JPH0639447B2 - ソルビタンオレエ−トの製造法 - Google Patents
ソルビタンオレエ−トの製造法Info
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- JPH0639447B2 JPH0639447B2 JP28200985A JP28200985A JPH0639447B2 JP H0639447 B2 JPH0639447 B2 JP H0639447B2 JP 28200985 A JP28200985 A JP 28200985A JP 28200985 A JP28200985 A JP 28200985A JP H0639447 B2 JPH0639447 B2 JP H0639447B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品、化粧品、医薬品、合成樹脂、その他の
工業用品に使用するのに適した色相が良好で、臭いがな
く、かつ酸化安定性にすぐれたソルビタンオレエートを
製造する方法に関する。
工業用品に使用するのに適した色相が良好で、臭いがな
く、かつ酸化安定性にすぐれたソルビタンオレエートを
製造する方法に関する。
ソルビタンオレエートは非イオン界面活性剤としてゴ
ム、プラスチツク、石油、タールなどの一般工業用品や
化粧品、医薬品などの乳化剤として多用されている。ま
た、可食安全性が確認されており、食品衛生法上の食品
添加物として認可され、乳化剤、分散剤、安定剤などと
して食品に汎用されている。ソルビタンオレエートはソ
ルビタンまたはソルビトールとオレイン酸とを高温でエ
ステル化反応を行つて製造されている。この原料として
用いられている市販のオレイン酸はパルミチン酸、ステ
アリン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素鎖長や不
飽和度の異なる脂肪酸をかなり含有するため、オレイン
酸の純度は50〜85%と低く、かつ脂肪酸以外の微量
の不純物も含んでいる。そのため、この市販オレイン酸
を用いて製造されたソルビタンオレエートは原料オレイ
ン酸に起因する着色と臭いがかなり強い。さらに、酸化
安定性も良くないため、経時的に着色が大きくなり、臭
いも増大する欠点があつた。
ム、プラスチツク、石油、タールなどの一般工業用品や
化粧品、医薬品などの乳化剤として多用されている。ま
た、可食安全性が確認されており、食品衛生法上の食品
添加物として認可され、乳化剤、分散剤、安定剤などと
して食品に汎用されている。ソルビタンオレエートはソ
ルビタンまたはソルビトールとオレイン酸とを高温でエ
ステル化反応を行つて製造されている。この原料として
用いられている市販のオレイン酸はパルミチン酸、ステ
アリン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素鎖長や不
飽和度の異なる脂肪酸をかなり含有するため、オレイン
酸の純度は50〜85%と低く、かつ脂肪酸以外の微量
の不純物も含んでいる。そのため、この市販オレイン酸
を用いて製造されたソルビタンオレエートは原料オレイ
ン酸に起因する着色と臭いがかなり強い。さらに、酸化
安定性も良くないため、経時的に着色が大きくなり、臭
いも増大する欠点があつた。
また、ソルビトールを原料に用いると、エステル化の際
に分子内環化によつてソルビタンに変化するのに長時間
を要し、得られるエステルの着色が大きくなる原因とな
つていた。
に分子内環化によつてソルビタンに変化するのに長時間
を要し、得られるエステルの着色が大きくなる原因とな
つていた。
本発明は色相と臭いが改善され、さらに酸化安定性の向
上したソルビタンオレエートを製造することを目的とし
ている。
上したソルビタンオレエートを製造することを目的とし
ている。
出願人は先に無色、無臭で、熱および酸化に対する安定
性、および皮膚刺激性などの安全性に優れたオレイン酸
の製造法を出願した(特願昭59−119170号)。
性、および皮膚刺激性などの安全性に優れたオレイン酸
の製造法を出願した(特願昭59−119170号)。
本発明者らはこの方法で得られたオレイン酸と水分5重
量%以下のソルビタンとを反応させることにより、色相
にすぐれ、ほとんど臭いがなく、かつ酸化安定性の高い
ソルビタンオレエートが得られることを見い出し、本発
明に到達した。
量%以下のソルビタンとを反応させることにより、色相
にすぐれ、ほとんど臭いがなく、かつ酸化安定性の高い
ソルビタンオレエートが得られることを見い出し、本発
明に到達した。
本発明で用いるオレイン酸は、(イ)オレイン酸を含有す
る脂肪酸混合物と尿素とを有機溶剤に溶解したのち冷却
して析出した結晶を分離除去し、(ロ)有機溶剤溶液中に
含まれる脂肪酸混合物を部分けん化したのち再結晶によ
り結晶を分取し、(ハ)得られた結晶を酸分解することに
よつて得られるオレイン酸である。
る脂肪酸混合物と尿素とを有機溶剤に溶解したのち冷却
して析出した結晶を分離除去し、(ロ)有機溶剤溶液中に
含まれる脂肪酸混合物を部分けん化したのち再結晶によ
り結晶を分取し、(ハ)得られた結晶を酸分解することに
よつて得られるオレイン酸である。
