JP2024071867A - ロボットの制御方法およびロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】被搬送物のこぼれを低減することのできるロボットの制御方法およびロボットシステムを提供する。【解決手段】ロボットアームと、被搬送物を備えるワークを保持するツールと、前記ロボットアームと前記ツールとの間に配置されている力検出部と、を有するロボットの制御方法であって、前記ロボットアームを動かして、前記ワークを第1方向に移動させる移動工程と、前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出する算出工程と、前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる姿勢制御工程と、を含む。【選択図】図5
Description
本発明は、ロボットの制御方法およびロボットシステムに関する。
特許文献1には、容器内の液体を溢さずに搬送することができるロボット装置が記載されている。このようなロボット装置は、液体入りの容器を搬送する際に、容器およびロボットの姿勢を、液体にかかる重力加速度ベクトルと加速する方向の反対方向にかかる慣性加速度ベクトルを考慮して重力加速度ベクトルと慣性加速度ベクトルの合成加速度ベクトルを算出し、この合成加速度ベクトルの方向を指標に用いて、適正な搬送姿勢を求め、求めた適正搬送姿勢が実現されるようにロボットの姿勢を制御する。
しかしながら、特許文献1のロボット装置では、事前に液体の重力加速度を求めて設定する必要があり、決まった液体でなければ溢さずに搬送することができないという問題がある。
本発明のロボットの制御方法は、ロボットアームと、被搬送物を備えるワークを保持するツールと、前記ロボットアームと前記ツールとの間に配置されている力検出部と、を有するロボットの制御方法であって、
前記ロボットアームを動かして、前記ワークを第1方向に移動させる移動工程と、
前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出する算出工程と、
前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる姿勢制御工程と、を含む。
前記ロボットアームを動かして、前記ワークを第1方向に移動させる移動工程と、
前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出する算出工程と、
前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる姿勢制御工程と、を含む。
本発明のロボットシステムは、ロボットアームと、被搬送物を備えるワークを保持するツールと、前記ロボットアームと前記ツールとの間に配置されている力検出部と、を有するロボットと、
前記ロボットの駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ロボットアームを動かして前記ワークを第1方向に移動させ、前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出し、前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる。
前記ロボットの駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ロボットアームを動かして前記ワークを第1方向に移動させ、前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出し、前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる。
以下、本発明のロボットの制御方法およびロボットシステムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。図2は、ワークおよび移動時のワークの変位を示す図である。図3は、制御装置のブロック部である。図4は、姿勢制御によって容器の姿勢を合力の向きに沿わせた状態を示す図である。図5は、ロボットの制御方法を示すフローチャートである。
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。図2は、ワークおよび移動時のワークの変位を示す図である。図3は、制御装置のブロック部である。図4は、姿勢制御によって容器の姿勢を合力の向きに沿わせた状態を示す図である。図5は、ロボットの制御方法を示すフローチャートである。
