JPH0639773A - 把持装置 - Google Patents

把持装置

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JPH0639773A
JPH0639773A JP20128892A JP20128892A JPH0639773A JP H0639773 A JPH0639773 A JP H0639773A JP 20128892 A JP20128892 A JP 20128892A JP 20128892 A JP20128892 A JP 20128892A JP H0639773 A JPH0639773 A JP H0639773A
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gripping
grasped
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finger
gripped
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JP20128892A
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English (en)
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豊 ▲吉▼田
Yutaka Yoshida
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は把持装置に関し、被把持物を誤った
把持状態でつかんでいることを認識して以後の生産工程
への悪影響を排除することを目的とする。 【構成】 被把持物 3に複数の把持指 1a,1bで把持力
fpa ,fpb を加えて把持する把持装置の把持指 1aに、
把持指 1aと被把持物 3との接点に作用する摩擦力fsa
を検出する摩擦力検出器を具備する。把持力fpa と摩擦
力fsa と把持指 1a,1bの間隔から被把持物 3の把持状
態を認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は把持装置に係り、特に被
把持物の把持状態を検出する把持装置に関する。
【0002】近年のマニピュレータによる部品の組立作
業においては、作業対象となる部品の位置および姿勢を
示す座標系(被把持物の供給位置座標系)が基準観測座
標系からの相対変位として完全に指定されるのが原則と
なっている。したがって、組立作業を行うためのマニピ
ュレータの動作は、アーム手首部の座標系を供給位置座
標系に一致させることによって実現される。
【0003】しかしながら、実際の産業用ロボットの利
用環境においては、部品の姿勢が不揃いで、位置も不正
確であることが多い。そこで、特に2指ハンドにてなる
簡単な機構の把持部を有するマニピュレータでは、誤っ
た把持状態で部品をつかんだまま組立作業を行い、以後
の生産工程に対して悪影響を与えることが少なくなかっ
た。
【0004】したがって、誤った把持状態で部品をつか
んだ場合でも以後の生産工程に対する悪影響を未然に防
止することができる把持装置を提供することが望まれて
いた。
【0005】
【従来の技術】図13は把持装置に関する座標系を示
す。同図中において、ΣS は被把持物供給面 4aの端に
設定された基準観測座標系を、ΣZ はマニピュレータ 6
の台座 5の座標系を、ΣT は各関節部θ1 〜θ6 の関数
として表されるマニピュレータ 6の座標系を、ΣE はマ
ニピュレータ 6の先端に位置するアーム手首部 2の座標
系を、ΣP は被把持物 3の供給位置座標系を、それぞれ
示す。
【0006】図14は従来の把持装置の問題点を示し、
同図(A)は供給位置座標系ΣP によって指定される位
置および姿勢において供給された被把持物 3を把持した
場合の把持装置を、同図(B)は供給位置座標系ΣP
異なる位置および姿勢において供給された被把持物 3を
把持した場合の把持装置を、それぞれ示す。
【0007】図14(A)においては、2指ハンドの左
把持指 1aから被把持物 3に作用する把持力fpa と、右
把持指 1bから被把持物 3に作用する把持力fpb とは、
大きさが等しく向きが反対で同一直線上に作用するの
で、安定した把持状態を維持することができる。
【0008】他方、図14(B)においては、左把持指
1aから被把持物 3に作用する把持力fpa と、右把持指
1bから被把持物 3に作用する把持力fpb とは、大きさ
が等しく向きも反対だが異なる直線上に作用して偶力と