(イ)工程はオレイン酸を含有する脂肪酸混合物から炭素
数16以上の高級飽和脂肪酸とオレイン酸より高級なモ
ノ不飽和脂肪酸を除去する工程であり、得られる有機溶
剤溶液中には必然的に少量の尿素が残留する。この有機
溶剤溶液を用いてつぎの(ロ)工程を行うと、残留尿素が
オレイン酸の酸性塩と付加体を適度に形成して硬くてさ
らさらした結晶を生成するため、部分けん化した脂肪酸
混合物の結晶状態が改善されて再結晶により得られる結
晶の過が容易となり、リノール酸などのポリ不飽和脂
肪酸、オレイン酸より低級なモノ不飽和脂肪酸、低級飽
和脂肪酸およびその他の不純物質の除去を効率よく行う
ことができるので、高純度でかつ高度に精製されたオレ
イン酸が製造される。
数16以上の高級飽和脂肪酸とオレイン酸より高級なモ
ノ不飽和脂肪酸を除去する工程であり、得られる有機溶
剤溶液中には必然的に少量の尿素が残留する。この有機
溶剤溶液を用いてつぎの(ロ)工程を行うと、残留尿素が
オレイン酸の酸性塩と付加体を適度に形成して硬くてさ
らさらした結晶を生成するため、部分けん化した脂肪酸
混合物の結晶状態が改善されて再結晶により得られる結
晶の過が容易となり、リノール酸などのポリ不飽和脂
肪酸、オレイン酸より低級なモノ不飽和脂肪酸、低級飽
和脂肪酸およびその他の不純物質の除去を効率よく行う
ことができるので、高純度でかつ高度に精製されたオレ
イン酸が製造される。
この原料として使用するオレイン酸を含有する脂肪酸混
合物としてはオレイン酸を含有するものなら何でも使用
可能であり、オリーブ油、ゴマ油、米ヌカ油、大豆油、
茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、落
花生油、サフラワー油、牛脂、豚脂、鶏油、羊脂、魚油
などの油脂を加水分解して得られる脂肪酸やこれらの混
合物が使用でき、市販の不純物を含有するオレイン酸も
原料とすることができる。当然のことながら、オレイン
酸の含有率の高い原料ほど、効率よく高純度のオレイン
酸を得ることができる。
合物としてはオレイン酸を含有するものなら何でも使用
可能であり、オリーブ油、ゴマ油、米ヌカ油、大豆油、
茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、落
花生油、サフラワー油、牛脂、豚脂、鶏油、羊脂、魚油
などの油脂を加水分解して得られる脂肪酸やこれらの混
合物が使用でき、市販の不純物を含有するオレイン酸も
原料とすることができる。当然のことながら、オレイン
酸の含有率の高い原料ほど、効率よく高純度のオレイン
酸を得ることができる。
(イ)工程で使用する有機溶剤としては、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの
低級アルコールや、これらを主成分とする混合溶剤が使
用される。有機溶剤の使用量は原料脂肪酸の組成、目標
とする純度と収率、結晶化回数の設定などによつて一概
に決めることはできないが、原料脂肪酸の0.5〜10重
量倍が好ましい。0.5重量倍より少ないと分離効果が低
下し、10重量倍より多くなると脂肪酸濃度が低くなり
製造効率が低下して不利である。
タノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの
低級アルコールや、これらを主成分とする混合溶剤が使
用される。有機溶剤の使用量は原料脂肪酸の組成、目標
とする純度と収率、結晶化回数の設定などによつて一概
に決めることはできないが、原料脂肪酸の0.5〜10重
量倍が好ましい。0.5重量倍より少ないと分離効果が低
下し、10重量倍より多くなると脂肪酸濃度が低くなり
製造効率が低下して不利である。
尿素の使用量は原料脂肪酸の組成、目標とする純度と収
率、結晶化温度、溶剤量などによつて決まるものである
が、原料脂肪酸中に含まれている炭素数16以上の飽和
脂肪酸とオレイン酸より高級なモノ不飽和脂肪酸との合
計量の3〜50重量倍が好ましい。3重量倍より少ない
と炭素数16以上の飽和脂肪酸やオレイン酸より高級な
モノ不飽和脂肪酸の除去が不十分となり、50重量倍よ
り多いとオレイン酸収量が低下する。
率、結晶化温度、溶剤量などによつて決まるものである
が、原料脂肪酸中に含まれている炭素数16以上の飽和
脂肪酸とオレイン酸より高級なモノ不飽和脂肪酸との合
計量の3〜50重量倍が好ましい。3重量倍より少ない
と炭素数16以上の飽和脂肪酸やオレイン酸より高級な
モノ不飽和脂肪酸の除去が不十分となり、50重量倍よ
り多いとオレイン酸収量が低下する。
(イ)工程は有機溶剤に尿素とオレイン酸を含有する脂肪
酸混合物を加えて加温溶解し、ついで徐々に冷却し、通
常30℃以下、好ましくは20〜−20℃の範囲にす
る。炭素数16以上の飽和脂肪酸、オレイン酸より高級
なモノ不飽和脂肪酸などは尿素と付加体を形成して結晶
化するので、この結晶を別、遠心分離などの通常の手
段で除去する。
酸混合物を加えて加温溶解し、ついで徐々に冷却し、通
常30℃以下、好ましくは20〜−20℃の範囲にす
る。炭素数16以上の飽和脂肪酸、オレイン酸より高級
なモノ不飽和脂肪酸などは尿素と付加体を形成して結晶
化するので、この結晶を別、遠心分離などの通常の手
