JPH0635742U - 絞り弁付ボール止水栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボールバルブが全開状態でありながら通水路
に水が若干流れるようにセットできるようにした、絞り
弁付ボール止水栓を提供する。 【構成】 ハンドル軸の下端部にボールバルブが取り付
けられ、ハンドル軸を９０度回転させることで開閉でき
るようにしたボール止水栓において、ハンドル軸に軸孔
を貫設してボールバルブの通水路に連通させ、この軸孔
に軸棒を螺合すると共にその軸棒の下端部に絞り弁体を
取り付け、この絞り弁体を前記軸棒を回転させることで
ボールバルブの通水路に出没させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、絞り弁付ボール止水栓に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常の水道用ボール止水栓は、ハンドルを９０度回すことにより通水路を開閉 できるようにしてある。即ち、ハンドル軸の下端部にはボールバルブが取り付け られ、このボールバルブには中央部を横切る通水路が形成されており、この通水 路が止水栓の両端部に接続した水道管と合致すると連通状態になって止水栓が開 き、通水路が水道管と直角方向になると遮断されて止水栓が閉じるようになって いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の水道用ボール止水栓はハンドル軸を９０度回すことにより開閉動作 を行うことができるが、場合によっては止水栓を完全に閉じないでボールバルブ の通水路を少し開けた状態にセットして水が若干流れるようにしたいことがある 。このような場合に、ボールバルブを開放状態から徐々に絞っていくと、水の流 れは乱流になると共に流速が速くなるため、図５に示すようにボールバルブａを 回転自在に支持しているボールシートｂの孔縁ｃや、ボールバルブａの通水路ｄ の開口端縁ｅ等が削られたり破損したりして完全止水時に漏水の原因になってし まう。 本考案は、このような従来の欠点を除去するためになされ、ボールバルブが全 開状態でありながら通水路に水が若干流れるようにセットできるようにした、絞 り弁付ボール止水栓を提供することを課題としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この課題を技術的に解決するための手段として、本考案は、ハンドル軸の下端 部にボールバルブが取り付けられ、ハンドル軸を９０度回転させることで開閉で きるようにしたボール止水栓において、前記ハンドル軸に軸孔を貫設してボール バルブの通水路に連通させ、この軸孔に軸棒を螺合すると共にその軸棒の下端部 に絞り弁体を取り付け、前記軸棒を回転させることによりこの絞り弁体が前記ボ ールバルブの通水路に対して出没自在に形成されたことを要旨とするものである 。

【０００５】

【作 用】

止水栓の開閉は従来通りにハンドル軸を９０度回転させることで行い、半開き にしたい場合には止水栓は全開状態にして軸棒を回転させることにより絞り弁体 を下降させてボールバルブの通水路に突出させ、この突出量によって通過する水 量を絞ることができる。又、軸棒を回転させることにより絞り弁体を上昇させれ ば、ボールバルブの通水路から引き込ませることができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳説する。 図１において、１は止水栓本体であり、一方の端部にアダプター２を螺着して内 部に一対のボールシート３を装着し、このボールシート３にボールバルブ４を摺 動回転可能に保持させてある。

【０００７】 ５はハンドル軸であり、前記止水栓本体１の立ち上がり部に袋ナット７を介し て回転自在に取り付けられ、上部にはハンドル６がナット８で締付固定され、下 端部は前記ボールバルブ４に垂直方向に設けた取付孔４ｂに嵌入固定され、ハン ドル６によりハンドル軸５を９０度軸回転させることにより、ボールバルブ４の 通水路４ａを開閉できるようにしてある。更に、ハンドル軸５には軸孔５ａが形 成され、その軸孔５ａのほぼ中央部には雌ねじ部５ｂが設けられ、この雌ねじ部 ５ｂより下方は拡径して形成された収納孔５ｃになっている。

【０００８】 ９は軸棒であり、袋ナット１０を介して前記ハンドル軸５の軸孔５ａに上下動 可能に挿着され、即ち下方部に形成した雄ねじ部９ａを前記ハンドル軸５の雌ね じ部５ｂに螺合させ、下端部には絞り弁体１１が固定されて前記収納孔５ｃに出 没自在となっており、上端部には外周面にローレットを形成した止め具１２が固 定されている。

【０００９】 本考案に係る絞り弁付ボールバルブは上記のように構成され、止水栓本体１の 両端部に一次側水道管１３と、二次側水道管１３′とをそれぞれパッキン１４、 １４′及び袋ナット１５、１５′を介して接続して使用され、通常時の止水栓の 開閉は従来と同様にハンドル６によりハンドル軸５を９０度回転させることで行 う。この時、前記絞り弁体１１は図４に示すようにハンドル軸５の収納孔５ｃ内 に収納された状態にしておく。

【００１０】 止水栓を半開きにしたい場合には、図４に示す状態から軸棒９を回転させて絞 り弁体１１を下降させることにより、ハンドル軸５の収納孔５ｃからボールバル ブ４の通水路４ａに突出させ、この絞り弁体１１の突出量によって通過する水量 を調節することができる。図１は絞り弁体１１を最大量突出させた状態を示して いる。

【００１１】 従って、この場合はボールバルブ４は全開状態を保持しているから、従来のよ うに通水路が絞られることにより発生する乱流又は流速の速い水流等によってボ ールシート３の孔縁やボールバルブ４の通水路４ａの開口端縁等が削れたり破損 したりするようなことはなく、これにより完全止水時の漏水を未然に防止するこ とができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ボール止水栓内に絞り弁体を設け、こ の絞り弁体をボールバルブの通水路に対して出没自在に形成したので、ボールバ ルブは全開状態にして絞り弁体の突出量により通過する水量を絞ることが可能と なり、ボールバルブを回転自在に支持しているボールシートの孔縁や、ボールバ ルブの通水路の開口端縁を乱流や速い流速から保護し、完全止水時の漏水を未然 に防止する等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す要部の断面図であ
る。

【図２】 同、上端部の平面図である。

【図３】 図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】 絞り弁体を収納した時の状態を示す要部の断
面図である。

【図５】 従来例の説明図である。

【符号の説明】

１…止水栓本体 ２…アダプター ３…ボールシー
ト ４…ボールバルブ ４ａ…通水路 ５…ハン
ドル軸 ５ａ…軸孔 ５ｂ…雌ねじ部 ５ｃ…収納孔 ６…ハンドル ７…袋ナット ８
…ナット ９…軸棒 ９ａ…雄ねじ部 １０…袋ナット １１…絞り弁体
１２…止め具 １３…一次側水道管 １３′…二次側水道管 １
４、１４′…パッキン １５、１５′…袋ナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドル軸の下端部にボールバルブが取
   り付けられ、ハンドル軸を９０度回転させることで開閉
   できるようにしたボール止水栓において、前記ハンドル
   軸に軸孔を貫設してボールバルブの通水路に連通させ、
   この軸孔に軸棒を螺合すると共にその軸棒の下端部に絞
   り弁体を取り付け、前記軸棒を回転させることによりこ
   の絞り弁体が前記ボールバルブの通水路に対して出没自
   在に形成されたことを特徴とする絞り弁付ボール止水
   栓。