JPH0639820B2 - 軽量気泡コンクリート壁パネルの取付構造 - Google Patents

軽量気泡コンクリート壁パネルの取付構造

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JPH0639820B2
JPH0639820B2 JP29706088A JP29706088A JPH0639820B2 JP H0639820 B2 JPH0639820 B2 JP H0639820B2 JP 29706088 A JP29706088 A JP 29706088A JP 29706088 A JP29706088 A JP 29706088A JP H0639820 B2 JPH0639820 B2 JP H0639820B2
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拓文 渡邉
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に建物の帳壁を構成する高温高圧蒸気養生
された軽量気泡コンクリート(ALC)壁パネルの負圧
受け取付構造に関するものである。
〔従来技術〕
従来のALC帳壁の取付構造として、第9図に示すよう
に建込んだパネルaに座くり孔bを設け、ボルトcと座
金dおよびナットeでパネルaを鉄骨に溶着されたアン
グルfに固着する方法がある。
しかし、この方法では座くり孔bを補修モルタルで埋
め、さらに座くり補修部をパネル表面と同様な状態に仕
上げることが必要なため、作業は繁雑であり施工能率が
悪い。また、この座くり補修部は、建築用吹付塗料等に
よる外装仕上げの後に色ムラとして残ったり、あるいは
補修モルタルの乾燥収縮や地震時における前記ボルト類
の振動が原因で母材と補修モルタルとの境にヒビ割れが
生じるなど、パネル表面の意匠性を阻害する場合があ
る。
そこで第10図に示すようにALCパネル製造過程でパ
ネル取付金具hを埋め込んでおく方法も考えられるが、
この方法では、パネルの取付金具の位置が建物により異
なり、また種別も非常に多くなるため製造上非常に手間
がかかる。その上、現場での施工中に取付位置の変更が
生じた場合、あるいはまたパネルの長さ、幅などの寸法
変更が生じた場合には対応することができない。
また第11図(a),(b)に示すように取付金具jを、パネ
ルを集成するのに用いられた集成孔g内の緊結材kおよ
びモルタルiと一体化しておき、この取付金具をパネル
支持部材に連結することによりパネルを構造躯体に取付
ける方法もある。しかしこの工法では、パネルを集成す
るためにパネルを並列方向に貫通する大きな孔をあけね
ばならず、現場でこの孔をハンディタイプのドリルであ
けるのは難しい。また、モルタルの強度発現までパネル
を構造躯体に取付けることはできない。さらに、集成パ
ネルでなくパネル一枚一枚にこの工法を適用すると、一
枚ごとのモルタルの充填作業に時間と手間がかかる。
〔本発明の目的〕
本発明は、以上述べた従来技術の問題点を一挙に解決す
ることを目的としたものであり、 (1)施工現場で構造躯体の状況に応じて、パネルの任意
の位置に、安価でしかも簡便な工具で迅速容易に取付け
られ、 (2)パネル取付部に座くり補修跡のない意匠性の優れた
外観となる軽量気泡コンクリート壁パネルの取付構造を
提供することを目的とするもの である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を軽量気泡コンクリート壁パネルの小
口面にその面と垂直方向に長孔を設け、壁パネル室内側
表面から該長孔に連通する座くり孔を設け、この座くり
孔へ基端に係合孔、先端に係止用ネジを有する取付金具
の基端を差し込み、該長孔に差込んだ係止杆を該取付金
具の係合孔に差通して取付金具を係止し該取付金具の先
端係止用ネジ部を壁パネル取付部材に連結してある構造
であって、係止杆外径と長孔内径との間には0.1mm以上
10mm以下の遊びがあることを特徴とする軽量気泡コン
クリート壁パネル壁パネルの取付構造とすることにより
達成しようとするものである。
〔実施例〕
以下その詳細を図示した実施例によって説明する。
第1図は、本発明の実施例の要部の破断斜視図、第2図
は、その要部の構成を施工手順により説明する説明図で
ある。
パネル取付現場において、パネル1の長辺小口面の所定
の位置にその面と直角方向に長孔1fをあけ、パネル室
内側表面からこの面と垂直に長孔1fに達する座くり孔
1eをあける。なお長孔1fは、第8図に示すようにA
LCパネル製造時の鉄筋かごを保持するためのセット棒
lを引き抜いた後の穴を利用することもできるし、セッ
ト棒とは別に型枠内にモルタルmを注入する前に棒状の
ものを吊るしておき成形後に引き抜くことにより形成さ
れた穴を用いることもできる。
そして次に座くり孔1eに取付金具3を挿入する。
この取付金具3は一端にパネル係止用ネジを有し、他端
には係合孔3aが設けられており、座くり孔1eに係合
孔3aを先にして、長孔1fまで挿入し、一方係止杆2
は長孔1fに挿入し、係合孔3aを貫通して取付金具3
と係合する。
このように取付金具3は係止杆2と係合されているの
で、座くり孔1eの位置は長孔1f内の係止杆2と組合
わせて幅方向に調節することができ長孔1fの位置と組
合わせることにより、パネル1内の任意の位置に設置す
ることが可能である。なお長孔1f、座くり孔1eには
