるようにした制御回路を用いる
ことができる。
【0032】なお図示はしてないが、図示の定着装置よ
りも上流側(図示右方)適所に転写材の先端、後端を検
知する手段を配設し、その信号によって発熱体14に対
する通電時間を制御するものとする。
【0033】不図示の画像形成部位において、未定着の
トナー像Tを担持した転写材Pの先端が検知されると、
定着フィルム9が走行を開始し、次いで転写材Pはガイ
ド42に案内されて加圧ローラ17と定着フィルム9が
当接するニップ部Nを通過する。該ニップ部Nにおいて
トナー像は押圧加熱されて転写材に融着固定されたの
ち、ガイド43を経て機外に排出されるものとする。
【0034】この装置では定着後、転写材の分離はこれ
がニップ部Nを通過する時点で行われている。この分離
点では、加熱溶融したトナーの温度はトナーのガラス転
移点よりも高温にあり、したがつて定着フィルム9と転
写材Pとの接着力は小さく、オフセット現象や、両者が
接合したまま進行してジャムを発生したりするような事
態ははほとんど生じない。
【0035】またガラス転移点よりも高温にあるトナー
は適度のゴム特性を有しているので、分離点におけるト
ナーは定着フィルムの表面にならうことなく、適度の凹
凸面を維持して冷却固化するので、定着後のトナー像に
は過度の画像光沢が発生せず高品位の画像が形成され
る。
【0036】以上のような定着装置において、図示の装
置では、「図2」に示すように、駆動ローラ8は表面に
シリコンゴム8aをコーティングした、鉄、ステンレス
等からなる中空パイプ8bで形成してあり、定着フィル
ム9が前記コーティング表面に適度の摩擦力で走行する
ものとする。
【0037】前記パイプ8bの両端は軸受部材8c、8
c’によって密閉されて真空となっており、内部には適
量の作動液しての水が封入してある。したがつて、定着
装置を作動させるべく加熱体14を加熱してゆくとこの
水が蒸発し、不作動時には凝縮することをくり返すこと
になる。図示符号8dはパイプ8bの内周面に展張した
スクリーンメッシュで、水の気化熱の吸収、放出機能の
向上をはかるものである。
【0038】なお、図示のように駆動ローラ8の全長
は、画像形成装置に使用される転写材の最大巾のもの
(図示の場合A3サイズ)に適合し得る長さをそなえて
おり、転写材の端縁を基準としてその他のサイズの転写
材を使用する場合には、前述のように、ローラ8と定着
フィルム9とが直接当接する領域が生ずることになる。
即ち、同図において、B4サイズ以下の転写材の場合、
その図示左側に示す×印で示す範囲には転写材が存在し
ないので過昇温域となる。
【0039】駆動ローラ8の外径の変化はそのまま定着
フイルムの送り量の変化となって、フィルムの片寄りや
ジャムの原因となるが、本装置の場合、前述のように、
駆動ローラ内には水が封入してあるので、過昇温域近傍
の水が急速に蒸発してローラの当該部位の温度を低下さ
せ、さらに内部における水と蒸気の熱エネルギーの交換
作用でローラ表面の温度を可及的に均一化する傾向とな
って、温度差による駆動ローラの外径の不均一化を抑え
て、定着フィルムの片寄りや皺の発生を防止して良好な
定着作業の継続を可能とする。
【0040】「図3」は定着装置の他の実施態様を示す
もので、駆動ローラ8とテンションローラ11との間に
エンドレスベルト状の定着フィルム9が巻架され矢印方
向に走行し、これに近接配置した加圧ローラ17に対し
て、加熱体12が定着フイルム9を介して圧接してい
る。これら各部材の構成、材質等は前記「図1」に示し
た装置ととくに変わりはない。
【0041】図示のように、前記加熱体12は定着フィ
ルム側にある発熱体14、これを支持して断熱作用和奏
するべきヒータ基板13及びこれら発熱体14、ヒータ
基板13を保持する支持部材12’からなっている。こ
のさい、よく利用されているアルミナを基板としてこれ
に抵抗体をプリントし、これにガラスコーティングを施
し、角部をレーザ光でカットして構成した発熱体を使用
するような場合には、これをヒータ基板に取付ける際、
該基板の周辺を定着フィルム側に盛り上げるようにし
て、発熱体で定着フィルムを損傷することがないように
するのがよい。
【0042】このような構成の定着装置において、図示
の装置は前記支持部材12’の図示上方に、アルミニユ
