JPH0635147B2 - 耐圧容器用プリフォーム及び耐圧容器の製造方法 - Google Patents

耐圧容器用プリフォーム及び耐圧容器の製造方法

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JPH0635147B2
JPH0635147B2 JP32236890A JP32236890A JPH0635147B2 JP H0635147 B2 JPH0635147 B2 JP H0635147B2 JP 32236890 A JP32236890 A JP 32236890A JP 32236890 A JP32236890 A JP 32236890A JP H0635147 B2 JPH0635147 B2 JP H0635147B2
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通 鈴木
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幸司 佐藤
恒夫 有田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上野利用分野〕 本発明は、透明性に優れた二軸延伸耐圧耐熱性容器に関
する。
〔従来の技術〕
従来使用されている二軸延伸容器は耐熱性を付与するた
めに、口径部を熱結晶化し胴部は延伸して配向結晶化さ
せることが普通に行われていた。
しかし、底中心部付近は延伸され難いので結晶化が不充
分となり、耐熱性、耐圧性が悪い欠点があった。
この問題を解決するため、プリフォームの底中心部を熱
結晶化しておきブロー成形時にその近辺から延伸して結
晶化を行うことが提案された。ところが、この方法によ
って成形した容器は、底中心部の熱結晶化した部分が乳
白色の点となって残り外部から見た時内容物の沈澱物が
発生したか或いは異物が混入したかの様に見える欠点が
あった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は底中心部も充分延伸された、熱結晶化部分のな
い底部からなる容器を製造する方法と、この方法に使用
するプリフォームを提供するものである。
〔課題を解決した手段〕
本発明は 「(1) ポリエステルで成形成したプリフォームの底
部壁面に底部中央を中心としてリング状の薄肉の溝を配
設した耐圧容器用プリフォーム。
(2) リング状の薄肉溝の直径が略々延伸棒の直径に
等しい請求項1に記載されたプリフォーム。
(3) リング状の溝の深さが底部の肉厚の略々20〜
50%であり、リング状溝の巾が底の壁厚の100%〜
30%である請求項1または2に記載されたプリフォー
ム。
(4) リング状の溝が底部の外壁面に開口する溝であ
る請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたプリフ
ォーム。
(5)リング状の溝が底部の内壁面に開口する溝である
請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたプリフォ
ーム。
(6) ポリエステルで成形成したプリフォームの底部
に底部中央を中心としてリング状の薄肉の溝を配設した
プリフォームの底部を熱結晶化せずに二軸延伸ブロー成
形することを特徴とする、底中心部も充分延伸された、
熱結晶化部分のない底部からなる耐圧容器の製造方
法。」に関する。
〔作用〕
本発明の第1の特徴は、プリフォームの底部に底中心部
中央を中心としてリング状の薄肉の溝を形成したことに
ある。この溝を成形することにより、二軸延伸ブロー成
形時に、プリフォームの底部は薄肉の溝部が強く延伸さ
れるので中心部も強く延伸されその結果、配向結晶化の
高い底部が成形され耐熱性と耐圧性の優れた底部とな
る。
本発明者の研究によれば、このように延伸された配向結
晶化の高い底部を形成した容器を成形するためにはプリ
フォームに、底中心部を中心としその外壁面に開口する
リング状の溝を設けこの部分の壁厚を薄くする必要があ
る。該リング状溝の直径は、ブロー成形段階において用
いられる延伸棒の直径に等しいが、僅かにおおきいこと
が好ましい。リング状溝の直径が延伸棒の直径より小さ
いときは、リング状溝の効果が無く、底中心部は延伸さ
れない。
一方リング状溝の直径が、ブロー成形段階において用い
られる延伸棒の直径より余り大きすぎると溝5の内側の
延伸が十分に行われない問題が発生する。
本発明の如くリング状溝の直径が延伸棒の直径と等しい
か、僅かに大きい時は、延伸ブロー成形時に、先づ溝の
外側と溝部が延伸され、ついで底中央部も延伸されて配
向結晶化が起こるのである。
溝5の深さは、底の壁厚の1/2〜1/5が適当であ
る。溝の深さがこれより深いと、つまり溝の底の壁厚が
薄いと、ブロー成形時に過度に延伸されて壁膜があまり
