JPH0636929A - めっき磁性薄膜およびその製造方法 - Google Patents

めっき磁性薄膜およびその製造方法

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JPH0636929A JP19103492A JP19103492A JPH0636929A JP H0636929 A JPH0636929 A JP H0636929A JP 19103492 A JP19103492 A JP 19103492A JP 19103492 A JP19103492 A JP 19103492A JP H0636929 A JPH0636929 A JP H0636929A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低保磁力、高飽和磁束密度及び高耐食性を有
する磁性薄膜を、量産性に優れた湿式めっき法により実
現する。 【構成】 めっき法により成膜されるCo−Fe−Sn
合金膜においてSnの含有量が8〜25重量%である磁
性薄膜。および間欠電流にて成膜し最大電流密度が3ア
ンペア/dm2以上で、1パルスの通電時間Tonが0.
05〜2秒でかつ通電時間Ton/(通電時間Ton+
停止時間Toff)の比が0.15〜0.5であること
を特徴とするめっき磁性薄膜の製造方法。軟磁気特性が
優れ耐食性も向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式めっき法により成
膜される磁性薄膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜磁気ヘッドや薄膜トランスの磁性薄
膜には、低保磁力、高飽和磁束密度、低磁歪等の優れた
軟磁気特性が要求されると同時に信頼性向上の為に高耐
食性が必要である。
【0003】これらの磁性薄膜は、スパッタ法等の気相
成膜法や電気めっき法等の液相成膜法により形成される
のが一般的であるが、液相めっき法には、大面積の成膜
が容易で、しかも均一性の高い膜がえられ、また工数が
少ないという利点がある。
【0004】特に近年の記録密度の上昇は記録媒体の保
磁力の上昇による部分が大きい。保磁力の大きな記録媒
体に十分に書き込む為には記録ヘッドからより強い磁界
を発生する必要がある。このために従来から広く使用さ
れていたNi−Fe合金(パーマロイ)以上の高飽和磁
束密度材料が求められている。この磁気特性的な要求を
満たす磁性めっき膜としてはCo−Fe合金が挙げられ
る。
【0005】しかし、パーマロイと比較して優れた軟磁
気特性を得る事は困難であった。これはパーマロイの場
合はサッカリンの添加により容易に粒子の微細化が実現
したのに対してCo−Feめっき浴ではサッカリンだけ
では粒子微細化が不十分なためであった。
【0006】Co−Fe合金の磁性化方法としては特願
平3−122515で開示されているように有機添加剤
の複合添加が有効であった。しかし添加剤はめっき成膜
につれ分解するために補充せねばならない。
【0007】磁性化の方法としてスパッタ成膜では多層
化構造が知られている。これは粒子成長を断ち切るため
に磁性層を一定の厚み以下とし中間に他の層を入れる技
術である。めっき法においてもパーマロイにおいてCu
を中間層とするパルスめっきが報告されているが、この
技術の目的は多層化による高周波領域での高特性である
(USP−3480522号)。
【0008】また同様に磁性化が目的でなく高耐食性、
硬度向上等の目的でのパーマロイめっき膜へのSnの添
加が知られている(日本応用磁気学会誌、13号、28
5ページ、1989)。この場合にはSnを積極的に膜
に取り組むこと等を目的に間欠めっきが使用されてい
る。また膜構造は多層構造ではなかった。このようにい
ずれもパーマロイという最初から優れた軟磁気特性を有
する材料にSn添加や間欠めっき方法が適用されてい
た。
【0009】さらに特公昭57−47754にはCoF
e2元合金の間欠めっきにより多層構造が得られる事が
示されている。しかし目的は組成の均一化であり析出電
位の近い2元素の共析であり粒子成長を断ち切り微細化
することは不可能であった。
【0010】また膜中に水素が取り込まれるのを防止し
軟磁気特性の向上をはかるためのCo−Fe−P−Sn
の間欠めっきも知られている(特開平2−7008
5)。この場合には。断面構造写真によると均質膜であ
ることが示されており、また特性が悪いとされる直流電
