JPH0635096A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0635096A
JPH0635096A JP18957292A JP18957292A JPH0635096A JP H0635096 A JPH0635096 A JP H0635096A JP 18957292 A JP18957292 A JP 18957292A JP 18957292 A JP18957292 A JP 18957292A JP H0635096 A JPH0635096 A JP H0635096A
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gelatin
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latex
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JP18957292A
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Hideaki Morihara
英明 森原
Kenichi Tanaka
健一 田中
Takeo Arai
健夫 荒井
Akio Fujita
章夫 藤田
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減力特性に優れ、処理時における銀スラッジ
の生成を著しく軽減したハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。 【構成】 感光性ハロゲン化銀乳剤層に含まれる銀量
と、該ハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層
に含まれる総ゼラチン量との単位面積当たりの重量比が
1.3以上であり、該ゼラチンの量が3.3g/m2以下であり、
ハロゲン化銀乳剤層及び親水性コロイド層がゼラチンで
安定したポリマーラテックスを含有するハロゲン化銀写
真感光材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは減力特性に優れ、現像処理時におけ
る銀スラッジの生成を軽減したハロゲン化銀写真感光材
料に関する。
【0002】
【発明の背景】製版用感光材料は、最終的な網点画像あ
るいは線画像を得るに当たって、画像の微妙な調子再現
や芸術的な表現を満足させるために、減力処理と呼ばれ
る処理をして、画像が部分的にまた全面的に微修正され
ることが多い。このため製版用感光材料においては、減
力特性を有しているか否かは極めて重要な性能の一つで
ある。
【0003】印刷製版工程においては、原画像の濃淡
(調子)を微小な点の面積の大小、即ち網点画像によっ
て表現する方法がとられることが多い。
【0004】露光、現像処理を経て網点画像又は線画像
を形成した製版用感光材料を減力処理するには、該網点
又は線画像を形成している金属銀を酸化剤で漂白する方
法などが知られている。
【0005】例えば、ミース著、ザ・セオリイ・オブ・
ザ・フォトグラフイック・プロセス(Mees,The Theory
of the Photographic Process)p738〜p739 (1954年 Ma
cmillan社刊)には過マンガン酸塩、第二鉄塩、第二セリ
ウム塩、赤血塩、重クロム酸塩、過硫酸塩などの減力成
分を用いた減力液が記載されている。
【0006】減力処理とは、結局、銀画像を酸化し溶解
する単位面積当たりの銀量が多ければ多い程、一般に減
力処理により画像を修正できる範囲が広くなる。即ち、
網点画像を減力処理する場合、減力処理により網点面積
を減少せしめると、それと平行して網点1個当たりの黒
化濃度の減少が生ずるのが一般的であり、網点面積の減
少時に、網点面積1個当たりの黒化濃度の減少が少ない
程、減力による修正可能な範囲は広い。
【0007】換言すれば、網点画像の修正可能な範囲の
メジャーは、網点1個当たりの黒化濃度を一定値以上に
保って網点面積をいくら減少せしめ得たかを示すことに
よって表すことができる。
【0008】本発明においては、減力処理により製版工
程で必要とされるぎりぎりの値にまで網点の黒化濃度が
減少した時に、網点面積が処理前の網点面積にたいして
どれだけ減少したかを「減力巾」なる用語で示すことと
する。
【0009】前述のごとく、一般に画像を形成している
銀量が多ければ多いほど、減力巾は大きくなり、従って
減力処理により画像を修正できる程度も大きくすること
ができる。
【0010】そのためには製版用感光材料に用いるハロ
ゲン化銀の単位面積当たりの塗布量を多くすれば良いの
であるが、周知のごとく銀はきわめて高価であり、いた
ずらに塗布銀量を多くすることは製版用感光材料のコス