ウム等の熱伝導率の高い材料からなる伝熱部材25が配
設してあり、これに取着したラツク26が、不図示の駆
動源によって駆動されるピニオン27と噛み合ってい
る。前記伝熱部材25常時は、図示のように、前記支持
部材12’から適宜離隔した位置に維持されているもの
とする。また該伝熱部材25にはピン25’が設けてあ
り、これが定着装置のケーシングなど不動部適所に形成
した長孔28に遊嵌されている。
【0043】前述の場合と同様、定着部位を通過する転
写材には種々なサイズがあるので、サイズによっては定
着部位に転写材が存在せず過昇温を招来する。このた
め、図示はしてないが、前記実施態様の場合と同様、ヒ
ータ基板13など適所に温度センサが配設してあるもの
とする。また温度センサは定着のために通紙する際必ず
転写材が存在する部位と、サイズによっては転写材が存
在しない部位に少なくとも1個配設しておくのが好適で
ある。
【0044】処理可能の最大巾の転写材を通紙している
場合には、定着フィルム9に特段の局部的な温度差が生
ずることはないので、前記伝熱部材25は、「図3」に
示すように支持部材12’から離隔した位置に維持され
ている。
【0045】非通紙部ができるような小サイズの転写材
を通紙し続けて、局部的な昇温が発生し、通紙部との温
度差が所定値を越えたことが検知されると、不図示の駆
動源によつてピニオン27、ラック26を介して伝熱部
材25が図示下方に変位して支持部材12’に当接し、
伝熱作用、熱の放散によって、定着フィルム9、加熱体
12の温度分布を均一化、低下するように作用する。
【0046】前記伝熱部材25のこのような作用によっ
て、定着フィルムの片寄り、皺の発生などを有効に防止
することができる。なお、温度センサは1個として非通
紙部に設け、その温度自体を検知するようにしてもよ
い。また、図示の装置では伝熱部材をラックとピニオン
によって作動させたが、勿論これに限定されるものでは
なく、たとえばソレノイド、カムとクラッチの組み合わ
せ等適宜の機構を利用できることは論を俟たない。
【0047】上記の場合、通紙部と非通紙部との温度差
が所定の値に達した時に伝熱部材25を加熱体に当接す
るようにしたが、センサが所定温度差を検知してから一
定時間後に伝熱部材を当接するようにしてもよい。この
ようにすることによって、伝熱部材の当接時には加熱体
周辺部はある程度昇温しているので、必要以上に温度が
低下することを阻止できる。
【0048】また、画像形成装置が転写材のサイズ検知
手段をそなえている場合、カセットで給紙する転写材サ
イズが決まっている場合などで、将来定着部位において
非通紙部が生ずることがはっきりしている場合には予め
伝熱部材を加熱体に当接しておくように構成することも
できる。
【0049】「図4」は他の実施態様を示す側面図であ
って、定着装置自体の基本構成は前記「図3」に示すも
のと同様であり、伝熱部材25は不図示のばねなどによ
って常時加熱体12から離隔する方向に変位されてい
る。また伝熱部材25のピン25’にバイメタル29が
係合している。
【0050】このバイメタル29は低温時図示のような
位置にあつて、このとき伝熱部材25が加熱体12と離
隔した位置にある。定着装置の稼働によって周辺温度が
上昇すると、このバイメタル29が図示矢印A方向に回
動して伝熱部材25を下降し、加熱体12に当接してそ
の温度の低下、均一化作用を奏することになる。定着装
置作動が停止して周辺温度が低下すればバイメタル29
は旧形に復し、伝熱部材25は加熱体12から離隔す
る。
【0051】上記のような構成の場合、バイメタルを非
通紙領域の近傍適所に配置することによって、最大巾の
転写材通紙時にはバイメタルが作動せず、非通紙領域が
存在する場合にのみ伝熱部材を作用させるように設定で
きる。また以上バイメタルを使用した場合について述べ
たが、形状記憶合金、形状記憶樹脂なども利用できるこ
とは勿論である。このようにバイメタル等を利用するこ
とによって、温度検知手段、これに付帯する機構などを
用いる必要がなく構成が簡単でコスト的にも有利であ
る。
【0052】次に加熱変形に適合する加熱体の構成を示
す実施態様について説明する。「図5」は、前記「図
1」に示す定着装置の加熱体12の長手方向(紙面に垂
