JPH0636381Y2

JPH0636381Y2 - 分離可能な湯水混合水栓

Info

Publication number: JPH0636381Y2
Application number: JP9470589U
Authority: JP
Inventors: 修荒木
Original assignee: 株式会社イナックス
Priority date: 1989-08-10
Filing date: 1989-08-10
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2004-08-10
Also published as: JPH0333279U

Description

【考案の詳細な説明】「考案の目的」（産業上の利用分野）本考案は、吐出湯に対する温度調節や流量調節用の調節
ハンドルを、水栓本体に対して分離可能なものとし、分
離した調節ハンドル体を所望の箇所へ取り付けることが
できるようにした湯水混合水栓に関するものである。

（従来の湯水混合水栓）第３図は、従来の代表的な湯水混合水栓１を示す正面断
面図である。該湯水混合水栓１は、温度調節ハンドル2,
温度制御部3,湯水混合室4,流量調節部5a,流量調節ハン
ドル５のそれぞれが横一軸状に配置されて成るものであ
った。そして、該湯水混合水栓１では、水栓本体1aの内
周面に凹設された湯供給路1bからの湯と水供給路1cから
の水とを、感温伸縮体７を駆動源とする摺動弁体８の摺
動によって相対的に流入調節し、湯水混合室４内で所定
温度の湯とした後、該湯を、前記流量調節部5aを介して
吐出管６へと送り出すようになっていた。

ところで、最近、第４図に示す如き自動水栓10が開発さ
れている。該自動水栓10は、洗面器９の上面部に設置さ
れた吐出用栓体11へ向かって手を差し出すだけで自動的
に湯が吐出し、所定時間の経過後又は手を吐出用栓体11
から引っ込めることによって湯の吐出が自動的に停止す
るようになっていた。この種自動水栓10においては、雰
囲気温度の変化などに影響されることなく、いつでも吐
出湯の温度が所定範囲内に保たれるようにしておく必要
があった。そこで従来は、別所配置になる給湯器や温水
器を備えたものを除き、その温度調節機構として、前記
した如き温水混合水栓１を利用することがあった。この
場合、該湯水混合水栓１は、洗面器９の下方部に配置さ
れるようになっており、また、自動水栓10の機能として
は不要である流量調節部5aや流量調節ハンドル５（第３
図参照）などを取り外して、その部分を閉塞すると共
に、湯水混合室４から吐出管６へ至る流路を、電磁弁や
電動弁（図示省略）の内蔵されたボックス12へ接続する
ようにしてあった。なお、第４図中の湯水混合水栓１
は、温度調節ハンドル２が水栓本体1aの右端側に設けら
れるようになったもの（第３図に示したものとは配置関
係が反対であるもの）を示してある。また、前記ボック
ス12に内蔵された電磁弁や電動弁は、吐出用栓体11の先
端部に設けられたセンサー13より送信される信号に応じ
て動作するようになっていた。

（考案が解決しようとする課題）上記した如く、湯水混合水栓１は、洗面器９の下方部に
配置されていたが、該洗面器９の下方部は薄暗くなって
いるのが普通であるから、温度調節ハンドル２の回動度
合を示す目盛は読み取りにくく、その調節度合の確認が
しずらかった。また、このように設定温度を調節する場
合には、いちいち、かがみ込むような姿勢をとって温度
調節ハンドル２を操作しなければならず、また、それに
加えて、吐出湯の温度を手で測りながらの微調節は極め
て困難であった。こうしたことから、吐出湯の温度調節
を洗面器９の上面側で行えるようにしたいとの要請が高
くなっていたが、この要請に応えるためには、温度調節
ハンドル２として独立したもの、及び湯水混合水栓の水
栓本体1aとして温度調節ハンドル２を備えない特殊なも
のを各別に製造しておく必要があった。そのため、自動
水栓10の温度調節機構として、第３図に示した如き一般
的な湯水混合水栓１を利用することはできなくなるか
ら、その製造に係るコストが高騰化し、また、販売店サ
イドでの製品管理が面倒になるなど、この種要請には簡
単に応じられなかったのが実情である。

本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、吐出湯に対する温度調節又は流量調節用の調節ハン
ドルを水栓本体から分離できるようにすることで、この
分離された調節ハンドル体を水栓本体に結合すること
も、或いは洗面器やカウンターなどの上面部へ配置する
こともできるようにし、もって、湯水混合水栓に係る製
造コストの高騰化を防止したうえで、自動水栓などにお
ける吐出湯の温度調節や流量調節が簡単に行えるように
した、分離可能な湯水混合水栓（以下、本案水栓とい
う）を提供することを目的とする。

