JPH0636479A - ディスクドライブ装置のキャリッジ駆動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリッジの支持部材の構成を簡素化する。 【構成】 ベース５は磁性材料によって構成されてお
り、ベース５には、アクセス方向にガイド溝５aが形成
されている。またキャリッジ１の側面１a及び１bには、
球体17を回動可能に保持する支持プレート14及び支持プ
レート16がそれぞれねじ止めされている。支持プレート
14の球体17は、ガイド溝５a上に載置されている。さら
に支持プレート14，16の下面には、ベース５との間に磁
気的引力を発生する磁石18，19が固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクドライブ装
置あるいは光磁気ディスクドライブ装置等のディスクド
ライブ装置において、情報記録媒体であるディスクにデ
ータを記録再生するための光学ヘッドが搭載されたキャ
リッジをアクセス方向に移動させるキャリッジ駆動機構
に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク装置あるいは光磁気ディスク
ドライブ装置等のディスクドライブ装置においては、デ
ィスクに対して高密度にデータを記録するためにディス
クの記録トラックが非常に密に形成されている。このた
め、光学ヘッドをディスクに対して位置決めするための
位置決め機構には、高い精度が要求される。

【０００３】このように高精度の位置決め制御を実現す
るためには、キャリッジ駆動機構によって光学ヘッドが
搭載されたキャリッジを滑らかに、かつ移動方向以外へ
の運動を規制した状態で支持してアクセス方向に移動さ
せる必要がある。

【０００４】さらにディスクドライブ装置においては、
装置全体の小型化が要求されており、ディスクドライブ
装置を小型化するには、キャリッジ駆動機構を小型化す
ることが重要な課題となる。

【０００５】キャリッジの運動方向を規制し、かつ支持
する機構として、例えば特開平２−278576号公報に示さ
れた情報記録再生装置のキャリッジ支持機構がある。

【０００６】図６及び図７は特開平２−278576号公報に
示されたキャリッジ支持機構の正面図及び底面図であ
る。

【０００７】図においてキャリッジ１の移動方向と平行
に、２本の円筒状ガイドレール２a，２bをベース５に固
定部材12を介して取り付けている。

【０００８】スピンドルモータ10はベース５に取り付け
られ、ディスク11を回転駆動する。キャリッジ１の移動
方向一方の側面１aにはローラ３a，３b，３c，３dをガ
イドレール２aを上下から挟むように斜めに取り付けて
いる。また、キャリッジ１の他の側面１bの中央部には
ローラ３eをガイドレール２bの上面に当接するように取
り付けている。

【０００９】一方、ローラ３eとガイドレール２bを挟ん
だ反対側からガイドレール２bに当接するローラ３fは、
キャリッジ１をガイドレール２a方向へ押しつける押圧
力を発生させるために、キャリッジ１の下側にキャリッ
ジ１の移動方向と直交する方向に延在する板ばね４を介
してキャリッジ１に取り付けている。

【００１０】キャリッジ１の上部には光学ヘッドを搭載
し、この光学ヘッドをディスク11上の任意のトラックに
アクセスするための駆動力発生源としてのボイスコイル
６，７をキャリッジ１の左右に取り付けている。また、
コイル６，７に駆動力を発生させるための磁石８a，８
b、ヨーク９a，９bもベース５に取り付けている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
２−278576号公報のキャリッジ支持機構においては、ガ
イドレール２a，２bを上下から挟むようにローラ３a〜
３fをキャリッジ１に取り付けているため、ローラ３a〜
３fの個数が多くなり、さらに多数のローラ３a〜３fの
組付作業が煩雑である。またローラ３a〜３fにおいて
は、ローラ３a〜３fの軸を滑らかに回動可能に支持する
軸受部材等が必要であるため、構造が複雑となり、かつ
単価に高いという問題がある。またキャリッジ１の左右
に取り付けられているボイスコイル６，７の開口内にヨ
ーク９a，９bを挿入し、かつコイル６，７の側面に磁石
８a，８bを対向させることにより構成されたキャリッジ
１の駆動手段であるリニアモータは、ディスク11の厚さ
方向において薄型化が困難であるという問題がある。

【００１２】本発明の目的は、上記の課題を解決するた
め、キャリッジの支持部材の構成を簡素化し、かつリニ
アモータを小型化したディスクドライブ装置のキャリッ
ジ駆動機構を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】光学ヘッドを搭載したキ
ャリッジと、このキャリッジの移動方向に設けられたガ
イド部材と、このガイド部材上を転動する前記キャリッ
ジに設けられた転動部材とを備え、キャリッジを前記ガ
イド部材に沿って移動させるディスクドライブ装置のキ
ャリッジ駆動機構において、前記ガイド部材をベースシ
ャーシに形成されたガイド溝によって構成し、かつ前記
回動部材を転動可能に保持された球体によって構成し、
しかも前記ベースシャーシを磁性物質によって形成し、
かつベースシャーシに対向させてキャリッジに磁石を設
けたことを特徴とする。さらに前記キャリッジを移動さ
せるリニアモータを、前記ベースシャーシにおいてキャ
リッジの移動方向に配置された磁石と、キャリッジにお
いて前記磁石に対向させて設けたコイルとによって構成
したことを特徴とする。さらに前記球体表面に、低摩擦
物質をコーティングして低摩擦層を形成したことを特徴
とする。

