JPH0635918Y2 - 舵に配設したフィンの形状 - Google Patents

舵に配設したフィンの形状

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JPH0635918Y2
JPH0635918Y2 JP10689688U JP10689688U JPH0635918Y2 JP H0635918 Y2 JPH0635918 Y2 JP H0635918Y2 JP 10689688 U JP10689688 U JP 10689688U JP 10689688 U JP10689688 U JP 10689688U JP H0635918 Y2 JPH0635918 Y2 JP H0635918Y2
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rudder
fin
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fins
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幸彦 岡本
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日本鋼管株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、船舶の推進効率を向上させるため、舵に取り
付けられるフィンの形状に関する。
[従来の技術] 船舶の推進効率を向上させる一手段として、舵中心線に
対して対称にフィンを舵板より張り出して取り付け、プ
ロペラ後流の回転エネルギーを回収して推力に変換させ
るものは従来より色々と提案されており、本考案に類似
の作用を利用するものとして、例えば、特開昭47−1589
5,特開昭48−24494がある。これらの従来技術において
は、プロペラ後流の回転エネルギーを推力として回収す
る原理は紹介されているが、フィンの平面形状、フィン
前縁と舵との相対位置等についての記述が無く、プロペ
ラ後流エネルギーを推力に変換する有効なフィン形状に
関する具体的な記述が見られない。例えば、特開昭47−
15895においては、舵の上下方向長さの中央付近に、舵
の左右舷で逆の迎角を持つヒレを付けることによってプ
ロペラ後流の回転エネルギーを回収しようとすることに
関する記述のみしかなく、特開昭48−24494について
は、フィンが舵を作動させる舵柱に取り付けられている
こと、フィンの迎角の変更装置に関する記述があるのみ
である。
[考案が解決しようとする課題] 従来の舵または舵柱に取り付けられるフィンの形状につ
いては、プロペラ後流の詳細な性質を考慮することな
く、フィンのキャンバー、迎角の方向についてのみ定性
的な説明がなされているだけであり、プロペラ後流の回
転流を無駄なく推力として回収することが難しい。した
がって有効にプロペラ後流の回転流を推力として回収す
るためには、プロペラ後流の性質に適合したフィン形状
を開発する必要がある。
プロペラを水中において回転させることにより発生する
プロペラ後流の性質を、第8図のプロペラ部の側面図
と、プロペラ後方より船首方向に見て右回りの前進回転
nを示す第9図の断面図により説明する。
プロペラ後方の流れ場は、プロペラ前方ようりプロペラ
の軸方向に船体の影響を受けた伴流Vが流入し、プロペ
ラの後方では矢印の長さで示すようなプロペラの作動に
よる加速流れυxを付加した流れV+υxとプロペラ回
転方向への回転流成分υθとなり、υθの分布は図中の
矢印の長さで示すようにプロペラ軸心Pcに近ずくほど大
きく、プロペラ翼外端環Peへ近ずく程小さくなる。
従って、プロペラ後方に配置された舵へのプロペラ後流
の流入迎角αRは、第11図の断面図で示すようになる。
第10図内のプロペラ直径D間の任意断面における舵への
回転流の流入迎角αRは、第11図の各断面で示すように
プロペラ軸心高さPc位置(すなわち図中においてd−d
断面とe−e断面付近)において最大となり、これら断