なるので、右回りのモーメントMpが発生して不安定な把
持状態となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、前記モー
メントMpに伴って発生する左把持指 1aと被把持物 3と
の接点に作用する摩擦力fsa および右把持指 1bと被把
持物 3との接点に作用する摩擦力fsb が大きく、前記モ
ーメントMsによる回転運動を抑止する左回りのモーメン
トMsの大きさが十分である場合には、把持状態は図14
(B)の状態で安定するが、この場合には被把持物 3は
誤った把持状態で把持されることとなり、以後の生産工
程に対して悪影響を与える危険性が大きくなるという問
題点があった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、被把持物 3を誤った把持状態でつかんでいるこ
とを認識し、これによって以後の生産工程に対する悪影
響を未然に防止することができる把持装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1記載の発明では、把持指および前記把持指
を所定の把持方向に動作させる把持指開閉操作部にて構
成される把持部を具備し、複数の前記把持指で挟持して
把持力を作用させることによって被把持物を把持する把
持装置において、前記被把持物を所定の把持状態と異な
る把持状態で把持したために発生するモーメントによっ
て前記把持指と前記被把持物との接点に作用する摩擦力
を検出する摩擦力検出器を具備した。
【0012】また、請求項2記載の発明では、被把持物
を把持する把持部と、マニピュレータに接続され、前記
把持部を支持して所定位置に移動させるアーム手首部と
を具備する把持装置において、コンプライアンス制御状
態とされた前記アーム手首部に支持されている前記把持
部によって把持された前記被把持物の所定部分を接触さ
せる把持状態検出面と、前記被把持物の所定部分を前記
把持状態検出面に接触させたときの前記アーム手首部の
状態を検出して前記被把持物の把持状態を求める把持状
態認識手段とを具備した。
【0013】また、請求項3記載の発明では、請求項1
記載の把持装置において、前記把持指の間隔と前記把持
力の大きさとの間に所定の相関関係をもたせる把持力調
整手段と、前記摩擦力と逆向きの力を前記把持指と前記
被把持物との接点に対して作用させる把持安定化手段と
を具備した。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、前記被把持
物を所定の把持状態と異なる把持状態で把持したために
発生するモーメントにより、把持指と被把持物との接点
に作用する摩擦力を摩擦力検出器で検出することによっ
て、被把持物に作用するモーメントの状態を認識でき
る。したがって、これによって被把持物の把持状態につ
いて認識することができる。
【0015】また、請求項2記載の構成によれば、被把
持物の所定部分を把持状態検出面に接触させて、把持状
態認識手段によってアーム手首部の状態を検出し、被把
持物の把持状態を求めることができる。したがって、被
把持物の把持状態について認識することができる。
【0016】また、請求項3記載の構成によれば、不安
定な把持状態で把持された被把持物に作用するモーメン
トの方向に力を加えることによって、被把持物を回動さ
せて安定な把持状態に移行させることができる。したが
って、被把持物を把持したままでその把持状態を安定化
させることができる。
【0017】
【実施例】図1は本発明になる把持装置の第1実施例を
示し、同図(A)は把持力によって右回りのモーメント
が発生している例を、同図(B)は把持力によって左回
りのモーメントが発生している例を、それぞれ示す。同
図中、図14と同一構成部分については同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0018】また、 1cは対向状態の左右の把持指 1a
および 1bの間隔を変化させる把持指開閉操作部を示
し、これによって2指ハンドである把持部 1を構成して
いる。そして、10aは本発明の要部である左把持指摩擦
力検出器を示す。
【0019】図1(A)において、楕円柱形状の被把持
物 3を傾いた状態で把持すると、左把持指 1aから被把
持物 3に作用する把持力fpa と、右把持指 1bから被把
持物3に作用する把持力fpb とは、大きさが等しく向き
も反対だが異なる直線上に作用して偶力となるので、右
回りのモーメントMpが発生して不安定な把持状態とな
る。