にも薄くなりこの部分の耐圧性等の強度が小さくなる欠
点が発生する。それ故底の壁厚の20%〜50%が好適
である。
溝の開口部の巾が広すぎると、やはりブロー成形時にこ
の部分に過度の延伸が発生する。巾が狭すぎると底部の
延伸が充分行われないので、底部膜厚の100%〜30
%が好適である。
また、溝の巾は、開口部で底の壁厚の1〜1/3が適当
である。溝の断面はV型、U型、半円型など適宜選ぶこ
とができる。
本発明の第2の特徴はプリフォーム底中心部を熱結晶化
していない為、乳白色の点状部分が残ることがない。
本発明の第3の特徴は底部は底中心部を含めて均一な厚
さに延伸され、肉だまりは発生しない。
上記の作用は、溝5が底部の内壁面に開口して設けられ
ていても同様に奏される。
ところが、通常のプリフォームを用いて延伸ブロー成形
すると、胴部は高延伸され高度に結晶化されているが、
底中心部は延伸されず、また底中心部付近も延伸が不十
分であり、耐熱耐圧性が低くかつ、肉厚を均一に薄くす
ることができず容器の底中心部とその付近に肉だまりが
生じる。
〔実施例〕
本発明の作用を実施例を示して説明する。
本発明のプリフォームは、第2図または第3図で示され
る。
プリフォーム4又は7は、射出成形などによって予備成
形する。プリフォーム4又は7は、これを二軸延伸成形
して第1図に示す成形容器1を成形するための素材であ
り、成形容器の胴部となるべき筒状部と、成形容器の底
となるべき底部と、筒状部上端に連なる口頚部とによっ
て構成されている。
第2図のプリフォーム4は、その底中心部外側に直径b
の断面V型の溝5が底部の外壁面に開口して円形状に設
けらている。溝5の直径bは、ブロー成形段階において
用いられる延伸棒6の直径aに等しい。
そして溝の深さは底の壁厚の1/2であり、溝巾は開口
部で底の壁厚と同一である。第3図のプリフォーム7は
溝5を内壁面に設けたものであるが、溝5の直径、深
さ、巾、断面の条件は前述のプリフォーム4と全く同様
である。
プリフォーム4又は7は、射出成形により容易に製造す
ることができる。
このプリフォーム4又は7を、ポリエチレンテレフタレ
ートの延伸温度70〜140℃に加熱し、延伸ブロー成
形用の金型に装着し、まず加圧空気を導入しながら延伸
棒6を伸長して軸方向に延伸する。ついで、加圧空気に
より半径方向に延伸させて容器の胴部を成形する。
この時、底中心部は、溝により、きわめて延伸され易く
なっているので、加圧空気により第4図に示すごとく、
底中心部3は均一な厚さに延伸され、肉だまりも起こさ
ず、又、熱結晶化していないので乳白色の熱結晶化部分
も無い。
この作用効果は、溝5が外側に設けられていても同様に
奏される。
このように延伸ブロー成形して容器1がえられたら、容
器の底中心部にベースカップ2を装着し、接着固定して
自立可能な耐圧容器がえられる。
第5図は比較例として示した従来のプリフォームであ
る。底部には熱結晶化部10が配設されている。このプ
リフォームを二軸延伸ブロー成形した容器が第6図の容
器で底部中心に厚膜の白色熱結晶化部10が形成され
る。
次に本発明のプリフォームとこれを二軸延伸ブロー成形
した容器の具体例を実施例として示して説明する。
実施例 1. 高さ130mm、外径30mm、壁厚2mmのポリエチレンテ
レフタレート製有底円筒状体であり、底中心部外側壁面
に、深さ1mm、開口部の巾2mm、断面半円型、直径15
mmの円周状溝を設けたプリフォーム。このプリフォーム
は直径12mmの延伸棒を備えた二軸延伸ブロー成形用金
型に使用する。
実施例 2. 高さ130mm、外径30mm、壁厚2mmのポリエチレンテ
レフタレート製有底円筒状体であり、底中心部内側壁面
に深さ0.8mm、開口部の巾1.8mm、断面V型、直径
12mmの円周状溝を設けたプリフォーム。このプリフォ
ームは直径12mmの延伸棒を備えた二軸延伸ブロー成形
用金型に使用する。
実施例 3. 実施例1のプリフォームを、130℃に加熱したのち直
径12mmの延伸棒を備えた二軸延伸ブロー成形用金型に
装着し、圧縮空気を導入しながら延伸棒を伸長して軸方
向に延伸し、ついで圧縮空気を吹込んで延伸して、口径
部の外径25mm、高さ270mm、胴部の外径90mm、底
中心部が外側に膨出した容器を成形した。
容器は、底中心部も含めて、十分延伸されているので、
容器全体が高度に結晶化されており、耐圧性、耐熱性が
すぐれ、底中心部も乳白色の部分が無く、きわめて透明
であった。
この容器にベースカップを接着剤を用いて装着固定して
自立性耐圧容器をえた。
実施例 4. 実施例3において、プリフォームを実施例2のものに変
えた以外は実施例3と同様にして、容器を形成した。
容器は底中心部も含めて十分延伸されているので、容器
全体が高度に結晶化されており、耐圧性、耐熱性がすぐ
れ、底中心部を乳白色の部分が無く、きわめて透明であ