【００１４】

【作用】上記の手段によれば、ガイド溝と球体と磁性材
料のベースシャーシとキャリッジの磁石とによって、キ
ャリッジの移動時の摩擦抵抗が抑制され、かつ移動方向
以外の運動が規制され、しかもキャリッジをベースシャ
ーシに押し付ける磁気的な力が発生する。さらにベース
シャーシの磁石及びキャリッジのコイルによって、リニ
アモータが薄型化される。さらに球体の低摩擦層によっ
て、回動時における摩擦抵抗及び球体の摩耗が抑制され
る。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図１乃至図５において図６及び図７に基づい
て説明した部材に対応する部材については同一符号を付
して説明を省略する。

【００１６】図１は本発明の第１実施例であるキャリッ
ジ駆動機構の斜視図、図２は第１実施例の断面図であ
る。

【００１７】キャリッジ駆動機構は、光ディスクドライ
ブ装置においてキャリッジ１に搭載された光ヘッドの移
動光学系12をディスク11に対するアクセス方向に移動さ
せるためのものであり、移動光学系12は、光ヘッドの固
定光学系13から出射されたレーザビームＬを受光して偏
向及び集光を行う。

【００１８】ベース５は、ＳＰＣＣ(電気亜鉛メッキ鋼
板)等の磁性材料によって形成されており、ベース５に
は、アクセス方向にガイド溝５aが形成され、さらに環
状のヨーク９a及びヨーク９aの内周面に固着された磁石
８aがガイド溝５aに沿って配設されている。

【００１９】キャリッジ１の側面１aには、支持プレー
ト14及び支持アーム15がそれぞれねじ止めされており、
他方の側面１bには、支持プレート16がねじ止めされて
いる。支持アーム15は、環状のコイル６を支持してお
り、コイル６の開口部内にはヨーク９aが挿入され、か
つ側面には磁石８aが対向している。また支持プレート1
4は、２個の球体17をアクセス方向における両端部付近
において回動可能に保持しており、支持プレート14の球
体17は、ガイド溝５a上に載置されている。また支持プ
レート16は、球体17を回動可能に保持しており、支持プ
レート16の球体17は、ベース５における支持プレート16
の対向面に接触している。さらに支持プレート14，16に
おけるベース５の対向面には、板状の磁石18，19が固着
されており、磁石18，19とベース５との間には磁気的引
力が発生し、この引力は、支持プレート14，16を介して
キャリッジ１をベース５に押し付ける力として作用す
る。

【００２０】コイル６，磁石８a及びヨーク９aは、リニ
アモータを構成しており、コイル６に直流の駆動電流を
印加することにより、キャリッジ１がアクセス方向に移
動する駆動力を発生する。またキャリッジ１が球体17を
介してベース５に接触していることにより、ベース５に
対する移動時に球体17が従動回転して摩擦抵抗が抑制さ
れ、さらに支持プレート14の球体17がガイド溝５a上に
載置されていることにより、キャリッジ１のアクセス方
向以外の運動が規制される。

【００２１】以上の結果、コイル６に対する駆動電流印
加時にキャリッジ１が小さな力によって滑らかに移動
し、かつキャリッジ１のアクセス方向以外の運動が規制
される。

【００２２】第１実施例によれば、キャリッジ１をアク
セス方向に移動可能に支持し、かつ運動方向を規制する
構造が単純化でき、かつ構成部材の点数を減少できる。

【００２３】図３は第１実施例におけるガイド溝及び球
体の一例を示す断面図である。

【００２４】ガイド溝５aは、フライス加工及び研削加
工されてベース５に形成され、図３に示すように球体17
に対して面接触させて球体17の局部的な摩耗を抑制する
ため対向面側のエッジ部が面取りされている。

【００２５】球体17は、鋼球17a及び鋼球17aの表面にテ
フロンを焼付コーティングして形成された低摩擦層17b
によって構成されている。

【００２６】低摩擦層17bによって、回動時に球体17と
ガイド溝５a、及び球体17と支持プレート14，16との摩
擦抵抗が抑制されることにより、キャリッジ１のアクセ
ス方向における移動を滑らかにでき、かつ球体17の摩耗
が抑制されるため、長期的にキャリッジ１の移動を滑ら
かな状態に維持できる。

【００２７】図４は本発明の第２実施例の斜視図、図５
は第２実施例の断面図であり、図４及び図５において図
１乃至図３に基づいて説明した部材に対応する部材につ
いては同一符号を付して説明を省略する。