【0020】しかし、前記モーメントMpに伴って発生す
る左把持指 1aと被把持物 3との接点に作用する摩擦力
fsa および右把持指 1bと被把持物 3との接点に作用す
る摩擦力fsb が十分に大きく、これに伴って発生する左
回りのモーメントMsと前記モーメントMpとが釣り合え
ば、不安定ながらも被把持物 3の回動は抑止される。な
お、摩擦力fsa およびfsb は大きさが等しく向きが反対
である。
【0021】このとき、左把持指 1aと右把持指 1bと
の間隔をh,把持力fpa と把持力fp b との間隔をrとす
ると、上述の関係はそれぞれ次式で表せる。
【0022】 Mp=fpa ・r ( 1) Ms=fsa ・h ( 2) Mp=Ms ( 3) ここで、左把持指 1aと右把持指 1bとの間隔hは測定
可能であり、把持力fp a も把持指開閉操作部 1cによる
駆動力から求められる。そして、摩擦力fsa は本発明に
て具備した摩擦力検出器10aの検出出力foから求められ
る。したがって、fsa をfoに置き換えると、次式が得ら
れる。
【0023】 r=fo・h/fpa ( 4) いま、foが引っ張り力の場合に正の向き、foが圧縮力の
場合に負の向きであると定義すると、( 4)式で求められ
るrは符号付きの量となり、正の場合には図1(A)の
把持状態を、負の場合には図1(B)の把持状態を表現
できるので、被把持物の把持状態をどちらに傾いている
かを含めて認識することができる。
【0024】図2は図1の適用例を示し、同図(A)は
六角柱形状の被把持物を把持する例を、同図(B)は(
4)式によるrおよびhと把持状態との関係を、それぞれ
示す。同図中、図1と同一構成部分については同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0025】図2(A)において、被把持物 3の断面は
各辺の長さがa,a,b,bである長方形の対向角を頂
点からの長さc,cのところで切欠された形状とされて
いる。ただし、a,b,cの各値について、 b=5a
/3 および c=a/3の関係がある。
【0026】したがって、上記の被把持物 3を安定して
把持できる把持状態は、長さ(b−c)の対向辺を挟
持する場合、長さ(a−c)の対向辺を挟持する場
合、長さ(√2・c)の対向辺を挟持する場合、の3
通りである。
【0027】図2(B)に示した( 4)式によるrおよび
hと把持状態との関係は上記の3通りにそれぞれ対応し
て表されている。なお、図中のθはの把持状態を基準
としたときのおよびの把持状態の傾きを示す。
【0028】これによって、直接求められる左把持指 1
aと右把持指 1bとの間隔hと、図示されていない摩擦
力検出器の検出出力foから( 4)式によって間接的に求め
られるrの値より、六角柱形状の被把持物 3の把持状態
を左右の向きも含めて特定することができる。
【0029】したがって、被把持物 3の把持状態の相違
による作業工程ミスを未然に防止して生産工程全体の信
頼性および生産性を向上させることができる。
【0030】図3は本発明になる把持装置の第2実施例
を示し、同図(A)は把持力によって右回りのモーメン
トが発生している例を、同図(B)は把持力によって左
回りのモーメントが発生している例を、それぞれ示す。
同図中、図1と同一構成部分については同一符号を付
し、その説明を省略する。また、10bは右把持指摩擦力
検出器を示す。
【0031】図3においては、図1の場合と同様の摩擦
力検出器が左把持指 1aおよび右把持指 1bのそれぞれ
に対して具備されており、被把持物 3が傾いた状態で把
持されているときに偶力として作用する把持力fpa およ
びfpb によるモーメントMpに伴う摩擦力fsa およびfsb
を同時に検出することができる。
【0032】摩擦力fsa およびfsb は大きさが等しく向
きが反対であるため、左把持指摩擦力検出器10aの検出
出力foa および右把持指摩擦力検出器10bの検出出力fo
b は逆向きの出力として検出される。
【0033】これによって、被把持物 3の自重の摩擦力
検出器の検出出力への影響を排除することができるほ
か、把持状態が安定か不安定かのみを認識すれば十分で
ある場合には、第1実施例のような演算を行わずに自動
的に把持状態が安定か不安定かを認識することが可能と
なる。
【0034】したがって、被把持物 3の把持状態の相違
による作業工程ミスを未然に防止して生産工程全体の信
頼性および生産性を向上させることができる。
【0035】図4は図3の細部構成の一例を示す。同図
中、図3と同一構成部分については同一符号を付し、そ