段で除去する。
通常、(イ)工程は1回の操作で十分であるが、炭素数1
6以上の飽和脂肪酸やオレイン酸より高級なモノ不飽和
脂肪酸の分離が不十分な場合にはくり返してもよい。
6以上の飽和脂肪酸やオレイン酸より高級なモノ不飽和
脂肪酸の分離が不十分な場合にはくり返してもよい。
(ロ)工程は、まず(イ)工程で得られた脂肪酸混合物の有機
溶剤溶液に、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモ
ニアなどの水酸化物や炭酸塩などの塩基性化合物を加え
て部分的に中和する。この部分けん化によりオレイン酸
は酸性塩を形成し、冷却するとオレイン酸の酸性塩と
(イ)工程において残留した少量の尿素とが付加体を適度
に形成して全体として過しやすい結晶となり、ポリ不
飽和脂肪酸などの除去成分の分離が容易である。この場
合の中和率は、含有されるオレイン酸の20%から全脂
肪酸混合物の60%まで、好ましくはオレイン酸の30
%から全脂肪酸混合物の55%までである。中和率がオ
レイン酸の20%未満では得られるオレイン酸の収率が
低く、全脂肪酸混合物の60%をこえると分離効果が低
下すると共に結晶化したオレイン酸の酸性塩の結晶状態
が悪くなつて過しにくく、得られるオレイン酸の純度
が低下する。
溶剤溶液に、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモ
ニアなどの水酸化物や炭酸塩などの塩基性化合物を加え
て部分的に中和する。この部分けん化によりオレイン酸
は酸性塩を形成し、冷却するとオレイン酸の酸性塩と
(イ)工程において残留した少量の尿素とが付加体を適度
に形成して全体として過しやすい結晶となり、ポリ不
飽和脂肪酸などの除去成分の分離が容易である。この場
合の中和率は、含有されるオレイン酸の20%から全脂
肪酸混合物の60%まで、好ましくはオレイン酸の30
%から全脂肪酸混合物の55%までである。中和率がオ
レイン酸の20%未満では得られるオレイン酸の収率が
低く、全脂肪酸混合物の60%をこえると分離効果が低
下すると共に結晶化したオレイン酸の酸性塩の結晶状態
が悪くなつて過しにくく、得られるオレイン酸の純度
が低下する。
オレイン酸の酸性塩を結晶化させるために冷却する温度
は10〜−30℃、好ましくは5〜−20℃である。1
0℃より高いとオレイン酸の収率が低下し、−30℃よ
り低いとオレイン酸の純度が低下する。
は10〜−30℃、好ましくは5〜−20℃である。1
0℃より高いとオレイン酸の収率が低下し、−30℃よ
り低いとオレイン酸の純度が低下する。
生成したオレイン酸の酸性塩の結晶は通常の方法でポリ
不飽和脂肪酸などを含む溶液から分離される。
不飽和脂肪酸などを含む溶液から分離される。
なお、オレイン酸の酸性塩の結晶は、再結晶をくり返す
ことによりさらに純度を向上させることができる。
ことによりさらに純度を向上させることができる。
オレイン酸の酸性塩の再結晶のくり返しに用いる溶剤と
しては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニ
トリルなどの極性溶剤や、これらを含有する混合溶剤が
用いられる。この場合のオレイン酸の酸性塩の濃度は1
0〜50重量%、冷却温度は5〜−20℃が好ましい。
しては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニ
トリルなどの極性溶剤や、これらを含有する混合溶剤が
用いられる。この場合のオレイン酸の酸性塩の濃度は1
0〜50重量%、冷却温度は5〜−20℃が好ましい。
(ハ)工程はオレイン酸の酸性塩に酸を加えて酸分解し、
オレイン酸を得る工程である。
オレイン酸を得る工程である。
酸分解に用いる酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン
酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ホウ酸などの無機酸
や、酢酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、
酒石酸、クエン酸などの有機酸が使用できる。酸の使用
量は、オレイン酸の酸性塩を形成する塩基の当量以上で
あり、好ましくは1.2当量以上である。
酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ホウ酸などの無機酸
や、酢酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、
酒石酸、クエン酸などの有機酸が使用できる。酸の使用
量は、オレイン酸の酸性塩を形成する塩基の当量以上で
あり、好ましくは1.2当量以上である。
酸分解した後、オレイン酸に残存する酸分解に用いた酸
を水洗により除去する。この水洗の際に少量のシユウ
酸、クエン酸などの多塩基酸を添加すると水洗時の乳化
を防止することができ、またオレイン酸の酸性塩の酸分
解も完全に行われる。
を水洗により除去する。この水洗の際に少量のシユウ
酸、クエン酸などの多塩基酸を添加すると水洗時の乳化
を防止することができ、またオレイン酸の酸性塩の酸分
