JPH0637755Y2 - 洗面台付回転いす兼用トイレ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、主として病人や老人
等の介護を必要とする人が室内で使用する、洗面台付回
転いす兼用トイレに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、病人や老人等の介護を必要とする
人のための室内用トイレが広く使用されている。また、
ベッドに寝た状態で介護者により髪洗いができる洗髪器
も病院等で使用されているし、洗面台及びリクライニン
グシートは種々のものが個別に市販されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記した介護用のトイ
レや洗髪器および市販されているリクライニングシート
は、それぞれ単独のものとして存在しているものであ
り、これを別々に室内に置くと広い場所を占有すること
となって狭い室では無理であり、また使用上も不便であ
るといった問題があった。

【０００４】この考案の目的は、トイレと、リクライニ
ングシート付の回転いすと、このリクライニングシート
に掛けたまま洗髪や洗面・手洗い等のできる洗面台とを
コンパクトに一体化して、上記した問題点を解決できる
洗面台付回転いす兼用トイレを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は、台座上に、
洗面台と回動自在に支持された回転いす兼用トイレを並
設し、該回転いす兼用トイレはリクライニングシートを
備え、該リクライニングシートの座の下に洋式便器を設
けて、上記座を背もたれ側に起こしてトイレとして使用
する構造とするとともに、排泄物カートリッジを出し入
れ可能に設けている、洗面台付回転いす兼用トイレであ
る．

【０００６】

【実施例】

以下この考案を、図面に示す実施例に基づいて詳細説明
する。図１は中央縦断側面を示し、図２は平面、図３は
正面からそれぞれ見た図であって、（１）は台座で、上
面に円形の回転座（２）を形成し、この回転座（２）に
回転いす兼用トイレ（３）を回転自在に支持し、さらに
台座（１）上に回転いす兼用トイレ（３）から少し離れ
た台座（１）の一端に洗面台（４）を取り付けてある。

【０００７】回転座（２）には、主としてスラスト荷重
を受けるベアリング（５）を設けて回転いす兼用トイレ
を回転自在に支持するとともに、内周にインターナルギ
ヤ（６）を設けて、回転いす兼用トイレ（３）に取り付
けた回転モーター（７）に直結したピニオン（８）が噛
み合って、回転モーター（７）の動力により回転いす兼
用トイレ（３）を図２に示すＡ矢印またはＢ矢印方向に
３６０°自由に回転可能で、任意の位置で停止できる。

【０００８】回転いす兼用トイレ（３）は、リクライニ
ングシート（９）と洋式便器（１０）を組み合わせたも
のであって、左右にひじ掛け（１１）（１１）を持つと
ともに、リクライニングシート（９）は座（１２）に対
する背もたれ（１３）の角度を可変にするとともに、座
（１２）と背もたれ（１３）が図１のＣ矢印の如く前後
にスライド可能とし、このリクライニングとスライドの
ための動力としての油圧装置（１４）が、一方のひじ掛
け（１１）に内蔵され、さらに座（１２）は図１に仮想
線で示した如く背もたれ（１３）に沿って起こすことが
でき、こうして座（１２）を起こすと、その下に洋式便
器（１０）の便座（１５）が現れて使用可能状態とな
り、この便座（１５）も図１に仮想線で示す如く、起こ
した背もたれ（１３）に沿って起こすことができる。

【０００９】また、洋式便器（１０）には、排泄後に尻
を洗浄して乾燥させるウォシュレット（１６）が取り付
けられるとともに、不使用時に排泄物を隠すフラッシン
グボウル（１７）が設けてあって、使用時にヘダル（１
８）を踏むことにより図１に仮想線で示す如く下向きに
開いてその下方に置かれている排泄物カートリッジ（１
９）を露出させて排泄物を受け入れるもので、この排泄
物カートリッジ（１９）は一方のひじ掛け（１１）の下
部に設けたカートリッジ取り出し口（２０）から取り出
して排泄物を捨てるものである。この排泄物カートリッ
ジ（１９）には、水分を吸収する水個化紙を使用すると
便利である。