の説明を省略する。また、10a1 は左把持指歪み検出器
を、10a2 は左把持指歪みゲージを、10b1 は右把持指
歪み検出器を、10b2 は右把持指歪みゲージを、11aは
左把持指支持ベアリングを、11bは右把持指支持ベアリ
ングを、12aは左把持指駆動部を、12bは右把持指駆動
部を、13aは左把持指ギアを、13bは右把持指ギアを、
14は駆動伝達部を、15は駆動モータを、16はエンコーダ
を、17は格納ケースを、それぞれ示す。
【0036】図4において、左把持指摩擦力検出器10a
は左把持指歪み検出器10a1 および左把持指歪みゲージ
10a2 によって、右把持指摩擦力検出器10bは右把持指
歪み検出器10b1 および右把持指歪みゲージ10b2 によ
って、それぞれ構成される。そして、左把持指 1aは左
把持指支持ベアリング11aによって左把持指駆動部12a
に、右把持指 1bは右把持指支持ベアリング11bによっ
て右把持指駆動部12bに、それぞれ把持方向と垂直な方
向に可動となるように装着される。
【0037】左把持指駆動部12aには左把持指ギア13a
が、右把持指駆動部12bには右把持指ギア13bが、それ
ぞれ設けられており、駆動伝達部14によって駆動モータ
15から伝えられる駆動力により、左把持指駆動部12aお
よび右把持指駆動部12bが把持方向に開閉する。駆動モ
ータ15の回動状態はエンコーダ16を介して図示しない制
御回路によって制御される。
【0038】左把持指歪み検出器10a1 および右把持指
歪み検出器10b1 は把持方向と垂直で前述のモーメント
に伴う摩擦力の発生する一方向についてのみ歪みの検出
を行ように構成されており、この検出出力を増幅してマ
ニピュレータの制御回路に入力し、マイクロプロセッサ
などによってマニピュレータの動作命令制御を行う場合
に利用する。
【0039】図5は本発明になる把持装置の第3実施例
およびその適用例を示す。同図中、図13と同一構成部
分については同一符号を付し、その説明を省略する。ま
た、3aは被把持物 3における所定の合わせ面を、 7は
コンプライアンス制御状態とされたアーム手首部 2に支
持されている把持部 1によって把持された被把持物 3の
合わせ面 3aを真空吸着によって接触させる真空吸着面
を、それぞれ示す。
【0040】また、図5(A)は被把持物供給面 4aに
載置された被把持物 3を把持部 1によって把持した場面
を、図5(B)は被把持物 3が被把持物供給面 4a上の
所定位置に正確に載置されていたと仮定して被把持物 3
を把持した状態の把持部 1を真空吸着面 7の近傍の所定
位置に位置づけた場面を、それぞれ示す。
【0041】そして、図5(C)は把持部 1を支持して
いるアーム手首部 2をコンプライアンス制御状態として
被把持物 3の合わせ面 3aを真空吸着面 7に真空吸着さ
せた場面を、図5(D)は前記の真空吸着を解除した直
後の場面を、図5(E)は図5(C)で得られた被把持
物 3の把持状態によって後述する座標変換行列を更新し
て被把持物 3の正しい位置ぎめを行った直後の場面を、
それぞれ示す。
【0042】図6は図5の座標関係を示す。同図中、図
5および図13と同一構成部分については同一符号を付
し、その説明を省略する。また、ΣA は真空吸着面 7の
座標系を示す。
【0043】図7は図5および図6の座標変換グラフを
示す。同図中、図5および図6と同一構成部分について
は同一符号を付し、その説明を省略する。また、図5〜
図7において、Zは基準観測座標系ΣS から台座の座標
系ΣZ への、Tは台座の座標系ΣZ からマニピュレータ
の座標系ΣT への、Eはマニピュレータの座標系ΣT
らアーム手首部 2の座標系ΣE への同時変換行列を、そ
れぞれ示す。
【0044】そして、SAは基準観測座標系ΣS から真空
吸着面 7の座標系ΣA への、APは真空吸着面 7の座標系
ΣA から被把持物 3の供給位置座標系ΣP への、PEは供
給位置座標系ΣP からアーム手首部 2の座標系ΣE への
同時変換行列を、それぞれ示す。
【0045】図5(A)において、被把持物供給面 4a
上の当初計画された供給位置ΣP からずれた位置Σq
被把持物 3が載置されていた場合でも、これを認識せず
に把持部 1を計画通りに位置づけて被把持物 3を把持す
る。
【0046】そして、図5(B)において真空吸着面 7
に対して被把持物 3の合わせ面 3aを姿勢を合わせなが
ら位置ぎめする。このとき、把持部 1と被把持物 3との
位置関係すなわち同時変換行列PEは、被把持物 3が当初
計画された供給位置ΣP にあったものと仮定したときの