解も完全に行われる。
このようにして高純度のオレイン酸が得られるが、さら
に微量の不純物を除去するために、通常の脂肪酸の精製
に用いられる吸着剤処理や蒸留を行うこともできる。
に微量の不純物を除去するために、通常の脂肪酸の精製
に用いられる吸着剤処理や蒸留を行うこともできる。
吸着剤処理に用いる吸着剤としては、白土、活性白土、
活性炭、シリカゲル、アルミナ、シリカアルミナ、イオ
ン交換樹脂、合成吸着剤などがあり、単独あるいは混合
物として用いられる。吸着剤の使用量はオレイン酸の精
製度や目標とする品質によつて異なるが、オレイン酸に
対して0.1〜5重量%である。吸着剤処理の温度はオレ
イン酸の融点以上、好ましくは30〜80℃である。処
理時間は約20分〜2時間である。
活性炭、シリカゲル、アルミナ、シリカアルミナ、イオ
ン交換樹脂、合成吸着剤などがあり、単独あるいは混合
物として用いられる。吸着剤の使用量はオレイン酸の精
製度や目標とする品質によつて異なるが、オレイン酸に
対して0.1〜5重量%である。吸着剤処理の温度はオレ
イン酸の融点以上、好ましくは30〜80℃である。処
理時間は約20分〜2時間である。
蒸留は通常オレイン酸の蒸留に用いられる条件で、不活
性ガスの雰囲気下に減圧蒸留される。真空度はできるだ
け低圧で、蒸留温度はできるだけ低い方がよい。
性ガスの雰囲気下に減圧蒸留される。真空度はできるだ
け低圧で、蒸留温度はできるだけ低い方がよい。
すなわち、本発明はこの方法で得られたオレイン酸と水
分5重量%以下のソルビタンとをエステル化することを
特徴とするソルビタンオレエートの製造法である。
分5重量%以下のソルビタンとをエステル化することを
特徴とするソルビタンオレエートの製造法である。
市販のソルビタンは約30%の水を含有しており、これ
をそのままエステル化に用いるとエステル化に長時間を
要し、得られるソルビタンオレエートの色相が悪くな
る。このために本発明においてはソルビタンを脱水し、
水分5重量%以下、好ましくは1重量%以下のものを用
いる。ソルビタンの脱水は減圧下に加熱することによ
り、容易に行なうことができる、水分5重量%以下のソ
ルビタン(以下、脱水ソルビタンという)を用いるとエ
ステル化反応の時間が短くてすみ、色相や臭いも改良さ
れる。
をそのままエステル化に用いるとエステル化に長時間を
要し、得られるソルビタンオレエートの色相が悪くな
る。このために本発明においてはソルビタンを脱水し、
水分5重量%以下、好ましくは1重量%以下のものを用
いる。ソルビタンの脱水は減圧下に加熱することによ
り、容易に行なうことができる、水分5重量%以下のソ
ルビタン(以下、脱水ソルビタンという)を用いるとエ
ステル化反応の時間が短くてすみ、色相や臭いも改良さ
れる。
本発明の方法においてはエステル化触媒を用いることが
好ましい。エステル化触媒としては、アルカリ金属、ア
ルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土
類金属、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物、その他の金属やその酸化物、硫酸、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、金属ハロゲン化物など、通常のエステル化
反応に用いられる塩基性あるいは酸性の触媒が用いられ
る。とくに、炭酸ナトリウムと亜リン酸を併用すると、
エステル化反応の進行が早く、また着色の少ないソルビ
タンオレエートが得られる。
好ましい。エステル化触媒としては、アルカリ金属、ア
ルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土
類金属、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物、その他の金属やその酸化物、硫酸、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、金属ハロゲン化物など、通常のエステル化
反応に用いられる塩基性あるいは酸性の触媒が用いられ
る。とくに、炭酸ナトリウムと亜リン酸を併用すると、
エステル化反応の進行が早く、また着色の少ないソルビ
タンオレエートが得られる。
本発明の方法において、ソルビタンとオレイン酸の使用
比率を変えることにより、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオートなどの
各成分を主成分とするソルビタンオレエートを得ること
ができる。
比率を変えることにより、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオートなどの
各成分を主成分とするソルビタンオレエートを得ること
ができる。
つぎに、本発明の製造法を具体的に説明する。
反応器にオレイン酸、脱水ソルビタンおよびエステル化
触媒をとり、反応系内の空気を窒素などの不活性ガスで
十分に置換したのち、不活性ガスを導入しながら昇温を
行なう。反応温度は、エステル化と得られるソルビタン
オレエートの色相の点から、200〜230℃で行うこ
