JPH0636797A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH0636797A
JPH0636797A JP4188349A JP18834992A JPH0636797A JP H0636797 A JPH0636797 A JP H0636797A JP 4188349 A JP4188349 A JP 4188349A JP 18834992 A JP18834992 A JP 18834992A JP H0636797 A JPH0636797 A JP H0636797A
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JP
Japan
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lithium
secondary battery
thiuram disulfide
lithium secondary
electrolyte solution
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JP4188349A
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English (en)
Inventor
Masayuki Mishima
雅之 三島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デンドライトを抑制した安全で、充放電サイ
クル特性の優れたリチウム二次電池を得る。 【構成】 リチウムもしくはリチウム合金からなる負極
と、正極と、有機電解質溶液を必須とするリチウム二次
電池において、有機電解質溶液に特定のチウラムジスル
フィド化合物を添加する事により、デンドライトが大幅
に抑制でき、安全であり、かつ充放電サイクル特性に優
れたリチウム二次電池を得る事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム二次電池に関
するものであり、さらに詳しくは安全性、サイクル特性
の優れたリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の著しい発展に伴い、そ
の電源として小型、軽量であり、かつ高電圧、高寿命な
二次電池が要求されている。現在、二次電池としては鉛
電池、ニッケル・カドミウム電池が汎用的に用いられて
いるが、鉛電池の起電力は2.02V、ニッケル・カド
ミウム電池では1.29VでありIC等の起動のために
は複数個を直列にする必要がある。そのため小型、軽量
化は不可能である。近年、これらの点を解決する二次電
池として高電圧、高エネルギー密度を得る事ができるリ
チウム二次電池が注目されている。リチウム二次電池は
主に負極として分子量の小さなリチウム金属、正極とし
てリチウムイオンが充放電により可逆的な化合物、電解
液としてリチウム塩を含む有機溶媒から構成されてい
る。しかしながら、負極にリチウム金属を用いているた
めに、充放電の繰り返しによりリチウム負極上に樹脂状
の電析リチウム(デンドライト)や、苔状(モス)のも
のが析出し、これが脱落し容量低下の原因となったり、
また正極と短絡し大電流が流れ発火の原因となる。また
リチウム金属と溶媒が反応しサイクル寿命の低下を引き
起こす事になる。このようにリチウム二次電池は高電
圧、高エネルギ−密度は期待されるが、その反面、安全
性、サイクル寿命等に大きな問題が残されている。
【0003】上記課題を解決する方法として多くの手段
が提案されている。 1)負極としてリチウム合金を用いる方法。 例えばLi−Al、Li−Al−Mn(米国特許482
0599号公報)、Li−Al−Mg(特開昭57−9
8977号公報)、Li−Al−Sn(特開昭63−6
742号公報) 2)負極としてリチウムイオン、リチウム金属を吸蔵、
放出できる化合物を用いる方法。 例えば非晶質炭素材料(特開平3−122974号公
報、特開平2−284354号公報、特開平2−230
660号公報等)、黒鉛材料(フィジカルレビュ−B、
42巻、6424頁(1990年)、特公昭62−23
433号公報等) 3)リチウム金属に対して安定な溶剤の開発。 例えば、2−メチルテトラヒドロフラン(ジャ−ナル
オブ エレクトロケミカルソサエティ−、128巻、2
493頁(1981年))、4−メチルジオキソラン