トの点からも省資源的見地からも好ましくない。
【0011】従って、できるだけ少ない銀を用いて、必
要な特性を有する製版用感光材料を製造することは当業
界の重要な課題の一つであり、いまなお省銀化は進む方
向にある。また塗布銀量はそのままでゼラチンの単位面
積当たりの塗布量を多くしても減力巾を大きくすること
もできるが、近年製版用感光材料は現像処理が迅速化の
一途をたどっており、種々の問題がでてくる。例えば乾
燥性が悪くなり、搬送不良が発生したりする。このため
自動現像機における乾燥温度を上げると、フィルムの寸
度の安定性が損なわれたりする。
【0012】そこで、バインダーであるゼラチンを減量
すると乾燥性が改良されるが、現像処理により生成する
銀がスラッジとなり易くなる等である。
【0013】又、ポリマーラテックスをハロゲン化銀乳
剤、バッキング層に含有させた感光材料の物性(乾燥
性、寸度安定性等)を向上させる技術がよく知られてい
る。例えばリサーチディスクロージャー19951号、特公
昭39-4272号、同39-17702号、同43-13482号、米国特許
2,376,005号、同2,763,625号、同2,772,166号、同2,85
2,386号、同2,853,457号、同3,397,988号等に記載され
ている。
【0014】しかし、単に従来の界面活性剤で分散安定
化したラテックスを添加したのみでは、上記のような銀
スラッジの生成を抑えることはできず、乾燥性をあげる
こともできなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、減力特性に優れ、処理時における銀スラッジの生成
を著しく軽減したハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と
非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感
光材料において、該感光性ハロゲン化銀乳剤層に含まれ
る銀量と、該感光性ハロゲン化銀乳剤層及び非感光性親
水性コロイド層に含まれる総ゼラチン量との単位面積当
たりの重量比が1.3以上であり、かつ該ゼラチンの量が
3.3g/m2以下、かつ該感光性ハロゲン化銀乳剤層及び非
感光性親水性コロイド層がゼラチンで安定化したポリマ
ーラテックスを含有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料によって達成される。
【0017】以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】本発明において、ゼラチンで安定化された
ポリマーラテックスとは、ラテックス合成時からゼラチ
ンを使用し、ラテックスの表面及び/又は内部がゼラチ
ンによって分散安定化されていることを特徴とする。ラ
テックスとゼラチンがなんらかの結合を有していてもよ
い。
【0019】そのためラテックスを構成するモノマーに
は、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ
基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、オキサゾリン基、
エーテル基、エステル基、メチロール基、シアノ基、ア
セチル基、不飽和炭素結合等の反応性基を持つものが含
まれていることが望ましい。
【0020】架橋剤を使用する場合には、通常のゼラチ
ンの架橋剤として用いられている例えばアルデヒド系、
グリコール系、トリアジン系、エポキシ系、ビニルスル
ホン系、オキサゾリン系、メタクリル系、アクリル系等
の架橋剤を用いることができる。
【0021】本発明で言うゼラチンで安定化されたラテ
ックスとは、ポリマーの重合反応の少なくとも1部が、
少なくともゼラチンを含有する溶媒中で行われるラテッ
クスを指す。
【0022】なお、米国特許5,026,632号には、Tgが25
℃以下のあらかじめ重合したポリマー粒子に、架橋剤を
用いて硬化したゼラチンの固い殻をつけた粒子をハロゲ
ン化銀写真感光材料層中に添加することで圧力耐性を改
良する技術が開示されている。
【0023】又、米国特許4,920,004号、同4,855,219号
には、やはりあらかじめ重合したポリマー粒子をゼラチ
ンと共有結合させたものをマット剤として用いることで
接着性を向上させる技術が開示されている。
【0024】さらに米国特許2,852,382号にはゼラチン
の存在下にポリマーを合成する記載、又は、米国特許2,
787,545号にはゼラチンとアクリル酸のグラフトポリマ
ーを用いたハロゲン化銀乳剤の脱塩方法などが開示され
ている。
【0025】しかしながら、これらのポリマーでは本発
明が目的とする銀スラッジ防止効果を改良することは出
来なかった。
【0026】本発明者は、ポリマーラテックスに関して