とが好ましい。エステル化により生成する水は反応系外
へ除去する。
触媒をとり、反応系内の空気を窒素などの不活性ガスで
十分に置換したのち、不活性ガスを導入しながら昇温を
行なう。反応温度は、エステル化と得られるソルビタン
オレエートの色相の点から、200〜230℃で行うこ
とが好ましい。エステル化により生成する水は反応系外
へ除去する。
反応終了後、必要により触媒の除去を行ない、さらに酸
化性や還元性をもつ脱色剤、あるいは活性炭や活性白土
などの吸着剤を使用して脱色してもよい。また、不活性
ガスを減圧下に導入して脱臭を行なう。
化性や還元性をもつ脱色剤、あるいは活性炭や活性白土
などの吸着剤を使用して脱色してもよい。また、不活性
ガスを減圧下に導入して脱臭を行なう。
本発明の方法により、色相にすぐれ、ほとんど臭いがな
く、かつ酸化安定性にすぐれたソルビタンオレエートを
製造することができる。また、得られたソルビタンオレ
エートは、化粧品用、医薬品用、食品用などの原料とし
て好適である。
く、かつ酸化安定性にすぐれたソルビタンオレエートを
製造することができる。また、得られたソルビタンオレ
エートは、化粧品用、医薬品用、食品用などの原料とし
て好適である。
本発明を参考例、実施例および比較例によつて具体的に
説明する。なお、とくにことわりがない限り、%は重量
%を示す。
説明する。なお、とくにことわりがない限り、%は重量
%を示す。
参考例として、本発明で用いるオレイン酸と脱水ソルビ
タンの製造例を示す。
タンの製造例を示す。
参考例1 メタノール120Kgに尿素37.26Kgを加えて加温溶解
後、50℃に加温したオレイツクサフラワー油蒸留脂肪
酸30Kgを加えて溶解した。
後、50℃に加温したオレイツクサフラワー油蒸留脂肪
酸30Kgを加えて溶解した。
ついで撹拌しながら10℃まで冷却し、生じた結晶を遠
心過して液156.36Kg(脂肪酸含量19.56Kg、酸価19
8.5、尿素含量6.96Kg)を得た。この液に水酸化ナト
リウム1.245Kg(含有脂肪酸の45%当量)を含む水溶
液17.28Kgを加えて溶解し、撹拌しながら−7℃まで冷
却して別後、オレイン酸の酸性塩結晶12.81Kg(酸性
塩含量11.10Kg)を得た。この結晶にリン酸2.79Kg(酸
性塩の1.5倍当量)を含む水溶液55.68Kgを加え、加温し
て酸分解した。得られた油層を0.5%クエン酸水溶液で
十分に洗浄したのち、脱水してオレイン酸10.99Kgを得
た。このオレイン酸は酸価199.0、ヨウ素価88.1、過酸
化物価0.00、色相(APHA)20、かつ無臭であり、
脂肪酸組成はオレイン酸(C18:1)94.6%、パルミチ
ン酸(C16:0)1.5%、ステアリン酸(C18:0)1.7
%、リノール酸(C18:2)1.9%、リノレン酸(C18:
3)0.3%であつた。
心過して液156.36Kg(脂肪酸含量19.56Kg、酸価19
8.5、尿素含量6.96Kg)を得た。この液に水酸化ナト
リウム1.245Kg(含有脂肪酸の45%当量)を含む水溶
液17.28Kgを加えて溶解し、撹拌しながら−7℃まで冷
却して別後、オレイン酸の酸性塩結晶12.81Kg(酸性
塩含量11.10Kg)を得た。この結晶にリン酸2.79Kg(酸
性塩の1.5倍当量)を含む水溶液55.68Kgを加え、加温し
て酸分解した。得られた油層を0.5%クエン酸水溶液で
十分に洗浄したのち、脱水してオレイン酸10.99Kgを得
た。このオレイン酸は酸価199.0、ヨウ素価88.1、過酸
化物価0.00、色相(APHA)20、かつ無臭であり、
脂肪酸組成はオレイン酸(C18:1)94.6%、パルミチ
ン酸(C16:0)1.5%、ステアリン酸(C18:0)1.7
%、リノール酸(C18:2)1.9%、リノレン酸(C18:
3)0.3%であつた。
参考例2 参考例1で得たオレイン酸を窒素ガス雰囲気下、2mmH
g、230℃以下で蒸留して純度99.2%のオレイン酸を
得た。他は0.8%のリノール酸を含んでいたがほとんど
無色(APHA20)、無臭であつた。
g、230℃以下で蒸留して純度99.2%のオレイン酸を
得た。他は0.8%のリノール酸を含んでいたがほとんど
無色(APHA20)、無臭であつた。
参考例3 約30%の水を含む市販のソルビタン7000gを内容
量10のエバポレーターにとり、3mmHgの減圧下、7
5℃で4時間脱水して水分0.78重量%の脱水ソルビタン
4920gを得た。留出液としては水2080gが得ら
れた。
量10のエバポレーターにとり、3mmHgの減圧下、7
5℃で4時間脱水して水分0.78重量%の脱水ソルビタン
4920gを得た。留出液としては水2080gが得ら
れた。
実施例1 参考例1で得たオレイン酸2220g、参考例3で得た
脱水ソルビタン1230g、触媒としての炭酸ナトリウ
ム9gおよび亜リン酸4.5gを、水分離管付凝縮器、温
度計、温度調節器、および窒素ガス吹きこみ管を備えた
5の四つ口フラスコにとり、撹拌しながら50℃で1
時間窒素ガスを吹きこんでフラスコ内の空気を置換し
た。つぎに窒素ガスを吹きこみながら230℃まで昇温
したが、昇温中にエステル化がはじまり、生成した水が
留出し始めた。230℃に達するまでに要した時間は1.