(第26回電池討論会講演要旨集、49頁(1985
年)) 4)リチウム金属と反応、分解、またはリチウム金属に
吸着し導電皮膜、保護膜を生成する支持塩、添加剤の開
発。 例えばLiAsF6(ジャ−ナル オブ エレクトロケ
ミカルソサエティ−、126巻、181頁(1979
年))、フラン化合物(特開昭61−230276号公
報、ジャ−ナル オブ パワ−ソ−ス、14巻、179
頁(1985年))、チオフェン化合物(電気化学、5
7巻、523頁(1989年))、クラウンエ−テル化
合物(特開昭57−141878号公報、電気化学、5
3巻628頁(1985年))、ポリエチレングリコ−
ル型ノニオン系界面活性剤(特開平2−12776号公
報)等を挙げる事ができる。以上、多くの方法が提案さ
れてはいるが、満足するものが得られていないのが実状
である 上記の中でも直接的なリチウムと溶媒との接触を避け、
溶媒の分解を防ぎ、さらにリチウムの析出を円滑に行わ
せてデンドライトを抑制する添加剤が有望視されている
が、実用に耐え得るものは得られていない。一方チウラ
ムジスルフィド化合物は、その酸化還元可逆性から軽金
属を負極とした二次電池の液体正極として多くの研究が
なされている。(例えば、ジャ−ナル オブ エレクト
ロケミカルソサエティ−,137巻(4号),1191
頁(1990年)、136巻(3号),661頁(19
89年)、アメリカ特許第4833048号等) しか
しながら、これらは正極としての研究であり、電解液中
に添加してデンドライトを防止し、安全性、サイクル性
改良の手段としては全く用いられてはいなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、デン
ドライト生成を抑制し、かつリチウムによる溶媒の分解
を防ぎ得る安全で高サイクル特性の優れたリチウム二次
電池を提供する事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成すべく鋭意検討した結果、ある特定のチウラムジス
ルフィド化合物を有機電解質溶液に添加する事により、
デンドライトの発生を大幅に抑制でき、さらにサイクル
特性を向上させ得る事を見いだした。
【0006】すなわち本発明は、リチウムもしくはリチ
ウム合金からなる負極と、正極と、有機電解質溶液を必
須とするリチウム二次電池において、有機電解質溶液に
一般式(1)で示されるチウラムジスルフィド化合物を
添加する事により、デンドライト発生が抑制された安全
でサイクル特性の優れたリチウム二次電池を提供するも
のである。 一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1、R2、R3、R4は同一もしくは
相異なって炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6
以上12以下のアリ−ル基、または炭素数7以上13以
下のアラルキル基を表し、R1とR2、および/またはR
3とR4が隣接する窒素原子とともに環を形成してもよ
く、またR1 とR3 がチウラムジスルフィド化合物主骨
格の窒素原子、炭素原子、硫黄原子とともに環を形成し
てもよい。
【0009】本発明に用いられる一般式(1)で示され
るチウラムジスルフィド化合物は市販のものを購入し精
製して用いるか、または任意の方法で合成する事がで
き、例えば二硫化炭素と対応するアミン化合物とを反応
せしめジチオカルバミン酸塩とし、このものを塩素、ま
たは臭素の存在下酸化せしめることにより、一般式
(1)で示されるチウラムジスルフィド化合物を得るこ
とができる。一般式(1)において、R1、R2、R3
4は同一もしくは相異なって炭素数1以上6以下のア
ルキル基、炭素数6以上12以下のアリ−ル基、または
炭素数7以上13以下のアラルキル基を表すが、アルキ
ル基としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−
ヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ
る。アリ−ル基としては例えばフェニル基、ナフチル基
等を挙げることができる。アラルキル基としてはベンジ
ル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。また
1とR2、および/またはR3とR4が隣接する窒素原子
とともに環を形成してもよく、例えば5員環、6員環、
7員環等を挙げることができる。また、R1 とR3 がチ