解での成膜でも透磁率2000以上が得られている。こ
れはPの共析によりアモルファス化しているためであ
る。しかしアモルファス化させるために10at%以上の
Pを共析させる必要がありBsは13kG以下であった。
【0011】このようにSnは磁性薄膜に使用する事は
広く知られていたがいずれもその主目的は磁性化ではな
く、既に磁性化が実現している状態の上での他の特性の
改善に利用されていた。
【0012】また間欠電流によりめっきを行うことも公
知であるが積極的に粒子成長を断ち切る事を検討したも
のは全く見あたらなかった。
【0013】本発明は高Bsのままでの磁性化が困難で
あったCo−Fe合金めっき浴から粒子の成長を抑制し
磁性薄膜を得ることを可能としたものである。
【0014】
【発明が解決しようする課題】本発明はこのような事情
からなされたのもであり,低保磁力,高飽和磁束密度で
かつ高耐食な磁性薄膜を提供することにある。
【0015】
【問題点を解決するための手段】このような目的は、下
記(1)〜(3)の本発明により達成される。
【0016】(1) Co、FeおよびSnを主成分と
し、Snの含有量が8〜25重量%であることを特徴と
する磁性めっき薄膜。
【0017】(2) 層状構造であることを特徴とする
(1)に記載の磁性めっき薄膜。
【0018】(3) 間欠電流にて成膜し最大電流密度
が3アンペア/dm2以上で、1パルスの通電時間Ton
が0.05〜2秒でかつ通電時間Ton/(通電時間T
on+停止時間Toff)の比が0.15〜0.5であ
ることを特徴とするめっき磁性薄膜の製造方法。
【0019】
【作用】本発明の磁性薄膜は湿式めっき法、すなわち電
気めっき法、無電解めっき法及び置換めっき法により形
成され、Co、Feを主成分としSnを含有するもので
ある。
【0020】このような構成により、本発明の磁性薄膜
は、3 Oe以下、特に1 Oe以下の保磁力Hcでかつ耐食
性に優れており、例えば薄膜磁気ヘッドや薄膜トランス
用の磁性薄膜として極めて有用である。
【0021】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0022】本発明の磁性薄膜は湿式めっき法により形
成され、Co、FeおよびSnを主成分とし特に層状構
造を有する。
【0023】Snの含有量は、8〜25重量%、好まし
くは10〜20重量%とする。Snの含有量が前記範囲
未満であると、十分な軟磁気特性の多層膜が得られず、
前記範囲を越えると、飽和磁束密度Bsが低下する。
【0024】Feの含有量は、2〜15重量%、好まし
くは4〜12重量%とする。Feの含有量が前記範囲以
外であると飽和磁歪値がゼロから大きく離れてしまう。
【0025】また、本発明の磁性合金にはC、Cr、C
u、Ru、Au、Pd、Ag、Rh、Mn、S、P、
B、In、Mo、Pb、Re、W、Zn、Zr及びPt
等から選択される1種以上の元素を3重量%未満含有す
ることで高周波特性の向上等も期待される。またこれら
の元素を不純物として微量含有することも特に支障は認
められないので安価な試薬の使用によるコスト低減も可
能である。
【0026】但し、3重量%以上の含有の場合には磁気
特性に悪影響を及ぼしたりBsの低下を招く場合が多い
ので適当ではない。
【0027】本発明の磁性薄膜は、低いHcを有する。
具体的には、Hcとして3 Oe以下、特に1 Oe以下、さ
らには0.5 Oe以下が得られる。
【0028】本発明で好ましく用いるめっき浴には、C
oイオンとFeイオン、Snイオンとを含有する。
【0029】本発明で用いるCoイオン、Feイオン、
Snイオン供給源としては硫酸塩、塩化塩、スルファミ
ン酸塩、酢酸塩、硝酸塩等の水溶性の塩を用いるのが好
ましい。Sn、Co、Feのいずれも、特に2価のイオ
ンが好ましい。Co、Fe、Snイオンは金属をめっき
浴中に浸積させ自然溶解したイオンや陽極として電解に
より溶解したイオンも有効に利用可能である。
【0030】Coイオンの濃度は0.05〜5モル/
l、特に0.1〜1モル/lであることが好ましい。Co
イオンの濃度が前記範囲未満であると析出速度の低下が
著しく、前記範囲を越えるとめっき浴の粘度が上昇し一
般には作業性や微細なレジストパターン内への成膜が困
難となる。
【0031】また、めっき浴中におけるFeイオン濃度
は、0.001〜5モル/lの範囲でより好ましくは
0.01〜1モル/lである。Coイオンとの濃度比が
成膜される膜の組成を決定する大きな要因であるので、