った。
この容器にベースカップを嵌合して自立性耐圧容器をえ
た。
つぎに本発明の効果を明らかに説明するため比較試験を
示す。
比較例1は円周状の溝のないプリフォームを使用したほ
かは実施例と同様にして得た容器である。
比較例2は円周状の溝の深さが底の壁厚の15%のプリ
フォームを使用したほかは実施例1と同様にして得た容
器である。
比較例3は溝の深さが底の壁厚の60%のプリフォーム
を使用したほかは実施例1と同様にして得た容器であ
る。
比較例4は溝の巾が開口部で底の壁厚の150%のプリ
フォームを使用したほかは実施例1と同様にして得た容
器である。
比較例5は溝の巾が開口部で底の壁厚の20%のプリフ
ォームを使用したほかは実施例1と同様にして得た容器
である。
比較例6は溝の直径が延伸棒の直径の1/2であるプリ
フォームを使用したほかは実施例1と同様にして得た容
器である。
(1) 底部膜厚のバラツキ試験 各例100本の容器の底部の中心を含む5カ所の膜厚を
測定して平均膜厚と標準編差を求めた。結果を表−1に
示す。
(2) 底部配向結晶化度測定試験 各例100本の容器の底部中心とその付近の配向結晶化
度を測定した。結果を表−2に示す。
〈評 価〉 本発明の実施例1と2は底部の膜厚が均一で配向結晶化
度も高く耐圧性に優れていることが理解される。一方比
較例は膜厚のバラツキが大きく、配向結晶化度も低く、
耐圧性も悪い。
〔効 果〕
上記の通り、本発明は、底部に熱結晶化部を設けること
なく、配向結晶化し、耐圧、耐熱性を良好にするととも
に、透明で底に異物感のない容器であり、強度的性能
も、商品価値も従来の熱結晶化底部の容器よりはるかに
優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のプリフォームを用いてブロー成形し
た耐圧容器の一部断面正面図である。 第2図は、本発明のプリフォームの一部断面正面図であ
る。 第3図は、本発明の他のプリフォームの一部断面正面図
である。 第4図は、本発明のプリフォームを用いてブロー成形し
た耐圧容器の底部近傍の正面図である。 第5図は、底部を熱結晶化させた従来のプリフォームの
縦断正面図である。 第6図は、従来のプリフォームを用いて普通にブロー成
形した耐圧容器の一部断面側面図である。 1:耐圧容器 2:ベースカップ 3:容器の底中心部 4:プリフォーム 5:溝 6:延伸棒 7:プリフォーム 8:プリフォーム 9:プリフォーム 10:熱結晶化部分 11:耐圧容器 12:容器底中心部 13:耐圧容器 14:容器の底中央部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルで成形成したプリフォームの
    底部壁面に、底部中央を中心としてリング状の薄肉の溝
    を配設した耐圧容器用プリフォーム。
  2. 【請求項2】リング状の薄肉溝の直径が略々延伸棒の直
    径に等しい請求項1に記載されたプリフォーム。
  3. 【請求項3】リング状の溝の深さが底部の肉厚の略々2
    0〜50%であり、リング状溝の巾が底の壁厚の100
    %〜30%である請求項1または2に記載されたプリフ
    ォーム。
  4. 【請求項4】リング状の溝が底部の外壁面に開口する溝
    である請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたプ
    リフォーム。
  5. 【請求項5】リング状の溝が底部の内壁面に開口する溝
    である請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたプ
    リフォーム。
  6. 【請求項6】ポリエステルで成形成したプリフォームの
    底部に、底部中央を中心として、リング状の薄肉の溝を
    配設したプリフォームの底部を熱結晶化せずに、二軸延
    伸ブロー成形することを特徴とする、底中心部も充分延
    伸された熱結晶化部分のない底部からなる耐圧容器の製
    造方法。
JP32236890A 1990-11-28 1990-11-28 耐圧容器用プリフォーム及び耐圧容器の製造方法 Expired - Lifetime JPH0635147B2 (ja)

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CH711621A1 (en) * 2015-10-08 2017-04-13 Alpla Werke Alwin Lehner Gmbh & Co Kg Preform for producing a plastic container in a stretch blow molding process.

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