ウラムジスルフィド化合物主骨格の窒素原子、炭素原
子、硫黄原子とともに環を形成してもよく、例えばアル
キレン基またはフェニレン基を含む8員環、9員環、1
0員環をあげることができ、アルキレン基としては例え
ばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン
基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p
−フェニレン基等をあげることができる。本発明におい
ては、リチウムもしくはリチウム合金からなる負極と、
正極と、有機電解質溶液を必須とするリチウム二次電池
において、有機電解質溶液に上記一般式(1)で示され
るチウラムジスルフィド化合物を添加せしめ、その添加
効果によりデンドライト抑制、およびサイクル寿命の向
上を図ろうとするものであるが、なかでも一般式(1)
においてR1、R2、R3、R4がアルキル基である場合が
好ましく、中でも全てメチル基、またはエチル基である
場合が最も効果的である。
【0010】以下に本発明における一般式(1)で示さ
れるチウラムジスルフィド化合物の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】以下に本発明で用いられるリチウム二次電
池について説明する。本発明に用いられる負極の負極活
物質としてはリチウム金属もしくはリチウム合金が用い
られるが、リチウム合金としてはリチウムイオンを放
出、吸蔵できるものであれば限定される事はなく、たと
えばLi−Al、Li−Al−Mn、Li−Al−M
g、Li−Al−Sn、Li−Al−In、Li−Al
−Cd、Li−Zn、Li−Ga、Li−Ga−In等
を挙げる事ができる。これらは主にそれをシ−ト状にし
導電性基体上に圧着して負極として用いられる。
【0018】本発明に用いられる正極は、少なくとも正
極活物質からなり、必要に応じて導電剤、結合剤等が同
時に用いられる。本発明に用いる事のできる正極活物質
としては、無機化合物、有機化合物のいずれからでも選
ぶ事ができる。無機化合物としては、遷移金属カルコゲ
ナイトまたはそのLi化物が用いられる。遷移金属カル
コゲナイトの具体例としてはMnO2、Mn24、Mn2
3、CoO2、CoxMn1-xy、NixCo1-xy
xMn1-xy 、 FexMn 1-xy、V25、V
38、V613、Cox1-xy、Mo S2、MoO3
TiS2などを挙げる事ができる。(ここでx=0.1
〜0. 85、y=2〜3である。)有機化合物として
は、よく知られたアニオンド−パント型とカチオンド−
パント型のどちらでも好適に用いる事ができる。カチオ
ンド−パント型正極活物質としては、ポリアセン誘導体
(特開昭58−209864号公報)、ハイドロキノン
誘導体や液体正極活物質としてジスルフィド化合物等を
挙げる事ができる。アニオンド−パント型正極活物質と
しては例えば、ポリアニリン誘導体(モレキュラ−クリ
スタル アンド リキッドクリスタル、121巻、17
3頁(1985年))、ポリピロ−ル誘導体(ジャ−ナ
ル オブ ケミカル ソサエティ− ケミカル コミュ
ニケ−ション、854頁(1979年))、ポリチオフ
ェン誘導体(特開昭58−187432号公報)、ポリ
アセン誘導体(特開昭58−209864号公報)ポリ
パラフェニレン誘導体等を挙げる事ができる。また正極
活物質としてリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質
材料を用いる事もできる。炭素質材料としては天然炭素
質材料、人工炭素質材料いずれも好適に用いる事ができ
る。人工炭素質材料は例えば有機高分子化合物、縮合多
環炭化水素化合物、縮合複素環化合物、ピッチ等を原料
とし任意の温度で焼成等により得る事ができる。天然炭
素質材料としては例えば石油系、石炭系のコ−クス、黒
鉛等を挙げる事ができる。炭素質材料は非結晶質材料と
結晶化の進んだ黒鉛とに分ける事ができるがいずれも好
適に用いる事ができる。必要に応じて用いられる結合剤
としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−プ
ロピレン−環状ジエン共重合体等を用いる事ができる。
また必要に応じて用いられる導電剤としてはグラファイ
ト、アセチレンブラック等の炭素材料や酸化チタン等の
無機導電剤等を用いる事ができる。正極を調製するにあ
たってはその方法は特に限定される事はなく、例えば正