面近傍の負圧側(プロペラ軸心Pcより上方では右舷側、
下方では左舷側、第7図において実線斜部と点線斜線
部)では舵前縁4近傍に流れの剥離現象が起こり舵抵抗
が増加する。そこで、従来は第12図の側面図、第13図の
断面図および第14図の平面図で示すように、プロペラ軸
心Pcより上方の舵柱Rs近傍の舵板1の両舷よりよりほゞ
水平にフィン3p,3sを張り出させていたが、第14図の平
面図で示すように、従来のフィン3p,3sは平面形状がほ
ぼ矩形であり、舵前縁4から後方に取り付けられている
ために、前記の舵前縁4近傍に発生する流れの剥離現象
を抑制することは出来ない。さらに第15図で示すよう
に、従来は舵板1に取り付けるフィン3p,3sを根元から
外端に向けて、フィンへの回転流の流入迎角αFに対応
したひねりβを付けることにより有効な揚力Lを発生さ
せるようにして舵抵抗の減少を計っている。しかし、こ
のひねりは精度が要求されるために、工作が大変であ
り、従来より問題となっている。
そこで本考案では、プロペラ後流の回転流を推力として
回収するために有効なフィン形状並びに工作の比較的簡
単なフィン形状を紹介するものである。
[課題を解決するための手段] 本考案に係わる舵に配設したフィンの形状は、プロペラ
軸心高さよりプロペラ直径の10%長さの上下範囲で舵中
心線に対して両舷に舵板より張り出して取り付けられ、
従来舵付きフィンでは考慮されていなかったプロペラ軸
中心高さ近傍の舵前縁の剥離現象を押さえるために、舵
中心線上において舵前縁とフィンの前縁を一致させる
か、舵前縁よりプロペラ直径の5%以内の距離にフィン
の前縁を配置させ、操舵時にフィン前縁とプロペラとの
間に充分な間隔がとれるように、フィン前縁が20度以上
50度以下の後退角を有し、従来付せられていたフィンの
ひねりを無くして、フィン平面形状において舵との接合
部における翼弦長がフィン外端における翼弦長の1.5倍
以上の長さを有し、舵の左舷側に付くフィンと右舷側に
付くフィンとが互いに上下逆方向のキャンバーを有する
ものである。
[作用] 本考案における舵に配設したフィンの形状は、舵中心線
上において舵前縁とフィンの前縁を一致させるか、舵前
縁よりプロペラ直径の5%以内の距離にフィンの前縁を
配置させることによりプロペラ軸中心高さ近傍の舵前縁
で発生している剥離現象を、回転流成分により局部的に
弱めることにより、舵に発生する揚力成分を増加させ、
これにより推力成分を増加させる。また、舵の左右舷に
てフィンの翼弦長を、フィンへの回転流の流入迎角の大
きさに応じて流入迎角の大きい翼根部(フィンと舵の接
合部)では大きく、流入迎角の小さい翼端部では翼弦長
を小さくすることによって、フィン翼面上からの流れの
剥離を防止し、フィンに発生する揚力を増加させて、そ
の前向き成分である推力成分を増加させることにより推
進効率の向上を計る。
[実施例] 以下、本考案の一実施例を第1図、第2図、第3図、第
4図および第5図により説明する。プロペラ(図示せ
ず)後方より船首方向に見て前進時に右回りをさせるプ
ロペラ後方に配置された舵Rのプロペラ軸心高さPc位置
で、舵中心線2に対してほゞ垂直に舵板1の両舷に張り
出して取り付けられたフィン3p,3sで、舵中心線2上に
おいて舵前縁4とフィン3p,3sの前縁5を一致させ、フ
ィン前縁5が20度以上50度以下の後退角θを有し、フィ
ン3p,3s平面形状において舵板1との接合部における翼
弦長lrがフィンの外端における翼弦長ltの1.5倍以上の
長さを有し、左舷側に付くフィン3pにはノーズテイルラ
イン6に対して上方に凸状のキャンバー7pを付し、右舷
側に付くフィン3sにはノーズテイルライン6に対して下
方に凹状のキャンバー7sを付して互いに上下逆方向のキ
ャンバー7p,7sによりプロペラの回転で発生する後流V
+vxの回転流vθより揚力Lの増大を計り、この揚力L
の前向き成分を推力として利用して推進効率の向上に寄
与させるものである。
[考案の効果] 以上のように、本考案の舵に配設したフィンの形状によ
れば、フィンの前縁を舵前縁とほぼ一致させ、フィン翼
弦長を翼根部に対して翼端部では翼根部の1/1.5以下と
