JPH0636545Y2 - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磁気ディスクカートリッジ、より詳しくは、
容器内に磁気ディスクを収納した磁気ディスクカートリ
ッジの該容器の内面における磁気ディスク駆動装置のセ
ンターピンの接触部分の構造に関する。

〔従来の技術〕

磁気ディスクカートリッジは、容器内で磁気ディスクを
回転自在に備えて構成されている。そして上記磁気ディ
スクは中央にハブを有し、該ハブに磁気ディスク駆動装
置のセンターピンの通る開口部が形成されている。従っ
て、磁気ディスクが容器内で回転するときには、上記ピ
ンが上記磁気ディスクの開口部を通り、ピン尖端が容器
内面に接触した状態にある。従って、容器は、ピン尖端
によって損傷を受ける虞れがあるため、該容器の接触部
分が円形等に突起として他の部分よりも突出して形成さ
れている。更に詳述すれば、円形等の接触部分を損傷か
ら保護するために、超高分子量のポリエチレン膜が、接
着剤（両面テープ等）によって接触部分に貼着され保護
層として上記突起を形成している。

即ち、上記保護層は、上述の如く、ポリエチレン膜層と
接着剤層とを有し、更にこれらの層は、接触部分に即し
た円形状に形成されている。従って、該保護層は、ポリ
エチレンシートなどのポリエチレン膜に接着剤を付ける
工程、接着剤を付けたポリエチレン膜を所定形状（円形
状）に打ち抜くなどしてカットする工程、及びカットさ
れたものを上記接触部分に貼着して突起を形成する工程
など複数の工程を経て形成される。

〔考案が解決しようとする課題〕

磁気ディスクカートリッジにおける従来の保護層は、上
述の如く複数の工程を経て形成されるため、その形成に
相当な労力を要するという課題を有していた。

従って、本考案の目的は、磁気ディスク駆動装置のセン
ターピンに対する耐久性、耐摩耗性に優れており、且つ
上記センターピンを受ける容器内面の接触部分の保護構
造が生産性の良い簡単な構造をしている磁気ディスクカ
ートリッジを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案者らは、上記目的を達成すべく、磁気ディスク駆
動装置のセンターピンの接触部分の保護構造について種
々検討した結果、上記センターピンの接触部分に特定の
硬化性樹脂を用いて特定硬度の硬化層を形成することに
より、良好な保護層を容易に形成することができること
を知見した。

本考案は、上記知見に基づいてなされたもので、容器内
に磁気ディスクを回転自在に収納した磁気ディスクカー
トリッジにおいて、上記磁気ディスクのセンターハブの
開口部を通る磁気ディスク駆動装置のセンターピン先端
と接触する上記容器の内面に、紫外線硬化性樹脂の硬化
層が形成され、該硬化層の鉛筆硬度が2H以上であること
を特徴とする磁気ディスクカートリッジを提供するもの
である。

〔実施例〕

以下、第１図乃至第３図に示す実施例に基づいて本考案
を説明する。

図中、第１図は磁気ディスクカートリッジを示す平面
図、第２図は磁気ディスクカートリッジの容器の一方の
内面を示す平面図、第３図は第２図における中心線に沿
う断面図である。

磁気ディスクカートリッジ１は、第１図に示す如く、磁
気ディスク２と、磁気ディスク２を回転自在に収納する
容器３とを備えて構成されている。

而して、上記容器３は、磁気ディスク２を回転自在に収
納する容器本体４を主体に構成され、この容器本体４の
一側縁部、具体的には磁気ディスクカートリッジ１の装
置への挿入方向先端部の近傍中央には、第１図に示す如
く磁気ヘッド（図示せず）が臨む窓4Wが形成され、窓4W
に対して磁気ヘッドを臨ませて内部に収納された磁気デ
ィスク２に再生、記録を行い得るようになされている。

