JPH0635396Y2 - 防水コネクタ用ゴム栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、防水用コネクタに挿着するシール用ゴム栓に
関するものであり、詳しくは、角形のシール部を有する
防水コネクタ用角形ゴム栓の改良に関するものである。

「従来の技術」 防水コネクタ用角形ゴム栓は第４図参照、円筒状の端子
圧着部１の後方に、膨出した方形輪郭のシール部２が一
体に連設されると共に、中心に電線挿通孔３が貫設され
ており、その電線挿通孔３に電線４を挿通した後、端子
５の圧着片６を端子圧着部１に圧着して、端子５の後方
に取付けられる構造になっている。

そして、端子５をコネクタ７の端子収容室８に挿着する
と共に、角形ゴム栓のシール部２を、端子収容室８の方
形の内周面11に圧接して装着し、端子収容室８の防水を
図るようになっている。なお、図中の12はシール部２に
設けたシール突条である。

「考案が解決しようとする課題」 以上の従来構造の角形ゴム栓は、挿着した電線４に存在
する電線捩れや、一対の圧着片６で巻き付け圧着すると
きの微少な圧着差等が要因となって、圧着後のシール部
２が端子５に対して捩れ、第４図（Ｄ）のように、シー
ル部２を受け入れる端子収容室８の縦中心線９と、シー
ル部２の縦中心線10がずれて傾くことがあり、このよう
な状態になると、挿着したシール部２と端子収容室８の
内周面11との圧接状態が、第１図（Ｅ）のように崩れて
防水性能を低下させることがある。

さらに、前記の傾き状態になると、端子収容室８への挿
入抵抗が増大して作業性を悪くすると共に、シール部２
の傾き状態を、事前に目視確認して傾き度の大なるもの
を抽出し、指先等でその傾きを修正して挿着する煩雑な
作業が必要になることがある。

本考案は、以上の従来技術の不具合点を解消する角形ゴ
ム栓を提供するのが目的である。

「課題を解決するための手段」 以上の技術課題を解決する本考案の角形ゴム栓は、 「円筒状の端子圧着部の後方に、膨大した方形輪郭のシ
ール部を有して、中心部分に電線挿通孔を貫設し、該シ
ール部を端子収容室の内周面に圧接して防水する防水コ
ネクタ用ゴム栓において、前記端子圧着部とシール部の
中間に、円筒状の弾性可捩ゾーンを一体に設け、該弾性
可捩ゾーンは外周に形成した弾性突条環と、該弾性突条
環に沿って内周に形成した凹溝状の弾性空間条からなる
構造」が特徴である。

「作用」 以上の構成の本考案の防水コネクタ用角形ゴム栓は、端
子圧着部とシール部の中間に、内周側の弾性空間条と外
周側の弾性突条環からなる弾性可捩ゾーンが設けてあ
り、全体がゴム質からなるので、その弾性空間条を有す
る弾性突条環が、弾性質チユーブ体として機能する。そ
して、端子を圧着した端子圧着部に対して、シール部は
相対的な弾性変位性を有し、シール部に加わる僅かな捩
れ外力や引張・圧縮外力に基づいて、極めて容易に弾性
変位し、端子圧着部に対する捩れ姿勢を矯正する作用が
ある。

従って、前記の傾き姿勢のシール部を、そのまま端子収
容室に挿入しても、その挿入抵抗による外力によってシ
ール部の姿勢が矯正され、良好な防水性能を確保するこ
とができる。

「実施例」 以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まづ、本考案
の第一実施例を示す第１図を参照して、円筒状の端子圧
着部１と、端子圧着部１の後方に膨大した方形輪郭のシ
ール部２を有し、その端子圧着部１とシール部２の中心
を貫通する電線挿通孔３を設けた防水コネクタ用角形ゴ
ム栓において、端子圧着部１とシール部２の接合部位
に、弾性可捩ゾーン15が設けられ、シール部２は端子圧
着部１に対して、電線挿通孔３の軸心13を捩り中心とす
る弾性捩り自在に形成されている。

詳しくは、弾性可捩ゾーン15は、端子圧着部１とシール
部２の中間に一体に連設された円筒状をなして端子圧着
部１と概ね同一の肉厚を有し、その外周に、スパイラル
状（図示は２巻き）に隆起する弾性突条環16が形成され
ると共に、弾性突条環16の内側は、挿着した電線４との
間に空間条が存在する凹溝状の弾性空間条17がスパイラ
ル状に設けてあり、この弾性突条環16と弾性空間条17と
が弾性可捩ゾーン15の要部をなしている。