5時間であつた。230℃で5時間エステル化反応を行
つたのちの酸価は0.7であつた。
脱水ソルビタン1230g、触媒としての炭酸ナトリウ
ム9gおよび亜リン酸4.5gを、水分離管付凝縮器、温
度計、温度調節器、および窒素ガス吹きこみ管を備えた
5の四つ口フラスコにとり、撹拌しながら50℃で1
時間窒素ガスを吹きこんでフラスコ内の空気を置換し
た。つぎに窒素ガスを吹きこみながら230℃まで昇温
したが、昇温中にエステル化がはじまり、生成した水が
留出し始めた。230℃に達するまでに要した時間は1.
5時間であつた。230℃で5時間エステル化反応を行
つたのちの酸価は0.7であつた。
ついで80℃に温度を下げたのち、35%過酸化水素水
15gを徐々に滴下して1時間脱色を行つた。このとき
過酸化水素の影響で酸価が多少上昇する。1時間脱色
後、ダイカライト(過助剤:ダイカライトオリエント
社製)86gを添加して15分間撹拌したのち、減圧下
に過した。得られた粘度の高いソルビタンオレエート
は透明で、このものをさらに5容量のフラスコに移
し、窒素ガスを吹き込みながら、1mmHg以下、50℃で
3時間、トツピングによる脱臭を行つた。得られたソル
ビタンオレエートは2968gであつた。このソルビタ
ンオレエートをトリメチルシリル化してガスクロマトグ
ラフイーで分析すると、主成分はソルビタンモノオレエ
ートであることが確認された。このもののPOV(過酸
化物価)0.01、AV(酸価)2.1、SV(ケン化価)15
8.0、OH−V(ヒドロキシル価)238.1であり、色相
(APHA)120と良好で、臭はほとんどなかつた。
15gを徐々に滴下して1時間脱色を行つた。このとき
過酸化水素の影響で酸価が多少上昇する。1時間脱色
後、ダイカライト(過助剤:ダイカライトオリエント
社製)86gを添加して15分間撹拌したのち、減圧下
に過した。得られた粘度の高いソルビタンオレエート
は透明で、このものをさらに5容量のフラスコに移
し、窒素ガスを吹き込みながら、1mmHg以下、50℃で
3時間、トツピングによる脱臭を行つた。得られたソル
ビタンオレエートは2968gであつた。このソルビタ
ンオレエートをトリメチルシリル化してガスクロマトグ
ラフイーで分析すると、主成分はソルビタンモノオレエ
ートであることが確認された。このもののPOV(過酸
化物価)0.01、AV(酸価)2.1、SV(ケン化価)15
8.0、OH−V(ヒドロキシル価)238.1であり、色相
(APHA)120と良好で、臭はほとんどなかつた。
得られたソルビタンオレエートの一部をガラスビンに入
れて密栓し、25℃、40℃、60℃の各温度に保つた
恒温槽に1か月保存したときのPOVはそれぞれ0.15、
0.44、0.79で劣化は認められず、また色相、臭いともに
変化はなく、高い酸化安定性を示した。
れて密栓し、25℃、40℃、60℃の各温度に保つた
恒温槽に1か月保存したときのPOVはそれぞれ0.15、
0.44、0.79で劣化は認められず、また色相、臭いともに
変化はなく、高い酸化安定性を示した。
実施例2 参考例2で得られたオレイン酸2468g、参考例3で
得られた脱水ソルビタン410g、触媒として炭酸ナト
リウム7.2gおよび亜リン酸3.6gを用い、実施例1と同
様にして215℃で6.5時間エステル化を行うと酸価は
0.7になつた。80℃に温度を下げ、35%過酸化水素
水12gを滴下して1時間脱色を行つたのち、ダイカラ
イト86gを加え、減圧下に過したのち、45℃で2.
5時間実施例1と同じように脱臭を行つて2705gの
ソルビタンオレエートを得た。トリメチルシリル化後の
ガスクログラフイーから主成分はソルビタントリオレエ
ートであることが確認された。
得られた脱水ソルビタン410g、触媒として炭酸ナト
リウム7.2gおよび亜リン酸3.6gを用い、実施例1と同
様にして215℃で6.5時間エステル化を行うと酸価は
0.7になつた。80℃に温度を下げ、35%過酸化水素
水12gを滴下して1時間脱色を行つたのち、ダイカラ
イト86gを加え、減圧下に過したのち、45℃で2.
