JPH0639799A - ウォータジェット切断装置での切断材料支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟弱素材の切断材料を確実に支持できるウオ
ータジエット切断装置での切断材料支持装置を提供す
る。 【構成】 上面開口状容器(12)の内部に粒状物(14)を敷
き詰め、あるいは多数の弾性材料製針状体(16)を上向き
に配置して切断定盤(９)を構成した。 【効果】 切断用高圧水の流れを阻害することなく切断
材料の下面をほぼ全面にわたって支持できる。これによ
り、切断時の巻き込みや材料変形を防止して高精度の切
断性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高圧水を噴出して金属材
料や非金属材料等の切断材料を切断するウオータジエッ
ト切断装置での切断材料支持装置に関し、特に、繊維製
品等の軟弱材料を切断する装置での切断材料支持装置に
関する。

【０００２】

【従来技術】高圧水流を噴射して切断材料を切断するウ
オータジエット切断装置は、切断材料を選ばない、粉塵
が発生しない、材料の変形・変質がない、切断幅が小さ
く材料のムダがない、複雑な形状の切断ができるという
利点から、近年各種業種で多数利用されている。そし
て、ウオータジエット切断装置では、噴出する高圧水流
で切断材料を切断するものであることから、切断材料を
支持する切断定盤は水流が透過できるスリットを持つ構
造でなければならない。このため従来のウオータジエッ
ト切断装置では、切断材料を支持する切断定盤はハニカ
ム構造に形成した金属板で構成してあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、カーペット
や布帛等の繊維製品や皮革シート等、その材質が軟弱で
自己保形性の弱いものでは、切断材料の裏面側(切断定
盤側)が部分的に支持されているだけであるから、支持
状態支持縁と接触していない部分、すなわち升目部分に
対応する部分が下向きに膨出するうえ、切断水流の水圧
により切断縁部分が切断定盤側に変形して、切断精度が
低下するという問題がある。本発明は、このような点に
着目して提案されたもので、軟弱素材の切断材料を確実
に支持できるウオータジエット切断装置での切断材料支
持装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、上面開口状容器の内部に粒状物を敷き
詰め、あるいは、上面開口状容器の内部に多数の弾性材
料製針状体を上向きに配置してウオータジエット切断装
置の切断定盤を構成したことを特徴としている。

【０００５】

【作用】本発明では、上面開口状容器の内部に粒状物を
敷き詰め、あるいは、上面開口状容器の内部に多数の弾
性材料製針状体を上向きに配置してウオータジエット切
断装置の切断定盤を構成しているので、切断材料は粒状
物または針状物でほぼ全面にわたって支持されることに
なる。この結果、軟弱素材の被切断材料でも、平面性を
保った状態で支持することができるようになる。しか
も、粒状物も針状物も噴出水流の流れを阻害することが
ないから、切断性能を悪化させることはない。

【０００６】

【実施例】図面は本発明の実施例を示し、図１は切断定
盤の縦断面図、図２はウオータジエット切断装置の正面
図である。このウオータジエット切断装置(１)は、左右
に配置した前後走行案内ガイド部(２)の間に切断作業部
(３)とトレース部(４)とを左右に配置し、前後走行案内
ガイド部(２)のガイドレール(５)上を前後に走行する横
桟部材(６)にトレーサヘッド(７)と高圧水噴射ノズル
(８)とを左右に連動走行可能に配置し、切断作業部
（３)に切断定盤(９)を配置するとともに、トレース部
(４)に原画台(10)を配置し、高圧水噴射ノズル(８)に水
圧発生装置(11)で発生した高圧水を供給し、ノズル(８)
からの噴出水流で切断定盤(９)上に載置したカーペット
等の切断材料(Ｗ)を切断するように構成してある。

【０００７】切断定盤(９)は、図１に示すように、底部
を水圧発生装置(11)に連通接続した上面開放状の容器(1
2)の内部に焼結金属や多孔金属板等の通水性材料で形成
した区画ケース(13)内に砂やビーズ等の粒状物(14)を敷
き詰めて構成してある。そして、上面開放状容器(12)は
加振装置(15)に載置してあり、加振装置(15)を作動させ
ることにより、粒状物(14)をならして粒状物(14)の上面
を水平面に形成できるように構成してある。