値を使用して計算するため、真空吸着面 7と被把持物3
の合わせ面 3aとの位置関係もずれる。
【0047】ここで、図5(C)においてマニピュレー
タの制御状態を前述の位置ぎめ点を中心とするコンプラ
イアンス制御状態に切り替える。この状態で被把持物 3
の合わせ面 3aに対して真空吸着力を作用させると、被
把持物 3の合わせ面 3aは真空吸着面 7に吸着される。
【0048】このとき、被把持物 3の合わせ面 3aの真
空吸着面 7上のΣA に関する位置および姿勢を測定し
て、基準観測座標系ΣS に対する被把持物 3の供給位置
座標系Σq を求める。また、同時にこのときのマニピュ
レータの台座に対する相対位置関係すなわち同時変換行
列Tを測定して、次式によって被把持物 3の供給位置に
対するアーム手首部 2の相対位置関係を示す同時変換行
列PEを求める。
【0049】 PE=AP-1・SA-1・Z・T・E ( 5) そして、図5(D)において真空吸着を解除した後に、
図5(E)において上記で求めたPEの値によって各同時
変換行列の値を更新し、アーム手首部 2を位置ぎめ制御
状態に戻す。
【0050】以上によって、当初計画された供給位置Σ
P からずれた位置Σq に対応して、被把持物 3の位置ぎ
めを行うことができる。
【0051】図8は図5の適用例を示し、同図(A)は
ベルトコンベアによって構成される被把持物供給面 4a
上に載置された被把持物 3を把持する場面を、同図
(B)は被把持物 3に対する真空吸着によって上述した
同時変換行列PEを求める場面を、同図(C)は上述によ
って更新された各同時変換行列の値によって被把持物 3
を所定の位置に載置する場面を、それぞれ示す。
【0052】図8において、図5と同一構成部分につい
ては同一符号を付し、その説明を省略する。また、 4b
は被把持物 3を位置づけて載置する被把持物載置面を、
S1およびS2は被把持物 3の有無を検出して把持のタイミ
ングを指示するセンサ系を、それぞれ示す。
【0053】図8(A)において、被把持物 3は被把持
物供給面 4aを構成するベルトコンベアに載置されて運
ばれてきて、センサ系S1およびS2によって検知されたタ
イミングで把持部 1によって把持される。この場合に
は、被把持物 3の動いているA1−A2方向に把持位置がず
れることがある。
【0054】したがって、図8(B)においてはA1−A2
方向にのみ前述したコンプライアンス制御状態として、
A1−A2方向の把持位置を検出する。この場合には上述の
同時変換行列APが既知の値となるので、マニピュレータ
の関節角度を測定するのみで( 5)式によって直接同時変
換行列PEを求めることができる。
【0055】以上により、被把持物の供給位置が不正確
であっても、正確な位置合わせ作業を行うことが可能と
なる。
【0056】図9は本発明になる把持装置の第4実施例
における把持力の制御を示し、同図(A),(B),
(C),(D)の順に把持状態の安定性がよくなってい
る。同図中、図1と同一構成部分については同一符号を
付し、その説明を省略する。また、h1,h2,h3,h4は左
把持指 1aと右把持指 1bとの間隔を、Fg1 ,Fg2 ,Fg
3 ,Fg4 は左把持指 1aおよび右把持指 1bによって被
把持物 3に作用する把持力の大きさを、それぞれ示す。
なお、 h1>h2>h3>h4 であるものとする。
【0057】図9(A)においては左把持指 1aによる
把持力fpa と右把持指 1bによる把持力fpb とが一直線
上にあるため、一見モーメントが発生せず安定している
ように見えるが、この把持状態は被把持物 3の把持位置
がわずかでもずれると(B)→(C)→(D)と把持状
態が移行する傾向にある。
【0058】そこで、例えば把持指の間隔と把持力の大
きさとの間に比例関係などの相関関係をもたせる把持力
調整手段(図示なし)を具備すれば、 h1>h2>h3>h4
に対応して Fg1 >Fg2 >Fg3 >Fg4 となるように
制御することが可能となり、これによって不安定な図9
(A)の把持状態から安定な図9(D)の状態への移行
を円滑に行うことができる。
【0059】図10は本発明になる把持装置の第4実施
例における摩擦力の制御を示す。同図中、図9と同一構
成部分については同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0060】図10(A)は左把持指 1aによる把持力
fpa と右把持指 1bによる把持力fp b とが偶力をなして
左回りのモーメントMpが発生しており、前記モーメント