種々検討を続ける過程において、合成時のゼラチンとラ
テックスの添加量の比に好ましい範囲のあることを見い
出した。
【0027】即ち、合成時(最終的にラテックスとして
得られたもの)のゼラチンとポリマーの重量比はGel:Po
ly=1:100〜2:1が好ましく、特に好ましくは1:50〜
1:2である。
【0028】本発明のポリマーラテックスの平均粒径は
0.3μm以下であることが好ましい。特に好ましい粒径は
0.01〜0.27μmである。
【0029】本発明に用いられるポリマーラテックス
は、モノマーの組成により、MFT(最低造膜温度)を
変化させることができるが、MFTが60℃以下が効果的
であり、特に50℃以下であることが好ましい。
【0030】本発明に用いられるポリマーラテックスの
モノマーの構成としては、例えば米国特許2,772,166
号、同3,325,286号、同3,411,911号、同3,311,912号、
同3,525,620号、 リサーチ・ディスクロージャーNo.195
19551(1980年7月)等に記載されているアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、スチレン等のビニル重合
体の水和物等が挙げられる。
【0031】本発明のラテックスの安定化に用いるゼラ
チンとしては、ゼラチンおよびゼラチン誘導体、セルロ
ース誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ
ー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、
単一或いは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親
水性コロイドも併用して用いることができる。
【0032】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか
酸処理ゼラチン或はゼラチンの加水分解物や酵素分解物
も用いることができる。ゼラチン誘導体としては、ゼラ
チンに例えば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート
類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン類、ビニスルホンア
ミド類、マレインイミド化合物類、ポリアルキレンオキ
シド類、エポキシ化合物など種々の化合物を反応させて
得られるものが用いられる。
【0033】その具体例としては、例えば米国特許2,61
4,928号、同3,132,945号、同3,186,846号、同3,312,553
号、英国特許861,414号、同1,033,189号、同1,005,784
号、特公昭42-26845号などに記載されている。
【0034】上記の蛋白質としては、アルブミン、カゼ
インなど、セルロース誘導体としてはヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース
の硫酸エステルなど、糖誘導体としてはアルギン酸ソー
ダ、でん粉誘導体などをゼラチンと併用してもよい。
【0035】ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー
としては、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸、そ
れらのエステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリ
ル、スチレンなどの如きビニル系モノマーの単一(ホ
モ)又は共重合体をグラフトさせたものを用いることが
できる。特にゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
として例えばアクリル酸、アクリルアミド、メタアクリ
ルアミド、ヒドロキシアルキルメタアクリレート等の重
合体とのグラフトポリマーが好ましい。これらの例は米
国特許2,763,625号、同2,831,767号、同2,956,884号な
どに記載されている。
【0036】本発明に用いられるポリマーラテックス
は、少なくとも一層の非感光性親水性コロイド層に添加
されている必要があるが、必要によっては複数の非感光
性親水性コロイド層および/又は感光性親水性コロイド
層に添加されてもよい。又、支持体の片面のみに含有さ
れていてもよいし、両面に含有されていてもよい。本発
明のポリマーラテックスを添加した層及び/又は添加し
ない層には、従来公知のラテックスを添加してもよい。
支持体の両面に含有せしめられる場合、各々の面の含有
せしめるポリマーラテックスの種類及び量は同じであっ
てもまた異なっていてもよい。
【0037】本発明の非感光性層に含有せしめるポリマ
ーラテックスのポリマー成分としては、例えば米国特許