【００１０】（２１）は脱臭装置で、排便時の悪臭を換
気により消すものであり、（２２）は操作パネルで、一
方のひじ掛け（１１）の先端部上面に取り付けられて、
回転いす兼用トイレ（３）の回転と、リクライニングシ
ート（９）の油圧装置（１４）によるリクライニング及
びスライド操作と、ウォシュレット（１６）の操作と、
脱臭装置（２１）の起動停止操作を電気的に行うととも
に、介護者を呼ぶための非常ブザーボタンが設けてあ
る。

【００１１】洗面台（４）には、洗面器（２３）が装着
されていて、不使用時には図１に仮想線で示す如く洗面
台（４）内に収まっており、使用時に実線の状態に、回
転いす兼用トイレ（３）側に回動転出させるもので、こ
の状態でリクライニングシート（９）に腰掛けたままで
背もたれ（１３）に背を当てて後ろ首筋を洗面器（２
３）の前端中央の凹入部（２４）に当てて、介護者に洗
髪してもらうことができる。このとき、頭の位置を洗面
器（２３）に都合よく合わせるために、リクライニング
シート（９）のリクライニング及びスライドを利用して
調節する。

【００１２】また、回転いす兼用トイレ（３）を図１、
図２の状態から１８０°回転させると、リクライニング
シート（９）に腰掛けたままで洗面台（４）に対面して
顔や手を洗ったり口を漱ぐことができる。

【００１３】（２５）は温度調節器付給水せん、（２
６）は引出し式シャワーで、いずれも洗面器（２３）を
図１に実線で示す使用状態にしたときの後端部上方の洗
面台（４）に取り付けてある。

【００１４】（２７）は冷水タンク、（２８）は温水タ
ンクで、洗面台（４）の両側に別れてそれぞれ内蔵さ
れ、温度調節器付給水せん（２５）及び引出し式シャワ
ー（２６）にそれぞれ給水・給湯するもので、必要に応
じて加水する。この温水タンク（２８）には、電熱によ
る加温装置（図示省略）が付設してあって、常に一定の
湯温を維持するようになっている。

【００１５】（２９）は排水タンクで、洗面台（４）の
下部に出し入れ自在に内蔵され、洗面器（２３）からの
排水を受けて溜めるもので、溜まった排水は排水タンク
（２９）を取り出して下水に捨てる。

【００１６】（３０）は収納スペースで、洗面台（４）
の前面側の、使用状態における洗面器（２３）と排水タ
ンク（２９）の間に設けられ、タオル、石けん、シャン
プー、リンス、消臭液、水固化紙（トイレに使用）等が
収納される。

【００１７】なお、上記実施例は望ましいものの１例を
示すものであって、例えば回転いす兼用トイレ（３）の
回転構造等を、実用新案登録請求の範囲から逸脱するこ
となく他の構成とすることを妨げるものではない。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したこの考案に係わる洗面台付
回転いす兼用トイレによれば、室内用のトイレと、リク
ライニングシート付の回転いすと、洗面台の３点が一体
の家具調にコンパクト化されているため、場所の占有面
積が狭くて済み、しかも汚い感じを与えるトイレは回転
いすの内部に収まっているので、使用時以外は眼につく
ことがなく、１つの家具に見えることから違和感がなく
部屋によく調和して、介護を必要とする人及びその介護
者にとって極めて便利かつ有効なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す中央縦断側面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく正面図である。

【図４】同じく斜視図である。

【符号の説明】

１ 台座 ２ 回転座 ３ 回転いす兼用トイレ ４ 洗面台 ９ リクライニングシート １０ 洋式便器 １９ 排泄物カートリッジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 上岡 誠三 広島県高田郡八千代町勝田536番地の28 (72)考案者 竹内 良彰 広島県安芸郡府中町大通３丁目３番６号 (72)考案者 青原 敏治 広島県高田郡八千代町下根2818番地 (72)考案者 石丸 勝三 広島県広島市南区西蟹屋３丁目14番17号

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台座上に、洗面台と回動自在に支持され
   た回転いす兼用トイレを並設し、該回転いす兼用トイレ
   はリクライニングシートを備え、該リクライニングシー
   トの座の下に便器を設けて、上記座を背もたれ側に起こ
   してトイレとして使用する構造とするとともに、排泄物
   カートリッジを出し入れ可能に設けたことを特徴とす
   る、洗面台付回転いす兼用トイレ。