図1に示すロボットシステム1は、被搬送物Qを備えるワークWを保持するロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有する。
ロボット2は、駆動軸を6つ有する6軸垂直多関節ロボットである。ロボット2は、ベース21と、ベース21に回動自在に連結されたロボットアーム22と、ロボットアーム22の先端に装着されたツール23と、ロボットアーム22とツール23との間に配置された力検出部としての力センサー24と、を有する。
また、ロボットアーム22は、6本のアーム221、222、223、224、225、226が回動自在に連結されたロボティックアームであり、6つの関節J1、J2、J3、J4、J5、J6を備えている。これら6つの関節J1~J6のうち、関節J2、J3、J5が曲げ関節であり、関節J1、J4、J6がねじり関節である。
関節J1、J2、J3、J4、J5、J6には、それぞれ、モーターMとエンコーダーEとが設置されている。制御装置3は、ロボットシステム1の運転中、各関節J1~J6について、エンコーダーEの出力が示す関節J1~J6の回転角度を目標位置Prefに一致させるフィードバック制御を実行する。これにより、ツール23で把持したワークWを所望の軌道で搬送することができる。
また、ツール23は、一対の爪部を有するハンドであり、一対の爪部でワークWを挟持することによりワークWを保持することができる。ただし、ツール23の構成は、ワークWを保持することができれば、特に限定されない。
また、力センサー24は、互いに直交する3つの検出軸を有し、各検出軸に沿う並進力(軸力)および各検出軸まわりの回転力(トルク)をそれぞれ独立して検出することができる6軸力センサーである。
また、ワークWは、被搬送物Qを備えている。図2に示すように、本実施形態のワークWは、被搬送物Qを収容した容器W1である。容器W1は、上面に開口する凹部を有しており、凹部内に被搬送物Qが入れられている。容器W1に入れられた被搬送物Qは、液体Q1である。液体Q1としては、特に限定されず、例えば、水、アルコール飲料等の各種飲料や、薬品等が挙げられる。
以上、ロボット2について説明したが、ロボット2の構成は、特に限定されない。また、ベース21が固定されていない自走式のロボットであってもよい。
前述したように、容器W1には液体Q1が入れられている。そのため、ロボット2を動かして容器W1を搬送する際、搬送中に加わる力によって液体Q1が揺れ、容器W1からこぼれてしまうおそれがある。そこで、制御装置3は、搬送中の液体Q1のこぼれを抑制すべく、容器W1に加わる重力Fgおよび慣性力Fiの合力Fnに基づいて搬送中の容器W1の姿勢を制御する。特に、液体Q1は、形状が定まらずに不安定であるため、容器W1からこぼれ易い。そのため、制御装置3による容器W1の姿勢制御の効果がより顕著となる。
制御装置3は、ロボット2の駆動を制御する。制御装置3は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサー(CPU)と、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶されたプログラム等を読み込んで実行することができる。
このような制御装置3は、容器W1を搬送する際の液体Q1のこぼれを低減するために姿勢制御を用いてロボット2の駆動を制御する。図3に示すように、制御装置3は、姿勢制御部31と、指令統合部33と、を有する。
また、姿勢制御部31は、合力算出部311と、現姿勢検出部312と、姿勢制御補正量算出部313と、を有する。このような姿勢制御部31は、容器W1の姿勢を液体Q1のこぼれを効果的に抑制することができる姿勢に補正するための補正量を算出する機能を有する。具体的には、姿勢制御部31は、容器W1の姿勢を、容器W1に加わる重力Fgと慣性力Fiとの合力Fnの向きに沿うように容器W1の姿勢を補正する姿勢制御補正量ΔPを算出し、算出した姿勢制御補正量ΔPを指令統合部33に出力する。
なお、以下では、図2に示すように、ロボットアーム22を動かして、容器W1を第1方向Aに移動させる場合について代表して説明する。なお、図の例では、第1方向Aが水平方向であるが、第1方向Aの向きは、特に限定されない。
まず、合力算出部311は、力センサー24の出力に基づいて容器W1に加わる重力Fgと、第1方向Aへの移動により容器W1に加わる慣性力Fiと、を算出する。重力Fgは、例えば、図示しない載置台に置いてある容器W1を持ち上げる前後の力センサー24の出力差から算出することができる。次に、合力算出部311は、重力Fgと慣性力Fiとの合力Fnの向きを算出する。なお、合力算出部311は、合力Fnの向きを算出することができれば、その構成や算出方法について特に限定されない。
