JPH0637630U - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH0637630U
JPH0637630U JP7371992U JP7371992U JPH0637630U JP H0637630 U JPH0637630 U JP H0637630U JP 7371992 U JP7371992 U JP 7371992U JP 7371992 U JP7371992 U JP 7371992U JP H0637630 U JPH0637630 U JP H0637630U
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JP
Japan
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friction plate
plate
friction
flat
power transmission
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Application number
JP7371992U
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English (en)
Inventor
忠之 黒木
邦男 田名網
俊一 栃木
Original Assignee
栃木富士産業株式会社
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平坦な摩擦板と交互配置されるウェーブ状の
摩擦板によるμ−V特性の向上などの効果が長く保たれ
る動力伝達装置の提供を目的とする。 【構成】 この考案の動力伝達装置(1)は交互に配置
された一対のトルク伝達部材に各別に係合した一側と他
側の摩擦板(9,7)と、摩擦板(7,9)を押圧して
締結する締結手段(3,5)とを備え、一側の摩擦板
(9)は両面が平坦であり、他側の摩擦板(7)は周方
向にウェーブ状に形成されていると共に表面硬度が一側
の摩擦板(9)より高いことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8と図10は多板クラッチなどに用いられる内側と外側の摩擦板201,2 03を示している。これらは図9と図11のような平坦なプレートであり、それ ぞれ油溝205,207が設けられているが押圧された状態では油膜切れが生じ 易い。図7は多板クラッチなど回転差ΔN(滑り速度)に対する摩擦板間のμ変 化を示すμ−V特性(μs/μd)のグラフであり、ΔNが0のときμがμs( 静摩擦係数)で、回転差を与えられたときのμがμd(動摩擦係数)である。グ ラフAは摩擦板が平坦な多板クラッチのμ−V特性であり前記のような静止時の 油膜切れによりμsA がμdA より著しく大きく、多板クラッチに大トルクが掛 りμがμsA からμdA に移行するとスティックスリップ(摩擦板の急激な滑り )が生じて振動と異音が発生する。
【0003】 実用公開昭和63−198837号公報に図12と図13のようなウェーブ付 きフリクションプレート209が記載され、特開平4−8928号公報には図1 4のような湿式多板クラッチ用プレート211が記載されている。
【0004】 図12のフリクションプレート209は図13に示すように周方向に凹凸に形 成された厚さがほぼ均一のウェーブ状プレートであり、多板クラッチなどで平坦 なプレートと交互配置されて用いられる。このような多板クラッチでは各プレー ト209の回転により生じる楔効果によって潤滑油がプレート209と平坦なプ レートとの摺動部に充分に供給されて静止状態でも油膜切れが起らない。従って 、図7のグラフBのようにグラフAのμsA に較べてμsB が小さくなりμ−V 特性がほぼフラットになって、スティックスリップが防止される。又、ウェブ状 プレートを用いることにより多板クラッチ開放時の引きずりトルクが小さくなり 、ウェーブのばね機能により多板クラッチを開放する際のトルク切れがよい。
【0005】 図14のプレート211はコアプレート213の両面にフェーシング215が 凹凸に形成されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、図12のような従来のプレート209は平坦なプレートとの摺動摩擦 によってウェーブの頂部217が摩耗してウェーブの効果が低下する。又、図1 4のプレート211も同様にフェーシング215の凸部219が摩耗して平坦な プレート221との静止時の油膜切れ防止効果が不充分である。
【0007】 そこでこの考案は、平坦な摩擦板と交互配置されるウェーブ状の摩擦板による ウェーブの効果が長く保たれる動力伝達装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この考案の動力伝達装置は、交互に配置された一対のトルク伝達部材に各別に 係合した一側と他側の摩擦板と、これらの摩擦板を押圧して、締結する締結手段 とを備え、前記一側の摩擦板は両面が平坦であり、他側の摩擦板は周方向にウェ ーブ状に形成されていると共に表面硬度が一側の摩擦板より高いことを特徴とす る。
【0009】
【作用】
ウェーブ状の摩擦板の表面硬度を平坦な摩擦板の表面硬度より高くしてあるか ら、これらの摩擦板の摺動による摩耗は平坦な摩擦板側で発生しウェーブ状の摩 擦板側の摩耗は少ない。従って、μ−V特性の改善によるスティックスリップの 防止や引きずりトルクの低減などのウェーブの効果が長く保たれる。
【0010】
【実施例】
図1ないし図7により一実施例の説明をする。この実施例の動力伝達装置は図 1に示すように電磁クラッチ1として構成されている。以下符号を附していない 部材などは図示されていない。
【0011】 図1のように電磁クラッチ1は電磁石3(締結手段)とアーマチャ5(締結手 段)とこれらの間に交互配置された摩擦板7,9とを備えている。摩擦板7(他 側の摩擦板)は図2に示すように内側に6個の凸部11を有し、この凸部11に より内側のトルク伝達部材に係合している。又、摩擦板9(一側の摩擦板)は図 4に示すように外側に4個の凸部13を有し、この凸部13により外側のトルク 伝達部材に係合している。各摩擦板7,9は潤滑油により潤滑される。
【0012】 アーマチャ5が電磁石3に吸引されると摩擦板7,9が押圧され電磁クラッチ 1が締結される。アーマチャ5の吸引が停止されると摩擦板7,9の押圧が解除 され電磁クラッチ1が開放される。
