JPH0635461B2 - フタロシアニン化合物 - Google Patents

フタロシアニン化合物

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JPH0635461B2 JP19338085A JP19338085A JPH0635461B2 JP H0635461 B2 JPH0635461 B2 JP H0635461B2 JP 19338085 A JP19338085 A JP 19338085A JP 19338085 A JP19338085 A JP 19338085A JP H0635461 B2 JPH0635461 B2 JP H0635461B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、フタロシアニン化合物に関する。
先行技術とその問題点 金属フタロシアニンは、大きなπ電子共役系の中に金属
イオンが存在するため、光吸収、電導、光電導、エネル
ギー変換、電極、触媒等の材料として注目され、種々研
究が行われている。
しかし、フタロシアニンは、溶剤に対する溶解度が低
く、また高分子ポリマーとの相溶性が低く、フィルム等
の成型が困難であり、また成型後の安定性に劣る。
そこで、本発明者らは、フタロシアニンを主鎖中ないし
側鎖中に有するポリマーを種々提案(Makromol.Chem.30
1480 1981,同 1802073 1979等)し、フィルム等の成型
を容易とし、高度な機能をもつ材料としうる旨を見出し
ている。
そして、それ自体、溶解度、相溶性が高く、電子線、紫
外線等によって重合ないし架橋可能なモノマーとしての
フタロシアニンが特願昭59−39997号に開示され
ている。
すなわち、既知の方法により合成されたカルボキシ基を
有するフタロシアニンを塩化チオニルにより酸クロリド
とし、これに (ここで、Lはアルキレン基を表わし、Rは水素または
低級アルキル基を表わす。)を加え、加熱して反応を行
うものである。
しかし、この方法では収率がまだ十分でなく、なんらか
の改善が必要である。
II発明の目的 本発明の目的は、それ自体、溶解、相溶性が高く、電子
線、紫外線等によって重合ないし架橋可能なフタロシア
ニン化合物を収率よく合成することが期待でき、かつそ
れ自身も収率がよいフタロシアニン化合物を提供するこ
とにある。
III発明の開示 このような目的は下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、下記式で示されることを特徴とす
るフタロシアニン化合物である。
{上記式において、 Pcは中心原子がFe、Ni、CoまたはCuであるフ
タロシアニン残基を表わし、Lは炭素原子数2または3
のアルキレン基を表わす。
IV発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明のフタロシアニン化合物は、下記式で表わされ
る。
上記式において、Lはアルキレン基を表わすが、アルキ
レン基は直鎖であっても、分岐を有するものであっても
よい。そして、その炭素原子数は2または3である。
一方、Pcはフタロシアニンの1価以上の残基を表わ
し、 −COO−L−OHで示される基は、フタロシアニン環
を形成するベンゼン環に結合するものである。
この場合、上記の基は、フタロシアニンのベンゼン環の
任意の位置に結合するが、通常は3−位ないし4−位に
結合するものである。
従って、上記の基の結合位置は、3,3′,3″,3
,−を主とする。
フタロシアニンの中心原子はFe、Ni、CoまたはC
uである。
この場合、フタロシアニン環の上下には、さらに1ない
し2の他の配位子が配位してもよい。
なお、フタロシアニン残基には、通常、他の置換基は結
合しないが、Pcの特にベンゼン環にはカルボキシ基、
スルホ基、アミノ基等の置換基が結合してもよい。
このようなフタロシアニン化合物は、以下のようにして
合成される。
まず、ベンゼン環に4個のカルボキシ基を有するフタロ
シアニンを合成する。
これらの合成法は公知であり、例えば、Makromol.Chem.
181,571(1980)、ibid.,1822429〜2438(1981)、 に示される。
このカルボキシ基を有するフタロシアニンから本発明の
フタロシアニン化合物を合成するには次のようなルート
に従う。これを模式的に示す。
第1のルートとしては、カルボキシ基を有するフタロシ
アニンと大過剰のHO−L−OH(例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール
等)を酸触媒(例えば、p−トルエンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸等)の存在下で
反応させ、脱水エステル化を行う。この場合の反応は温
度150〜250℃で1日〜7日間程度行う。
第2のルートとしては、カルボキシ基を有するフタロシ
アニンを塩化チオニルを用いて酸塩化物とする。その
後、これを脱水したOH−L−OHで脱塩化水素エステ
ル化を行う。この場合の反応は温度150〜250℃で
1日〜7日間行う。
上記の反応生成物は、一般にアセトンを用いて、沈澱を
得、これを濾別し、乾燥後、DMF、THF、ベンゼン
等に溶解し、再びアセトン、酢酸エチル、メタノール、
水等を用いて生成した結晶を得る。
このようにして得られた反応生成物は、収率が70〜1
00%と高い。
また、赤外線吸収スペクトルには、3400〜3450
cm-1のνOHと2925〜2940cm-1のνCH 2と171
0〜1720cm-1のνC=Oが現われる。
そして、融点に関しては、一般に400℃前後で熱分解
するものである。
また、有機溶媒に対する溶解性もよい。そして、それ自
身で溶解性が悪い時は、末端基の−OHを溶解性のよい
基、例えばビニル基に変えることも可能である。
ビニル基を導入するには、CH2=CHRCOCと反
応させればよい。そして、このものは、電子線や紫外線
により、あるいは重合開始剤により、フタロシアニン重