現姿勢検出部312は、容器W1とツール23との相対的位置関係と各エンコーダーEの出力とに基づいて現在の容器W1の姿勢P、具体的には、容器W1の中心軸の向きを検出する。ただし、容器W1の向きを検出する方法は、特に限定されず、例えば、ロボット2の動作プログラムと現在時刻とに基づいて検出してもよい。
なお、容器W1とツール23との相対的位置関係は、次のようにして取得することができる。まず、容器W1を既知の位置に、中心軸が鉛直方向に沿うように載置する。これにより、容器W1の位置および姿勢が既知となる。そして、ロボット2を動かしてツール23で容器W1を保持し、保持したときのツール23の姿勢を各エンコーダーEの出力から検出する。これにより、容器W1とツール23との相対的位置関係を求めることができる。
姿勢制御補正量算出部313は、合力算出部311で算出された合力Fnの向きと現姿勢検出部312で検出された容器W1の姿勢Pとから、容器W1の姿勢Pを合力Fnの向きに沿わせる、つまり、容器W1の中心軸を合力Fnの向きに一致させるように容器W1の姿勢Pを補正する姿勢制御補正量ΔPを算出する。姿勢制御補正量ΔPは、容器W1の姿勢Pと合力Fnの向きとの姿勢偏差を解消するために、容器W1が現姿勢から移動すべき量を意味する。
このような姿勢制御部31は、容器W1の搬送が終了するまでの間、所定の周期で上述した姿勢制御補正量ΔPを算出し、指令統合部33へ出力する。
指令統合部33は、フィードバック制御部331と、力制御補正量加算部332と、を有する。指令統合部33は、目標位置Prefと、姿勢制御部31により算出された姿勢制御補正量ΔPとを統合する。指令統合部33は、統合した制御指令に応じた目標値を達成するように、ロボット2に操作量を出力する。
力制御補正量加算部332は、目標位置Prefに姿勢制御補正量ΔPを加算し、各モーターMの指令位置Pttを算出する。フィードバック制御部331は、各モーターMの実際の回転角Daを制御量として指令位置Pttに制御するフィードバック制御を行う。フィードバック制御部331は、各エンコーダーEの出力から回転角Daを取得する。フィードバック制御部331は、回転角Da、指令位置Pttから操作量Dcを算出して、各モーターMを制御する。
このような指令統合部33は、容器W1の搬送が終了するまでの間、所定の周期で上述した操作量Dcを算出し、各モーターMを制御する。
このような制御装置3によれば、図4に示すように、容器W1の搬送中、容器W1の向きが合力Fnの向きに沿うため、容器W1からの被搬送物Qのこぼれを効果的に抑制することができる。特に、容器W1の搬送が終了するまでの間、周期的に、姿勢制御を繰り返すことにより、容器W1からの被搬送物Qのこぼれをより効果的に抑制することができる。
以上、制御装置3について説明した。次に、図5に示すフローチャートを参照してロボットの制御方法について説明する。ロボットの制御方法は、ロボットアーム22を動かして、容器W1を第1方向Aに移動させる移動工程S1と、移動中に容器W1に加わる重力Fgおよび慣性力Fiの合力Fnの向きを算出する算出工程S2と、合力Fnの向きに沿うように容器W1の姿勢を変化させる姿勢制御工程S3と、を含む。なお、算出工程S2および姿勢制御工程S3は、移動工程S1中に周期的に繰り返して行われる。
[移動工程S1]
移動工程S1では、制御装置3は、ステップS11として、ロボット2を動かしてツール23で被搬送物Qが入れられた容器W1を保持する。この際、各エンコーダーEの出力に基づいて、容器W1とツール23との相対的関係を取得する。次に、制御装置3は、ステップS12として、ロボットアーム22を動かして、容器W1を目標位置Prefに向けて第1方向Aに移動させる。これにより、被搬送物Qの搬送が開始される。次に、制御装置3は、ステップS13として、容器W1が目標位置Prefに到達したかを判定する。制御装置3は、容器W1が目標位置Prefに到達した場合は、ロボット2の制御を終了し、容器W1が目標位置Prefに到達していない場合は、算出工程S2に移行する。
移動工程S1では、制御装置3は、ステップS11として、ロボット2を動かしてツール23で被搬送物Qが入れられた容器W1を保持する。この際、各エンコーダーEの出力に基づいて、容器W1とツール23との相対的関係を取得する。次に、制御装置3は、ステップS12として、ロボットアーム22を動かして、容器W1を目標位置Prefに向けて第1方向Aに移動させる。これにより、被搬送物Qの搬送が開始される。次に、制御装置3は、ステップS13として、容器W1が目標位置Prefに到達したかを判定する。制御装置3は、容器W1が目標位置Prefに到達した場合は、ロボット2の制御を終了し、容器W1が目標位置Prefに到達していない場合は、算出工程S2に移行する。