所望の膜組成が得られるように決定すれば良い。
【0032】Feイオンがゼロの場合にはCoSn膜と
なり磁歪は大きな負の値で、Bsも1.0T以下にすぎ
ない。よりFeリッチ組成がより高Bsであることが知
られている。また一般に膜組成でCoに対してFeが4
〜10重量%の範囲でゼロ磁歪となることが知られてい
る。このためFeの添加が不可欠である。
【0033】さらに本発明のSn添加により未添加に比
べFeリッチ組成にて磁歪がゼロとなるためにより高B
s膜が得られる。
【0034】また、Snイオンのめっき浴中の濃度は、
通常0.001〜1モル/lで、より好ましくは0.0
05〜0.1モル/lである。SnはCo、Feと析出
電位がはるかに異なるためにCo、Feと共析させる為
に浴中のSnイオン濃度をCo、Feイオン濃度に比べ
て小量にして拡散律速での析出反応を利用する。
【0035】さらにクエン酸、ふっ化物、アンモニア、
チオ硫酸、ピロリン酸等の添加によりSnイオンを安定
化させ沈澱生成を防止することが必要である。
【0036】また析出電位を変化させてCoFeSn合
金の共析をより容易に図る事も可能である。この錯化剤
としてはマロン酸、酒石酸、コハク酸、グリシン等の有
機酸、硫安、チオ尿素、ナフタレントリスルホン酸塩等
が使用できる。
【0037】浴のpHは2〜5で特に2〜4が好まし
い。上記範囲以下では成膜速度が遅く、前記範囲以上で
は三価鉄の生成が促進され易い。
【0038】析出電位を特に変化させる手法を用いない
場合には、低電流密度でCo、Feの析出電位以下の場
合にはSn膜が成膜され、高電流密度ではCo、Feの
析出電位以上となりCoFeSn合金が得られる。本発
明では電流密度を3アンペア/dm2以上、好ましくは5
アンペア/dm2以上とすることで安定してCoFeSn
合金が得られる。すなわち上記範囲以下ではSn膜ある
いはSnリッチ組成の膜となってしまい所望の組成を得
る事が困難である。
【0039】また間欠電流を用いることで膜を層状構造
とし結晶成長を抑制すると同時に耐食性も向上さすこと
が可能となった。
【0040】間欠電流で成膜する場合、最初は陰極近傍
は浴全体と同じ金属イオン比のため比較的Snリッチ層
が形成される。しかし成膜速度に比較してSnイオンの
拡散速度が遅いために次第に陰極近傍はSnイオンの少
ない組成となる。このためCo−Feに富んだ磁気特性
の優れた層が形成される。この層は次第に結晶粒径が大
きくなる傾向にあるが電流が遮断されると再び陰極近傍
はSnイオンの拡散が進み浴組成と同じになる。ここで
再度電流を流すことでSnリッチ層が形成されその下の
層の成長を断ち切り、また次の層の成長が始まる。
【0041】電流停止時間の間にSnが置換めっきされ
る場合も多く、この場合は純Sn層となり結晶成長の遮
断に特に効果が期待される。
【0042】実際には1パルスの電流通電時間を0.0
5秒から2秒の範囲に設定することで低保磁力、高耐食
性が実現する。通電時間が上記範囲外であると保磁力、
耐食性ともに劣化する。
【0043】上記範囲以下では膜は見かけ上均質膜とな
ってしまう。また上記範囲以上では各層での膜厚方向の
組成分布が大きくなり悪い磁気特性、耐食性の部分が混
入することから好ましくない。
【0044】また通電時間/(通電時間+停止時間)の
比は通常0.15以上0.5以下で、好ましくは0.1
5以上0.45以下である。前記範囲以下であると成膜
速度が遅くかつ置換反応が進行しすぎるために磁気特性
が劣化しやすい。また前記範囲以上では陰極近傍のイオ
ン拡散が不十分で多層構造となりにくい。
【0045】尚、電流通電時間が短い程、同じ浴組成か
らSnリッチ組成膜が得られるので所望の膜組成となる
ように浴組成を調合する。
【0046】僅かな陰極溶解まで行う交流併用型も可能
である。すなわち電圧ゼロと電圧V1、V2等の複数の
電圧を印加することで多層膜構造とすることも可能であ
る。
【0047】めっき浴中には、各種の添加剤、特にサッ
カリン、ナフタレントリスルホン酸塩、またほう酸等の
pH緩衝剤、硫酸アンモニウムや塩化アンモニウム等の
導電塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤等、通
常の電気めっき浴に添加される成分が含有されることが
好ましい。
【0048】また特に軟磁気特性を得るためにはめっき
浴中にアンモニウムイオン特に塩化アンモニウムを含有
していることが好ましい。しかしながらその原因は不明