Mpに伴って発生する左把持指 1aと被把持物 3との接点
に作用する摩擦力fsa および右把持指 1bと被把持物 3
との接点に作用する摩擦力fsb が十分に大きく、これに
伴って発生する左回りのモーメントMsと前記モーメント
Mpとが釣り合って不安定な把持状態となっている例であ
る。
【0061】そこで、上記のような望ましくない把持状
態を回避するために、摩擦力fsa と逆向きの力Faを左把
持指 1aに、摩擦力fsb と逆向きの力Fbを右把持指 1b
に対して作用させる把持安定化手段(図示なし)を具備
する。これにより、被把持物3は左回りのモーメントMp
にしたがって回動して、最も安定な把持状態へと移行す
る。
【0062】以上のように、把持力調整手段と把持安定
化手段とを具備することにより、被把持物を把持したま
までその把持状態を安定化させ、作業工程ミスを未然に
防止して生産工程全体の信頼性および生産性を向上させ
ることができる。
【0063】図11は図9および図10の適用例を示
し、同図(A)→(B)→(C)の順に被把持物 3の把
持状態が安定していく。同図中、図3と同一構成部分に
ついては同一符号を付し、その説明を省略する。また、
8は把持安定化手段を具体的に構成するソレノイド部を
示す。なお、把持力調整手段は図示していない。
【0064】前述したように、把持部 1の把持力fpa
よびfpb の大きさは、例えば左把持指 1aおよび右把持
指 1bの間隔に対して比例するように把持力調整手段に
よって制御されるので、把持力fpa およびfpb は図11
(A)において最大、図11(C)において最小とな
る。
【0065】また、ソレノイド部 8によって摩擦力fsa
と逆向きの力Faが左把持指 1aに、摩擦力fsb と逆向き
の力Fbが右把持指 1bに対して作用し、被把持物 3は把
持力fpa およびfpb による左回りのモーメントMpにした
がって回動して、安定な把持状態である図11(C)に
移行する。
【0066】図12は図11の処理手順を示す。同図
中、foは図11における左右の摩擦力検出器10aおよび
10bによる検出出力を、fpは図11における把持部 1の
把持力を、fsは図11におけるモーメントMpによって被
把持物 3と左右の把持指 1aおよび 1bとの接点に作用
する摩擦力を、Fは図11におけるソレノイド部 8によ
って左右の把持指 1aおよび 1bに作用する摩擦力fsと
逆向きの力を、それぞれ示す。
【0067】図12において、制御が開始されると(ス
テップ 100)、検出器10aおよび10bの検出出力foが存
在するか否かを調べる(ステップ 101)。検出出力foが
存在しなければ、摩擦力fsと逆向きの力Fをソレノイド
部 8によって左右の把持指 1aおよび 1bに作用させ
て、被把持物をより安定な把持状態となる方向へ回動さ
せる(ステップ 102)。
【0068】検出出力foが存在すれば、左右の把持指 1
aおよび 1bの間隔に応じて把持部1の把持力fpを制御
して(ステップ 103)、摩擦力fsが存在するか否かを調
べる(ステップ 104)。摩擦力fsが存在すれば、再び把
持力fpの制御を行い(ステップ 103)、存在しなけれ
ば、ステップ 101へ戻る。
【0069】以上によって、被把持物の把持状態を最も
安定した状態へ移行させることができる。
【0070】
【発明の効果】上述の如く、請求項1および2記載の発
明によれば、被把持物の把持状態について認識すること
ができるため、把持装置の位置制御を行うマニピュレー
タに対して教示した位置および姿勢とは多少異なった位
置および姿勢に被把持物が存在しても、正確な位置合わ
せ作業を実施することが可能となり、作業工程ミスを未
然に防止して生産工程全体の信頼性および生産性を向上
させることができるという特長がある。
【0071】また、請求項3記載の発明によれば、被把
持物を把持したままでその把持状態を安定化させること
ができるため、作業工程ミスを未然に防止して生産工程
全体の信頼性および生産性を向上させることができると
いう特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる把持装置の第1実施例を示す図で
ある。
【図2】図1の適用例を示す図である。
【図3】本発明になる把持装置の第2実施例を示す図で
ある。
【図4】図3の細部構成の一例を示す図である。
【図5】本発明になる把持装置の第3実施例およびその
適用例を示す図である。
【図6】図5の座標関係を示す図である。
【図7】図5および図6の座標変換グラフを示す図であ
る。
【図8】図5の適用例を示す図である。