2,772,166号、同3,325,286号、同3,411,911号、同3,31
1,912号、同3,525,620号、リサーチ・ディスクロージャ
ーNo.195 19551(1980年7月)等に記載されているような
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン
等のビニル重合体の水和物が挙げられる。
【0038】具体的にはアクリル酸、メタクリル酸又は
塩、マレイン酸又は塩、フマル酸又は塩、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート等のアルキルアクリル酸エ
ステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート
等のメタアルキルアクリル酸エステル、スチレン、スチ
レンスルホン酸又はその塩、N-置換または非置換のアク
リルアミド、ビニルアルコール類、ヒドロキシアルキル
メタアクリレート類、ブタヂエン等の2重結合を有する
任意の化合物を単独あるいは共重合成分として選択する
ことができる。
【0039】以下に好ましいモノマーの具体例を挙げ
る。
【0040】本発明のラテックスは、これらのモノマー
の任意の組み合わせ(種類、組成比)をとることができる
もので、本発明は下記に示すモノマーに限定されるもの
ではないことは言うまでもない。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】本発明に用いられるゼラチンで安定したポ
リマーラテックスの平均粒径の好ましい範囲は0.005〜1
μm、特に0.02〜0.1μmが銀スラッジ防止に有効であ
る。
【0048】本発明に用いられる、ゼラチンで安定化し
たポリマーラテックスは、感光性ハロゲン化銀乳剤層及
び非感光性親水性コロイド層に添加されている必要があ
り、その添加量は0.1g/m2以上であり、好ましくは0.1g/
m2〜2.5g/m2である。
【0049】本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤
層に含有される銀量と、該乳剤層及び非感光性親水性コ
ロイド層に含まれる総ゼラチン量と単位面積当たりの重
量比は1.3以上であり、好ましくは1.3〜5.0である。
【0050】又、該ゼラチン量は単位面積当たり3.3g以
下、好ましくは0.5〜2.7である。
【0051】本発明の非感光性親水性コロイド層として
は、例えば保護層、現像調節層、紫外線吸収層、フィル
ター層、ハレーション防止層、中間層などの感光性層以
外の層が挙げられる。
【0052】本発明にかかる一般的な添加剤や公知の硬
調化剤及びハロゲン化銀粒子の製造方法、増感方法等に
ついては、特に制限はなく、例えば特開昭63-230035、
特願平1-266640号等を参考にできる。
【0053】本発明においては、感光材料としての他の
物性である帯電防止のために、支持体に対しバッキング
側および/または乳剤層側に一層以上の帯電防止層を有
することができる。
【0054】この場合、帯電防止層を設けた側の表面比
抵抗は、25℃50%RH下で1.0×1011Ω以下であることが
好ましく、特に好ましくは8×1011Ω以下である。上記
帯電防止層は、金属酸化物、水溶性導電性ポリマー、疎
水性ポリマー粒子及び硬化剤の反応物を含有する帯電防
止層等が好ましい。
【0055】本発明において用いられるマット剤として
は、公知のものをいずれも用いることができる。例えば
スイス特許330,158号に記載のシリカ、仏国特許1,296,9
95号に記載のガラス粉、英国特許1,173,181号に記載の
アルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛などの炭酸塩な
どの無機物粒子;米国特許2,322,037号に記載の澱粉、
ベルギー特許625,451号或いは英国特許981,198号に記載
された澱粉誘導体、特公昭44-3643号に記載のポリビニ
ルアルコール、スイス特許330,158号に記載されたポリ
スチレン或いはポリメチルメタアクリレート、米国特許
3,079,257号に記載のポリアクリロニトリル、米国特許
3,022,169号に記載のポリカーボネートのような有機物
粒子を含むことができる。
【0056】これらマット剤はそれぞれ単独で用いても
よく、併用してもよい。マット剤の形状は定形のマット
剤としては球形が好ましいが、他の形例えば平板状、立
方形であってもよい。マット剤の大きさはマット剤の体
積を球形に換算したときの直径で表される。本発明にお
いてマット粒径とはこの球形換算した直径のことを指す
ものとする。
【0057】本発明に用いることができる下引層とし
て、ポリヒドロキシベンゼン類を含む有機溶剤系での下
引き加工層、水系ラテックス下引層が挙げられる。
【0058】該下引き層は通常、表面を化学的ないし物
理的に処理することができる。該処理としては薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面活
性化処理が挙げられる。
【0059】本発明においては、通常の水溶性染料の他
に固体分散化された染料が、いずれかの親水性コロイド
層中に含有されていてもよい。その層は乳剤面側の最外
層でもよく、ハレーション防止等の目的で乳剤層より下
層及び/またはバッキング面側にも添加せしめられても
よい。また、イラジエーションの調整のため乳剤層中に
適量が添加されていてもよい。無論、複数の層に複数種
の固体分散染料が含有されていてもよい。固体分散染料
の添加量としては、一種類につき5mg/m2〜1g/m2が好
ましく、特にこのましくは10mg/m2〜800mg/m2であ
る。用いられる固体分散体の微粒子は、該染料をボール
ミル、あるいはサンドミル等の分散機により粉砕し、
水、あるいはゼラチン等の親水性コロイド、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、フッ素化オクチルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、サポニン、ノニルフェノキシ
ポリエチレングリコール等の表面活性剤とともに分散し
て得ることが出来る。
【0060】本発明に用いられる染料の一般式として
は、米国特許4,857,446号等に記載されているものが挙
げられ、例えば一般式〔I〕〜〔V〕の様なものが好まし
く用いられる。
【0061】本発明は、印刷用、X-レイ用、一般ネガ
用、一般リバーサル用、一般ポジ用、直接ポジ用等の各
種感光材料に適用することができるが、極めて高い寸法
安定性を要求される印刷用感光材料に適用した場合特に
著しい効果がえられる。
【0062】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
現像温度は50℃以下が好ましく、特に25℃〜40℃前後が
好ましく、又現像処理時間は2分以内に終了することが
一般的であるが、特に5〜60秒の迅速処理を行うとより
好ましい結果が得られる。
【0063】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に示すが、本
発明がこの実施例に限定されるものではないことは言う
までもない。
【0064】実施例1 (ラテックスLx−1の合成)水60リットルにゼラチン
1.0kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01kg
および過硫酸アンモニウム0.05kgを加えた液に、液温60
℃で撹拌しながら、窒素雰囲気下で(ア)スチレン3.0k
g、(イ)メチルメタアクリレート3.0kg、(ウ)エチル
アクリレート3.2kgの混合液および2-アクリルアミド-2-
メチルプロパンスルホン酸ナトリウム0.8kgを1時間か
けて添加する。その後1.5時間撹拌後更に1時間水蒸気
蒸留して残留モノマーを除去した後0.5kgのゼラチンを
加え、更に1.5kgの下記殺菌剤を加えた後、室温まで冷
却する。
【0065】アンモニア水を用いてpHを6.0に調整し得
られたラテックス液を水で75kgに仕上げた。
【0066】以上のようにして平均粒径0.1μmの単分散
ラテックスを得た。
【0067】
【化7】
【0068】(ハロゲン化銀乳剤の調製)硝酸銀溶液
と、塩化ナトリウム及び臭化カリウム水溶液に六塩化ロ
ジウム錯体を8×10-5モル/銀1モルとなるように加え
た溶液を、ゼラチン溶液中に流量制御しながら同時添加
し、脱塩後、粒径0.13μm、臭化銀1モル%を含む立方
晶、単分散塩臭化銀乳剤を得た。
【0069】この乳剤を通常の方法で硫黄増感して、安
定剤として6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3,3a,7テトラザイ
ンデンを添加後、下記の添加剤を加えて乳剤塗布液を調
製し、ついで乳剤保護層塗布液、バッキング層塗布液、
バッキング保護層塗布液を下記組成にて調製した。
【0070】 (乳剤塗布液の調製) 化合物(a) 1mg/m2 NaOH(0.5N) 塗布液をpH5.6に調整する量 化合物(b) 40mg/m2 化合物(c) 30mg/m2 サポニン(20%水溶液) 0.5cc/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20mg/m2 5-メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 化合物(d) 2mg/m2 化合物(e) 10mg/m2 化合物(f) 6mg/m2 ラテックスLx (表1に示す) スチレン-マレイン酸共重合性ポリマー(増粘剤) 90mg/m2 上記乳剤塗布液の調製に用いた化合物の構造を示す。
【0071】
【化8】
【0072】
【化9】
【0073】尚、比較に使用したラテックスLx−2は
以下のように合成した。
【0074】(ラテックスLx−2の合成)水40リット
ルに名糖産業KMDS(デキストラン硫酸エステルナト
リウム塩0.25kgおよび過硫酸アンモニウム0.05kgを加え
た液に、液温80℃で撹拌しつつ、窒素雰囲気下で(ア)
n-ブチルアクリレート4.51kg、(イ)スチレン5.49kg、
及び(ウ)アクリル酸0.1kgの混合液を1時間かけて添
加、その後1.5時間撹拌、反応終了後更に1時間水蒸気
蒸留して残留モノマーを除去したのち、室温まで冷却し
てから、アンモニア水を用いてpHを6.0に調整した。得
られたラテックス液は水で50.5kgに仕上げた。
【0075】 (乳剤保護層塗布液) ゼラチン 表1に記載 化合物(g)(1%水溶液) 25cc/m2 化合物(h) 120mg/m2 球状単分散シリカ(8μm) 20mg/m2 〃 (3μm) 10mg/m2 化合物(i) 100mg/m2 クエン酸 pH6.0に調整 ラテックスLx (表1に示す) (ラテックスLxを含まない比較用乳剤保護層には、本
Lxに含まれる量と等量のゼラチンを添加した。) (バッキング層塗布液) ゼラチン 1.0g/m2 化合物(j) 100mg/m2 化合物(k) 18mg/m2 化合物(l) 100mg/m2 サポニン(20%水溶液) 0.6cc/m2 ラテックス(m) 300mg/m2 5-ニトロインダゾール 20mg/m2 スチレン-マレイン酸 共重合性ポリマー(増粘剤) 45mg/m2 グリオキザール 4mg/m2 (バッキング保護層塗布液) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(g)(1%) 2cc/m2 球状ポリメチルメタクリレート(4μm) 25mg/m2 塩化ナトリウム 70mg/m2 グリオキザール 22mg/m2 化合物(n) 10mg/m2 上記各塗布液の調製に用いた化合物の構造は次の通りで
ある。
【0076】
【化10】
【0077】
【化11】
【0078】
【化12】
【0079】以上の様に調製した各塗布液を、特開昭59
-19941に示す下引きを施した厚さ100μmのポリエチレン
テレフタレートベース上に、10W/(m2・min)でコロナ
放電をかけた後、下記組成にてロールフィットコーティ
ングパン、およびエアーナイフを使用して塗布した。
尚、乾燥は90℃、総括伝熱係数25Kcal(m2・hr・℃)の平
行流乾燥条件で30秒間行い、続いて140℃90秒で行っ
た。乾燥後のこの層の膜厚は1μm、この層の表面比抵
抗は23℃、RH55%で1×108Ωであった。
【0080】
【化13】
【0081】 硫酸アンモニウム 0.5g/リットル ポリエチレンオキシド化合物(平均分子量600) 6g/リットル 硬化剤 12g/リットル
【0082】
【化14】
【0083】このベース上にまず乳剤面側として支持体
に近い側より乳剤層、乳剤保護層の順に、35℃に保ちな
がらスライドホッパー方式により硬膜剤液を加えながら
同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させ
た後、バッキング層及びバッキング保護層をやはりスラ
イドホッパーにて硬膜剤を加えながら塗布し、冷風セッ
ト(5℃)した。各々のセットゾーンを通過した時点で
は、塗布液は、充分なセット性を示した。引き続き乾燥
ゾーンにて両面を同時に下記乾燥条件にて乾燥した。
尚、バッキング側を塗布した後は巻取りまではローラ
ー、その他には一切無接触の状態で搬送した。このとき
塗布速度は100m/minであった。
【0084】(乾燥条件)セット後H2O/ゼラチンの重
量比が800%となるまで30℃の乾燥風で乾燥し、800〜20
0%を35℃、RH30%の乾燥風で乾燥させ、そのまま風を
あて、表面温度34℃となった時点(乾燥終了とみなす)
より30秒後に48℃、RH16%の空気で1分乾燥した。この
とき、乾燥時間は乾燥開始〜H2O/ゼラチンの重量比800
%までが50秒、800%〜200%までが35秒、200%〜乾燥
終了までが5秒である。
【0085】この感光材料を23℃、RH40%で巻取り、つ
いで同環境下で断裁し、同環境下で3時間調湿したバリ
アー袋に、(40℃、RH10%で8時間調湿した後23℃、RH
40%に2時間調湿してある)厚紙と共に密封した。
【0086】以上のようにして感光材料試料No.1〜27
を作成した。各試料の銀量、ゼラチン量及びラテックス
Lx−1及びLx−2の添加量を表1に示す。
【0087】尚、ゼラチン量は、ハロゲン化銀乳剤層、
乳剤保護層、に含まれるゼラチンの合計量を示す。
【0088】これらの試料について減力特性と銀スラッ
ジを下記のように評価した。
【0089】(減力特性)試料を18cm×30cmの大きさに
切り、次にあらかじめ原稿として用意した網点画像を本
試料として密着させ明室プリンター627FM(大日本スク
リーン株式会社製)を用いてオリジナル50%の網点が露
光、現像後55%網点になるように露光した。
【0090】 (標準処理条件) 現像 28℃ 30秒 定着 28℃ 20秒 水洗 常温 15秒 乾燥 40℃ 35秒 〔現像液処方〕 (組成A) 純水(イオン交換水) 150cc. エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55%W/V水溶液) 100cc. 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5-メチルベンゾトリアゾール 200mg 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 30mg 水酸化カリウム 使用液のpHを10.9にする量 臭化カリウム 4.5g (組成B) 純水(イオン交換水) 3cc. ジエチレングリコール 50mg エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3cc. 5-ニトロインダゾール 110mg 1-フェニル-3-ピラゾリドン 500mg 現像液の使用時に水500cc.中に上記組成物A、次に組成
物Bの順に溶解し、1リットルに仕上げて用いた。
【0091】〔定着液処方〕 〔組成A〕 チオ硫酸アンモニウム(100%換算で) 168.2g 純水 5.0g 亜硫酸ナトリウム 5.63g ホウ酸 9.78g クエン酸ナトリウム・二水塩 2.0g 酢酸ナトリウム・三水塩 27.8g 酢酸(90W/W%) 6.4g 〔組成B〕 硫酸アルミニウム水溶液(Alで8.1W/W%) 25.31g 純水 2.82g 硫酸(50W/W%) 6.74g 上記A剤に純水を加えて約800ccにしたのち、B剤を加
えて1リットルに仕上げる。仕上がり後の定着液のpHは
約4.38であった。
【0092】減力処理は下記の減力液により行った。
【0093】硫酸セリウム20%水溶液。
【0094】減力特性の評価結果を表1に示す。
【0095】尚、結果の評価に当たって、減力特性につ
いては網点濃度、減力前4.0以上が3.0まで低下したとき
にどれだけ網%が減少したかによって評価を行い、減少
した網%が多い程減力巾が広く優れていることを示す。
【0096】(銀スラッジ)コニカ製自動現像機GR-27
(現像液タンク40リットル)で大全サイズ(610×508m
m)の試料を5秒間隔で連続500枚処理した時の現像液中
の銀濃度を分析した。試料のうち5枚に1枚を全黒化さ
せ、あとの4枚は未露光の状態とした。
【0097】補充量は大全1枚当たり現像液74cc、定着
液120ccとなるように補充した。
【0098】評価結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】表1から明らかなように本発明の試料No.
1〜11は、減力巾が広く、銀スラッジの軽減効果が大き
いことが分かる。
【0101】
【発明の効果】本発明により、減力特性に優れ、処理時
における銀スラッジの生成を著しく軽減したハロゲン化
銀写真感光材料が得られた。
フロントページの続き (72)発明者 藤田 章夫 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料において、該感光性ハロゲン化
    銀乳剤層に含まれる銀量と、該感光性ハロゲン化銀乳剤
    層及び非感光性親水性コロイド層に含まれる総ゼラチン
    量との単位面積当たりの重量比が1.3以上であり、かつ
    該ゼラチンの量が3.3g/m2以下、かつ該感光性ハロゲン
    化銀乳剤層及び非感光性親水性コロイド層がゼラチンで
    安定化したポリマーラテックスを含有することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0962816A1 (en) * 1998-06-04 1999-12-08 Eastman Kodak Company Improved topcoat for motion picture film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0962816A1 (en) * 1998-06-04 1999-12-08 Eastman Kodak Company Improved topcoat for motion picture film

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