また、容器本体４の上記一側縁部には、矩形で断面コ字
状に折り返して形成されたシャッタ５が摺動可能に嵌装
されている。そして、シャッタ５には、上記窓4Wに対応
する孔5Wが磁気ディスクカートリッジ１の挿入方向に沿
う一方の側縁に偏位して形成され、磁気ディスクカート
リッジ１の不使用時には、上記窓4Wは、孔5Wが該窓4Wの
側方に位置してシャッタ５により被覆され、磁気ディス
クカートリッジ１の内部が保護されるようになされてい
る。

而して、上記容器本体４の内面中央に円形状の突起4A
が、第２図、第３図に示す如く、該容器本体４と一体に
形成されている。該突起4Aには、容器本体４内に収納さ
れる磁気ディスク２のセンターハブ21が対向している。
そして、該センターハブ21の中央に形成された開口部21
Aを通る磁気ディスク駆動装置のセンターピン（図示せ
ず）が接触するように構成されている。

上記突起4Aは、容器本体４内面から0.1〜0.4mmの厚さを
もつように突出形成されていることが好ましく、0.1mm
未満では、後述する紫外線硬化性樹脂を塗布する際の目
印になり難く、0.4mmを超えると磁気ディスク２を回転
自在に収納する上で支障をもたらす虞れがある。

更に、上記突起4Aの表面に紫外線硬化性樹脂の硬化層4B
が形成されている。この硬化層4Bは、上記紫外線硬化性
樹脂を塗布した後、紫外線を数秒〜10秒程度照射するこ
とによって硬化させて形成される。

上記硬化層4Bは、鉛筆硬度が2H以上に形成された層で、
鉛筆硬度が2H未満であると、センターピン尖端の接触に
対する耐久性、耐摩性に劣り好ましくない。

而して、本実施例に用いられる紫外線硬化性樹脂として
は、例えば、ウレタンアクリレート系、シリコーンアク
リレート系、メラミンアクリレート系のもの等が挙げら
れる。該硬化性樹脂を用いた硬化層4Bは、鉛筆硬度が7H
のものとして形成される。

即ち、本実施例の磁気ディスクカートリッジ１において
は、保護層が硬化層4Bのみで、層構造が簡単であるた
め、突起4Aに紫外線硬化性樹脂を塗布した後、紫外線を
数秒〜10秒程度照射するだけで硬化層4Bが形成され、保
護層の形成工程が従来に比較して格段に簡素化し、生産
性が著しく向上する。しかも、上記硬化層4Bは、鉛筆硬
度で2H以上の硬度を有し、保護層として耐久性、耐摩毛
性に優れたものである。

尚、上記実施例では、容器本体４の内面に円形状の突起
4Aを形成したものについてのみ説明したが、本考案は、
上記実施例に限定されず、例えば、突起を円環状に形成
し、その内部に紫外線硬化性樹脂を塗布して硬化層とし
たものであっても良い。

〔考案の効果〕

本考案の磁気ディスクカートリッジは、磁気ディスク駆
動装置のセンターピンに対する耐久性、耐摩耗性に優れ
ており、且つ上記センターピンを受ける容器内面の接触
部分の保護構造が生産性の良い簡単な構造をしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気ディスクカートリッジを示す平面図、第２
図は磁気ディスクカートリッジの容器の一方の内面を示
す平面図、第３図は第２図における中心線に沿う断面図
である。 1;磁気ディスクカートリッジ 2;磁気ディスク、3;容器 4;容器本体、4A;突起 4B;硬化層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器内に磁気ディスクを回転自在に収納し
   た磁気ディスクカートリッジにおいて、上記磁気ディス
   クのセンターハブの開口部を通る磁気ディスク駆動装置
   のセンターピン先端と接触する上記容器の内面に、紫外
   線硬化性樹脂の硬化層が形成され、該硬化層の鉛筆硬度
   が2H以上であることを特徴とする磁気ディスクカートリ
   ッジ。
2. 【請求項２】上記紫外線硬化性樹脂の硬化層を、上記容
   器内面に形成された0.1〜0.4mmの突起に形成したことを
   特徴とする請求項（１）記載の磁気ディスクカートリッ
   ジ。