[算出工程S2]
算出工程S2では、制御装置3は、ステップS21として、力センサー24からの出力に基づいて容器W1に加わる重力Fgと、第1方向Aへの移動により生じる慣性力Fiとを算出する。次に、制御装置3は、ステップS22として、重力Fgと慣性力Fiとの合力Fnの向きを算出する。また、制御装置3は、ステップS21、S22と並行して、ステップS23として、各エンコーダーEからの出力に基づいて現在の容器W1の姿勢Pを検出する。ただし、容器W1の姿勢を検出するタイミングは、特に限定されず、ステップS21、S22の前であってもよいし、後であってもよい。
算出工程S2では、制御装置3は、ステップS21として、力センサー24からの出力に基づいて容器W1に加わる重力Fgと、第1方向Aへの移動により生じる慣性力Fiとを算出する。次に、制御装置3は、ステップS22として、重力Fgと慣性力Fiとの合力Fnの向きを算出する。また、制御装置3は、ステップS21、S22と並行して、ステップS23として、各エンコーダーEからの出力に基づいて現在の容器W1の姿勢Pを検出する。ただし、容器W1の姿勢を検出するタイミングは、特に限定されず、ステップS21、S22の前であってもよいし、後であってもよい。
[姿勢制御工程S3]
姿勢制御工程S3では、制御装置3は、ステップS31として、合力Fnの向きと容器W1の姿勢Pとに基づいて姿勢制御補正量ΔPを算出する。次に、制御装置3は、ステップS32として、姿勢制御補正量ΔPと目標位置Prefとに基づいて各モーターMの指令位置Pttを算出する。次に、制御装置3は、ステップS33として、指令位置Pttに基づいてロボット2の駆動を制御する。
姿勢制御工程S3では、制御装置3は、ステップS31として、合力Fnの向きと容器W1の姿勢Pとに基づいて姿勢制御補正量ΔPを算出する。次に、制御装置3は、ステップS32として、姿勢制御補正量ΔPと目標位置Prefとに基づいて各モーターMの指令位置Pttを算出する。次に、制御装置3は、ステップS33として、指令位置Pttに基づいてロボット2の駆動を制御する。
このような制御方法によれば、目標位置Prefへの移動中、容器W1の姿勢を合力Fnの向きに沿わせることができる。すなわち、容器W1の姿勢を合力Fnの向きに沿わせるとは、容器W1の底部を鉛直方向下方から合力Fnの方向へ向きを変えることである。そのため、目標位置Prefまでの移動中、被搬送物Qの容器W1からのこぼれを効果的に抑制することができる。特に、上述の制御方法によれば、事前に姿勢制御補正量を求めておく必要がないため、どのようなワークWでも、かつ、どのような動作でも、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に低減することができる。そのため、容易かつ利便性の高いロボットの制御方法となる。また、算出工程S2および姿勢制御工程S3を移動工程S1中、周期的に繰り返して行うため、移動中の合力Fnの向きの変化に対応して容器W1の姿勢を逐次変化させることができる。そのため、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に低減することができる。
以上、ロボットシステム1について説明した。このようなロボットシステム1に適用されたロボットの制御方法は、前述したように、ロボットアーム22と、被搬送物Qを備えるワークWとしての容器W1を保持するツール23と、ロボットアーム22とツール23との間に配置されている力検出部としての力センサー24と、を有するロボット2の制御方法であって、ロボットアーム22を動かして容器W1を第1方向Aに移動させる移動工程S1と、移動中に容器W1に加わる重力Fgおよび第1方向Aの慣性力Fiの合力Fnの向きを算出する算出工程S2と、合力Fnの向きに沿うように容器W1の姿勢を変化させる姿勢制御工程S3と、を含む。このような制御方法によれば、容器W1の移動中、容器W1の姿勢を合力Fnの向きに沿わせることができる。そのため、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に抑制することができる。特に、上述の制御方法によれば、事前に姿勢制御補正量を求めておく必要がないため、どのようなワークWでも、かつ、どのような動作でも、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に低減することができる。そのため、容易かつ利便性の高いロボットの制御方法となる。