5時間実施例1と同じように脱臭を行つて2705gの
ソルビタンオレエートを得た。トリメチルシリル化後の
ガスクログラフイーから主成分はソルビタントリオレエ
ートであることが確認された。
このものはPOV0.02、AV2.7、SV168.1、OH−V
57.3、色相(APHA)120であり、ほとんど臭はな
かつた。25℃、40℃、60℃の各温度での1か月後
のPOVはそれぞれ0.11、0.36、0.61であり、高い酸化
安定性を示した。
57.3、色相(APHA)120であり、ほとんど臭はな
かつた。25℃、40℃、60℃の各温度での1か月後
のPOVはそれぞれ0.11、0.36、0.61であり、高い酸化
安定性を示した。
実施例3 参考例1で得たオレイン酸2480g、参考例3で得た
脱水ソルビタン410gおよび触媒として炭酸ナトリウ
ム7.2gを用い、実施例1と同様にエステル化、脱色お
よび脱臭を行つた。ただし、エステル化の条件は215
℃、6.5時間である。
脱水ソルビタン410gおよび触媒として炭酸ナトリウ
ム7.2gを用い、実施例1と同様にエステル化、脱色お
よび脱臭を行つた。ただし、エステル化の条件は215
℃、6.5時間である。
得られたソルビタンオレエートの収量は2668gで、
トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーから主
成分はソルビタントリオレエートであり、POV0.04、
AV2.8、SV168.4、OH−V57.0、色相(APHA)
300で、臭はほとんど認められなかつた。
トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーから主
成分はソルビタントリオレエートであり、POV0.04、
AV2.8、SV168.4、OH−V57.0、色相(APHA)
300で、臭はほとんど認められなかつた。
25℃、40℃、60℃の各温度の恒温槽に1か月保存
したときのPOVはそれぞれ0.44、0.92、1.79で、良好
な酸化安定性を示した。
したときのPOVはそれぞれ0.44、0.92、1.79で、良好
な酸化安定性を示した。
比較例1 参考例1で得たオレイン酸1483g、30%含水の市
販のソルビタン1171g、触媒として炭酸ナトリウム
6gおよび亜リン酸3gを用い、実施例1と同様にエス
テル化を行つた。50℃から昇温をはじめると170℃
の温度一定の状態で水の留出がおこり、その後、230
℃に達した。このために50℃から230℃までの昇温
に要した時間は4時間で実施例1の約2.5倍であり、2
30℃は達した時点ではかなり着色した。続いて、23
0℃で6時間エステル化を行うとAV0.7に低下したの
で80℃まで下げ、実施例1と同様に脱色と脱臭を行つ
た。ソルビタンオレエートの収量は2186gであり、
トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーから主
成分はソルビタンモノオレエートであることが確認され
た。このものは、POV0.02、AV4.7、SV155.0、O
H−V220.1、色相は悪くてガードナー6の褐色であ
り、また市販のオレイン酸特有の臭がわずかに認められ
た。25℃、40℃、60℃の各恒温槽に1か月保存し
たときのPOVはそれぞれ0.72、0.99、1.81で、良好な
酸化安定性を示した。
販のソルビタン1171g、触媒として炭酸ナトリウム
6gおよび亜リン酸3gを用い、実施例1と同様にエス
テル化を行つた。50℃から昇温をはじめると170℃
の温度一定の状態で水の留出がおこり、その後、230
℃に達した。このために50℃から230℃までの昇温
に要した時間は4時間で実施例1の約2.5倍であり、2
30℃は達した時点ではかなり着色した。続いて、23
0℃で6時間エステル化を行うとAV0.7に低下したの
で80℃まで下げ、実施例1と同様に脱色と脱臭を行つ
た。ソルビタンオレエートの収量は2186gであり、
トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーから主
成分はソルビタンモノオレエートであることが確認され
た。このものは、POV0.02、AV4.7、SV155.0、O
H−V220.1、色相は悪くてガードナー6の褐色であ
り、また市販のオレイン酸特有の臭がわずかに認められ
た。25℃、40℃、60℃の各恒温槽に1か月保存し
たときのPOVはそれぞれ0.72、0.99、1.81で、良好な
酸化安定性を示した。
比較例2 参考例1で得たオレイン酸の代りに、市販のオレイン酸
2220gを用いたほかは、実施例1と同様にエステル
化を行つた。市販オレイン酸はAV198、IV86、
POV12、色相(ガードナー)2で、市販のオレイン
酸特有の臭が強い。脂肪酸組成はC18:171%、C18:
210%、C18:31%、C16:06%、C14:04%、C
18:01%、その他7%であつた。エステル化は230
℃、5時間行い、AV0.9となつた。ついで80℃に温
度を下げたのち、実施例1と同様に脱色と脱臭を行つて
ソルビタンオレエート2971gを得た。色相(ガード
ナー)7で着色が著しく、市販のオレイン酸特有の臭が
強かつた。トリメチルシリル化のガスクロマトグラフイ
ーから主成分はソルビタンモノオレエートで、POV0.
03、AV2.3、SV155.4、OH−V220.4であつた。
2220gを用いたほかは、実施例1と同様にエステル
化を行つた。市販オレイン酸はAV198、IV86、
POV12、色相(ガードナー)2で、市販のオレイン
酸特有の臭が強い。脂肪酸組成はC18:171%、C18:
210%、C18:31%、C16:06%、C14:04%、C
18:01%、その他7%であつた。エステル化は230
℃、5時間行い、AV0.9となつた。ついで80℃に温
度を下げたのち、実施例1と同様に脱色と脱臭を行つて
ソルビタンオレエート2971gを得た。色相(ガード
ナー)7で着色が著しく、市販のオレイン酸特有の臭が
強かつた。トリメチルシリル化のガスクロマトグラフイ
ーから主成分はソルビタンモノオレエートで、POV0.