極活物質、及び必要に応じて用いられる導電剤、結合剤
を分散、溶解し導電性基体上に塗布、乾燥せしめ正極と
する方法、正極活物質、及び必要に応じて用いられる導
電剤、結合剤をともに混錬し、ペレットやシ−ト状に成
形して正極とする方法等を挙げる事ができる。
【0019】本発明に用いられる有機電解質溶液は、有
機溶媒とそれに溶解した支持塩、および一般式(1)で
示されるチウラムジスルフィド化合物よりなっている。
有機溶媒としては特に限定される事はなく、例えばプ
ロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト、ブチレ
ンカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、γ−ブチロラ
クトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエ−テル、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、
ニトロメタン、エチルモノグライム、スルホラン、3−
メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−プロパンサル
トン、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル等およびこれらの誘導体等の非プロトン性有機溶媒が
好適に用いられ、一種もしくは二種以上のものを混合し
て用いられる。支持塩としては溶媒に溶解し、イオン導
電性を示すリチウム塩であれば特に限定される事はなく
例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6,LiCF3
SO 3、LiAsF6、LiSbF6、LiN(CF3
22、Li210Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチ
ウム塩、LiAlCl4、LiCl、LiBr、Li
I、等を挙げる事ができ、一種もしくは二種以上のもの
を混合して用いる事ができる。本発明においては、該有
機電解質溶液に一般式(1)で示されるチウラムジスル
フィド化合物を添加して用いられる。添加量は電解質溶
液に対して0.01重量%乃至20重量%であり、好ま
しくは0.1重量%乃至5重量%である。これよりも少
ないと添加効果が期待できずデンドライト発生の抑制や
サイクル特性向上は見られない。またこれよりも添加量
が多いと電解質溶液のイオン導電性が悪くなる。 また
本発明においては該有機電解質溶液に公知の他の添加剤
を加える事もできる。他の添加剤としては例えばピリジ
ン、フラン、ピロ−ル等の複素環化合物(特開昭56−
147370号公報、特開昭58−64769号公報、
特開昭61−230276号公報等)、エ−テル化合物
(特開昭57−141878号公報)、アルコール化合
物(特開昭57−63774号公報、特開昭59−13
0073号公報等)窒素含有化合物(特開昭56−84
880号公報、特開昭59−68184号公報等)、四
級アンモニウム塩(特開昭64−30179号公報)、
直鎖、環状アルカン化合物(特開平−213969号公
報等)芳香族炭化水素化合物(特開平2−12779号
公報)等を挙げる事ができる。また、電解液を不燃にす
るために含ハロゲン溶媒、例えば四塩化炭素、三フッ化
塩化エチレンを電解液に含ませる事ができる。
【0020】本発明におけるリチウム二次電池の形状は
コイン、ボタン、シート、シリンダー状いずれの形状も
とる事ができる。例えばコイン型のものについて説明す
ると図1は代表的なコイン電池の断面概略図であり、1
は負極缶、2は負極、3はセパレ−タ−、4は正極、5
は集電体、6は正極缶、7はガスケットを示す。 セパ
レ−タ3としては、イオン透過度が大きく、所定の機械
的強度を持つ、絶縁性の薄膜であるならば特に限定され
る事はなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の
オレフィン系重合体の不織布やガラス繊維等が用いられ
る。 集電体5としては構成された電池において化学変
化を起こさない電子伝導体であれば良い。例えば通常用
いられるステンレス鋼、チタンやニッケルの他に、銅の
ニッケルメッキ体、銅のチタンメッキ体等が用いられ
る。ガスケット7としては、水分透過性、有機溶媒透過
性が小さく、かつ機械強度が大きいものであれば特に限
定される事はなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプロピレン−
ポリエチレン混合体等が用いられる。コイン電池は図1
に示すように各要素材料を重ね合わせ最後にかしめるこ
とにより製造する事ができる。
【0021】以上の如くにして製造される本発明におけ
る一般式(1)で示されるチウラムジスルフィド化合物
を有機電解質溶液に含むリチウム二次電池は、デンドラ
イト生成が抑制され安全であり、かつサイクル特性に優
れたものである。一般式(1)で示されるチウラムジス
ルフィド化合物の添加作用機構は明白ではないが、負極
活物質であるリチウムまたはリチウム合金に特異吸着、
または反応し、その表面エネルギ−を変化させ、リチウ
ムの析出を円滑にしてデンドライトを抑制する。さらに
その吸着膜がリチウムと有機溶媒との直接接触を妨げ、
有機溶媒の分解を防ぎ、サイクル特性が向上するものと
考えられる。
【0022】
【実施例】以下、具体例を挙げ、本発明をさらに詳しく
説明するが発明の主旨を越えない限り、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
【0023】実施例1 正極活物質としてLiCoO280重量%、導電剤とし
てアセチレンブラック10重量%、結合剤としてテフロ
ン10重量%の混合比で混合した正極合剤を150℃で
2時間乾燥させた後、直径15mmのペレットに圧縮成
形し、正極を調製した。負極としては厚さ600μm、
直径16mmに打ち抜いたリチウムディスクを用いた。
有機電解質溶液としてはプロピレンカ−ボネ−トとジメ
トキシエタンの混合溶媒(50/50容量比)に1ML
iBF4の濃度で溶解したものを用い、そこへ化合物番
号(3)で示されるチウラムジスルフィド化合物を1重
量%の濃度で添加した。該有機電解質溶液をセパレ−タ
−としての微孔性ポリプロピレン不織布に含浸させて用
いた。上記、正極、負極、有機電解質溶液、セパレ−タ
−を用いて図1に示したコイン型リチウム二次電池を作
成した。該電池を用いて充放電効率、サイクル特性を測
定した。充放電試験は充電電流密度1mA/cm2、終始
電圧4.2Vまで充電を行い、次に放電電流密度1mA
/cm2、終始電圧3.7Vまで放電を行った。この操作
を繰り返し、充放電効率サイクル特性を評価した。その
結果を図2に示したがこれからわかるように充放電効
率、サイクル特性ともに優れたものであった。
【0024】実施例2 実施例1と同様の方法でコイン型二次電池電池を作成
し、充電電流密度1mA/cm2、終始電圧4.2Vまで
充電を行い、次に放電電流密度1mA/cm2、終始電圧
3.7Vまで放電を行った。この操作を5回繰り返した
後、さらに4.2Vまで充電を行った。該コイン型二次
電池をアルゴン雰囲気下で分解し、充電された負極リチ
ウムを取り出してリチウム表面を観察した。観察方法は
取り出した負極リチウムをアルゴン雰囲気下で乾燥した
テトラヒドロフランで充分に洗浄し、乾燥し、走査型電
子顕微鏡で観察した。その結果デンドライトは全く観察
されず、スポンジ状のリチウム析出状態であった。これ
は、デンドライト状より表面積が小さく安全であり、ま
た脱落することもなかった。
【0025】実施例3〜6 添加剤として化合物番号(3)で示されるチウラムジス
ルフィド化合物の代わりに、それぞれ表1に示したもの
を用いる以外は実施例1と同様の方法でコイン型リチウ
ム二次電池を作成し充放電効率、及びサイクル特性を評
価した。その結果を図2に示したが、いずれも充放電効
率、サイクル特性ともに優れたものであった。
【0026】
【表1】
【0027】実施例7〜10 添加剤として化合物番号(3)で示されるチウラムジス
ルフィド化合物の代わりに、それぞれ表1に示したもの
を用いる以外は実施例2と同様の方法でコイン型リチウ
ム二次電池を作成し充放電を行い、負極リチウムの表面
観察を行った。その結果を表1に示したが、いずれもデ
ンドライトは観察されず、スポンジ状のリチウム析出状
態であった。
【0028】比較例1 実施例1において化合物番号(3)で示されるチウラム
ジスルフィド化合物を1重量%添加するかわりにフラン
1重量%添加する以外は、実施例1と同様の方法でコイ
ン型リチウム二次電池を作成し、充放電効率、及びサイ
クル特性を評価した。その結果を図2に示したが、充放
電効率、サイクル特性ともに実施例1、および実施例3
〜6と比較して劣るものであった。
【0029】比較例2 実施例2において化合物番号(3)で示されるチウラム
ジスルフィド化合物を1重量%添加するかわりにフラン
1重量%添加する以外は、実施例2と同様の方法でコイ
ン型リチウム二次電池を作成し、充放電を行い負極リチ
ウムの表面観察を行った。その結果苔状(モス)リチウ
ムであり、表面積が大きく安全性に問題があるものであ
った。
【0030】比較例3 実施例1において化合物番号(3)で示されるチウラム
ジスルフィド化合物を添加しない以外は、実施例1と同
様の方法でコイン型リチウム二次電池を作成し、充放電
効率、及びサイクル特性を評価した。その結果を図2に
示したが、充放電効率、サイクル特性ともに実施例1、
および実施例3〜6と比較して劣るものであった。
【0031】比較例4 実施例2において化合物番号(3)で示されるチウラム
ジスルフィド化合物を添加しない以外は、実施例2と同
様の方法でコイン型リチウム二次電池を作成し、充放電
を行い負極リチウムの表面観察を行った。その結果デン
ドライトが大量に生成し、表面積が大きく安全性に問題
があるものであった。
【0032】実施例11 正極活物質としてLiCoO2の代わりにV613を、ま
た負極としてリチウムのかわりにリチウム−アルミ合金
を用いる以外は実施例1と同様にしてコイン型リチウム
二次電池を作成した。該電池を用いて充放電効率、サイ
クル特性を測定した。充放電試験は充電電流密度2mA
/cm2、終始電圧3.4Vまで充電を行い、次に放電電
流密度2mA/cm2、終始電圧2.9Vまで放電を行っ
た。この操作を繰り返し、充放電効率、サイクル特性を
評価した。その結果を図3に示したがこれからわかるよ
うに充放電効率、サイクル特性ともに優れたものであっ
た。
【0033】実施例12〜15 添加剤として化合物番号(3)で示されるチウラムジス
ルフィド化合物の代わりに、表2に示したものを用いる
以外は実施例1と同様の方法でコイン型リチウム二次電
池を作成し充放電効率、及びサイクル特性を評価した。
その結果を図3に示したが、いずれも充放電効率、サイ
クル特性ともに優れたものであった。
【0034】
【表2】
【0035】比較例5 実施例11において化合物番号(3)で示されるチウラ
ムジスルフィド化合物を添加しない以外は、実施例1と
同様の方法でコイン型リチウム二次電池を作成し、充放
電効率、及びサイクル特性を評価した。その結果を図3
に示したが、充放電効率、サイクル特性ともに実施例1
1〜15と比較して劣るものであった。
【0036】
【発明の効果】リチウムもしくはリチウム合金からなる
負極と、正極と、有機電解質溶液を必須とするリチウム
二次電池において、有機電解質溶液に一般式(1)で示
されるチウラムジスルフィド化合物を添加することによ
り、その添加効果によりデンドライトが大幅に抑制でき
安全であり、かつ充放電効率、サイクル特性の優れたリ
チウム二次電池を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したコイン型電池の断面図を示し
たものである。
【図2】実施例1、実施例3〜6、比較例1、比較例3
におけるコイン型リチウム二次電池での充放電特性効率
およびサイクル特性を示す図である。
【図3】実施例11〜15、比較例5におけるコイン型
リチウム二次電池電池の充放電効率およびサイクル特性
を示す図である。
【符号の説明】
1 負極缶 2 負極 3 セパレ−タ− 4 正極 5 集電体 6 正極缶 7 ガスケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムもしくはリチウム合金からなる
    負極と、正極と、有機電解質溶液を必須とするリチウム
    二次電池において、有機電解質溶液に一般式(1)で示
    されるチウラムジスルフィド化合物を含むことを特徴と
    するリチウム二次電池。 一般式(1) 【化1】 式中、R1 、R2、R3、R4は同一もしくは相異なって
    炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以
    下のアリ−ル基、または炭素数7以上13以下のアラル
    キル基を表し、R1とR2、および/またはR3とR4が隣
    接する窒素原子とともに環を形成してもよく、またR1
    とR3 がチウラムジスルフィド化合物主骨格の窒素原
    子、炭素原子、硫黄原子とともに環を形成してもよい。
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