JPH0637977A - 画像読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間使用しても光源から照射される紫外線
や赤外線等による影響を受けないで、暗電流成分を読み
取る画像読取装置を提供することを目的とし、更に他の
目的は、スキャン動作を途中で一時停止後の読み取り再
開時にも温度変化の影響を受けずに正確に暗電流成分を
読み取る画像読取装置を提供することを目的とする。 【構成】 原稿台（１）等に載置された原稿（２）を照
明する光源（３）と原稿（２）の照射面からの反射光を
結像する結像手段（４）と結像された反射光を画像情報
として電気信号に変換する光電変換手段（５）を有する
画像読取装置において、反射光の光路中にあって、光電
変換手段（５）の光電変換素子の暗電流成分読み取り時
に、反射光の光路を遮断する遮断手段（６）を有するこ
とを特徴とする画像読取装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、スキャナー、
ファクシミリ等における画像読み取り装置に関するもの
で、詳しくは、反射光を画像情報として電気信号に変換
する光電変換技術の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の画像読取装置は、たとえば図６に
示すような構成になっている。図６において、原稿台１
上に載置された原稿２の読取り面を光源３により光を照
射し、その反射光（矢印）をミラー７及びレンズ８によ
って、光電変換手段５の受光面に導き結像させている。
ここで、光電変換手段５としては一般にＣＣＤ（電荷結
合素子）が使用されるがＣＣＤは光入射がない時でもわ
ずかながら電流（暗電流）が流れる。そこでこの暗電流
成分を除くために、従来は原稿２の読み取り前に原稿台
下面に設けた黒シート９の読み取りをおこなって、出力
補正を行っていた。しかしながら、このような従来の黒
シート９からの反射光を読み取り、ＣＣＤの暗電流成分
を補正する装置にあっては、光源からの可視光に混じっ
て放射される紫外線と赤外線により黒シート９が退色す
るため可視光線の反射を伴い、暗電流成分として得られ
る黒データが実際のものと異なる結果、良好な有効画像
信号が得られず、画像の劣化の原因となっていた。ま
た、フルカラースキャナー等に於いては一般に画像デー
タ量が膨大であるためインターフェースの処理速度がス
キャナーのデータ送出速度に追従できない場合はスキャ
ン動作を途中で一時停止することがあるが、スキャン動
作の停止時間が長いとその間に光電変換手段に温度変化
があると、光電変換手段の出力の暗電流成分は温度依存
性が高いため、スキャン当初の暗電流成分値が変動し、
良好な有効画像信号が得られなくなることも画像の劣化
の原因となっていた。

【０００３】このように従来の画像読取装置では、黒シ
ートを読み取り、ＣＣＤの暗電流成分を読み取る装置に
あっては、光源からの可視光に混じって放射される紫外
線と赤外線による黒シートが退色することにより、暗電
流成分として得られる黒データが実際のものと異なり良
好な有効画像信号が得られなくなり、画像の劣化の原因
となるという問題点があった。更に、スキャン動作を途
中で一時停止している間に、光電変換手段に温度変化が
あると、光電変換手段の出力の暗電流成分は温度依存性
が高いから、暗電流成分が当初の読み取り値と異なり、
良好な有効画像信号が得られなくなり、画像の劣化の原
因となるという問題点があった。

【０００４】

【発明の目的】そこで本発明は、このような問題点を解
決するためになされたものであって、長期間使用しても
光源から照射される紫外線や赤外線等による影響を受け
ないで、暗電流成分を読み取る画像読取装置を提供する
ことを目的とするものである。更に他の目的は、スキャ
ン動作を途中で一時停止後の読み取り再開時にも温度の
影響を受けることなく暗電流成分を正確かつ容易に読み
取ることができる画像読取装置を提供することを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、原稿台等に載置された原稿を照明する光
源と原稿の照射面からの反射光を結像する結像手段と結
像された反射光を画像情報として電気信号に変換する光
電変換手段を有する画像読取装置において、反射光の光
路中にあって、光電変換手段の各光電変換素子（ＣＣ
Ｄ）の暗電流成分読み取り時に、反射光の光路を遮断す
る手段を備えることを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記のように構成された画像読取装置は、反射
光路中の遮断手段を任意の時に開閉動作することによっ
て、暗電流成分を読み取るようにしてあるので、長期間
使用しても、又は、スキャン動作を途中で一時停止後の
読み取り再開時にも暗電流成分の読み取りができるか
ら、良好な暗電流成分が得られ、良好な有効画像信号が
得ることができる。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明の一実施例を示す画像読取り
装置の構成図であり、この例に示す装置は、原稿台１に
載置された原稿２の読み取り面下方に、キャリッジ１０
に搭載された光源３が設けられ、これが副走査方向（図
示の一点破線）に移動しながら上記原稿面を照射する。
スキャン動作を行う縮小光学系の画像読取装置である。
原稿２からの反射光はミラー７とレンズ８によって、図
示の実線矢印方向と破線矢印方向の経路を通過して光電
変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤの受光面に導かれ
る。この実施例の特徴は遮断手段６のシャッターをミラ
ー７とレンズ８との間に設けたことで、原稿の読取り時
はシャッターがスルーになるように光経路から退避し、
暗電流成分の読み取り時には、遮断手段６のシャッター
は上記光路を遮断するようになっている。従ってシャッ
ターの遮断時には反射光は光電変換手段５の光電変換素
子の各ＣＣＤの受光面に導かれないので、この時、光電
変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤは外部からの光を
受光せず正確な暗電流成分が得られる。又、遮断手段６
のシャッターの開閉動作により暗電流成分を読み取るよ
うになっているので、キヤリッジ１０の位置が任意の位
置でシャッター操作を行うことができ、暗電流成分の読
み取りが可能である。従って、スキャン動作の一時停止
後の読み取り再開時にも、シャッターを操作することに
より暗電流成分の読み取りを行えば、キヤリッジ１０の
停止中に生じた光電変換手段５の温度変化による暗電流
成分の変化を含め補正が可能である。

