JPH0636501A - シート材製のビデオテープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易なビデオテープカセットを廉価に供給す
る。 【構成】 紙または合成樹脂等からなるブランクを折り
曲げ、所要部分を結合することにより、ＶＨＳ方式その
他の方式用のビデオテープカセットの規格に適合する大
きさ、構造を有する中空６面体状に形成された本体１を
有する。本体１の内部は、中央部左右に設けられた仕切
り部６により、リールＡ、Ｂをおさめる左右のリール収
容部２、３に区画され、かつその仕切り部６は本体１の
上面板４と下面板５とを結合して強度を高める。本体１
の一側にはテープリーダ部分Ｃを引き出すリード口８が
開口され、上面板４にはリール押えばね１１が設けられ
ていて録画再生の用途に供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＶＨＳ方式或いはその他
の方式用のビデオテープカセットに関し、特にはシート
材の打ち抜き、折り曲げ、接着等の作業で組み立てられ
る簡易なシート材製のビデオテープカセットに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年ビデオテープカセットの普及には目
覚ましいものがあり、単なる録画再生用の用途を越え
て、例えば商品の解説や販売促進用であるとか、イベン
トなどの紹介、挨拶がわりなどといった用途にも多用さ
れるに到っている。

【０００３】しかし、ビデオテープのカセットは型成形
された樹脂製のケースから成り立っており、ＶＨＳやベ
ータ、８ミリ等、方式、規格は相違しても、耐久性の高
いプラスチックケースにテープをおさめた構造という点
では共通している。

【０００４】そのため従来のビデオテープカセットは、
その十分な強度と構造が逆に用途によっては過剰な装
備、性能ということにもなり、不経済かつ無駄といわれ
る原因ともなろう。

【０００５】また従来のビデオテープカセットは、光の
透過率を低くするなどの目的から黒色系統など、極く限
定された色が多く、デザイン的な工夫も加えにくい。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に着
目してなされたもので、その課題とするところは紙また
は樹脂シート材のように廉価な材料を用いて特に簡易な
用途に適した録画再生用のビデオテープカセットを実現
することである。また紙等印刷に適した材料を使用する
ことにより、多様なデザインと色彩がビデオテープカセ
ットに与えられるようにすることも目的の一つである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、シート材からなるブランクを折り曲げ、所要
部分を結合することにより、ＶＨＳ方式その他の方式用
のビデオテープカセットの規格に適合する大きさに形成
された中空６面体状の本体１を有し、２個のリールＡ、
Ｂが回転自由におさめられるリール収容部２、３を形成
して本体内を区画すると同時に、リールＡ、Ｂの各面に
面した本体１の上面板４と下面板５とを結合する仕切り
部６を本体内に設け、リールに巻かれたテープのリーダ
部分Ｃを本体１の所定の側面板７の外側に導くリード口
８を該側面板７の両側に形成し、該側面板７近くの所定
箇所に前記の方式のもののヘッドが進入可能な開口９と
カセット挿入に必要なガイド部１０とを形成し、前記リ
ールＡ、Ｂの一面を押える押え片１１をそのリールＡ、
Ｂの１面に面する本体１の内側に設け、さらにリール周
縁に接して抵抗を与えるブレーキ片１２を本体の所定箇
所に設けるという手段を講じたものである。

【０００８】上記の仕切り部６、押え片１１、ブレーキ
片１２等は本体１を形成するブランクを打ち抜いたとき
に同時に形成し、各部を折り曲げ、接着することにより
組み上がるようにすることができる。この場合、仕切り
片６は本体１の上面板４と下面板５とを結合するので、
中空６面体からなる本体１の強度を高める手段としても
機能する。

【０００９】本発明で使用されるシート材は必要な強度
を発揮するため厚紙に属する紙製シート、同様の目的、
用途に使用可能な合成樹脂製シート材、或いはそれらの
複合材、レジンペーパーなどと称される新材料その他の
素材から選択される。

【００１０】

【実施例】以下図面を参照して説明する。各図にはＶＨ
Ｓ方式のビデオテープカセットとして使用される例が示
されており、各部の寸法、構造は日本工業規格ＪＩＳ５
５８１の定めるところによっている。

【００１１】図１に本発明に係るビデオテープカセット
２０を形成するためのブランク１３が示されている。こ
のブランク１３は、２個のテープリールＡ、Ｂを並列し
ておさめる長さと幅を持った上面板４と下面板５を有
し、それらがリールＡ、Ｂの厚味によって決められた側
面７を間において一体化されており、上面板４と下面板
５の他の３辺にそれぞれ側面板７とほぼ同じ厚みを与え
る背面板１４、１５と、左右面板１６、１７、１８、１
９が一体に設けられた構造を有する。

【００１２】上面板４と下面板５の中央部左右には、側
面板７に近い部位にそれぞれ折り曲げ片２１、２２、２
３、２４が設けられ、かつまたそれより内方のほぼ中央
部に中央折り曲げ片２５、２６が打ち抜きによって形成
されている。

【００１３】折り曲げ片２１、２２と折り曲げ片２３、
２４及び中央折り曲げ片２５、２６とは互いに結合され
て一体化し、中空６面体の中央の柱状部分となって構造
強度を高めている。またこれら折り曲げ片２１、２２、
２３、２４、２５、２６は本体１の内部を左右に仕切
り、それぞれをリール収容部２、３とするための仕切り
部６を構造する。

【００１４】さらに、折り曲げ片２１、２２、２３、２
４の鎖線で示された折り曲げ線Ｌは概ねそれぞれのリー
ル回転方向に沿わせるため傾斜している。これと同様に
中央折り曲げ片２５、２６をおいて本体他側に近い上面
４に設けた、補助折り曲げ片２７、２８の折り曲げ線
Ｌ′もリール回転方向に沿うように傾斜させてある。

【００１５】側面板７はリールＡ、Ｂに巻かれたテープ
のリーダ部分Ｃが外部に引き出されて走行する箇所であ
り、そのためのリード口８が側面板７の左右の所定箇所
にそれぞれ開口されている。このリード口８、８はテー
プが走行方向を変える箇所であるので、リード口縁の内
側に折り返し片３１、３２を設けガイドピンに代わる抵
抗低減手段としている。

【００１６】側面板７の中央には、ヘッド等の進入が可
能な開口９が下面板５にかけての部位に形成されてい
る。このヘッド進入開口９は、折り曲げ片２２、２４の
折り曲げ後形成される空所をも利用している。逆に見る
と、この部分を折り曲げ片２１、２２、２３、２４が囲
むように補強しているのである。

【００１７】側面板７は開口９の左右にもＶＨＳテープ
カセットとして必要な切欠２９、３０を有している。ま
た下面板５のリード口８の近くの所定箇所にもカセット
の誤挿入防止用等、必要な溝３３、３４が形成されてい
る。これらの切欠２９、３０、溝３３、３４はカセット
挿入に必要なガイド部１０を構成する。

【００１８】内部におさめられたリールＡ、Ｂを押える
リールばねは、上面板４の左右にほぼＵ次状の打ち抜き
によって形成された押え片１１が担当する。各押え片１
１は折り線Ｍによって本体内に折り曲げられ、その戻り
弾性によりリールを押える機能を果たす。

【００１９】さらに下面板５の中央外側よりに、リール
Ａ、Ｂの周縁に形成された鋸歯状部Ｄと係合可能なブレ
ーキ片１２がほぼ門形の打ち抜きによって形成されてい
る。このブレーキ片１２はＶＨＳ再生器側の押し上げ部
材により、リールとの結合が解除される。

【００２０】３５、３６は下面板５の左右に開口した、
リール台の受け入れ口を示す。また３７、３８は側面板
７の左右に設けたガイド溝で、前記カセット挿入用のガ
イド部１０の一部である。

【００２１】このように構成されたビデオテープカセッ
ト２０は、それを収納する外函も紙その他のシート材に
より形成することができる。その場合、図１０に示すよ
うにカセット２０から独立した外函３９のほか、カセッ
トのブランク１３を延長してカセット２０を巻くように
形成した延長片４０からなる外函も形成することができ
る。勿論延長片４０は使用時に切除する。このため使用
済みか否かの判断材料にもなる。

【００２２】上記のビデオテープカセット２０の外面及
び外函３９、４０の外面には、それらが紙または他のシ
ート材からなるため自由なデザインが施される。組み立
てにあたっては、背面板１４、１５、左右面板１６、１
７、１８、１９及び折り曲げ片２１、２２、２３、２
４、２５、２６を結合するが、その方法は自由である。
即ち、全面接着か部分接着、さらに樹脂の場合には溶着
等任意の方法を実施することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから次のような効果を奏する。 シート材を折り曲げ、要所を結合して組み立てるた
め、従来のプラスチック製カセットよりも安価に生産す
ることができる。 紙または樹脂シート等からなるため、様々な印刷が可
能であり、そのデザイン次第で商品価値を高められ、従
来の黒色系のカセットより遥かに商品としての魅力が備
わる。 リールばねやブレーキ片その他のビデオテープカセッ
トに必要な一切の構造が１枚の紙などのブランクから形
成できるので製造が容易である。 従来の樹脂成形品に比較すれば脆弱なシート材を、要
所で重ねて結合することにより、必要十分な強度が得ら
れる合理的構造を有するので、成形品ほどの耐久性が要
求されない用途に最適である。 また分解が簡単であるから、用済み後ケースのみ取り
外して焼却でき、かつその場合も紙製であれば無公害処
分が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るビデオテープカセットのブランク
の１例を示す展開図。

【図２】同上のブランクから形成されたビデオテープカ
セットの分解斜視図。

【図３】同上カセットの一部破断平面図。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線断面図。

【図５】図３のＶ−Ｖ線断面図。

【図６】図３のＶＩ−ＶＩ線断面図。

【図７】図３のＶＩＩ−ＶＩＩ線断面図。

【図８】本発明に係るカセットの下面から内部を透視し
た斜視図。

【図９】同上カセットの斜視図。

【図１０】本発明に係るカセットを外函に組み合わせた
斜視図。

【図１１】同上の他の例を示す斜視図。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート材からなるブランクを折り曲げ、
   所要部分を結合することにより、ＶＨＳ方式その他の方
   式用のビデオテープカセットの規格に適合する大きさに
   形成された中空６面体状の本体１を有し、２個のリール
   Ａ、Ｂが回転自由におさめられるリール収容部２、３を
   形成して本体内を区画すると同時に、リールＡ、Ｂの各
   面に面した本体１の上面板４と下面板５とを結合する仕
   切り部６を本体内に設け、リールに巻かれたテープのリ
   ーダ部分Ｃを本体１の所定の側面板７の外側に導くリー
   ド口８を該側面板７の両側に形成し、該側面板７近くの
   所定箇所に前記の方式のもののヘッド等が進入可能な開
   口９とカセット挿入に必要なガイド部１０とを形成し、
   前記リールＡ、Ｂの１面を押える押え片１１をそのリー
   ルＡ、Ｂの１面に面する本体１の内側に設け、さらにリ
   ール周縁に接して抵抗を与えるブレーキ片１２を本体の
   所定箇所に設けたシート材製のビデオテープカセット。
2. 【請求項２】 ブランクは、２個のテープリールＡ、Ｂ
   を並列しておさめることができる長さと幅を持った上面
   板４と、その長辺に連結して設けられ、前記テープリー
   ルＡ、Ｂの厚味みよりやや大きな厚さを本体１に与える
   側面板７と、該側面板７の他の長辺に連続して設けら
   れ、前記上面板４と同じ長さと幅を持った下面板５と、
   前記側面板７とほぼ同じ厚さを本体１に与えるため上面
   板４と下面板５の他の側辺に設けた背面板１４、１５
   と、これらと同じ目的で上面板４と下面板５の左右側辺
   に設けた左右の面板１６、１７、１８、１９とからな
   り、全ての面板４、５、７、１４、１５、１６、１７、
   １８、１９がシート材から打ち抜かれた一体構造を有す
   る請求項第１項記載のシート材製のビデオテープカセッ
   ト。
3. 【請求項３】 上面板４と下面板５は、側面板７に近い
   中央部に折り曲げ時接触可能に打ち抜き形成された左右
   の折り曲げ片２１、２２、２３、２４を有し、これらは
   左右のものが互いに接着一体化され、本体中央部の構造
   材を形成している請求項第１項記載のシート材製のビデ
   オテープカセット。
4. 【請求項４】 リード口８は、テープと接触する縁に、
   接触摩擦を軽減するため内側に曲げられた折り返し片３
   １、３２を有する請求項第１項記載のシート材製のビデ
   オテープカセット。
5. 【請求項５】 押え片１１は、リール収容部２、３に面
   する上面板４の２箇所にほぼＵ字状に打ち抜き形成され
   たものを本体内へ折り曲げることによって形成されてい
   る請求項第１項記載のシート材製のビデオテープカセッ
   ト。