03、AV2.3、SV155.4、OH−V220.4であつた。
25℃、40℃、60℃の各恒温槽に1か月保存したと
きのPOVはそれぞれ3.9、5.7、8.8を示し、酸化安定
性が低い。
きのPOVはそれぞれ3.9、5.7、8.8を示し、酸化安定
性が低い。
比較例3 比較例2で用いたと同じ市販のオレイン酸1483gと
30%含水の市販のソルビタン1171gとを用い、比
較例1と同様にエステル化を行つた。昇温をはじめて3
5分間で168℃に達したのち、5.5時間エステル化を
行い、AV0.9となつてから温度を80℃に下げた。反
応生成物の着色が著しかつたので、35%過酸化水素水
による脱色を2回行つたほかは実施例1と同様に処理し
た。
30%含水の市販のソルビタン1171gとを用い、比
較例1と同様にエステル化を行つた。昇温をはじめて3
5分間で168℃に達したのち、5.5時間エステル化を
行い、AV0.9となつてから温度を80℃に下げた。反
応生成物の着色が著しかつたので、35%過酸化水素水
による脱色を2回行つたほかは実施例1と同様に処理し
た。
得られたソルビタンオレエートの収量は2185gであ
り、トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーか
ら主成分はソルビタンモノオレエートであることが確認
された。このものはPOV0.03、AV4.9、SV155.8、
OH−V208.1、色相はガードナー9で褐色であつた。
25℃、40℃および60℃の各恒温槽に1か月保存し
たのちのPOVはそれぞれ4.1、6.2および9.9で、酸化
安定性に劣つていた。
り、トリメチルシリル化後のガスクロマトグラフイーか
ら主成分はソルビタンモノオレエートであることが確認
された。このものはPOV0.03、AV4.9、SV155.8、
OH−V208.1、色相はガードナー9で褐色であつた。
25℃、40℃および60℃の各恒温槽に1か月保存し
たのちのPOVはそれぞれ4.1、6.2および9.9で、酸化
安定性に劣つていた。
このように、市販オレイン酸と含水するソルビタンとを
原料としソルビタンオレエートを得る場合、色相と臭い
が悪く、酸化安定性を示すPOVが上昇することがわか
る。それに対して本発明のごとき特定の方法で製造され
たオレイン酸と脱水ソルビタンとのエステル化で得られ
たソルビタンオレエートは色相が良く、化粧品基剤、乳
化剤として用いた場合に最も嫌われる市販オレイン酸特
有の臭がなく、酸化安定性にも優れていることがわか
る。
原料としソルビタンオレエートを得る場合、色相と臭い
が悪く、酸化安定性を示すPOVが上昇することがわか
る。それに対して本発明のごとき特定の方法で製造され
たオレイン酸と脱水ソルビタンとのエステル化で得られ
たソルビタンオレエートは色相が良く、化粧品基剤、乳
化剤として用いた場合に最も嫌われる市販オレイン酸特
有の臭がなく、酸化安定性にも優れていることがわか
る。
Claims (2)
- 【請求項1】〔A〕(イ)オレイン酸を含有する脂肪酸混合
物と尿素とを有機溶剤に溶解したのち冷却して析出した
結晶を分離除去し、(ロ)有機溶剤溶液中に含まれる脂肪
酸混合物を部分けん化したのち再結晶により結晶を分取
し、(ハ)得られた結晶を酸分解することにより製造した
オレイン酸と、〔B〕水分5重量%以下のソルビタンと
をエステル化することを特徴とするソルビタンオレエー
トの製造法。 - 【請求項2】(ハ)工程ののち、吸着剤処理または蒸留を
行う特許請求の範囲第1項記載のソルビタンオレエート
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28200985A JPH0639447B2 (ja) | 1985-12-17 | 1985-12-17 | ソルビタンオレエ−トの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28200985A JPH0639447B2 (ja) | 1985-12-17 | 1985-12-17 | ソルビタンオレエ−トの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62142141A JPS62142141A (ja) | 1987-06-25 |
JPH0639447B2 true JPH0639447B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=17646952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28200985A Expired - Fee Related JPH0639447B2 (ja) | 1985-12-17 | 1985-12-17 | ソルビタンオレエ−トの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639447B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5306831A (en) * | 1992-10-15 | 1994-04-26 | Shell Oil Company | Sorbitan ester purification process |
GB9616034D0 (en) * | 1996-07-31 | 1996-09-11 | Ici Plc | Manufacture of surfactant esters |
KR20030093012A (ko) * | 2002-06-01 | 2003-12-06 | (주)한교 | 솔비탄 지방산에스테르의 제조방법 |
CN115181022B (zh) * | 2022-07-26 | 2023-08-11 | 江西益普生药业有限公司 | 一种油酸乙酯提纯精制的纯化方法 |
-
1985
- 1985-12-17 JP JP28200985A patent/JPH0639447B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62142141A (ja) | 1987-06-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |