JPH06348329A - 工作機械の制御方法 - Google Patents

工作機械の制御方法

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JPH06348329A
JPH06348329A JP15809393A JP15809393A JPH06348329A JP H06348329 A JPH06348329 A JP H06348329A JP 15809393 A JP15809393 A JP 15809393A JP 15809393 A JP15809393 A JP 15809393A JP H06348329 A JPH06348329 A JP H06348329A
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潔 沢田
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浩 長岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 仮想Y軸上移動をX軸、C軸上の移動で実現
する型の工作機械における加工精度の均一化。 【構成】 位置P0 からP1 へワーク加工面で移動する
場合、CNCから供給される補間点データ(x0i、y0
i)を共有メモリから読み込み、XCデータ(X0i、θ0
i)に変換する。先行補間点に対応するXCデータ(X0
i-1、θ0i-1)との差分ΔX0iが≠0ならば、移動完了
迄のC軸の速度推移をワーク回転中心からの距離)に応
じて制御する為に、速度ループゲインKc を変更する。
ゲイン変更後直ちにパルス分配処理を行なって、X軸、
C軸に関する位置パルスを生成する。モータのサーボ制
御を行ないながら、上記処理をi=1からi=100ま
で繰り返して、直線加工経路P1 からP2 に沿った加工
を実行する。加工点がワーク回転中心から離れても、最
小移動単位に対応した仮想Y軸上の移動速度増大が抑え
られるので、加工精度が低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、工作機械の制御方法
及び制御装置に関し、特に、直交座標系上でプログラム
された動作指令を直交座標系の1軸とワーク回転C軸上
の運動指令に変換して加工を実行する型の工作機械を制
御する為の方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直交座標系上でプログラムされた動作指
令を直交座標系の1軸とワーク回転C軸上の運動指令に
変換して加工を実行する型の工作機械は、既に公知であ
る。図1は、この型の工作機械の加工実行部分周辺の概
略構成を概念的に例示したものである。図1において、
符号1で総括的に指示されている精密工作機械は、ベッ
ド6と該ベッド6上に設けられた工具移動部9及びワー
ク移動部12を備えている。工具移動部9は、Xガイド
7に沿って移動可能に配置されたXスライド8を有し、
Xスライド8に搭載されたエア・スピンドル4にはダイ
ヤモンド工具5が装着されている。一方、ワーク移動部
12は、コラム10、Zスライド11、Cテーブル(回
転テーブル)2から構成されており、Cテーブル2には
ワーク3が取り付けられている。
【0003】ここに示した工作機械では、Cテーブル2
に取り付けられたワーク3に対し、エア・スピンドル4
に装着された工具5を用いたフライカッティング方式に
よる切削加工が施される。ワーク3を取り付けたCテー
ブルの回転移動位置とZ軸方向移動位置、及び、工具5
を装着したエア・スピンドル4を搭載したXスライド8
のX軸方向位置は、サーボ機構を介して制御される。
【0004】図中符号13で併記したXYZ座標系の各
座標軸の方向に照らして明きらかなように、このような
工作機械においては、ベッド6に対して垂直方向に移動
するY軸は存在しない。従って、このY軸方向の垂直移
動に相当したワーク工具間の相対移動は、Cテーブル2
とXスライド8の間の相対移動によって実行されること
になる。即ち、本工作機械におけるY軸は「仮想Y軸」
となる。
【0005】図2は、図1に示された工作機械につい
て、工具5によるワーク3の切削点の移動位置とX軸、
C軸、Z軸及び仮想Y軸の関係をより明瞭に説明する為
の図である。図において、工具5は、Xスライド8の移
動に伴ってX軸上を直線移動する。ワーク3は、Z軸の
周りでCテーブル2の回転と一体的な回転移動を行なう
と共にZ軸上で直線移動を行なう。ワーク3の工具5に
よる切込み量は、このZ軸上での直線移動によって定め
られる。
【0006】以上説明した工作機械を用いて切削加工を
実行するに際しては、通常、XYZ直交座標系上で表現
されたプログラムに含まれる移動指令をNC装置内でX
軸、C軸及びZ軸に関する移動指令に変換し、これに基
づいて各サーボモータを制御しながら切削加工を実行す
る訳であるが、従来方式においては、加工点のX軸位置
によって仮想Y軸方向の移動速度が変動するという事実
に対して配慮がなされていなかったので、均一な工作精
度が保てないという問題が生じていた。
【0007】その理由を図3を参照して説明する。図3
は、図1、図2に示した工作機械に取り付けられたワー
ク3をZ軸方向から見た図であり、XY平面上でワーク
3の切削面が描かれている。今、Xスライド8の移動位
置に対応して、工具5の先端点(切削点)のX軸上座標
値がX1 、X2 、X3 にある3つの状態について、Cテ
ーブル2に最小移動指令単位Δθmin の移動指令が与え
られた時の仮想Y軸方向の直線移動経路をL1 、L2 、
L3 、その長さ、即ち直線移動量をΔY1 、ΔY2 、Δ
Y3 で表わすことにする。
【0008】図3に示された関係から明かなように、切
削点がX軸原点であるCテーブル(ワーク3)の回転中
心から離れ、X座標値がX1 、X2 、X3 と大きくなる
につれて、仮想Y軸方向の移動量ΔY1 、ΔY2 、ΔY
3 が正比例的に大きくなっている。ここで、C軸の回転
移動指令量が最小単位Δθmin であるということは、こ
れらΔY1 、ΔY2 、ΔY3 が仮想Y軸方向移動の最小
単位であるということに他ならない。換言すれば、ΔY
1 、ΔY2 、ΔY3 は各位置X1 、X2 、X3における
分解能を与えていることになる。
【0009】通常、精密加工を行なう場合の加工速度
は、極めて低い速度領域に設定されるから、このような
最小単位の移動の繰り返しによってマクロな範囲に亙る
加工が行われるものと考えて良い。C軸の最小移動指令
値Δθmin を一定値とすれば、C軸移動に関する速度に
対して特に配慮がなされていない従来方式においては、
ワーク回転の角速度ωの推移もX座標値に拘らず一定と
なり、従って、各直線L1 、L2 、L3 に沿った仮想Y
軸方向の最小移動時の速度V1 、V2 、V3 について、
V1 <V2 <V3 の関係が生じることになる。最小移動
単位に対応した移動速度Vが大きくなると、加工精度に
悪影響を及ぼすようになることは当然のことである。
【0010】このような事態を回避する為に従来より採
用されている1つの方策は、C軸上の移動位置を検出す
る位置検出器の分解能を上げると共に、1位置パルスが
表わす移動量を小さく設定してC軸制御を行なうやり方
である。しかしながら、位置検出器の分解能乃至位置検
出精度を上げることには物理的な限界があり、特に高い
加工精度が要求される場合には、この分解能の限界によ
って加工精度が左右される事態を招いていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願発明は、直
交座標系上でプログラムされた動作指令を直交座標系の
1軸(X軸)とワーク回転C軸上の運動指令に変換して
加工を実行する型の工作機械を制御するに際して、X軸
上で原点から遠ざかった場合に生起される仮想Y軸方向
の分解能低下の問題を解決し、加工点のX座標値如何に
関わらず均一で安定した加工精度を保つことを可能にし
た制御方法及び制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0012】別の観点から言えば、本願発明は、高分解
能の位置検出器を要することなく、また、位置検出器の
高分解能化の限界に左右されることなく、上記仮想Y軸
方向の移動に関連した上記分解能低下の問題を解決し得
る制御方法及び制御装置を提供することを企図してなさ
れたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明は、直交座標系
上でプログラムされた動作指令をX軸上の直線移動指令
とZ軸周りでワークを回転させるワーク回転C軸上の回
転移動指令を含む指令に変換してX軸に直交する仮想Y
軸方向の移動を含む加工プロセスを実行する型の工作機
械の為の制御方法において、C軸上移動の駆動力を与え
るサーボモータを制御するに際し、C軸に関する速度ル
ープのゲインをX軸上の位置に応じて変化させる処理を
介して仮想Y軸上における移動速度のX軸上位置に対す
る依存性を低下させることにより、上記問題点を解決す
る基本的な方法を提供したものである(請求項1に記載
の方法)。
【0014】また本願発明は、上記制御方法において、
仮想Y軸上における移動速度のX軸上位置に対する依存
性を実質的に除去し、より一層の加工精度の均一化、安
定化を図ったものである(請求項2に記載の方法)。
【0015】更に本願発明は、直交座標系上でプログラ
ムされた動作指令をX軸上の工具直線移動指令とZ軸周
りでワークを回転させるワーク回転C軸上の回転移動指
令を含む指令に変換する手段と、X軸上の工具直線移動
指令とワーク回転C軸上の回転移動指令を含む指令に基
づいて各対応するサーボモータを制御するサーボ制御手
段を備えた工作機械の為の制御装置に、該サーボ制御手
段にC軸に関する速度ループのゲインをX軸原点位置か
らの距離に応じて低下させるように変化させるゲイン調
整手段を含ませることによって、上記問題点を解決し得
る工作機械の制御装置を提供したものである(請求項3
に記載の装置)。
【0016】更に、本願発明上記制御装置に備わってい
るゲイン調整手段による速度ループのゲイン調整につい
て、仮想Y軸上における移動速度のX軸上位置に対する
依存性が実質的に除去されるという要件を課すことによ
って、より一層の加工精度の均一化、安定化を図ったも
のである(請求項4に記載の装置)。
【0017】
【作用】図4(a)、(b)及び図5(a)、(b)
は、Cテーブルを最小移動指令単位Δθmin 移動させた
場合について、角速度ωと仮想Y軸上の移動速度Vy を
立ち上がり部分から移動完了(t=T)に至る迄の推移
の形で模式的に描いたものである。図5(a)について
は、移動完了(t=T)後の十分に長い時間(速度値が
速度指令値通りの値にほぼ一致するに要する程度の時
間)まで仮想的に考えた場合の推移が書き加えられてい
る。
【0018】既に説明したように、従来方式のよる制御
を行なった場合にはCテーブルの角速度ωはX座標値に
無関係であり、仮想Y軸上の最小移動ΔY1 、ΔY2 、
ΔY3 に対応するω値について、その立ち上がり時の時
間的推移ω(t)を含めて差異は生じない。図4(a)
には、この関係が1本の曲線で示されている。
【0019】一方、ω値乃至その推移ω(t)が、各経
路L1 、L2 、L3 について共通である場合について、
各対応仮想Y軸上移動速度推移Vy1(t)、Vy2
(t)、Vy3(t)を考えると、図4(b)に示されて
いる通り、Vy1(t)<Vy2(t)<Vy3(t)の関係
を満たした3本の曲線に分かれることが判る。このよう
な仮想Y軸上の最小移動移動に対応した移動速度Vy の
X座標値依存性により、仮想Y軸上に関する分解能が変
動し、加工精度の均一性が損なわれることは、先に述べ
た通りである。
【0020】これに対して、本願発明の制御方法によれ
ば、Cテーブルを駆動するサーボ系の速度ループのゲイ
ンKc がCテーブル原点から離隔距離(=|X|)に関
する減少関数の形で調節される。すると、図5(a)に
示されているように、ω値の推移ω(t)が、移動完了