【０００８】図２は暗電流を含む画像読取り信号の出力
波形図の例を示したもので、図２において、光電変換手
段５の光電変換素子の各ＣＣＤ（電荷結合素子）から出
力される画像信号Ｓｎには、ＣＣＤが受光していなくて
も出力される暗電流成分Ｄｎが含まれている。従って、
有効画像信号Ｒｎを得る為に、画像信号Ｓｎより暗電流
成分Ｄｎを除く必要がある他、一般には、各ＣＣＤの暗
電流成分にはバラツキがあるので、これをも補正しなけ
れば高品質の画像複写ができない。

【０００９】図３は、上記各補正のための回路例を示す
図であり、光電変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤ
（電荷結合素子）毎の暗電流成分は、ＡＭＰにより所要
の増幅を受けた後Ａ／Ｄ変換器にてデジタル値に変換さ
れ、黒データメモリ１１へメモリされる。原稿２の読取
時には、ＣＣＤ出力は同様にＡＭＰによって所要の増幅
を受けた後、Ａ／Ｄ変換器にてデジタル値に変換され、
引算器１２において上記黒データメモリ１１から読み出
された黒データと引き算がなされることで、有効画像信
号Ｒｎを得ることが出来る。ここで、Ｓｎ、Ｄｎ、Ｒｎ
の添字ｎは、光電変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤ
の画素アドレスに対応する。即ち、ＤｎとＳｎは同一素
子の出力である。

【００１０】図４は本発明をフルスキャナーに適用する
場合の制御例を説明するための図である。即ち、本発明
が適用される画像読取装置がフルカラースキャナー１３
である場合は、フルカラースキャナー１３がホストコン
ピュータ１４に画像データを送り表示装置１５に表示す
る際、画像データは膨大量であるためインターフェース
の処理速度がスキャナーのデータ送出速度より遅くなる
とスキャン動作を途中で一時停止する時がある。そこ
で、このような場合スキャン動作を途中で一時停止後の
読み取り再開時にも前述のようにシャッターを操作し、
暗電流成分を読み取ると共にその時の暗データを黒デー
タとして黒メモリに記憶すれば、スキャンの一時停止中
に温度変化があったとしてもこの影響を受けることなく
良好な有効画像信号を得ることが出来る。

【００１１】図５は、本発明の他の実施例を示す図であ
って、この例においては移動原稿台１６が、副走査方向
（図示の一点破線）に移動し、移動原稿台１６に載置さ
れた原稿２の読み取り面を、光源３が照射し、スキャン
動作をおこなう等倍光学系の画像読取装置に本発明を適
用した他の実施例である。なお、この場合、原稿２は原
稿台上でなく、給送ローラとガイドにより移送してもよ
い。この例での原稿２からの反射光はレンズ８によっ
て、図示の実線矢印方向と破線矢印方向の経路を通過し
て光電変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤの受光面に
導かれるが、この時も遮断手段６のシャッターは原稿読
取り時にはスルーとし、暗電流成分の読み取り時には、
上記光路を遮断するようになっており、このとき反射光
は光電変換手段５の光電変換素子の各ＣＣＤの受光面に
導かれないので、上述した通り正確な暗電流成分が得ら
れる。又、この例においても遮断手段６のシャッターの
開閉動作により暗電流成分を読み取るようになっている
ので、移動原稿台１６の位置は任意の位置で暗電流成分
の読み取りが可能である。従って、スキャン動作の一時
停止後の読み取り再開時にも、暗電流成分の読み取りが
可能となり、移動原稿台１６の停止中に生じた光電変換
手段５の光電変換素子の各ＣＣＤの温度変化による暗電
流成分の変化を受けなくなる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、反射光
路中の遮断手段６の開閉動作によって暗電流成分を読み
取るように構成したので、褪色する要素がなく、長時間
の使用によって黒レベルが変動することが無く、また任
意のスキャン位置で暗電流を検出できることから、スキ
ャン動作を途中で一時停止後の読み取り再開時にも暗電
流成分を読み取る事ができるので、温度変換による暗電
流値変動をも補正し、正確な暗電流成分が得られ、良好
な有効画像信号が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す画像読取装置の側断面
構成図である。

【図２】本発明の暗電流と画像信号との関係を示す信号
波形図である。

【図３】本発明の一実施例を示す画像読取装置の要部の
回路図である。

【図４】本発明をフルスキャナに適用した場合の制御例
を説明するブロック図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す画像読取装置の側断
面構成図である。

【図６】従来の画像読取装置の側断面構成図である。

【符号の説明】

１・・・原稿台、２・・・原稿、３・・・光源、４・・
・結像手段、５・・・光電変換変換手段（光電変換素
子、ＣＣＤ）、６・・・遮断手段（シャッター）、７・
・・ミラー、８・・・レンズ、９・・・黒シート、１０
・・・キャリッジ、１１・・・黒データメモリー、１２
・・・引算器、１３・・・フルカラースキャナー、１４
・・・ホストコンピュータ、１５・・・表示装置、１６
・・・移動原稿台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿台等に載置された原稿を照明する光
   源と、原稿の照射面からの反射光を結像する結像手段
   と、結像された反射光を画像情報として電気信号に変換
   する光電変換手段とを有する画像読取装置において、反
   射光の光路中にあって光電変換手段の光電変換素子の暗
   電流成分読み取り時に反射光の光路を遮断する遮断手段
   を有することを特徴とする画像読取装置。