である。
【0049】本発明の磁性薄膜は目的とする方向に一軸
異方性を付与することが好ましい。
【0050】この方法としては磁場中成膜や成膜後の磁
場中アニールを用いることが出来る。
【0051】磁場中成膜としては一定の直流磁界中で成
膜するのが一般的である。しかし本磁性薄膜では異方性
磁界Hkが大きくなりすぎることが多く、高透磁率を得
るためにはHkの適正化が要求される場合も多い。
【0052】Hkの適正化方法としては直交磁界中成膜
や回転磁界中アニール、あるいは直流磁場中成膜時と直
流磁場中アニール時の磁界方向を面内直交させる等の方
法が有効である。
【0053】直交磁界中成膜の場合には、磁場をコイル
で発生させ交互に電流を印加することで可能である。ま
た永久磁石を用いる場合には陰極を90°回転させるこ
とで可能となる。
【0054】また優れた磁気特性を得るのにめっき浴は
連続フィルタリングにより浴中の微粒子や水酸化物を取
り除くことが必要である。ろ過の程度としてはめっき浴
の容量をVl(リットル)とすると、ろ過流量としてV
×0.1l(リットル)/分以上が望ましい。フィルタ
ーメッシュは用途によるが特に微細なレジストパターン
内へ成膜の場合には0.2μm以下が好ましい。
【0055】陽極は微粒子除去の観点からは不溶解性の
TiPt、フェライト電極が好ましい。しかし、陽極に
おいて酸化反応が起こるのでたとえばイオン交換膜によ
り陰極部と分離することが望ましい。
【0056】また外部から印加する電圧を変化させるの
ではなく、陰極の近傍にスリットや穴のある遮蔽板を置
き、これを移動することでスリット部等により局部的に
電流密度が集中した部分が、他の低電流密度部とは異な
る組成となることでも多層化は実現可能である。
【0057】この場合には局部での電流密度が上記の範
囲に入るように装置設計を行う。現実にその局部の電流
密度を正確に測定することは困難であるが成膜された膜
の特性、構造から間欠めっきとの相対関係は把握可能で
ある。
【0058】本発明のめっき浴の溶媒としては通常の水
のほかに非水系溶媒、たとえばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピレンカーバイドや溶融塩等も使用
可能である。
【0059】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0060】実施例1 コーニング社製,製品番号7059のガラス上にスパッ
タ法によりチタンを50A、さらにパーマロイを500
A成膜した基板を使用した。めっき前処理として1N−
塩酸(常温)に30秒浸積し水洗した後、以下のめっき
条件にて磁性膜を成膜した。
【0061】めっき浴組成(1リットル中) 硫酸Co 0.1〜0.5モル 塩化Co 0.1〜0.5モル 硫酸Fe(II) 0.01〜0.05モル 塩化アンモニウム 0.25モル ほう酸 0.5モル クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 40g サッカリン 2g 塩化Sn 1g〜4g めっき浴温度は25℃、陽極はTiPt電極、めっき浴
のpHは3.8、めっき時間はおおむね2〜5分間と
し、600 Oeの直流磁界を印加しながら表1に示す各
種要因下で電気めっきを行った。
【0062】サンプルの厚さは、0.5μmとした。膜
組成分析は蛍光X線分析装置、ICPを用いた。
【0063】各サンプルに対し、下記の測定を行った。
【0064】(保磁力Hc)交流B−Hトレーサーによ
り60Hzにて測定した。
【0065】(飽和磁束密度Bs)VSMにより測定し
た。
【0066】(自然電極電位)基準電極に銀/塩化銀電
極を用い、常温の0.1N−KCl溶液中で測定した。
【0067】(膜構造)SIMSにより深さ方向の組成
分析を行った(Co、Fe、Sn)。
【0068】
【表1】
【0069】但し、D=電流通電時間/(電流通電時間
+電流遮断時間) (1) 最大電流密度と保磁力の関係:図1に示すよう
に電流密度が高くなるに従い保磁力は低下する。しかし
3アンペア/dm2以上では余り大きな変化はなく安定し
てHc<1Oeが得られた。
【0070】(2) 電流通電時間と保磁力の関係:図
2に示すように通電時間0.05〜2秒でHc<1Oeと
なった。なお直流電解ではHc>100Oeであった。
【0071】(3) 電流通電時間/(電流通電時間+
電流遮断時間)と保磁力の関係:図3に示すように0.
