JPH063501Y2 - 自動販売機のつり銭返却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動販売機に於いて、つり銭返却時及び回収
時に利用する自動販売機のつり銭返却装置に関するもの
である。

従来の技術 自動販売機のつり銭返却装置は、自動販売機の売上げを
管理するためつり銭についても回収するため、回収時間
の短縮、使い勝手の向上及びつり銭返却口裏板の操作忘
れを防止する構造が要求されていた。

以下図面を参照しながら、上述したような従来の自動販
売機のつり銭返却装置について説明する。

第４図から、第６図は従来の自動販売機のつり銭返却装
置の構造を示すものである。第４図に於いて、１は断熱
箱からなる自動販売機の本体で庫内は内扉２により外部
と断熱されている。又本体１には扉３が取付けられてお
り、この裏面にはコインメカ４と、つり銭の返却装置５
が固定されている。そして、つり銭の返却及び回収時、
コインメカ４からつり銭返却装置５につり銭が落下す
る。前記つり銭返却装置５は、軸６とピン７，７′が距
離を設けて固定されている。８はつり銭返却装置５の底
板で、両サイドのフランジ８′に設けた長穴に前記軸６
が通っている。又底板８の先端はＵ型曲げとなっており
ピン７，７′に係合している。９はコイルバネで、前記
軸６に通されており前記扉３の返却口３′側へ底板８を
傾斜されている。又底板８の中程にはピン７，７′が通
るような切欠き８′′′がある。

以上のように構成された自動販売機のつり銭返却装置に
ついて、以下その動作について説明する。

扉３を開き底板８を切欠８′′′がピン７，７′の位置
にくるまで引き、底板８を下方に引きおろし、コインメ
カ４よりつり銭返却口３′とは反対側に落下させて回収
する。そして、回収し終わり底板８を解放すると、コイ
ルバネ９により第６図の実線の位置にもどり、その後底
板８の先端のＵ型曲げがピン７′にはまるまで押し込
む。尚内扉２は第６図の実線の時は底板８に当っていな
い。又商品購入者につり銭を返却する時は、前扉３の返
却口３′に軸１０を支点として回転する小扉１１を開け
つり銭を取り出す。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来例においては、つり銭回収後、
第６図の実線より底板８を、押し込み忘れる事が有り得
るので、つり銭返却時に硬貨の重さで底板８が回動して
底板８、内扉２とのすき間より、つり銭が落ちるといっ
た問題点があった。又部品点数も多くコスト的にもその
操作性にも問題があった。

本考案は、上記問題点に鑑み、つり銭回収時のつり銭返
却口底板の操作忘れを防止するとともに部品点数を削減
し、加えて操作性向上を目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するための、本考案の特徴は、自動販
売機前面に取付けられた開閉可能な小扉を有するつり銭
返却口と、前記自動販売機内の前記つり銭返却口の奥側
に設けられた箱状のつり銭返却口本体と、このつり銭返
却口本体下部であってつり銭返却口の反対側の面に設け
られた開口部と、頂部に突起からなるストッパーガイド
を有し前記開口部に開閉可能に軸支された裏板と、裏板
を前記開口部を閉塞する方向に付勢保持するスプリング
と、下部の表側に傾斜した係合面を有する支持板とより
なり、前記支持板はつり銭返却口本体に上下移動可能に
取り付けられ、かつ前記支持板の取り付け位置はつり銭
返却口本体の開口部の上部であって裏板を閉じる時に係
合面が裏板のストッパーガイドと当接し裏板を閉じた状
態の時は支持板の裏側がストッパーガイドと当接する位
置である自動販売機のつり銭返却装置にある。

作用 本考案の自動販売機のつり銭返却装置は、つり銭を回収
するときは、つり銭返却口本体に設けられた裏板を回動
して開き、コインメカから落下したつり銭を裏側から取
り出す。

そしてつり銭の回収を終わって回収者が裏板を離すと、
裏板はスプリングによって引き戻される。この裏板がつ
り銭返却口本体の開口部に向かって閉じる動作をすると
きに、裏板の頂部に設けられた突起からなるストッパー
ガイドが支持板の係合面に勢い良く当接する。

すると支持板には、傾斜した係合面の作用により上向き
の力が発生し、支持板は上方向に逃げる。その結果、裏
板は支持板の下をくぐって進み、つり銭返却口本体の開
口部を閉じる。

裏板のストッパーガイドが支持板の下を通り抜けると、
支持板は重力によって元の位置に復帰する。そして支持
板の裏面が裏板のストッパーガイドに当接し、裏板をロ
ックする。