に要する時間内(0<t≦T)で見る限り、速度経路L
1 、L2 、L3 について共通ではなくなる。即ち、対応
するω値推移ωy1(t)、ωy2(t)、ωy3(t)につ
いて、ωy1(t)>ωy2(t)>ωy3(t)の関係が保
たれることになる。各推移を表わす曲線は、移動完了に
要する時間Tよりも十分長い時間T’が経過すると、速
度指令値に対応した値ω0 に収束するが、本願発明で
は、このような収束が起こるより相当以前に移動を完了
させるような制御を想定している。例えば、8msの位
置指令受渡し周期中に1パルスの移動指令があるか無い
かの制御を行い、速度指令値に飽和するよりもずっと以
前に移動を完了させてしまう動きを繰り返すことによっ
て、ワーク周縁部で面粗度10nm程度の加工を行なう
ことを目指すものである。
【0021】これに対応した各対応仮想Y軸上移動速度
推移Vy1(t)、Vy2(t)、Vy3(t)を0<t≦T
の範囲で考えると、図4(b)に示された3本の曲線が
互いに近づき合うように修正された曲線が得られること
が容易に理解される。Kc (|X|)を適当な強さの減
少関数に選べば、各最小移動経路L1 、L2 、L3 に対
応したVy1、Vy2、Vy3を、図5(b)に示されたよう
な1本の曲線Vy(regl) に収束させることが可能とな
る。
【0022】このようにして、仮想Y軸上の最小移動移
動に対応した移動速度Vy のX軸座標値依存性が抑制乃
至除去されれば、仮想Y軸に関する分解能が均一化さ
れ、ワークの加工領域全体に亙って安定した加工精度が
保証されることになる。
【0023】
【実施例】図6は、本願発明に従ったゲイン制御を含む
デジタルサーボ制御を実行するシステムの構成の1例を
記した要部ブロック図であり、図7は図6に示されたサ
ーボ制御システムによって制御されるCテーブル駆動モ
ータに関連したブロック線図である。また、図8は本実
施例で想定したワーク上2点間の直線移動経路及びその
間の補間点を模式的に表わした図であり、図9は本願発
明に従った制御を実行する為の処理手順の1例の概要を
表わしたフローチャートである。以下、これらの図を参
照して、本願発明の実施例について説明する。
【0024】先ず図6において、符号20はマイクロコ
ンピュータ内蔵の数値制御装置、21は不揮発性RAM
で構成され、CNC20及びデジタルサーボ回路22の
マイクロプロセッサ(CPU)のいずれからもアクセス
可能な共有メモリである。
【0025】デジタルサーボ回路22は、マイクロプロ
セッサ(CPU)、RAM、ROM等を含み、図7に示
したブロック線図に対応したサーボ処理を行なう機能を
有している。また、23はサーボモータであり、C軸、
X軸及びZ軸上における移動を受け持つ各モータを代表
させて表記したものである。24は、各サーボモータ2
3に取り付けられたパルスエンコーダである。なお、以
上の基本構成自体は従来より知られたものであるから、
特に詳細な説明は省略する。
【0026】CNC20のCPUは、CNC内のメモリ
に格納された直交座標系データで表現されたプログラム
データを順次読み込み、XYZデータに対して必要な補
間計算を行ない、所定周期毎に各軸(X軸、仮想Y軸、
Z軸)移動指令を共有RAM21に送り出す。
【0027】一方、デジタルサーボ回路22のCPU
は、このXYZデータで与えられた移動指令を共有メモ
リ21から所定周期で読み出し、XCZデータに変換し
た上で位置指令信号を生成する(詳しくは、後述する図
9のフローチャート関連説明を参照)。なお、XYZ位
置データを便宜上(x、y、z)で表わし、CXZ上位
置データを(θ、X、Z)で表わすと、両者の変換関係
は次のようになる。
【0028】
【数1】 ここでC軸制御に関するブロック線図を記した図7を参
照すると、31は位置ループの伝達関数で、Kp は位置
ループゲインを表わす。また、32は速度ループの伝達
関数で、Kc は速度ループのゲインであり、比例項を含
む通常の部分k1 以外にk2 (X値依存可変項)を含ん
でいる。このk2 (X値依存可変項)は本願発明に固有