し、前縁に後退角を持たせ、左右舷のフィンに相対する
キャンバーを付したので、プロペラ軸心高さ近傍の舵前
縁に発生する負圧側の回転流剥離を防止すると共に、フ
ィン翼弦長をフィンへの流れの流入迎角に応じた長さに
する。すなわちフィン根元ででは長く、先端では短くす
ることによりフィン翼面上の剥離をも防止して、舵に発
生する推力成分を増加させて、船舶の推進効率を従来の
フィン形状よりも大幅に向上させることが出来る。ま
た、従来問題となっていたフィンのひねり精度について
も、本考案では同一のキャンバーを付するものであるの
で、設計、製造のための工数も削減することが出来る。
第6図および第7図は、本考案のフィン形状によるフィ
ンを装備した模型船の水槽試験結果と、これを元に実船
の馬力を推定した結果を示す。第6図の水槽試験結果の
諸効率で示すように、フィンを装備しないAに対して装
備した場合のBは、満載状態(C)およびバラスト状態
(D)共に,プロペラ効率比ηR、模型船のプロペラ効
率ηom,推進減少係数tに基づく1−t,模型船の伴流係
数Wmに基づく1−Wmが同等か良好になっており、模型船
の推進効率ηmodelが大幅に向上している。したがっ
て、総合結果の第7図の「速力−馬力曲線」では常用出
力(NSO)において4%弱の馬力が節約できる。
【図面の簡単な説明】
第1図より第5図は本考案のフィン形状に関する一実施
例を示すもので、第1図は側面図、第2図は第1図内の
II−II矢視断面図、第3図は第1図内のIII−III矢視の
拡大平面図、第4図は第3図内のIV−IV矢視断面図、第
5図は第3図内のV−V矢視断面図、第6図および第7
図は本考案のフィン形状を装備した状態の効果を示すも
ので、第6図は、模型船の水槽試験結果の(C)が満載
状態,(D)がバラスト状態で、A;フィンを装備しない
場合、B;フィンを装備した場合の効果を示す図、第7図
は第6図内の諸効率による「速力−馬力曲線」を示す
図、第8図,第9図,第10図および第11図はプロペラ後
方の回転流に関する説明で、第8図は側面図、第9図は
第8図内のIX−IX矢視断面図、第10図は舵を装備した状
態の側面図、第11図は第10図内のa−a至h−h矢視断
面図、第12図,第13図,第14図および第15図は従来のフ
ィンに関するもので、第12図は側面図、第13図は第12図
内のア−ア矢視断面図、第14図は第12図内のイ−イ矢視
断面図、第15図は第14図内のi−i至k−k矢視断面図
である。 R…舵、1…舵板、2…舵中心線、3p,3s…フィン、4
…舵前縁、5…フィン前縁、6…ノーズテイルライン、
7p,7s…キャンバー、θ…後退角、Pc…プロペラ軸心
線、lr…フィン翼根部の翼弦長、lt…フィン翼端部の翼
弦長。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶の舵に取り付けられるフィンが、プロ
    ペラ軸心高さよりプロペラ直径の10%長さの上下範囲で
    舵中心線に対して両舷に舵板より張り出して取り付けら
    れ、舵前縁とフィンの前縁を一致させるか、舵前縁より
    プロペラ直径の5%以内の距離にフィンの前縁が配置さ
    れ、フィンの前縁が20度以上50度以下の後退角を有し、
    フィン平面形状において舵との接合部における翼弦長が
    フィン外端における翼弦長の1.5倍以上の長さを有し、
    左舷側に付くフィンと右舷側に付くフィンとが互いにノ
    ーズテイルラインに対して上下逆方向のキャンバーを有
    することを特徴とする舵に配設したフィンの形状。
JP10689688U 1988-08-12 1988-08-12 舵に配設したフィンの形状 Expired - Lifetime JPH0635918Y2 (ja)

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JPH0228000U (ja) 1990-02-23

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