実施例 以下本考案の一実施例のつり銭返却装置について、図面
を参照しながら説明する。

第１図から第３図は、本考案の一実施例における自動販
売機のつり銭返却装置の構成を示すものである。

Ａはつり銭返却装置で、つり銭返却口本体１２は、下部
両サイドに設けたガイド１２ａと裏板１３の保持スプリ
ング１５の固定部１２ｂがあり、裏板１３は、下部両サ
イドに支持軸１３ａが１体成型されており、つり銭返却
口本体１２のガイド１２ａの係合穴１２ｃに嵌挿して、
回動する。

裏板１３は上部が水平に折り返されており、頂部に壁状
の突起であるストッパーガイド１３ｂが設けられてい
る。

１３ｃは一体成形されたスプリング固定部である。

１３ｄは前記支持軸１３ｃを中心に同心円状のＲ形の裏
板下部形状である。

支持板１４は先端がＶ字に曲がっており、表面の下部に
傾斜した係合面を有する板である。

支持板１４は長口１４ａを有し、支持板係止ビスによっ
てゆるく固定されており、軽い力で上下方向に移動可能
である。つり銭返却口本体１２と裏板１３は保持スプリ
ング１５で、一定方向に押圧されている。

次に上記実施例の動作について説明する。

つり銭をコインメカ４から回収する場合、裏板１３を開
き、支持板１４を長孔１４ａの移動分上へ移動させて、
裏板１３を支持軸１３ａを中心に、第２図の二点鎖線の
ように回動させて、つり銭を回収する。回収後、裏板１
３を開放すると、保持スプリング１５のスプリング力
で、裏板は元の位置に戻ろうとする。この時ストッパー
ガイドが支持板１４の係合面に勢いよく当たる。そして
支持板１４は第３図の実線の位置から、裏板１３のスト
ッパーガイド１３ｂと、支持板１４の係合面１４ｂがお
互いに反発して、支持板１４は二点鎖線のように移動し
て、裏板１３は元へもどる。その後支持板１４は自重で
落下して、第２図の様にストッパーガイド１３ｂと支持
板１４が係合して、裏面の回動のストッパーの役目をは
たすので、つり銭回収後セット忘れによる、つり銭落下
といった欠点がなくなるという利点と、又裏板と支持軸
が１体になっている為、部品点数が削減出来、かつ裏板
１３のＲ部１３ｃとつり銭返却口本体１２との隙Ｂを硬
化の厚み以下にする事で硬貨の落下も無くなり、つり銭
取り出しが容易になる。

考案の効果 本考案は、上記のような構成であり、以下に示す効果が
得られる。

(a)つり銭返却口の裏板は、通常支持板でストッパーの
役目を果し、つり銭の重み及び外圧が加わっても、回動
してつり銭が落下することが防止できる。

(b)つり銭回収後、裏板が保持スプリングのスプリング
力で元に位置までもどり、又支持板の上下移動によって
ストッパーの役目を果すので、セット忘れの防止ができ
る。

(c)つり銭返却口の２部品はそれぞれ成型加工されてい
る為寸法精度の向上も図れることにより裏板を開にし、
つり銭を回収する際、前記裏板のＲ部にそって硬貨回収
がスムーズにできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のつり銭返却装置の斜視図、
第２図は同第１図の断面図、第３図は同第１図の要部断
面図、第４図は従来の自動販売機の斜視図、第５図は同
つり銭返却装置の斜視図、第６図は同第５図の断面図で
ある。 Ａ……つり銭返却装置、１２……つり銭返却口本体、１
２ａ……ガイド、１２ｂ……スプリング固定部、１２ｃ
……係合穴、１３……裏板、13a……支持軸、１３ｄ…
…ストッパーガイド、13c……スプリング固定部、１３
ｄ……Ｒ形状、１４……支持板、１４ｂ……係合面、１
５……支持スプリング。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機前面に取付けられた開閉可能な
   小扉を有するつり銭返却口と、前記自動販売機内の前記
   つり銭返却口の奥側に設けられた箱状のつり銭返却口本
   体と、このつり銭返却口本体下部であってつり銭返却口
   の反対側の面に設けられた開口部と、頂部に突起からな
   るストッパーガイドを有し前記開口部に開閉可能に軸支
   された裏板と、裏板を前記開口部を閉塞する方向に付勢
   保持するスプリングと、下部の表側に傾斜した係合面を
   有する支持板とよりなり、前記支持板はつり銭返却口本
   体に上下移動可能に取り付けられ、かつ前記支持板の取
   り付け位置はつり銭返却口本体の開口部の上部であって
   裏板を閉じる時に係合面が裏板のストッパーガイドと当
   接し裏板を閉じた状態の時は支持板の裏側がストッパー
   ガイドと当接する位置である自動販売機のつり銭返却装
   置。
2. 【請求項２】つり銭返却口本体下部に係合穴と、前記裏
   板の下端に前記係合穴に入り回動自由な支持軸を１体成
   型するとともに、この裏板下部は前記支持軸を中心に同
   心円状のＲ形状を有する実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の自動販売機のつり銭返却装置。