【００２８】ベース５には、複数の板状の磁石28がガイ
ド溝５aに沿って配設され、磁石28は、Ｎ極とＳ極とを
交互に上面とし、かつそれぞれの側面を密着させてい
る。

【００２９】支持アーム15は、磁性材料によって構成さ
れ、磁石28に対向させるようにコイル26を支持してい
る。ここでボイスコイル26の銅線は、磁石28の上面と平
行になるように巻回されており、コイル26及び磁石28は
リニアモータを構成している。ボイスコイル26に駆動電
流を印加することにより、キャリッジ１をアクセス方向
に移動させるための駆動力が発生する。また支持アーム
15が磁性材料で構成されていることにより、支持アーム
15と磁石28との間に磁気的引力が発生し、この引力は、
キャリッジ１をベース５に押し付ける力として作用す
る。

【００３０】支持プレート16の上面端部にはストッパ板
20aが垂設され、さらにベース５にはストッパ板20bが内
設されており、ストッパ板20bは、支持プレート16のス
トッパ板20aの上端面に対向するようにアクセス方向に
延在している。ストッパ板20a，20bによって、例えば装
置本体に衝撃力が加わってキャリッジ１を磁気的引力で
ベース５において所定の位置に保持できなくなった場合
でも、キャリッジ１の離間距離が規制されるため、磁気
的引力によってキャリッジ１を所定の位置に復帰でき
る。

【００３１】またストッパ板20aの外側面には、反射板
であるエンコーダ21が配置されており、ベース５には、
エンコーダ21に対向するようにアクセス方向において所
定間隔で複数のシークセンサ22が内設されている。シー
クセンサ22は、図示を省略した発光素子及び受光素子が
一体に構成されたものであり、対向位置にあるエンコー
ダ21を光学的に検知して検知信号を出力する。この検知
信号によって光ディスクドライブ装置の制御部は、キャ
リッジ１の位置を判断して位置制御を行う。

【００３２】第２実施例によれば、板状の磁石28及び磁
石28に対向するコイル26によって、ディスク11の厚さ方
向において薄いリニアモータが構成されることにより、
キャリッジ駆動機構を小型化することが可能となる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガイド溝と球体と磁性材料のベースシャーシとキャリッ
ジの磁石とによって、キャリッジの移動時の摩擦抵抗が
抑制され、かつ移動方向以外の運動が規制され、しかも
キャリッジをベースシャーシに押し付ける磁気的な力が
発生することにより、キャリッジを所定の方向に移動可
能に支持し、かつ運動方向を規制する構造を単純化で
き、かつ構成部材の点数を減少でき、さらにベースシャ
ーシの磁石及びキャリッジのコイルによって、リニアモ
ータが薄型化されることにより、キャリッジ駆動機構を
小型化することが可能となり、さらに球体の低摩擦層に
よって、回転時における摩擦抵抗及び球体の摩耗が抑制
されることにより、キャリッジの移動を滑らかな状態に
維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例であるキャリッジ駆動機構
の斜視図である。

【図２】第１実施例の断面図である。

【図３】第１実施例におけるガイド溝及び球体の一例を
示す断面図である。

【図４】本発明の第２実施例の斜視図である。

【図５】第２実施例の断面図である。

【図６】特開平２−278576号公報に示されたキャリッジ
支持機構の正面図である。

【図７】特開平２−278576号公報に示されたキャリッジ
支持機構の底面図である。

【符号の説明】

１…キャリッジ、 ５…ベース、 ５a…ガイド溝、 1
4，16…支持プレート、15…支持アーム、 17…球体、
17b…低摩擦層、 18，19…磁石、 26…コイル、 2
8…磁石。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学ヘッドを搭載したキャリッジと、こ
   のキャリッジの移動方向に設けられたガイド部材と、こ
   のガイド部材上を転動する前記キャリッジに設けられた
   転動部材とを備え、キャリッジを前記ガイド部材に沿っ
   て移動させるディスクドライブ装置のキャリッジ駆動機
   構において、前記ガイド部材をベースシャーシに形成さ
   れたガイド溝によって構成し、かつ前記回動部材を転動
   可能に保持された球体によって構成し、しかも前記ベー
   スシャーシを磁性物質によって形成し、かつベースシャ
   ーシに対向させてキャリッジに磁石を設けたことを特徴
   とするディスクドライブ装置のキャリッジ駆動機構。
2. 【請求項２】 前記キャリッジを移動させるリニアモー
   タを、前記ベースシャーシにおいてキャリッジの移動方
   向に配置された磁石と、キャリッジにおいて前記磁石に
   対向させて設けたコイルとによって構成したことを特徴
   とする請求項１記載のディスクドライブ装置のキャリッ
   ジ駆動機構。
3. 【請求項３】 前記球体表面に、低摩擦物質をコーティ
   ングして低摩擦層を形成したことを特徴とする請求項１
   又は請求項２記載のディスクドライブ装置のキャリッジ
   駆動機構。