直方向)の断面図であって、ヒータ基板13を覆うよう
に設けた支持部材12’の両端には支持片120、12
0’が配置してあり、これら支持片120、120’
は、前記支持部材12’端部に形成した長孔121、1
21’に遊嵌されたねじ122、122’によって前記
支持部材12’に取付けられており、前記長孔121、
121’の存在によって図示左右方向に適度に、通常役
3mm程度を可とする、スライドできるものとする。
【0053】前記支持部材12’の内部、図示下方には
発熱体14(不図示)を備えたヒータ基板13が配設し
てあり、該ヒータ基板13は図示符号201、201’
および201”で示す接着剤で支持部材12’、支持片
120および120’に夫々接着してある。
【0054】このように構成してあるから、通常の場合
には、支持部材12’、支持片120、120’、ヒー
タ基板13は全体として一体的に形成されていて安定的
に作動する。また発熱体14に通電することによってヒ
ータ基板13が膨張伸張すると、前記ねじ122、12
2’が支持部材12’に形成された長孔121、12
1’内を摺動してヒータ基板13の自由な伸張を許容す
るので、その内部に応力が発生することがない。
【0055】「図6」は加熱体の断面図、「図7」は前
記「図5」の符号13aで示す給電端子部位の下面図で
ある。
【0056】銅、銅合金の薄板などで形成された発熱体
14が通電電極103とハンダ付け105されている。
電極103と端子104は、ねじ106によって支持部
材12’に取り付けられており、電源コード107と抜
き差しできるようになっている。つまりヒータ基板13
が膨張しても発熱体14、電極103にはロードがかか
らないことになる。なお発熱体への通電は定着装置の上
流側適所に配置したセンサで、転写材の先端、後端を検
知して行なえばよい。
【0057】定着装置全体の構成は前記「図1」に示す
ものと同様であるので、その定着動作にもとくに前述し
た装置の場合と変わりはないのでそれらについての具体
的な説明は省略する。
【0058】「図8」は他の実施態様を示す加熱体12
の断面図である。支持部材12’の両端に形成した長孔
121、121にはヒータ基板13と同様の材質または
耐熱性樹脂で構成したピン300、300’が遊嵌して
あり、各ピンはヒータ基板13に接着301’、30
1”してあり、前記ヒータ基板13は支持部材12’に
一か所で接着301してある。また、支持部材12’と
ヒータ基板13とが離れないように抜け止めリング30
2、302’が前記ピン300、300’に取着とてあ
る。加熱によつてヒータ基板13が伸張すると、支持部
材12’とヒータ基板13と一体となったピン300、
300が相対的に移動して、ヒータ基板13に応力が発
生するのを阻止できる。ヒータ基板13の、図示下方に
配設される発熱体14、その端子構造等は前記「図
6」、「図7」に示したものと変わりはないので省略す
る。
【0059】次に、定着フィルムとこれを介して加熱体
によって定着を行う定着装置において、加熱によって定
着フィルムが延伸することによる前述のような問題を回
避するための実施態様について説明する。
【0060】「図9」はこのような定着装置の一例を示
す側面図で、加圧ローラ17に加熱体12が当接配置し
てあり、該加熱体12と駆動ローラ8との間に無端ベル
ト状の定着フィルム9が巻架してあって、この定着フィ
ルム9が前記加熱体によって加圧ローラ17に接触して
いる部位が定着部位となっていて、未定着トナー像を担
持する該定着部位を通過、加熱されて定着が行われるも
のとする。
【0061】このような定着装置では、定着作業のため
に加熱体を加熱すると、これによって定着フィルムが伸
張して所定のテンションを維持できなくなり、このため
既述のように種々な不都合が生ずる。したがつて、これ
を回避するため駆動ローラ8の材質を適当に選択して、
加熱による定着フィルムの伸張を補償するように該ロー
ラの材質、外径を設定することによって、定着装置の不
作動時、作動時にかかわらず定着フィルムの張力をほぼ
一定に維持して安定した定着作業を遂行することが可能
である。
【0062】本発明の具体的な適用例について説明す
る。定着フィルム9は、巾32mm、厚み18μm、ヤ
ング率7.8[GPa](800kf/mm2 )、線膨