の項である。
【0029】符号33はサーボアンプとサーボモータを
含む系の伝達関数を表わし、Kt はモータのトルク定
数、Jはモータ軸にかかるエナーシャに対応する伝達関
数である。また、34、35は積分を表わしている。
【0030】デジタルサーボ回路22は、本願発明の技
術思想を反映させながら、図7のブロック線図に対応し
たサーボ制御を行なう。以下、デジタルサーボ回路22
のCPUによって実行されるゲイン調整を含むC軸制御
処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。こ
こでは、CNC20のメモリから読み出されたプログラ
ムデータ(XYZデータ)に基づき、加工点を図8に示
された通り位置P0 からP1 へ、ワーク加工面上、即ち
XY平面上で直線移動させるケースを考える。P0 及び
P1 のXYZ座標値(小文字アルファベットxyzで表
記)を各々P0 =(x0 、y0 、z0)、P1 =(x1
、y1 、z1 )とする。また、P0 スタート時におけ
るP0 のXC座標値を(X0 、θ0 )とする。なお、切
込み量は一定とする。従って、前述の(4)式から、Z
=z1 =z2 =一定値である。以下の説明では、Z軸に
関する記述を省略する。
【0031】補間点は、P0 P1 間を100等分し、便
宜上P0 P1 は各々0番目、100番目に補間点とみな
すこととする。一般に、i番目の補間点をP0iで表わ
し、そのXY座標値を(x0i、y0i)[i= 0,1,2.....9
9,100 ]とする。そして、i番目の補間点に対応するX
C座標値を(X0i、θ0i)とする。P0 スタート時にお
けるP0 のXC座標値(X0 、θ0 )は、(X000 、θ
000 )となる。
【0032】先ず、CNC20のCPUが処理を開始
し、プログラムデータ(XYデータ)を読み込んで補間
計算を行ない、補間点データ(x0i、y0i)を所定周期
で共有メモリ21に送り出し始める。これに応じて、デ
ジタルサーボ回路22内のCPUが処理を開始する。処
理開始時、補間点指標iは1にセットされる(ステップ
S1)。次いで、補間点データ(x0i、y0i)を共有メ
モリ21から読み込み(ステップS2)、これを前述
(1)式〜(3)式に従ってXCデータ(X0i、θ0i)
に変換する(ステップS3)。
【0033】第1回目の処理では、(X001 、θ001 )
が求められる。次いで、前番の補間点に対応するXCデ
ータ(X0i-1、θ0i-1)との差分ΔX0i、Δθ0iを計算
し、X座標値の差分ΔX0iが0か否かを判断する(ステ
ップS4)。加工点とワーク回転中心との距離に変化が
あればΔX0i≠0となり、変化がなければ(原点中心の
円弧軌道要素上の微小移動に相当している場合)、ΔX
0i=0となる。
【0034】図8の事例では、回転中心から徐々に離隔
する加工経路がプログラムされているから、各処理周期
において算出される差分ΔX0iについて、常にΔX0i>
0が成立することになる。そこで、ステップS5へ進
み、ゲインk2 を変更する。ゲイン変更量は、計算また
は実測により求めた最適のX座標値依存性が得られるよ
うに、k2 (X)を階段関数値データの形でデジタルサ
ーボ回路22のメモリ内に格納しておき、これをX座標
値レベルに応じて読み出すことによって定めれば良い。
k2 (X)に最適のX座標値依存性を与えれば、図5で
説明したようなω値推移乃至仮想Y軸上移動速度推移曲
線Vy(regl) が得られることになる。
【0035】ゲイン変更が完了したら直ちにパルス分配
処理を行なって、X軸、C軸に関する位置パルスを生成
する(ステップS6)。C軸制御部では、C軸位置パル
スの位置指令入力Pc を受けて位置ループ処理を行い、
速度指令値出力Vc を生成する。その際、パルスエンコ
ーダ24から得られる現在位置Pf とPc との位置偏差
εp の積算値に応じた位置ループゲインKp の下で処理
が行なわれ、速度指令値Vc が出力される。作用の説明
の欄で述べたように、このVc が実際に実現される前に
1処理サイクルが終了するから、Vc の値は|X|に依
存して変化する必要は無い。
【0036】これに対して、速度ループ処理に際して
は、通常のゲインk1 の他にk2 項がある為に、|X|
値が大きくなる程抑制されたトルク指令値Tc を生成
し、サーボアンプへ入力する。そして、この|X|値に
応じて抑制されたトルク指令(電流指令)Tc を受けた
サーボアンプがモータにトルク指令Tc に対応した駆動
電流を流すことによってモータが回転する。その際の速
度推移は図5(a)に示されたように、|X|に依存し
たものとなる。即ち、|X|が増大するにつれて速度増
加が鈍くなり(加速度小)、その結果、処理周期に対応
した移動完了時点で実現される速度Vf は、|X|が増
大するにつれて小さくなる。
【0037】さて、デジタルサーボ回路22は、このよ
うなサーボ制御を各処理サイクル毎に行なう一方、ステ
ップS6に続き、補間点指標iを1カウントアップし
(ステップS7)、位置P1 への未到達をチェックした
上で(ステップS8)、ステップS2へ復帰する。そし
て、次のXY補間点データを読み込み、以後、上述のス
テップS2〜ステップS8の処理を位置P2 へ到達する
迄繰り返す。本事例とは異なる移動経路がプログラムさ
れ、X座標値の変化ΔX0iがステップS4で0と判断さ
れれば、ステップS5を経ずにステップS6へ向かうこ
とは当然である。
【0038】100番目の補間点とみなされるP1 のデ
ータ(x1 、y1 )をステップS2で読み込み、ステッ
プS3〜ステップS7を経てステップS8に至ると、初
めてイエスの判断が出され、P0 →P1 の直線移動の処
理を完了する。移動経路に後続部分があれば、上記処理
サイクルを後続経路について繰り返すことは言うまでも
ない。
【0039】以上、ワーク上で加工点を直線移動させる
ケースについて説明を行なったが、円弧経路がプログラ
ムで指定されている場合には、円弧経路を定める3点間
をカバーする補間点データをCNC20が計算し、共有
メモリ21へ補間点データを送り込むことになる。以後
のデジタルサーボ回路22の処理が上記説明したものと
基本的に変わらないことについては、特に説明を要しな
いであろう。
【0040】
【発明の効果】本願発明によれば、直交座標系上でプロ
グラムされた移動指令に基づき、ワーク回転C軸上の回
転移動とX軸上の移動を組み合わせて、仮想Y軸方向の
移動を含む加工プロセスを実行する型の工作機械を制御
するに際して、仮想Y軸上における移動速度のX軸上位
置に対する依存性が抑制あるいは除去されるから、X軸
原点(C軸回転中心)から離れた加工位置においても、
中心部と同等の加工精度が実現される。また本願発明に
よれば、特に高分解能の位置検出器を使用することな
く、従来利用されているサーボ制御系にゲイン調整手段
を追加するだけの簡単な構成で、加工精度の均一化を達
成するものであるから、経済的にも有利である。
【0041】更に、本願発明は位置検出器の高分解能化
に基いて仮想Y軸方向の分解能変動を抑止したものでは
ないから、使用される位置検出器の分解能如何に関わら
ず、ワーク回転中心から離れた部分の加工精度がワーク
回転中心付近で達成可能な加工精度まで引き上げられる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】直交座標系上でプログラムされた動作指令を直
交座標系の1軸とワーク回転C軸上の運動指令に変換し
て加工を実行する型の工作機械の加工実行部分周辺の概
略構成を概念的に例示した図である。
【図2】図1に示された工作機械について、工具による
ワークの切削点の移動位置とX軸、C軸、Z軸及び仮想
Y軸の関係をより明瞭に説明する為の図である。
【図3】図1、図2に示した工作機械に取り付けられた
ワーク3をZ軸方向から見た図である。
【図4】従来方式に従ってCテーブルを最小移動指令単
位Δθmin 移動させた場合について、角速度ωと仮想Y
軸上の移動速度Vy を立ち上がり部分からの推移の形で
模式的に描いた図である。
【図5】本願発明の制御方法に従ってCテーブルを最小
移動指令単位Δθmin 移動させた場合について、角速度
ωと仮想Y軸上の移動速度Vy を立ち上がり部分からの
推移の形で模式的に描いた図である。
【図6】本願発明に従ったゲイン制御を含むデジタルサ
ーボ制御を実行するシステムの構成の1例を記した要部
ブロック図である。
【図7】図6に示されたサーボ制御システムによって制
御されるCテーブル駆動モータに関連したブロック線図
である。
【図8】本実施例で想定したワーク上2点間の直線移動
経路及びその間の補間点を模式的に表わした図である。
【図9】本願発明に従った制御を実行する為の処理の1
例の概要を表わしたフローチャートである。
【符号の説明】
1 工作機械 2 ワーク回転Cテーブル 3 ワーク 4 エア・スピンドル 5 ダイヤモンド工具 6 ベッド 7 Xガイド 8 Xスライド 9 工具移動部 10 コラム 11 Zスライド 12 ワーク移動部 13 XYZ座標系 20 CNC(マイクロコンピュータ内蔵数値制御装
置) 21 共有メモリ 22 デジタルサーボ回路 23 サーボモータ 24 パルスエンコーダ 31 位置ループの伝達関数 32 速度ループの伝達関数 33 サーボモータの伝達関数 34、35 積分を表わす伝達関数 Δθmin C軸最小移動指令単位 L1 、L2 、L3 Δθmin に対応する仮想Y軸方向の
直線移動経路 ΔY1 、ΔY2 、ΔY3 L1 、L2 、L3 の長さ ω、ω(t)、ωy1(t)〜ωy3(t) Cテーブル回
転角速度とその推移 Vy1(t)、Vy2(t)、Vy3(t) 仮想Y軸上移動
速度推移 Kc C軸上移動の速度ループゲイン Vy(regl) ゲイン調整時の仮想Y軸上移動速度推移

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交座標系上でプログラムされた動作指
    令をX軸上の工具直線移動指令とZ軸周りでワークを回
    転させるワーク回転C軸上の回転移動指令を含む指令に
    変換して前記X軸に直交する仮想Y軸方向の移動を含む
    加工プロセスを実行する型の工作機械の為の制御方法に
    おいて;前記C軸上移動の駆動力を与えるサーボモータ
    を制御するに際し、前記C軸に関する速度ループのゲイ
    ンを前記X軸上の位置に応じて変化させるプロセスを含
    む処理を介して、前記仮想Y軸上における移動速度のX
    軸上位置に対する依存性を低下させることを特徴とする
    前記工作機械の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記仮想Y軸上における移動速度のX軸
    上位置に対する依存性が実質的に除去されることを特徴
    とする請求項1に記載された工作機械の制御方法。
  3. 【請求項3】 直交座標系上でプログラムされた動作指
    令をX軸上の工具直線移動指令とZ軸周りでワークを回
    転させるワーク回転C軸上の回転移動指令を含む指令に
    変換する手段と、前記X軸上の直線移動指令とZ軸周り
    のワーク回転C軸上の回転移動指令を含む指令に基づい
    て、各対応するサーボモータの動作を制御するサーボ制
    御手段を備えた工作機械の為の制御装置において;前記
    サーボ制御手段が、前記C軸に関する速度ループのゲイ
    ンを前記X軸原点位置からの距離に応じて低下させるよ
    うに変化させるゲイン調整手段を含んでいることを特徴
    とする前記工作機械の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ゲイン調整手段が、前記C軸に関す
    る速度ループのゲインを、前記仮想Y軸上における移動
    速度のX軸上位置に対する依存性が実質的に除去される
    ように調整することを特徴とする請求項3に記載された
    工作機械の制御装置。
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