JPH06366Y2 - 鋼管ばた用キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンクリート型枠の組み立て等に使用される
鋼管ばた、特に角鋼管の端部を閉塞するためのキャップ
に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 前記のような角鋼管ばたの端部は、内部にコンクリート
等の異物が侵入するのを防止するためにキャップで閉塞
しなければならない。このような目的で使用されるキャ
ップは、前記角鋼管の端部側面が多少内側へ変形してい
ても比較的容易に叩き入れることが出来るように、その
周壁がキャップ底部側程内側に入るように傾斜せしめら
れる。即ち、キャップ底部側程細くなるように台形状に
構成される。

このような従来のキャップでは、当該キャップを内嵌固
定させた角鋼管が積み重ねられている状況に於いて、各
角鋼管をその一端に指先を掛けて水平に引き出す場合、
前記キャップの内側面が前記のように傾斜しているため
に指先が引っ掛かり難く、角鋼管の引き出しを簡単容易
に行うことが出来なかった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し得るキャッ
プを提案するものであって、その特徴は、ばた用角鋼管
の端部内に嵌合可能で周辺に前記角鋼管の端面に当接す
るフランジ部を備えた角形器状のキャップに於いて、そ
の周壁はキャップ底部側程内側に入るように傾斜させる
と共に、当該周壁に於ける四側面部各々に、外側へ突曲
する指掛け用凹溝をキャップ深さ方向に沿って形成し、
各凹溝は、その長さ方向に沿った底部をキャップ深さ方
向と略平行に形成して、キャップ内側からはキャップ底
部側程深くなるように構成した点にある。

（考案の作用） 上記キャップを角鋼管端部内に圧入するときは、周壁の
四側面部各々の指掛け用凹溝の外側面がキャップ深さ方
向と略平行であるために、これ等角凹溝の外側面のみが
角鋼管の内側面に摺接又は圧接する。従って周壁の全面
がキャップ深さ方向と略平行に構成されている場合と比
較して、角鋼管の端部側面が内側へ多少変形していて
も、キャップを当該角鋼管端部内に叩き入れることが容
易である。

このようにキャップが端部に内嵌固定された角鋼管が水
平に積み重ねられている状況に於いて、各角鋼管を水平
（角鋼管長さ方向）に引っ張り出すとき、作業者は指先
を角鋼管端部のキャップ内側に引っ掛けて角鋼管を引き
出すことになるが、このとき指先を、キャップ深さ方向
（角鋼管長さ方向）と略平行な底部を有する前記指掛け
用凹溝内に嵌合させることにより、前記のように傾斜し
ている周壁内面に指先を引っ掛ける場合よりも指先とキ
ャップとの間の摩擦が大きくなり、容易且つ確実に角鋼
管を引っ張りだすことが出来るのである。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

１は金属板をプレス加工して構成された、ばた用角鋼管
２の端部内に嵌合可能な角形の器状キャップであり、開
口部周辺には前記角鋼管２の端面３に当接するフランジ
部４を備え、周壁５は底部６側程内側に入るように傾斜
している。このキャップ１の周壁５に於ける四側面部７
の各々には、周方向二箇所に外側へ突曲する指掛け用凹
溝８がキャップ深さ方向に沿って形成されている。然し
て各凹溝８は、前記フランジ部４側の端部を周壁５と略
面一に構成すると共に、その長さ方向に沿った底部８ａ
をキャップ深さ方向と略平行に形成して、キャップ内側
からはキャップ底部６側程深くなるように構成してい
る。

前記指掛け用凹溝８は、四側面部７の各々に１本づつ形
成することも出来る。又、その底部８ａをキャップ深さ
方向に対し周壁５の傾斜方向と同方向に若干傾斜させて
も良い。

上記のように構成されたキャップ１は、第３図に示すよ
うにばた用角鋼管２内に、フランジ部４が角鋼管端面３
に当接する深さまで適当な工具により叩き入れられるの
であるが、このときキャップ周壁５の内、各指掛け用凹
溝８の外側面のみが各鋼管２の内面９に圧接し、この圧
接部に於ける摩擦力によりキャップ１が角鋼管２の端部
内に固定保持される。

又、上記のようにキャップ１が装着された角鋼管２が水
平に積み重ねられている状況に於いて、角鋼管２を水平
に引っ張りだすとき、作業者は指先をキャップ１の指掛
け用凹溝８内に嵌合させて角鋼管２を容易に引き出すこ
とが出来る。

（考案の効果） 以上のように本考案の鋼管ばた用キャップによれば、従
来のものと同様に傾斜する周壁の一部分に指掛け用凹溝
を形成してあるので、角鋼管の端部側面が多少内側に変
形していても比較的容易に当該角鋼管の端部内にキャッ
プを叩き入れることが出来る。しかも前記指掛け用凹溝
を利用してキャップ内側に指先を確実に引っ掛けること
が出来、水平に積み重ねられている角鋼管を引っ張りだ
す作業が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は正面図、第３図は縦断側面図
である。 １…角形器状のキャップ、２…ばた用角鋼管、３…鋼管
端面、４…フランジ部、５…周壁、６…底部、７…周壁
四側面部、８…指掛け用凹溝、８ａ…凹溝底部、９…角
鋼管内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ばた用角鋼管の端部内に嵌合可能で周辺に
   前記角鋼管の端面に当接するフランジ部を備えた角形器
   状のキャップであって、その周壁はキャップ底部側程内
   側に入るように傾斜させると共に、当該周壁に於ける四
   側面部各々に、外側へ突曲する指掛け用凹溝をキャップ
   深さ方向に沿って形成し、各凹溝は、その長さ方向に沿
   った底部をキャップ深さ方向と略平行に形成して、キャ
   ップ内側からはキャップ底部側程深くなるように構成し
   て成る鋼管ばた用キャップ。