モルタルおよび接着材等の充填材は用いない。
長孔1fと座くり孔1eは、施工現場で汎用されている
ハンディタイプの電気ドリルで容易に穿孔可能である。
例えば径6〜20mm、長さ40cmの長孔1fを開ける
のに要した時間は、市販の木工用のドリルの刃を用いて
約15秒であり、径10〜30mm、深さ80mmの座く
り孔1eでは、約5秒であった。
第3図は、取付金具の例である。取付金具3の形状は一
端にパネル係止用ネジ3bを有し、他端に係合孔3aを
有しておればよく、パネル係止用ネジ3bは雄ネジであ
っも雌ネジであっても、また係合孔3aは、第3図(a)
のように環状であっても、第3図(b)のように、環状の
一部が欠徐していても、第3図(c)のように半円状であ
ってもよく、係止杆2を保持できる形状であれば良い。
第4図は、取付金具3を用いてパネル1を構造躯体7に
取付けた例を示すものである。
1aはパネル下部、1bはパネル上部、7は構造躯体、
4は、アングル6を介して構造躯体7に連結された支持
部材、5は、構造躯体7に直接連結された支持部材であ
る。
上層パネルの下部1aに取付けた取付金具3の係止用ネ
ジ部3bは、支持部材4を貫通してナット9で取付けら
れている。
下層パネルの上部1bに取付けた取付金具3のネジ部3
bは、支持部材5を貫通してナット9で取付けられてい
る。
ここで長孔1fは、係止杆2が挿入される大きさであれ
ば良い訳だが、係止杆2との遊びが0.1mm〜5mmであれ
ば、係止杆2を挿入し易いことを確認している、またそ
れ以上の遊びがあっても施工できないことはないが、1
0mmを越えると、遊びが大きすぎ施工しにくい、よって
係止杆2と長孔1fとの間に0.1mm以上10mm以下の遊
びがあることが必要である。
第5図は、ALCパネル1を連結金物8を介し構造躯体
7に取付けた他の実施例である。
第6図は先の実施例によりパネルを構造躯体に取付けた
壁面が地震力を受けた場合のパネルの動きを示す外観図
であり、第7図(a)(b)(c)は取付部の横断面図の例であ
る。パネルの目地部充填材はシーリングのみで相互に空
目地でありパネルは取付金具3により構造躯体7に連結
した支持部材に面内方向に回転可能に取付けられている
ので、地震時の構造躯体の変形に対して第6図のように
ロッキング変形する。一層分のパネル長さ3mのとき、
1/100の水平変位がおこった場合横目地部のずれは
無く、縦目地部でパネル相互のずれがパネル幅60cmの
場合6mm発生する。
なお第12図に示す従来技術であるスライド工法の場
合、同じ条件の変位がおこった場合、縦目地部のずれは
無いが横目地部で30mmのずれが発生する。
このように、実施例に示すロッキング工法の場合は、ス
ライド工法に比べて、目地部のシーリング材の変形が大
幅に低減されるので、シーリング材の破断の恐れが少な
く、信頼性の高い防水目地構造を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明は以上の通りであり、実質上、次のような効果を
もたらすものである。
取付金具は、施工現場で構造躯体の状況に応じてパネ
ルの任意の位置に取付可能である。
汎用のハンディタイプの電気ドリルにより、簡単に迅
速に取付用の穿孔作業ができる。
パネル取付部に座くり補修跡のない意匠性の優れた外
観が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の取付構造の要部破断斜視図、第2図
,,はこの取付構造の施工手順を順に示す斜視
図、第3図はそれぞれ取付金具の例図、第4図(a),(b)
はこの取付構造になるパネルの取付状態を示す斜視図お
よび縦断面図、第5図は別の態様のパネル取付状態を示
す縦断面図、第6図はこの取付構造により取付けた壁パ
ネルの地震等の面内力による動きを示す説明図、第7図
はこの取付構造により取付けた壁パネルの横断面図、第
8図はALCパネル製造時に長孔を設ける手段を示す説
明図、第9,10,11図は従来のパネル取付構造を示
す図面、第12図(a),(b)は従来のパネル取付構造の一
例を示す縦断面図、および面内力によるパネルの動きを
示す説明図である。 1……ALCパネル、1e……座くり孔、1f……長
孔、2……係止杆、3……取付金具、3a……係合孔、
3b……パネル係止用ネジ部、4,5……支持部材、6
……アングル、7……構造躯体、8……連結金物、9…
…ナット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽量気泡コンクリート壁パネルの小口面に
    その面と垂直方向に長孔を設け、壁パネル室内側表面か
    ら前記長孔に連通する座くり孔を設け、この座くり孔へ
    基端に係合孔、先端に係止用ネジを有する取付金具の基
    端を差込み、該長孔に差込んだ係止杆を該取付金具の係
    合孔に差通して取付金具を係止し、取付金具の先端係止
    用ネジを壁パネル取付部材に連結し構成してなり、前記
    係止杆の外径と長孔内径との間には0.1mm以上10mm以
    下の遊びがあることを特徴とする軽量気泡コンクリート
    壁パネルの取付構造。
JP29706088A 1988-11-24 1988-11-24 軽量気泡コンクリート壁パネルの取付構造 Expired - Lifetime JPH0639820B2 (ja)

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