また、前述したように、ロボットの制御方法では、算出工程S2と姿勢制御工程S3とを移動工程S1中、周期的に繰り返して行う。これにより、移動中の合力Fnの向きの変化に対応することができる。そのため、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に低減することができる。
また、前述したように、被搬送物Qは、液体Q1である。液体Q1は、形状が定まらずに流動するため、こぼれ易い。そのため、上述したロボットの制御方法の効果がより顕著に発揮される。
また、前述したように、ロボットシステム1は、ロボットアーム22と、被搬送物Qを備えるワークWとしての容器W1を保持するツール23と、ロボットアーム22とツール23との間に配置されている力検出部としての力センサー24と、を有するロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有する。そして、制御装置3は、ロボットアーム22を動かして容器W1を第1方向Aに移動させ、移動中に容器W1に加わる重力Fgおよび慣性力Fiの合力Fnの向きを算出し、合力Fnの向きに沿うように容器W1の姿勢を変化させる。このような構成によれば、容器W1の移動中、容器W1の姿勢を合力Fnの向きに沿わせることができる。そのため、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に抑制することができる。特に、上述の制御方法によれば、事前に姿勢制御補正量を求めておく必要がないため、どのようなワークWでも、かつ、どのような動作でも、移動中の被搬送物Qのこぼれを効果的に低減することができる。そのため、容易かつ利便性の高いロボットシステム1となる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
図6は、第2実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
本実施形態に係るロボットシステム1は、ツール23および被搬送物Qが異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図6に示すように、本実施形態のロボットシステム1では、ワークWがショベルW2で構成されている。また、ショベルW2は、ツール23に連結されており、これにより、ツール23に保持されている。また、被搬送物Qは、粉体Q2である。本実施形態では、ショベルW2ですくった粉体Q2を第1方向Aへ搬送する。粉体Q2は、前述した第1実施形態の液体Q1と同様、形状が定まらずに不安定なため、第1方向Aへの搬送中にショベルW2からこぼれるおそれがある。そこで、前述した第1実施形態と同様の方法によって移動中のショベルW2の姿勢を制御することにより、粉体Q2のこぼれを効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、被搬送物Qは、粉体Q2である。粉体Q2は、形状が定まらずに不安定なためこぼれ易い。そのため、上述したロボットの制御方法の効果がより顕著に発揮される。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
図7は、第3実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
本実施形態に係るロボットシステム1は、ワークWおよび被搬送物Qが異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図7に示すように、本実施形態のロボットシステム1では、ワークWがトレイW3であり、被搬送物QがトレイW3上に載置された複数の電子部品Q3である。本実施形態では、ツール23でトレイW3を保持して、複数の電子分品Q3をまとめて第1方向Aへ搬送する。電子部品Q3は、トレイW3に載置されているだけなので、慣性力Fiによって第1方向Aへの搬送中にトレイW3からこぼれるおそれがある。
そこで、前述した第1実施形態と同様の方法により、移動中のトレイW3の姿勢を制御することにより、トレイW3上の電子部品Q3のこぼれを効果的に抑制することができる。なお、電子部品Q3としては、特に限定されないが、例えば、回路チップ、慣性センサー、振動子などの軽量かつ小型のものであるのが好ましい。これにより、電子部品Q3がトレイW3からよりこぼれ易くなり、上述したロボットの制御方法の効果がより顕著となる。