15〜0.5でHc<1Oeが得られた。
【0072】(4)) 浴中Snイオン濃度と膜中Sn
組成、通電時間の関係:図4に示すようにCo、Feイ
オン濃度を一定としSnイオン供給源である塩化Snの
浴への添加量を変化させ、また通電時間を変化させ傾向
を調べた。当然、浴中イオン濃度が大きくなると膜中組
成も増加している。しかしそれ以上に通電時間の影響が
大きく短い通電時間ほどSnリッチとなっていることが
わかる。
【0073】これより任意のSn組成の膜を成膜する条
件が決定される。
【0074】(5) 膜中のSn組成と飽和磁束密度B
sの関係:図5に示すようにSnの増加によりBsは単
調に減少してしまう。Bs>1.3Tの為にはSn<2
5%であることが判明した。
【0075】(6) 電流通電時間と耐食性の関係:図
6に自然電極電位値(E)を代用評価項目とした耐食性
評価の結果を示す。
【0076】ばらつきが大きいが特定範囲で明らかに耐
食性が向上しているのがわかる。
【0077】また低保磁力試料(Hc<1Oe)は組成が
深さ方向で変化している多層膜であることが2次イオン
質量分析法(SIMS:酸素イオン,20kV,120+
検出)から確認された。
【0078】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。すなわち、本発明によれば、低Hcで高
耐食性な磁性薄膜が容易に得られる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、低Hcで高耐食性な磁
性薄膜が容易に得られる。しかもめっき法のために高い
生産性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【1図】 最大電流密度と保磁力の関係を示す図であ
る。
【2図】 電流通電時間と保磁力の関係を示す図であ
る。
【3図】 電流通電時間/(電流通電時間+電流遮断時
間)と保磁力の関係を示す図である。
【4図】 浴中Snイオン濃度と膜中Sn組成、通電時
間の関係を示す図である。
【5図】 膜中のSn組成と飽和磁束密度Bsの関係を
示す図である。
【6図】 電流通電時間と耐食性の関係を示す図であ
る。
【7図】 SIMS分析によるSn強度の深さ方向変化
を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co、FeおよびSnを主成分とし、S
    nの含有量が8〜25重量%であることを特徴とする磁
    性めっき薄膜。
  2. 【請求項2】 層状構造であることを特徴とする請求項
    1に記載の磁性めっき薄膜。
  3. 【請求項3】 間欠電流にて成膜し最大電流密度が3ア
    ンペア/dm2以上で、1パルスの通電時間Tonが0.
    05〜2秒でかつ通電時間Ton/(通電時間Ton+
    停止時間Toff)の比が0.15〜0.5であること
    を特徴とするめっき磁性薄膜の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100345995B1 (ko) * 1997-02-06 2002-07-24 스미토모 도큐슈 긴조쿠 가부시키가이샤 미세한 결정 조직을 갖는 박판 자석의 제조 방법
US6855240B2 (en) 2000-08-09 2005-02-15 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. CoFe alloy film and process of making same
US7101633B2 (en) 2002-03-06 2006-09-05 Tdk Corporation Electroplated magnetic thin film, method of manufacturing the same, electroplating bath and thin film magnetic head
JP2006274346A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Hyogo Prefecture めっき皮膜並びにこのめっき皮膜を形成するためのめっき液およびめっき方法

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