「考案の構成」（課題を解決するための手段）本案水栓の要旨とするところは、吐出湯に対する温度制
御部や流量調節部などの調節機構部と、該調節機構部を
内蔵しその操作入力端に対応する部分に開放端が形成さ
れた水栓本体と、前記調節機構部の操作入力端へ直接的
又は間接的に接続される調節ハンドル体とより成り、該
調節ハンドル体には操作部の根本部分に洗面器やカウン
ターなどの上面部肉厚より長い首部が設けられていると
共に該首部の外周面には外螺子が刻設されており、前記
水栓本体の開放端には調節ハンドル体の外螺子又は首部
の内周面に刻設される内螺子と螺合可能な取付螺子部が
設けられている点にある。

（作用）洗面器やカウンターなどの上面部に取付孔を穿設し、該
取付孔に対して調節ハンドル体の首部を挿入すれば、該
首部は、その外周面に刻設された外螺子の部分が、洗面
器やカウンターなどの上面部裏面側へ突き出るようにな
る。そのため、該首部の外螺子部分へナットなどを螺合
することによって、該調節ハンドル体を洗面器やカウン
ターなどの上面部へ取り付けることができる。また、該
調節ハンドル体は、その首部が、水栓本体の開放端に設
けられた取付螺子部に対しても螺着できるようになって
いる。

（実施例）以下、本考案を、その実施例を示す図面に基づいて説明
すると次の通りである。

第１図及び第２図は、いずれも本案水栓を示す正面断面
図であって、第１図は、調節ハンドル体16を水栓本体15
の一端側（図面では左端側）に結合させた状況であり、
第２図は、調節ハンドル体16を洗面器９（第４図参照）
などの上面部へ取り付けた状況である。これらの図によ
って明らかな如く、調節ハンドル体16は、水栓本体15に
対して結合することも分離することもできるようになっ
ている。そのため、本案水栓は、第１図の結合状態で浴
室，キッチン，洗面所などへ設置してそれ単独で使用す
ることもできるし、また、第２図の分離状態で自動水栓
（第４図参照）用の温度調節機構として利用することも
できるようになっている。

まず、第２図に基づいて、調節ハンドル体16及び水栓本
体15のそれぞれを説明する。

前記調節ハンドル体16は、レバー部16aを回動可能に保
持するようになった操作部25に対して、その根本部分に
首部26が設けられている。該首部26は、洗面器９の上面
部肉厚よりも３倍程度長く形成されており、その外周面
には外螺子26aが刻設されている。そのため、洗面器９
の上面部に取付孔を穿設して、該取付孔内へ調節ハンド
ル体16の首部26を挿入させれば、前記外螺子26aの刻設
領域は、洗面器９の上面部裏面側へ突き出すようにな
る。従って、洗面器９の上面部裏面側において、調節ハ
ンドル体16の首部26へ円錐パッキン27や座金21を挿通
し、ナット28を螺合すれば、該調節ハンドル体16は、洗
面器９の上面部に対して固定されることとなる。ところ
で、該調節ハンドル体16の首部26内には、動作変換器18
が収納されている。該動作変換器18は、前記レバー部16
aの回動軸19に対して外嵌状に螺合されたソケット部20
が、首部26の内周面に対して回転不能の状態を保持でき
るように嵌め込まれて成る。従って、レバー部16aを回
動させた場合は、ソケット部20も回動軸19に連れて回動
しようとするが、該ソケット部20は、首部26の内周面で
その回動を阻止されるので軸方向への直接的な摺動を起
こすようになる。そして、該動作変換器18のソケット部
20には、その下端側に操作ケーブル17の入力端17aが接
続されるようになっている。

一方、前記水栓本体15には、その内部に温度制御部３が
収納されており、該温度制御部３の外周面を囲繞する如
く、湯水混合室4,湯供給路15b及び水供給路15cが設けら
れている。なお、上記温度制御部３には、その一方端
（図中左端側）に感温伸縮体７（第３図参照）のピスト
ン部7aが突出しているものであるが、前記水栓本体15に
は、このピストン部7aと対応する端部に開放端15aが形
成されるようになっている。そして、該開放端15aに
は、ハウジング29を介して摺動制限体22が取り付けられ
ている。該摺動制限体22は、前記ハウジング29の内部で
その出入方向への位置付けを変更できるようになってお
り、前記感温伸縮体７のピストン部7aに対しては、常
に、当接関係を保持するものであった。すなわち、ハウ
ジング29内で摺動制限体22を外方寄りへ位置付けたとき
は、感温伸縮体７においてピストン部7aの進退する領域
が広くなる。そのため、第３図に示した如く、感温伸縮
体７により摺動される摺動弁体８は、湯供給路1b（第２
図では符号15b）よりも水供給路1c（同15c）の開度を大
きくした状態を長く継続させるようになり、結果として
吐出湯の温度は低下する。これとは反対に、ハウジング
29内で摺動制限体22を内方寄りへ位置付けたときは、感
温伸縮体７におけるピストン部7aの進退領域が狭くな
り、吐出湯の温度は高くなる。このように、前記摺動制
限体22は、ハウジング29及び感温伸縮体７のピストン部
7aとの関連において、水栓本体15に対する温度調節機構
部30を成す。そして、この温度調節機構部30において、
ハウジング29内から水栓本体15の外方側へ向かって突出
した摺動制限体22の端部が、その操作入力端30aを成す
ものである。本実施例では、この操作入力端30aに対し
て、前記した操作ケーブル17の出力端17bを接続するよ
うにした。そのため、前記調節ハンドル体16のレバー部
16aを回動させると、水栓本体15の温度調節機構部30で
は、その摺動制限体22がハウジング29内で出入方向へ摺
動するようになり、吐出湯の温度調節が行われるように
なる。