合体を与えるものである。
V 発明の具体的作用効果 本発明におけるフタロシアニン化合物は、既知のカルボ
キシ基を有するフタロシアニンを出発物質として収率よ
く合成することができ、かつ溶解度も高いため、それ自
体、溶解度、相溶性が高く、電子線、紫外線等によって
重合ないし架橋可能なモノマーとしてのフタロシアニン
を合成する際の中間体として期待される。そして、本発
明のフタロシアニン化合物を中間体として、上記のよう
なビニル基を有するフタロシアニンが収率よく合成でき
るので、電子写真等の感光材料や光記録材料など広い用
途をもつ高機能材料の実現が可能となる。
VI発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
実施例1 文献[H.Shirai,et al.,Makromol.Chem.,181,571(198
0)]に従いCo(II)フタロシアニンテトラカルボン酸
を合成した。この化合物1.0gに対し精製エチレング
リコール30mlとp−トルエンスルホン酸を触媒量加
え、150℃で24時間反応させた。反応生成物をアセ
トンを用いて沈澱させ濾別し乾燥して、 [中心原子;Co(II)]1.3gを得た。
収率100% 赤外吸収スペクトル νOH 3450cm-1, νCH2 2930cm-1, νC=O 1720cm-1, 電子スペクトル 667nm(logε=4.75) (DMF溶液) 628nm sh *(4.70) 325nm(4.85) (*shは吸収肩を示す。) 熱分解温度 393℃ 実施例2 文献(実施例1)に従いFe(III)フタロシアニンテ
トラカルボン酸を合成した。この化合物1.0gを塩化
チオニルを用いて酸塩化物とし、脱水エチレングリコー
ル30mlとともに200℃で反応を行った。反応溶液か
らエチレングリコールを蒸留により除いたものにアセト
ンを注ぎ、濾別後乾燥し、 [中心原子;Fe(III)]を得た。
収率80% 赤外吸収スペクトル νOH 3400cm-1, νCH2 2925cm-1, νC=O 1720cm-1, 電子スペクトル 633nm(logε=4.74) (DMF溶液) 580nm sh (4.35) 332nm(4.74) 熱分解温度 338℃ 実施例3 実施例1と同様の方法により、中心原子Fe(III)の を合成した。
収率60% 実施例4 実施例2と同様の方法により、中心原子Co(II)の を合成した。
収率64% 実施例5 実施例1と同様の方法により、中心原子がNi(II)の を合成した。
収率20% 赤外吸収スペクトル νOH 3400cm-1, νCH2 2940cm-1, νC=O 1710cm-1, 電子スペクトル 670nm sh(logε=4.09) (DMF溶液) 607nm (4.34) 338nm(4.34) 熱分解温度 290nm sh(4.58) 370℃ 実施例6 実施例1と同様の方法により、中心原子Cu(II)の を合成した。
収率18% 赤外吸収スペクトル νOH 3400cm-1, νCH2 2940cm-1, νC=O 1710cm-1, 電子スペクトル 671nm (logε=4.15) (DMF溶液) 604nm (4.49) 333nm(4.52) 熱分解温度 393℃ 実施例7 実施例1と同様にして、CO(II)フタロシアニンテト
ラカルボン酸とプロピレングリコールとを反応させ、同
様に精製した。
収率60% 赤外吸収スペクトル νOH 3400cm-1, νCH2 2940cm-1, νC=O 1720cm-1, 電子スペクトル 668nm (logε=4.62) (DMF溶液) 630nm sh(4.60) 323nm(4.71) 熱分解温度 389℃ 実験例1 実施例1,2のサンプルにつき、塩化メタクリロイルと
反応を行った。
すなわち、塩化メタクリロイルを と重合禁止剤ヒドロキノンの存在下でベンゼン溶液中に
て反応させ、 を得た。
詳細な実験条件、収率等について表1に示す。
なお、反応生成物は用いたサンプルに対応して化合物
A、Bとする。
また、収率は からのものである。
なお、表1には、比較として、特願昭59−39997
号に記載の方法での収率が併記される(この方法で合成
した化合物をC,Dとする)。
表1の結果から、本発明によれば、フタロシアニンテト
ラカルボン酸を出発物質として、従来と比較して格段と
高い収率でビニル基導入フタロシアニンが得られること
がわかる。
実験例2 実験例1で得られた化合物A、Bを用いて、4−ビニル
ピリジン(4−VP)および2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(2−HEMA)と窒素気流ないし雰囲気中
でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤と
して溶液重合を行い、重合体を得た。
実験条件、収率等について表2に示す。
なお、フタロシアニンのモル比は金属の原子吸光法によ
った。
表2の結果から、本発明から誘導されるビニル基含有フ
タロシアニン化合物は、ビニルモノマーと付加重合し
て、フタロシアニンを主鎖中に有するポリマーが得られ
ることがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 白井 汪芳 長野県小県郡丸子町長瀬2―496 (72)発明者 北條 舒正 長野県上田市保屋藤塚611

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式で示されることを特徴とするフタロ
    シアニン化合物。 式 {上記式において、 Pcは中心原子がFe、Ni、CoまたはCuであるフ
    タロシアニン残基を表わし、 Lは炭素原子数2または3のアルキレン基を表わす。}
JP19338085A 1985-08-31 1985-08-31 フタロシアニン化合物 Expired - Lifetime JPH0635461B2 (ja)

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