JPH0639250Y2 - 積層型熱交換器のバー材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は平面が方形の多数のプレートとその両側に介装
される多数のバー材とからなる積層型熱交換器に関す
る。

〔従来技術〕

自動車用インタークーラ等に用いられるこの種の積層型
熱交換器は、第４図に示す如く形成されていた。即ち、
多数の矩形のプレート１をその厚み方向に積層すると共
に、各プレート1,1間の両側にバー材５を順次井桁状に
介装する。このバー材５は断面がほぼ方形に形成される
と共に、内面側に凸条部７が形成される。なお、このバ
ー材５はアルミニュームの押し出し成形材からなること
が多い。そして上下一対のプレート1,1及び左右のバー
材５で囲まれた偏平空間にフィン６が夫々介装される。
なおプレート１の両面には予めろう材が被覆されるか、
あるいは各接触面間にろう箔が介装される。そして、第
４図に示すように組立た状態で適宜な治具で、その状態
を保持し、高温の炉内に挿入する。そしてろう材を溶融
して各接触部間を一体的にろう付け固定するものであ
る。このようにしてなる積層型熱交換器は直交する二つ
の面に異なった熱交換媒体を夫々独立に誘導し、夫々の
偏平空間にそれらを流通させ、両者の間に熱交換を行う
ものである。

〔解決しようとする問題点〕

ところがこのような従来型熱交換器は、その組立時及び
ろう付け時にプレート１とバー材５との相対位置にずれ
が生ずることがあると共に、ろう材がバー材５外面側に
流れ出す虞れがあった。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案は以上の問題点を取り除くため次の構成を
とる。

即ち、多数のプレート1,1間の両側に夫々バー材５を接
触して介装し、その接触面を液密又は気密にろう付け固
定するものである。ここにおいて本考案の特徴とすると
ころはそのバー材５に、対向する一対のプレート1,1の
端部を位置させる一対の平行なプレート載置面２を外周
に形成させる。それと共に一対のプレート載置面２の夫
々の縁部にプレート１の端面が位置決めされるストッパ
面３を突設する。そしてストッパ面３とプレート載置面
２との境に小溝状にろう溜まり溝４を形成したものであ
る。

従って本考案のバー材によれば、ストッパ面３とろう溜
まり溝４との存在により、プレート１とバー材５とがろ
う付け時に移動することを防止すると共に、ろう溜まり
溝４に確実にろう材を保持させ、プレート１とバー材５
とのろう付けの信頼性を向上させる。

〔実施例〕

次に図面に基づいて本考案の実施例につき説明する。

第１図は本考案のバー材５を用いた要部斜視略図であ
り、第２図はそのバー材５の要部斜視略図である。又第
３図は第１図の熱交換器の分解説明図である。

この実施例におけるバー材５は、アルミニュームの押し
出し材からなり、上下一対の平行なプレート載置面２が
形成されると共に、バー材５の内面側の一側面に凸条部
７が形成される。又、他側面はその上下両縁部にフラン
ジ状のストッパ面３が形成される。それと共にストッパ
面３とプレート載置面２との境に小さな溝状のろう溜ま
り溝４が形成される。なお、これら各部はアルミニュー
ム又はその合金材で押し出し成形により一体的に形成さ
れるものである。又アルミニューム以外の材料を用いる
場合には棒材を鋳造等により上記断面形状となるように
形成すればよい。

このようにしてなるバー材５を夫々のプレート1,1間に
第３図に示す如く介装し、プレート１の両側部をバー材
５のプレート載置面２に載置すると共に、その端面をス
トッパ面３に当接する。そしてプレート１とバー材５と
の間で囲まれた偏平な空間にフィン６を介装する。なお
厚み方向の夫々のバー材５は互いに井桁状に組み合わさ
れる。又、プレート１の表面及び裏面には予めろう材が
被覆され、第１図に示すように組立てられた状態で高温
の炉内に挿入される。そしてろう材を溶融させ各部材の
接触部を一体的にろう付け固定するものである。このと
きろう材は確実にろう溜まり溝４に保持され、バー材５
とプレート１との接触部をプレート側面まで液密にろう
付け固定することができる。

次に第６図は本考案の第２実施例でありこの実施例のバ
ー材５はアルミニュームの押し出し成形材からなると共
に、その両端部のみを切削等により削って欠切部８を形
成させる。この欠切部８はそこに筒状のダクトのお開口
端を液密にろう付けするために設けるものである。即
ち、ストッパ面３の存在によりダクトの接続部に凹凸が
生じることを防ぐものである。なお、そのダクトは熱交
換媒体を本熱交換器に誘導するためのものである。

〔考案の効果〕

本考案の積層型熱交換器のバー材は以上のような構成か
らなり、次の効果を有する。

本バー材は、プレート１の端面が位置決めされるストッ
パ面３を有すると共に、ストッパ面３とプレート載置面
２との境に小溝状に形成されたろう溜まり溝４を有する
から、プレート１とバー材５とを一体的にろう付けする
際に、プレート１が水平方向に位置ずれすることをスト
ッパ面３により防止し且つ、ろう材をバー材５のろう溜
まり溝４に保持させてプレート１とバー材５との間を確
実にろう付け固定して液密性を保持することができる。
又ストッパ面３及びろう溜まり溝４の存在によりろう付
けの際にろう材がバー材５外面側に流出することを防止
し、ろう材を確実にろう溜まり溝４に導くことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバー材５を有する熱交換器の要部斜視
略図、第２図は同バー材５の要部斜視略図、第３図は第
１図の熱交換器の分解説明図、第４図は従来型熱交換器
の要部斜視略図、第５図は本考案の第２実施例のバー材
５を用いた熱交換器の要部斜視略図、第６図は同バー材
５の斜視略図。 １…プレート、２…プレート載置面 ３…ストッパ面、４…ろう溜まり溝 ５…バー材、６…フィン ７…凸条部、８…欠切部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面が方形の多数のプレート（１）（１）
   間の両側に夫々接触して介装され、その接触面が液密又
   は気密にろう付け固定される積層型熱交換器のバー材に
   おいて、対向する一対の前記プレート（１）（１）の端
   部を位置させる一対の平行なプレート載置面（２）が外
   周に形成されると共に、一対の該載置面（２）の夫々の
   縁部に突設され、前記プレート（１）の端面が位置決め
   されるストッパ面（３）と、該ストッパ面（３）と前記
   載置面（２）との境に小溝状に形成されたろう溜まり溝
   （４）と、を具備することを特徴とする積層型熱交換器
   のバー材。