張係数1×(1/105 )[1/℃]のポリイミド製ベ
ルトで、駆動ローラ8は、φ12のSUS芯金に厚み4
mmのシリコンゴム(線膨張係数7.7×(1/10
5)[1/℃])を被覆して形成してある。
【0063】符号12は前述のように加熱体で、定着フ
ィルム9、加圧ローラ17側に発熱体をそなえたヒータ
13’を有している。
【0064】常温状態(約30℃)で当初組み立てる際
に、定着フィルムの張力が約50[N](5kgf)と
なるように駆動ローラ8の位置を設定する。ついでこの
装置を作動温度約180℃で作動させると、定着フィル
ムは全周にわたってほぼ130℃となり、フィルムの延
びは約0.1mmとなる。
【0065】このとき駆動ローラ8の温度も約130℃
となり、その表面厚み4mmは熱膨張によって約4.0
3mmとなり、直径約20.06mmとなってローラの
周長では約0.2mm長くなる。従って、ローラ8の全
周の約半分に定着フィルムが巻回されているとすると、
駆動ローラ8の外周の延びは定着フィルムがかかってる
範囲で約0.1mmとなり、定着フィルムの延び量が駆
動ローラの周長の延びによって概ね補償されて、該フィ
ルムの張力を一定に維持できることになる。
【0066】この種の装置における定着フィルムの張力
は駆動ローラ上でスリップをおこさないためには1kg
以上に、またクリープによるフイルムの変形を防ぐには
15kg以下に設定する必要がある。さらに該フィルム
が加熱体面を円滑に摺動するには10kg以下とするこ
とが好ましい。上記構成では定着フィルム、駆動ローラ
の外径の熱膨張のばらつきによって、両者の膨張差が
0.01mm生じてもフイメムの張力には約1kg程度
の差異が生ずるだけで充分適正張力の範囲内におさま
る。
【0067】「図10」は他の実施態様を示す側面図で
あって、駆動ローラ8は18φのSUS芯金に厚み1m
mの耐熱性の発泡性ゴムを被覆して形成してある。その
他の部材は前記の装置と同様とする。
【0068】常温において定着フィルムに所定の張力が
得られるように組立を行う。稼働によって定着フィルム
9が膨張するが、これとともに駆動ローラ8の表面発泡
ゴム内の空気が膨張し、その結果該ローラの外径が大と
なって定着フィルムの張力が補償されることになる。
【0069】駆動ローラの表面に被覆する発泡性材の気
泡は独立気泡のものが好ましい。また、このように膨張
係数の大きい物質を利用すると駆動ローラの被覆部材の
厚みを薄くすることができ、ローラの剛性を上げられる
ので変形の防止、装置の小型化に寄与する。
【0070】つぎに、定着フィルムの駆動側と、加熱体
との摺擦側との摩擦の調整を可能とする実施例装置につ
いて説明する。「図11」は定着フィルムと、これを介
して加圧ローラに圧接する加熱体を備えた定着装置であ
る。該定着フィルムとこれに当接する加熱体との摩擦を
減少させるとともに、定着フィルムの駆動には必要な摩
擦力が維持できるように構成した実施態様で以下これに
ついて説明する。
【0071】無端状の定着フィルム9が、ほぼ環状の支
持部材202によつて支持されており、その内側に配設
した加熱体12が、該定着フィルム9を介して加圧ロー
ラ17に圧接している。前記加熱体12は発熱体14、
これを断熱保持するヒータ基盤13、剛性の支持部材1
2’からなっており、これら各部材、前記定着フィルム
9等は前述の「図1」に示したものと同様の構成を具備
しているものとし、この装置にあっては、前記加圧ロー
ラ17が駆動源となっていて、これによって定着フィル
ム9が同期走行するものとする。
【0072】図示右方から、ガイド42をとおって加圧
ローラ17と定着フィルム9との圧接ニツプ部Nたる定
着部位に搬送された転写材Pは、ここで加熱されて転写
材P上の未定着トナー像は転写材に定着固定され、ガイ
ド43を経て機外に排出されるものとする。
【0073】このような定着装置において、図示の装置
では定着フィルム9の内側で、走行方向にみて加熱体1
2よりも上流側適所に、スポンジからなる内層とフェル
トからなる外層とからなり、該外層にオイルを含浸させ
た塗布ローラ101が定着フィルム9内面に当接配置し
てある。
【0074】このように構成してあるから、作動中前記
塗布ローラ101によつて定着フィルム9の内面には潤
滑用のオイルが付着した状態で加熱体12の位置に到来
するので、加熱体12と定着フィルム9との間には円滑
に摺動作用が働き、一方、該定着フイルム9はその外側
面が駆動部材たる加圧ローラ17によって駆動されるの
で両者の間には所望の摩擦力が作用してスリツプの発生
を阻止して充分な同期走行が得られる。
【0075】「図12」は他の実施態様を示すもので、
定着装置自体の構成は前記のものと同様であるのでそれ
らについての説明は省略する。
【0076】この装置では寝定着フィルム9の内側、加
熱体12よりも上流側にオイルタンク501が配設して
あり、これから定着フィルム内面にノズル503が延び
ていて、該タンク内のオイル502が前記ノズル503
から少量ずつ定着フィルム9内面に供給されて、該面と
加熱体12との摺動を円滑に行う。
【0077】上記のように定着フィルムの内面に潤滑剤
を供給して、該フィルム面とこれに摺擦する加熱体との
摩擦を軽減するように構成する場合、前述したように、
このオイルが外部にしみ出して、転写材を汚染したり、
所定の部位に所定量のオイルが存在しない状態が発生す
るような不都合が生ずることがある。
【0078】そこで以下にこのような欠点を回避するよ
うな実施態様について説明する。
【0079】「図25」は前述の「図1」に示すような
定着装置における加熱体12と加圧ローラ17とが定着
フィルム9を介して圧接しているところを示す要部の側
面図である。このように加熱体が、剛性の支持部材に平
板状のヒータ基板あるいはセラミックヒータを組み合わ
せてなる場合、円筒状の加圧ローラ表面と接触すると角
部で定着フィルムを損傷することがないように、支持部
材を定着フィルム方向に丸みを帯びた突出構成とするの
が普通である。
【0080】このような構成となっていると、ヒータ側
と加圧ローラ側が当接していない部位に段差が生じ定着
フィルム内面に供給される潤滑剤がこの部分に溜りさら
にここからしみ出しやすいという問題を避けられなかっ
た。
【0081】「図13」はこのような欠点を回避する本
発明の実施態様を示す要部の斜視図であり、「図14」
は同上加熱体の下面図である。「図13」に示すよう
に、駆動ローラ8とテンションローラ11との間に無端
状の定着フィルム9が巻架してあり、加熱体12がその
内側にあって定着フィルム9を加圧ローラ17に圧接し
ている。さらに、この装置では、加熱体12の定着フィ
ルム9に当接する面にあるヒータ基板13の両端、画像
領域の外側に規制部材13’、13’が設けてある。そ
してこれら規制部材13’は、「図14」に示すよう
に、定着フイルムの走行方向に向かって間隔が狭まるよ
うに配置してある。
【0082】このような構成とすることによって、前述
のヒータ基板端部での定着フィルムとの段差が小さくな
って潤滑剤の外部への流出がなくなり、また定着フィル
ムの走行中該フィルムが加熱体の長手方向に往復変位す
ることによって、潤滑剤が徐々に外部に流出していたの
を、斜め方向に向けて設けた前記規制部材の存在によっ
て阻止することができ、潤滑剤が好適に所定部位に保持
されて、定着フィルムが円滑に走行でき、また、潤滑剤
の流出による転写材の汚染を防止できる。
【0083】「図15」、「図16」は他の実施態様を
示すもので、前述の規制部材の代わりにシリコンゴムな
どの弾性部材13”を付着してあり、このような構成で
も前記実施態様のものと同様の作用を奏し得る。
【0084】「図17」はさらに他の実施態様を示す定
着フィルム部分のみの斜視図、「図18」は同上加熱体
近傍部分を示す側面図である。
【0085】前述の場合と同様、駆動ローラ8とテンシ
ョンローラ11との間に定着フィルム9が展張してあ
り、その内側に配設した加熱体12が定着フィルム9を
介して不図示の加圧ローラに当接しているものとする。
【0086】このものにおいては、支持部材12’の両
端部近傍に、ヒータ基板、ないしはセラミックヒータ
等、13を装着したのち、該支持部材12’に形成した
凹部12’aに突状部材26’を、前記ヒータ基板13
を保持するように装着し、該突状部材26とヒータ基板
13のと間隙にはシール材27’が配置してある。
【0087】このように構成してあるから、加熱体12
と定着フィルム9との間にある潤滑剤が外部に漏出する
ことなく保持されて、加熱体に対して定着フィルム9を
円滑に摺動させることができる。 また、突状部材26
によってヒータ基板13を支持しているので、該ヒータ
基板を支持部材に接着する必要がなく、加熱のさい接着
剤が存在することによる問題を回避することができる。
【0088】これまで説述した、無端状の定着フィルム
を利用する定着装置では、これを支持駆動するローラ、
定着を行う加熱体等の周囲を走行する定着フィルムが、
走行方向に直交する方向に片寄りを生ずることを免れな
い。このようなフィルムの偏倚が定着装置の機能に影響
する迄大きくならないように、この種の装置ではフィル
ムの片寄りを検知する手段を設けているが、フイルムは
その位置によつて張力に差異があるので、誤検知やフイ
ルムに損傷を与えることなく、正確にその位置を検知す
ることは容易ではない。
【0089】以下にこのような事態に対処し得るような
実施態様について説明する。
【0090】「図19」は定着フィルムが加熱体を介し
て加圧ローラに当接するように構成した定着装置の要部
の斜視図であって、図示のものは駆動ローラ8が同時に
テンションローラを兼ねている装置を示している。
【0091】図示のように、定着フィルム9の一方の端
縁(図示の場合左側)には該フィルムの全長にわたって
リブ9’が形成してあり、該リブ9’は加圧ローラ17
の長手方向外側に相当する位置にあって、定着フィルム
が加圧ローラに当接して走行する際の邪魔にはならな
い。
【0092】前記リブ9’には、定着装置不動部適所に
取着された規制部材33の端部折曲部33’が係合して
おり、また符号27はフォトセンサで、駆動ローラ8の
巻取り側と加熱体12との間に配設してある。
【0093】この場合、図示右側、符号Rを付してある
側を若干高くしておく、加熱体12との距離を大きくし
ておくと、無端ベルト状に巻架された定着フィルム9は
R側に片寄る傾向となるので、この傾向が、前述のリブ
9’と折曲部33’の係合によって阻止して、結果とし
て定着フィルム9を安定走行させることができる。
【0094】しかし、定着フィルムやリブの摩耗、破
損、昇温による定着フィルムの弛みなどによって該フィ
ルムの不整な片寄りねこれに起因する定着フィルムの損
傷が生ずるおそれがある。このような事態の発生を回避
するため、図示の装置では、駆動ローラ8の巻き取り側
と加熱体12との間においてフオトセンサ27を配設し
てある。
【0095】定着フィルム9の張力は、駆動ローラへこ
れが進入する側とこれから加熱体に向かって行く側で
は、前者のそれが大で位置変化が小さいので、図示のよ
うにこの側にフォトセンサを配設することによって誤検
知を可及的に防止できる。
【0096】「図20」は他の実施態様を示す要部の斜
視図、「図21」は同上平面図である。駆動ローラ8と
テンションローラ11との間に定着フィルム9が展張さ
れ、その内側に配設した加熱体12が該定着フィルム9
を介して加圧ローラ17に当接している。とくに「図2
1」から判るように、前記定着フィルム9の一方の端
縁、同図下側端縁は斜めにカットされている。
【0097】前記テンションローラ11の一方の軸は軸
受28によつて支持されており、かつ前記軸受28は、
定着装置適所の不動部31’に一端を係止したばね31
の他端に当接しており、前記テンションローラの他方の
軸もこれと同様の構成によって該テンションローラ11
が押圧されて定着フィルム9に所定の張力を付与してい
る。
【0098】さらに前記軸受28側においては、該軸受
28は、これも装置不動部適所に取着されたピン30a
に一端を枢着された揺動アーム30に載置されており、
該揺動アーム30の他端はピン30bを介してソレノイ
ド29aのプランジャに接続している。
【0099】定着フィルム9の他方の端縁には、該フイ
ルムが駆動ローラ8に進入する側の、該ローラ8と加熱
体12の間の位置に、ベルクランク状のセンサアーム2
4aの一方の脚部が緩く当接しており、他方の脚部24
bがフォトセンサ27内に位置するように設けてあり、
前記アーム24aを支持するピン25aに配置したばね
26aによって前記一方の脚部が定着フィルム9の端縁
に弾性的に接触するように構成してある。
【0100】このように構成してあるから、定着フィル
ム9の走行中、これが「図21」に矢印Aで示す方向に
変位すると、前記センサアーム24aが回動し、これを
フオトセンサ27aが検知すると、フォトセンサから装
置本体内のCPUに信号が送られ、これがソレノイド付
勢回路に転送されてソレノイドのプランジャが引き上げ
られるので、前記揺動アーム30が回動し、これによっ
て軸受28が、従ってテンションローラの当該軸側が上
昇する。
【0101】このように、軸受28側が高くなると、定
着フィルム9は「図21」に矢印Bで示す方向に移動傾
向となり、所定の進路に戻る。定着フィルム9が矢印B
方向に偏倚した場合には、フォトセンサ27からの信号
によってソレノイド29のプランジャを下げて定着フィ
ルム9を矢印A方向に移動させればよい。定着フィルム
9の偏倚ごとに、このような動作をくり返すことによっ
て該フィルム9を所定進路に沿って走行させることが可
能である。
【0102】この場合にも、前述のように、センサアー
ム24aの位置を、定着フイルムが駆動ローラへ進入す
る側で、該ローラ8と加熱体12との間フィルムの張力
の大きい部位に配設することによって、誤検知の防止に
有効である。また本装置の場合、図示の位置にセンサを
配置することによって、テンションローラ11の変位の
影響を最小に保つことができる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるとき
は、定着フィルムを介して加熱体を加圧ローラに圧接
し、該加圧ローラと定着フィルムとの間に未定着トナー
像を担持する転写材を通過させるように構成した定置装
置において、加熱体の過昇温や局部的な昇温を阻止で
き、複数個の部材で構成した加熱体の各部材に生ずる温
度差による加熱体の変形や損傷をも防止でき、さらに加
熱による定着フィルムの伸張を補償するので、定着フィ
ルムの片寄りや皺を発生することがない。また、定着フ
ィルムとこれに摺擦する加熱体間に潤滑剤を供給して両
者間の摩擦を減少させるとともに、この潤滑剤を所定の
部位に良く保持するようにしたから、潤滑剤の漏洩によ
る転写材等の汚染を回避し、定着フィルムの駆動ローラ
上でのスリツプ、加熱体との当接面スティックスリップ
を防止できる。さらに、定着フィルムの位置を検知する
手段を該フィルムの変動の小さい部位に配設したので、
正確な位置検知が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す定着装置の側断面図
【図2】同上駆動ローラの側断面図
【図3】他の実施態様を示す定着装置の側断面図
【図4】さらに他の実施態様を示す要部の側面図
【図5】また他の実施態様を示す加熱体の長手方向の断
面図
【図6】及び
【図7】加熱体端部の構成を示す端面図及び平面図
【図8】他の実施態様を示す加熱体の長手方向の断面図
【図9】定着装置の他の構成を示す実施態様の側面図
【図10】同様の形式の他の実慕いようを示す定着装置
の側面図
【図11】定着フィルムに潤滑剤を供給する実施態様を
示す定着装置の側面図
【図12】上記と同様の趣旨のたの実施態様を示す定着
装置の側面図
【図13】さらに他の実施態様を示す定着装置の定着フ
ィルム部分のみを示す斜視図
【図14】同上加熱体部分を示す下面図
【図15】さらにまた他の実施態様を示す定着装置の定
着フィルム部分のみの斜視図
【図16】同上加熱体部分の構成を示す要部側面図
【図17】またさらに他の実施態様を示す定着装置の定
着フィルム部分のみの斜視図
【図18】同上加熱体部分のみを示す要部の斜視図
【図19】定置約装置の定着フィルムの片寄りを防止す
る実施態様を示す実施態様の斜視図
【図20】定置約フィルムの片寄りを防止する他の実施
態様を示す斜視図
【図21】同上平面図
【図22】定着フィルムを使用する公知の定着装置の構
成を示す側面図
【図23】及び
【図24】駆動ローラと加熱体の間に定着フイルムを巻
架した公知の定着装置の構成を示す概略側面図
【図25】加熱体と加圧ローラとの当接位置における潤
滑剤の振舞を説明するための、加熱体近傍の構成を示す
要部の側面図
【符号の説明】
8 駆動ローラ 9 定着フイルム 9’ リブ 11 テンションローラ 12 加熱体 12’ 支持部材 13 ヒータ基板 13’ 規制部材 13” 弾性部材 14 発熱体 17 加圧ローラ 24a センサアーム 25 電熱部材 26 ラック 26’ 突状部材 27 ピニオン 27’ シール材 27a フォトセンサ 28 長孔 29 バイメタル 29a ソレノイド 30 揺動アーム 31 ばね 33 規制部材 33’ 折曲部 121、121’ 長孔 201、201’、201” 接着剤 300、300’ ピン 302、302’ 抜け止めピン 501 オイルタンク 503 ノズル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との
    間に定着フィルムを巻架し、該定着フィルムを介して加
    圧ローラに前記加熱体を当接させ、前記定着フィルムと
    加圧ローラの間に転写材を挿通するようにした定着装置
    において、前記駆動ローラをヒートパイプとしたことを
    特徴とする画像形成装置の定着装置。
  2. 【請求項2】少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との
    間に定着フィルムを巻架し、該定着フィルムを介して加
    圧ローラに前記加熱体を当接させ、前記定着フィルムと
    加圧ローラとの間に転写材を挿通するようにした定着装
    置において、前記加熱体の背後に、該加熱体に接離する
    伝熱部材を配設したことを特徴とする画像形成装置の定
    着装置。
  3. 【請求項3】少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との
    間に定着フィルムを巻架し、該定着フィルムを介して加
    圧ローラに前記加熱体を当接させ、前記定着フィルムと
    加圧ローラとの間に転写材を挿通するようにした定着装
    置において、前記加熱体が、給電によって発熱する発熱
    体とこれを支持する支持部材とをそなえ、該支持部材が
    前記発熱体を支持する第1部材と、発熱体の給電部位近
    傍の部分を支持する第2部材とを有しており、該第2部
    材が前記第1部材に対して発熱体の長手方向に変位自在
    であることを特徴とする画像形成装置の定着装置。
  4. 【請求項4】少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との
    間に定着フィルムを巻架し、該定着フィルムを介して加
    圧ローラに前記加熱体を当接させ、前記定着フィルムと
    加圧ローラとの間に転写材を挿通するようにした定着装
    置において、前記駆動ローラの温度変化による外径変化
    を、同様の温度変化による定着フィルムの伸縮を補償す
    るように設定したことを特徴とする画像形成装置の定着
    装置。
  5. 【請求項5】定着フイルムを介して加熱体を加圧ローラ
    に当接させて、該加圧ローラを駆動源として前記定着フ
    イルムを走行させるとともに、定着フィルムの間に転写
    材を挿通させるようにした定着装置において、前記定着
    フィルムの加熱体と摺擦する側の面に潤滑剤を塗布する
    手段を配設したことを特徴とする画像形成装置の定着装
    置。
  6. 【請求項6】走行する定着フィルムを介して加圧ローラ
    と加熱体とを当接させ、前記定着フィルムと前記加圧ロ
    ーラとの間に転写材を挿通させるようにした定着装置に
    おいて、前記加熱体が前記定着フィルムに摺擦する側の
    該加熱体の長手方向両端部に前記定着フィルム内面に密
    着する密閉手段を設けたことを特徴とする画像形成装置
    の定着装置。
  7. 【請求項7】定着フィルム内面に密着する密閉手段が、
    定着フィルムの進行方向に対して、中央方向に傾斜して
    配置してある「請求項6」記載の画像形成装置の定着装
    置。
  8. 【請求項8】少なくとも1個の駆動ローラと加熱体との
    間に定着フィルムを巻架した定着装置おいて、該定着フ
    ィルムが駆動ローラに進入する側でと加熱体との間の位
    置に定着フイルムの片寄りを検知する検知手段を配設し
    たことを特徴とする画像形成装置の定着装置。
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