そして、電線挿通孔３に電線４が挿入されて、角形ゴム
栓が電線４の端部に装着された後、端子圧着部１に端子
５の圧着片６を巻着させて圧着接続される。そして、そ
の端子５をコネクタ７の端子収容室８に挿入して係止す
ると共に、角形ゴム栓のシール部２は方形の端子収容室
８に挿着され、シール部２のシール突条12を端子収容室
８の内周面11に圧接して防水する構造になっている。

以上の第１図実施例の角形ゴム栓の弾性可捩ゾーン15の
弾性突条環16は、内側に可撓空間を有する弾性チユーブ
体として機能するので、捩り外力や引張・圧縮外力に対
する弾性変形性に富み、外力によって極めて容易に捩り
撓を生ずることができる。

従って、第１図（Ｅ）の図示点線のように、挿着した電
線４に存在する電線捩れや、対向一対の圧着片６による
左右の圧着度微差等に基づく傾きが生じ、シール部２を
圧接収容する端子収容室８の縦中心線９と、シール部２
の縦中心線10との間に、若干の捩れ角θが存在しても、
その傾きシール部２をそのまま端子収容室８に挿入する
と、挿入に伴う外力によって端子収容室８の周壁と干渉
したシール部２に、前記捩れ角θの逆向きの捩れ力が作
用し、その傾きシール部２は姿勢が矯正されて挿入さ
れ、図示実線のように、内周面11と概ね一様に圧接して
良好な防水性能を確保することができる。

そして、ゴム栓挿入がやり易くなって作業性が向上する
と共に、傾きゴム栓の事前チエック抽出や手直し作業の
無駄が省略できる。

つぎに、第２図は本考案の第二実施例が示してあり、こ
の実施例は端子圧着部１とシール部２の中間に、前記第
一実施例と同一の弾性可捩ゾーン15を設けた角形ゴム栓
において、弾性突条環16′は二条の円環条をなすと共
に、その円環条の内側が可撓空間条17に形成されてい
る。

また、第３図は本考案の第三実施例を示し、この実施例
の弾性可捩ゾーン15は、シール部２の前端と端子圧着部
１の後端とを皮膜によって一体に連結した環状皮膜の弾
性突条環16″に形成されており、その弾性突条環16″の
内側が可撓空間条17になっている。

以上の第２、３図実施例の弾性可捩ゾーン15も、前記第
１図実施例の弾性可捩ゾーン15と、基本構造が共通し、
外力による弾性撓特性が近似するので、前記第一実施例
と同様な作用が期待できる。

「考案の効果」 以上の説明のとおり、本考案の防水コネクタ用ゴム栓
は、ゴム栓傾きによる防水不良を防止して、コネクタの
防水性能を向上すると共に、ゴム栓の挿着作業性を改良
向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案第一実施例の防水コネクタ用ゴム栓を示
し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）の右側面図、
（Ｃ）は（Ａ）の左側面図、（Ｄ）はその使用状態を示
す正面図、（Ｅ）はその作用状態を示す側面図、第２
図：本考案第二実施例の防水コネクタ用角形ゴム栓の正
面図、第３図：本考案第三実施例の防水コネクタ用ゴム
栓を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその側面図、
第４図：従来構造の防水コネクタ用ゴム栓を示し、
（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその使用状態の斜視図、
（Ｃ）はその使用状態の正面図、（Ｄ）（Ｅ）はその作
用状態を示す側面図 主な符号、1:端子圧着部、2:シール部、3:電線挿通孔、
4:電線、5:端子、6:圧着片、7:コネクタ、8:端子収容
室、11:端子収容室の内周面、15:弾性可捩ゾーン、16、
16′、16″：弾性突条環、17:弾性空間条

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状の端子圧着部の後方に、膨大した方
   形輪郭のシール部を有して、中心部分に電線挿通孔を貫
   設し、該シール部を端子収容室の内周面に圧接する防水
   コネクタ用ゴム栓において、前記の端子圧着部とシール
   部の中間に、円筒状の弾性可捩ゾーンを一体に設け、該
   弾性可捩ゾーンは、外周に形成した弾性突条環と、該弾
   性突条環に沿って内周に形成した凹溝状の弾性空間条か
   らなる構造を特徴とする防水コネクタ用ゴム栓。