以上のように、本実施形態では、被搬送物Qは、電子部品Q3である。電子部品Q3は、軽量で小型な場合が多く、トレイW3からこぼれ易い。そのため、上述したロボットの制御方法の効果がより顕著に発揮される。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
図8は、第4実施形態に係るワークおよび被搬送物を示す図である。
本実施形態に係るロボットシステム1は、ワークWおよび被搬送物Qが異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図8に示すように、本実施形態のロボットシステム1では、ワークWがウエハカセットW4であり、被搬送物QがウエハカセットW4にセットされた複数のシリコンウエハQ4である。本実施形態では、ツール23でウエハカセットW4を保持して、複数のシリコンウエハQ4をまとめて第1方向Aへ搬送する。シリコンウエハQ4は、ウエハカセットW4に載置されているだけなので、慣性力Fiによって第1方向Aへの搬送中にウエハカセットW4からこぼれるおそれがある。そこで、前述した第1実施形態と同様の方法により、移動中のウエハカセットW4の姿勢を制御することにより、ウエハカセットW4上のシリコンウエハQ4のこぼれを効果的に抑制することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明のロボットの制御方法およびロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明に、任意の目的の工程が付加されたものであってもよい。
1…ロボットシステム、2…ロボット、21…ベース、22…ロボットアーム、221…アーム、222…アーム、223…アーム、224…アーム、225…アーム、226…アーム、23…ツール、24…力センサー、3…制御装置、31…姿勢制御部、311…合力算出部、312…現姿勢検出部、313…姿勢制御補正量算出部、33…指令統合部、331…フィードバック制御部、332…力制御補正量加算部、A…第1方向、Da…回転角、Dc…操作量、E…エンコーダー、Fg…重力、Fi…慣性力、Fn…合力、J1…関節、J2…関節、J3…関節、J4…関節、J5…関節、J6…関節、M…モーター、P…姿勢、Pref…目標位置、Ptt…指令位置、Q…被搬送物、Q1…液体、Q2…粉体、Q3…電子部品、Q4…シリコンウエハ、S1…移動工程、S11…ステップ、S12…ステップ、S13…ステップ、S2…算出工程、S21…ステップ、S22…ステップ、S23…ステップ、S3…姿勢制御工程、S31…ステップ、S32…ステップ、S33…ステップ、W…ワーク、W1…容器、W2…ショベル、W3…トレイ、W4…ウエハカセット、ΔP…姿勢制御補正量
Claims (6)
- ロボットアームと、被搬送物を備えるワークを保持するツールと、前記ロボットアームと前記ツールとの間に配置されている力検出部と、を有するロボットの制御方法であって、
前記ロボットアームを動かして、前記ワークを第1方向に移動させる移動工程と、
前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出する算出工程と、
前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させる姿勢制御工程と、を含むことを特徴とするロボットの制御方法。 - 前記算出工程と前記姿勢制御工程とを前記移動工程中、周期的に繰り返して行う請求項1に記載のロボットの制御方法。
- 前記被搬送物は、液体である請求項1に記載のロボットの制御方法。
- 前記被搬送物は、粉体である請求項1に記載のロボットの制御方法。
- 前記被搬送物は、電子部品である請求項1に記載のロボットの制御方法。
- ロボットアームと、被搬送物を備えるワークを保持するツールと、前記ロボットアームと前記ツールとの間に配置されている力検出部と、を有するロボットと、
前記ロボットの駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ロボットアームを動かして前記ワークを第1方向に移動させ、前記移動中に前記ワークに加わる重力および慣性力の合力の向きを算出し、前記合力の向きに沿うように前記ワークの姿勢を変化させることを特徴とするロボットシステム。
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2023
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