JPH0636176B2 - プリント基板の部品配置決定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプリント基板の部品配置決定方法に係り、特
に、電子部品自動搭載機を使用して組立てる際の自動搭
載率を向上させるのに好適な部品配置決定方法に関す
る。

〔従来の技術〕

プリント基板上にIC，抵抗，キャパンタ等の電子部品を
配置する際、従来は特公昭56-42005号公報に記載されて
いるように、部品同士の接触や干渉を排するために部品
の大きさを考慮し、その他には部品の電気的な特性や総
配線長を考慮して部品配置位置を決定していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の部品配置決定方法で決定された部品を、その挿入
順序に従って電子部品自動挿入機を使用してプリント基
板上に組立てる場合、自動挿入ができない部品が出てき
てしまい、後で手作業により当該部品をプリント基板に
挿着しなければならないという事態が生じることがあ
る。

本発明の目的は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされ
たもので、プリント基板への部品自動挿入率を高くする
部品配置決定方法を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した従来方法において部品を自動挿入できないとい
う事態は、自動挿入時に部品を把持する部品把持ヘッド
が既挿着部品に干渉してしまうことによる。そこで、上
記目的は、基板上の初期部品配置状態において、部品領
域と挿入機の部品把持ヘッドの作業スペースとの干渉状
態を調べる部品配置評価を行ない、その結果、これらが
干渉し合っている場合には、その干渉状態をグラフィッ
クディスプレイ上に表示し、それを見ながら対話形で部
品配置を修正することにより、達成できる。

〔作用〕

自動挿入前に事前に部品把持ヘッドと既挿着部品との干
渉状態を考慮して部品配置、挿入順序を決定するため、
自動挿入中に自動挿入ができなくなるということがなく
なる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。本
実施例では、インサータ等の部品自動挿入機の例で説明
する。

第１図は、本発明方法の処理の一例を表示したグラフィ
ックディスプレイ装置の外観図であり、ディスプレイ画
面の上段に部品配置状態の側面図を、下段に上面図を表
示している。表示画面中の11,12,13は電子部品であり、
14は部品把持ヘッドの作業スペースを示している。この
表示画面は、部品12を自動挿入するのに必要な挿入機の
部品把持ヘッドの作業スペース14と、既に挿入されてい
る部品11,13の領域とが重なり、部品12は挿入不可能で
あるということを示している。このように、部品と挿入
機把持ヘッドの作業スペースとの重なりが発生した時、
それらは干渉し合っているという。

第２図は部品配置決定装置の構成図である。21は組立情
報、部品情報、挿入部品の形状、及び、挿入機の部品把
持ヘッドの形状に関するデータを格納（記憶）するため
の磁気ディスク装置、22は挿入部品の形状と挿入機の部
品把持ヘッドの形状及び位置から干渉状態を演算処理す
る処理装置、23はプリント基板上に配置された部品状態
や処理結果に基づき、第１図に示すような干渉状態を表
示するグラフィックディスプレイ装置である。

処理装置22は、ある部品を挿入する際に、挿入機の部品
把持ヘッドが必要とする領域（作業スペース）と部品が
存在する領域（部品領域）との夫々の簡単な形状図形
（矩形，円，或いは円柱等）を求め、これらの重なりを
調べることによって、干渉のチェックを行なう。

第３図は本発明の一実施例に係る部品配置決定方法の処
理手順を示す説明図である。

最初にプリント基板の設計者は、部品形状と回路情報を
もとに、どの部品をどの位置に配置するかの初期配置設
定を行ない、ディスプレイ上に表示する（ステップ
１）。ステップ１の表示を見て部品配置状態に異常がな
ければ、部品配置評価を行なう（ステップ２）。これ
は、処理装置22において、部品領域と挿入機部品把持ヘ
ッドの作業スペースとの干渉を自動的に調べることによ
り行なう。そして、ステップ３において干渉し合ってい
る部品があるかどうかを判定し、どのような挿入順序を
選んでも干渉し合う部品が存在すれば、ステップ４に示
すように、その干渉している部分をグラフィックディス
プレイ上に表示し、その干渉状態を見る。

次に、その表示を見ながら、設計者は、干渉が回避され
るように部品の配置を対話形で修正する（ステップ
５）。その修正の結果が正しいかどうかをチェックする
ために、ステップ２にもどり、再び同様の処理を行な
う。このような処理を繰り返し行なうことによって、グ
ラフィックディスプレイを介して挿入機の部品把持ヘッ
ドの作業スペースと部品領域との関係を画面で確認しな
がら、短時間で干渉のない部品配置を対話形式で決定す
る。しかして、自動挿入できる部品の数を増加させるこ
とができる。

次に、ステップ３の処理において、すべての部品が自動
挿入することができると判断した場合、ステップ６の処
理へ続く。これは、部品を挿入する挿入機の種類と、ま
た、干渉チェック処理で発生した部品間の挿入順序の制
約を満し、全部品の挿入時間が最短になるように挿入順
序を決定するものである。

この様に本実施例では、プリント基板を設計する際に、
基板を組み立てる時に問題となる部品領域と挿入機の部
品把持ヘッドの作業スペースとの干渉が発生しないよう
な部品配置を、グラフィックディスプレイ上に表示され
た図形を見ながら対話形で短時間で決定する。これによ
って、プリント基板上に自動挿入率の高い部品配置を決
定することができる。

尚、部品配置を決定した時に生じる部品間の制約条件を
満すように、部品の挿入機械や最短挿入順序を決定する
ことによって、プリント基板の組み立て作業時間を減少
させることも可能である。尚、本実施例では、インサー
タ等の部品自動挿入機の例により説明したが、チップマ
ウンタ等を含む部品自動搭載機において、同様に実施可
能であることはいうまでもない。

〔発明の効果〕

本発明によれば、部品の自動挿入率が向上し、作業工数
が低減するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一処理例を画面上に表示したグラフィ
ックディスプレイ装置の外観図、第２図は部品配置決定
装置の構成図、第３図は本発明の一実施例に係る部品配
置決定処理手順の説明図である。 11,12,13……部品 14……挿入機の部品把持ヘッドの作業スペース 21……磁気ディスク装置 22……処理装置 23……グラフィックディスプレイ装置

フロントページの続き (72)発明者 高橋 志乃 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 情報処理 Ｖｏｌ．25 Ｎｏ．４ （1984）ＰＰ．355〜363

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板に搭載する部品の配置を決定
   する方法において、 搭載機の部品把持ヘッドの形状データ、搭載部品の形状
   データ、基板の形状データ、および搭載部品の初期配置
   データを入力し、 ディスプレイ上に部品配置を表示して初期配置を確認
   し、 部品領域と搭載機の部品把持ヘッドの作業スペースとの
   干渉を調べ、もし干渉がある場合には、その干渉を回避
   する部品の搭載順序を調べ、 もし回避が不可能な干渉があれば、該干渉している部分
   をディスプレイ上に表示し、設計者に部品の搭載位置を
   修正することを促し、設計者の位置修正を受け付けた後
   再び上記干渉を調べるステップから繰返し、 もし全ての干渉が回避できる搭載順序が見つかれば、そ
   の中で全部品の搭載時間が最短になる搭載順序を決定す
   ることを特徴とするプリント基板の部品配置決定方法。