【0013】 摩擦板7は図2と図3に示すように周方向にウェーブ状に形成されている。図 2において周方向に等間隔の曲線15は各ウェーブの頂部を示している。このよ うに、摩擦板7はばねの一種であるウェーブリングに類似した形状であり、ばね 機能を備えている。一方、摩擦板9は図5に示すように両面が平坦なプレートで ある。又、摩擦板7の硬度は摩擦板9より高くされている。本実施例においては 、摩擦板7と摩擦板9とは材質として炭素鋼を使用しており、摩擦板7の硬度を HRC40〜60の範囲、摩擦板9の硬度をHRC40以下の範囲として、摩擦 板7の硬度が摩擦板9の硬度の約2倍となるように設定してある。
【0014】 こうして、電磁クラッチ1が構成されている。
【0015】 図6に示すように、摩擦板7,9が例えば矢印17,19の方向に回転すると 摩擦板7のウェーブの楔効果により潤滑油が矢印21のように両摩擦7,9の接 触部23に供給され油膜切れが防止される。従って、図7のグラフBのμsB が 示すように摩擦板7,9間のμsはグラフAのμsA より著しく小さい。トルク 伝達部材間にトルクが掛り摩擦板7,9が滑り始めるとμはμdの領域に入り、 回転差(ΔN)の増大に伴ってμdB はグラフAのμdA と重なり、μsB ≦μ dB となってスティックスリップが防止される。
【0016】 又、摩擦板7のウェーブの撓みにより締結時には摩擦板7,9の接触面積が増 大して大きなトルク容量が得られる。又、開放時にはウェーブのばね機能により 連結解除が促進されてトルクの切れが良いと共に、開放状態ではウェーブの凹凸 によって接触面積が減少し油膜の潤滑効果と相俟って引きずりトルクが小さくな り、動力の損失が軽減する。
【0017】 そして、この考案では、摩擦板7の硬度を摩擦板9の約2倍にしたことによっ て摺動による摩耗は主に平坦な摩擦板9側で生じ、ウェーブ状の摩擦板7側の摩 耗は少ない。従って、ウェーブの形状が保たれ、上記のような楔効果とばね機能 による種々の利点が長期にわたって維持される。
【0018】 なお、この考案において摩擦板の材質は炭素鋼に限られるものではなくカーボ ン材など種々の材質やこれらにフェーシング材を設けたり、表面処理を行ったも のなどを使用して摩擦板に硬度差がでるように形成してあれば良い。又、例えば 一側と他側の摩擦板の材質を変えるなどして摩擦板に硬度差を与えても良い。
【0019】 さらに摩擦板の硬度差は一方側に対して他方側が約2倍となるように設定する ことに限らず摩擦板の押し付け面圧、許容回転数差、材質の組み合せなど多板ク ラッチの締結力に応じて、耐久度合いや動力伝達性を考慮して設定すれば良い。
【0020】 この考案の動力伝達装置は例えば車両の自動変速機、デファレンシャル装置の 差動制限手段、ブレーキなどに適用できる。
【0021】
【考案の効果】
この考案の動力伝達装置は、平坦な摩擦板と交互配置されるウェーブ状の摩擦 板の硬度を平坦な摩擦板より高くしてウェーブの摩耗を防止したから、μ−V特 性の改善によるスティックスリップの防止や引きずりトルクの低減などのウェー ブの効果が長く保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁クラッチとして構成した一実施例を示す周
方向断面図である。
【図2】図1の実施例に用いられた他側摩擦板の正面図
である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1の実施例に用いられた一側摩擦板の正面図
である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】図2と図4の各摩擦板の接触状態を示す周方向
断面図である。
【図7】摩擦板のμ−V特性を示すグラフである。
【図8】従来の摩擦板の正面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】従来の摩擦板の断面図である。
【図11】図10のD−D断面図である。
【図12】従来の摩擦板の正面図である。
【図13】図12のE矢視図である。
【図14】従来の摩擦板の周方向断面図である。
【符号の説明】
1 電磁クラッチ(動力伝達装置) 3 電磁石(締結手段) 5 アーマチャ(締結手段) 7 摩擦板(他側の摩擦板) 9 摩擦板(一側の摩擦板)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交互に配置された一対のトルク伝達部材
    に各別に係合した一側と他側の摩擦板と、これらの摩擦
    板を押圧して、締結する締結手段とを備え、前記一側の
    摩擦板は両面が平坦であり、他側の摩擦板は周方向にウ
    ェーブ状に形成されていると共に表面硬度が一側の摩擦
    板より高いことを特徴とする動力伝達装置。
JP7371992U 1992-10-22 1992-10-22 動力伝達装置 Pending JPH0637630U (ja)

Priority Applications (1)

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JP7371992U JPH0637630U (ja) 1992-10-22 1992-10-22 動力伝達装置

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JP7371992U JPH0637630U (ja) 1992-10-22 1992-10-22 動力伝達装置

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JPH0637630U true JPH0637630U (ja) 1994-05-20

Family

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JP7371992U Pending JPH0637630U (ja) 1992-10-22 1992-10-22 動力伝達装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010048277A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Toyota Motor Corp 摩擦係合装置
JP2016196896A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 株式会社ジェイテクト 摩擦係合装置及び摩擦板
KR101684128B1 (ko) * 2015-06-15 2016-12-07 현대자동차주식회사 벨트 오토 텐셔너

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