【図9】本発明になる把持装置の第4実施例における把
持力の制御を示す図である。
【図10】本発明になる把持装置の第4実施例における
摩擦力の制御を示す図である。
【図11】図9および図10の適用例を示す図である。
【図12】図11の処理手順を示す図である。
【図13】把持装置に関する座標系を示す図である。
【図14】従来の把持装置の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 把持部 1a 左把持指 1b 右把持指 1c 把持指開閉操作部 2 アーム手首部 3 被把持物 3a 合わせ面 4a 被把持物供給面 4b 被把持物載置面 5 台座 6 マニピュレータ 7 真空吸着面 8 ソレノイド部 10a 左把持指摩擦力検出器 10a1 左把持指歪み検出器 10a2 左把持指歪みゲージ 10b 右把持指摩擦力検出器 10b1 右把持指歪み検出器 10b2 右把持指歪みゲージ 11a 左把持指支持ベアリング 11b 右把持指支持ベアリング 12a 左把持指駆動部 12b 右把持指駆動部 13a 左把持指ギア 13b 右把持指ギア 14 駆動力伝達部 15 駆動モータ 16 エンコーダ 17 格納ケース ΣS 基準観測座標系 ΣZ 台座の座標系 ΣT マニピュレータの座標系 ΣE アーム手首部の座標系 ΣA 真空吸着面の座標系 ΣP 被把持物の供給位置座標系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 把持指( 1a,1b)および前記把持指
    ( 1a,1b)を所定の把持方向に動作させる把持指開閉
    操作部( 1c)にて構成される把持部( 1)を具備し、 複数の前記把持指( 1a,1b)で挟持して把持力(f
    pa ,fpb )を作用させることによって被把持物( 3)
    を把持する把持装置において、 前記被把持物( 3)を所定の把持状態と異なる把持状態
    で把持したために発生するモーメント(Mp)によって前
    記把持指( 1a,1b)と前記被把持物( 3)との接点に
    作用する摩擦力(fsa ,fsb )を検出する摩擦力検出器
    (10a)を具備したことを特徴とする把持装置。
  2. 【請求項2】 被把持物( 3)を把持する把持部( 1)
    と、 マニピュレータ( 6)に接続され、前記把持部( 1)を
    支持して所定位置に移動させるアーム手首部( 2)とを
    具備する把持装置において、 コンプライアンス制御状態とされた前記アーム手首部
    ( 2)に支持されている前記把持部( 1)によって把持
    された前記被把持物( 3)の所定部分を接触させる把持
    状態検出面( 7)と、 前記被把持物( 3)の所定部分を前記把持状態検出面
    ( 7)に接触させたときの前記アーム手首部( 2)の状
    態を検出して前記被把持物( 3)の把持状態を求める把
    持状態認識手段とを具備したことを特徴とする把持装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の把持装置において、 前記把持指( 1a,1b)の間隔と前記把持力(fpa ,fp
    b )の大きさとの間に所定の相関関係をもたせる把持力
    調整手段と、 前記摩擦力(fsa ,fsb )と逆向きの力(Fa,Fb)を前
    記把持指( 1a,1b)と前記被把持物( 3)との接点に
    対して作用させる把持安定化手段( 8)とを具備したこ
    とを特徴とする把持装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1905549A1 (de) * 2006-09-26 2008-04-02 Zimmer, Gunther Greifvorrichtung mit räumlichem Schraubgetriebe
JP2020093341A (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 アズビル株式会社 容易度判定装置及び容易度判定方法

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EP1905549A1 (de) * 2006-09-26 2008-04-02 Zimmer, Gunther Greifvorrichtung mit räumlichem Schraubgetriebe
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