【０００８】このように構成した切断定盤(９)では、切
断材料(Ｗ)の支持部分が均一に敷き詰めた粒状物(14)で
構成されているから、粒状物(14)が切断材料(Ｗ)の裏面
に全面的に接触して切断材料(Ｗ)を支持することがで
き、切断材料(Ｗ)を確実に支持できるうえ、高圧水噴射
ノズル(８)からの噴出水流に対して影響を与えることが
ない。しかも、加振装置(15)が付設してあるから、切断
作業により、粒状物(14)の表面に切断線が凹設されるこ
とがあっても、加振装置(15)を作動させることにより区
画ケース(13)内の粒状物(14)が振動によりならされて水
平面を復旧させることができることになる。

【０００９】図３は切断定盤(９)の別実施例を示し、こ
れは、底部を水圧発生装置(11)に連通接続した上面開放
状の容器(12)の内部にピアノ線製ワイヤ等の弾性材料製
針状体(16)を多数立設配置し、その上端縁を水平面内に
位置させて構成したものである。切断定盤(９)をこのよ
うに構成しても、針状体(16)の上端縁で切断材料(Ｗ)の
裏面を全面的に支持でき、かつ高圧水噴射ノズル(８)か
らの噴出水流に影響を及ぼすことがない。

【００１０】なお、図中符号(17)は横桟部材(６)や高圧
水噴射ノズル(８)の移動や、高圧水流の噴出制御を行う
ための制御装置、(18)は水圧発生装置(11)と高圧水噴射
ノズル(８)とを連通接続する高圧給水管、(19)は切断定
盤(９)と水圧発生装置(11)とを接続する噴出水戻し管で
ある。また、上記各実施例では容器(12)の底部を水圧発
生装置(11)に直接的に連通させているが、容器底部から
導出した噴出水戻し管(19)を貯水槽に連通し、この貯水
槽を水圧発生装置(11)に連通させるようにしてもよく、
また、容器(12)の底部から導出した噴出水を廃棄するよ
うにしてもよい。

【００１１】

【発明の効果】本発明では、上面開口状容器の内部に粒
状物を敷き詰め、あるいは、上面開口状容器の内部に多
数の弾性材料製針状体を上向きに配置してウオータジエ
ット切断装置の切断定盤を構成しているので、切断材料
は粒状物または針状物でほぼ全面にわたって支持される
ことになる。この結果、軟弱素材の被切断材料でも、平
面性を保った状態で支持することができるようになる。
しかも、粒状物も針状物も噴出水流の流れを阻害するこ
とがないから、切断性能を悪化させることはない。した
がって、この切断定盤を使用することにより、布や皮革
等の軟弱素材の切断材料でも高精度に切断することがで
きる。

【００１２】特に、上面開口状容器の内部に粒状物を敷
き詰めて切断定盤を形成し、この切断定盤に加振装置を
付設して、上面開口状容器を振動できるように構成する
と、切断作業により粒状物で形成した定盤表面に凹溝が
形成された場合でも、振動により、粒状物の表面をなら
して水平面性を復旧させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】切断定盤の縦断面図である。

【図２】ウオータジエット切断装置の正面図である。

【図３】別実施例にかかる切断定盤の縦断面図である。

【符号の説明】

８…高圧水噴射ノズル、 ９…切断定
盤、11…水圧発生装置、 12…上面
開口状容器、14…粒状物、
15…加振装置、16…弾性材料製針状体、
Ｗ…被切断材料。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 切断定盤(９)の上に載置した被切断材料
   (Ｗ)に向けて高圧水噴射ノズル(８)から高圧水を噴射し
   て被切断材料(Ｗ)を切断するように構成したウオータジ
   エット切断装置において、 上面開口状容器(12)の内部に粒状物(14)を敷き詰めて切
   断定盤(９)を構成したことを特徴とするウオータジエッ
   ト切断装置での切断材料支持装置。
2. 【請求項２】 開口状容器(12)内に粒状物(14)を敷き詰
   めて構成した切断定盤(９)に加振装置(15)を付設し、加
   振装置(15)で切断定盤(９)を振動させることにより容器
   内の粒状物(14)を均すようにした請求項１に記載のウオ
   ータジエット切断装置での切断材料支持装置。
3. 【請求項３】 切断定盤(９)の上に載置した被切断材料
   (Ｗ)に向けて高圧水噴射ノズル(８)から高圧水を噴射し
   て被切断材料(Ｗ)を切断するように構成したウオータジ
   エット切断装置において、 上面開口状容器(12)の内部に多数の弾性材料製針状体(1
   6)を上向きに配置して切断定盤(９)を構成したことを特
   徴とするウオータジエット切断装置での切断材料支持装
   置。