ところで、前記調節ハンドル体16には、首部26の内周面
に内螺子26bが刻設されている。また、前記水栓本体15
には、その開放端15aに取り付けられたハウジング29の
外周面に、前記調節ハンドル体16の内螺子26bに対応す
る取付螺子部29aが設けられている。そのため、調節ハ
ンドル体16を洗面器９の上面部から取り外し、また、調
節ハンドル体16及び水栓本体15の双方から操作ケーブル
17を取り外せば、これら両者を、前記内螺子26bと取付
螺子部29aとによって結合させることができる。この状
態を示したものが、前記第１図である。この第１図に示
す如く、調節ハンドル体16と水栓本体15とを結合させる
場合には、調節ハンドル体16における動作変換器18のソ
ケット部20と、水栓本体15における温度調節機構部30の
摺動制限体22とを直接的に接続するようにしてある。

（別態様の検討）上記実施例にあっては、調節ハンドル体16内に動作変換
器18を収納するようにしたが、該動作変換器18は、水栓
本体15内へ収納するようにしてもよい。また、前記調節
ハンドル体16は、吐出湯の温度調節をするものに限ら
ず、流量調節をするものとして適用してもよい。更に、
上記実施例において、調節ハンドル体16と水栓本体15と
を結合するにあたり、調節ハンドル体16側を内螺子26b
とし、水栓本体15側を外螺子（29a）とした。しかし、
これに限らず、水栓本体15の開放端15aを延設してその
内周面に内螺子を刻設させておけば、この内螺子に対し
て、調節ハンドル体16における首部26の外螺子26aを螺
合させるようにすることもできる。このように、本案水
栓の構成及び形状は、実施の態様に応じて適宜変更可能
である。

「考案の効果」以上の説明で明らかなように、本考案に係る分離可能な
湯水混合水栓によれば、水栓本体に対する調節ハンドル
体の結合又は分離が、設置場所の諸条件に応じて適宜に
行えるようになっている。そのため、浴室，キッチン，
洗面所などで用いる態様のものとは別に、わざわざ自動
水栓専用の態様のものを製造しておくような必要はな
い。また、販売店サイドでの製品管理も容易となる。更
に、調節ハンドル体や水栓本体は、それぞれが別体のも
のとして組み立てられるものであるから、構造の複雑
化，組立作業の煩雑化が解消される等、幾多の優れた利
点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案水栓において調節ハンドル体と水栓本体と
を結合した状態を示す正面断面図、第２図は本案水栓に
おいて調節ハンドル体と水栓本体とを分離した状態を示
す正面断面図、第３図は従来の代表的な湯水混合水栓を
示す正面断面図、第４図は従来の湯水混合水栓を用いた
自動水栓の取付状況を示す正面図である。３……温度制御部、９……洗面器 15……水栓本体、15a……開放端 16……調節ハンドル体、25……操作部 26……首部、26a……外螺子 26b……内螺子、30……温度調節機構部 30a……操作入力端、29a……取付螺子部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吐出湯に対する温度制御部や流量調節部な
どの調節機構部と、該調節機構部を内蔵しその操作入力
端に対応する部分に開放端が形成された水栓本体と、前
記調節機構部の操作入力端へ直接的又は間接的に接続さ
れる調節ハンドル体とより成り、該調節ハンドル体には
操作部の根本部分に洗面器やカウンターなどの上面部肉
厚より長い首部が設けられていると共に該首部の外周面
には外螺子が刻設されており、前記水栓本体の開放端に
は調節ハンドル体の外螺子又は首部の内周面に刻設され
る内螺子と螺合可能な取付螺子部が設けられていること
を特徴とする分離可能な湯水混合水栓。