JPH06348030A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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Publication number
JPH06348030A
JPH06348030A JP5160353A JP16035393A JPH06348030A JP H06348030 A JPH06348030 A JP H06348030A JP 5160353 A JP5160353 A JP 5160353A JP 16035393 A JP16035393 A JP 16035393A JP H06348030 A JPH06348030 A JP H06348030A
Authority
JP
Japan
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substrate
pallet
plate
mask plate
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5160353A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Ueno
雅敏 上野
Shigeki Minami
茂樹 南
Takashi Higuchi
尚 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP5160353A priority Critical patent/JPH06348030A/ja
Publication of JPH06348030A publication Critical patent/JPH06348030A/ja
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板と原板とをエアー溜まりを存在させるこ
となく確実に密着する。 【構成】 真空枠456を上昇させて可撓性を有するマ
スクプレート310をその端部において持ち上げ、この
マスクプレート310を基板Kに対して凸状に湾曲して
撓ませる。このようにマスクプレート310を強制的に
湾曲させると、基板KおよびパターンフィルムPFの周
囲においてパレットシール材434により形成されてい
た気密室317を、気密に維持したままその容積を増大
させ、負圧とすることができる。しかも、この気密室3
17の負圧化とほぼ同時にマスクプレート310の吸引
孔315から気密室317内の空気を吸引する。よっ
て、基板KとパターンフィルムPFと当初凸部にて密着
し、その後、基板KとパターンフィルムPFとの密着領
域は、この凸部から放射状に急速に拡大する。このた
め、基板KとパターンフィルムPFとをその中央から端
部にかけて確実に密着させ、両者をその全面に亘り密着
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリント回路基
板や印刷板等の基板にフォトレジスト膜を形成する露光
装置に関し、詳しくは、基板と原板とを密着させて露光
する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の露光装置にあっては、その露光
精度は原板と基板との位置決め精度に依存する。そこ
で、この両者を精度良く位置決めするために、CCDカ
メラを利用した位置決めいわゆるアライメント動作が次
のようにして行なわれている。即ち、基板と原板とには
予め位置決め用のマーク(アライメントマーク)を設け
ておき、まず、基板と原板とを密着させた場合における
この両マークのズレ量をCCDカメラにより読み取る。
そして、この読み取ったズレ量が所定範囲のものとなる
よう、基板或いは原板のいずれか一方を調整移動するの
である。この場合、基板或いは原板の調整移動を円滑に
且つ精度良く行なうために、基板が載置されるパレット
或いは原板が密着・保持されるマスクプレートのいずれ
かを調整移動するよう構成されている。
【0003】このアライメント動作完了後には、基板と
原板とが密着するようこの両者をパレットとマスクプレ
ートとにより挟持する。このように基板と原板とを密着
するに当たっては、実開平1−139237号に提案さ
れているように、パレットとマスクプレートとの間にシ
ール部材を介在させて基板の周囲に気密室を形成し、こ
の気密室内の空気を吸引して基板と原板とを真空密着す
ることが一般的である。
【0004】しかも、この実開平1−139237号で
は、シール部材が基台の周縁部に装着され、かつその内
圧を変更することにより厚み方向の寸法を変更可能なシ
ール部材が採用されている。そして、シール部材の中空
部にポンプにより空気を供給または排出することでその
内圧を変えている。つまり、アライメント動作時には、
低圧にしてシール部材が透明保持板に対して接触抵抗と
ならないようにされ、一方、アライメント動作完了後に
は、内圧を高くして気密性を高め、上記気密室内の空気
の吸引による基板と原板との真空密着の信頼性を高めて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に提
案された露光装置では、パレットとマスクプレートとの
間に介在し気密室を形成するシール部材が中空部を有す
る構造である都合上、次のような不具合がある。つま
り、このシール部材に僅かな傷が生じたり、膨張・収縮
の繰り返しによりシール部材に疲労劣化が生じたりする
と、内圧の調整ができないためにシール不良を起こす。
このため、基板と原板との密着の信頼性が低い。
【0006】更に、シール部材の中空部内圧は、外気温
度や通気されるエアーの温度等により変動し、また、こ
の中空部へのエアーの通気箇所と当該通気箇所から離れ
た中空部の部位では若干内圧が異なる。このため、基板
と原板との間隙は一様ではなく、例えば基板の一端面と
これに対向する端面とにおいて上記間隙が異なることが
ある。この状態のまま基板周囲の気密室内を吸引する
と、その吸引孔は基板と干渉しない位置、具体的に基板
の周囲側から空気が吸引されていく。このため、基板の
例えば中央部にエアー溜まりが存在したまま基板と原板
とが密着することがある。このようにエアー溜まりが存
在する密着不良が起きると、アライメントには支障はな
いものの、基板の露光品質が低下してしまう。
【0007】また、シール部材の中空部とポンプとの間
の配管が気密室内の空気の吸引用の配管とは別個に必要
なため、配管構造も複雑である。しかも、シール部材が
中空部を有する構造であるため、構成自体が複雑である
とともにその製造が極めて困難である。
【0008】もっとも、中空部を有するような特別なシ
ール部材ではなく弾性に富むシール部材を用いれば、シ
ール不良に起因する基板と原板との密着不良は起きにく
く、構造も簡略化できる。しかしながら、上記したよう
に基板と原板との間にエアー溜まりを残したまま、この
基板と原板とを密着してしまう虞があることに変わりは
ない。
【0009】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であり、基板と原板とを確実に密着することができる露
光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、原板と基板とを密着させて露光す
る露光装置であって、上記基板が載置されるパレット
と、可撓性を有し、かつ上記原板を密着して保持する保
持板と、該保持された原板が上記パレットに載置された
基板と対向するよう上記保持板を支持する保持板支持手
段と、上記原板および基板を取り囲むよう上記保持板ま
たはパレットのいずれか一方に装着されたシール基部
と、該シール基部から一体的に突設され、上記基板と原
板とが積層されたときには上記シール基部の装着されて
いない側の上記保持板またはパレットの一方に当接して
弾性変形し上記基板および原板の周囲に気密室を形成す
るシール部とを有するシール部材と、上記形成された気
密室内の空気を吸引する吸引手段とを備え、上記シール
部材のシール部は、上記保持板支持手段に支持された保
持板がその略中央を上記パレットに対して凸とし該略中
央の凸部における上記原板が少なくとも上記パレットの
基板に接触するよう撓んだ場合であっても、上記気密室
を維持するよう該撓んだ保持板に追従して弾性変形する
ものであることを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の露光装置では、保持板とパレットとの
間に、原板および基板を介在させ、原板と基板とを密着
して露光する。そして、原板と基板との密着を次のよう
にして行なう。
【0012】保持板は、可撓性を有し、この保持板に密
着して保持された原板がパレットに載置された基板と対
向するよう、即ち保持板自身がパレットに対向するよう
保持板支持手段により支持されている。このように対向
する保持板とパレットのいずれか一方には、シール部材
のシール基部が装着されており、シール基部には弾性変
形可能なシール部が当該シール基部から一体的に突設さ
れている。そして、基板と原板とが積層されると、この
シール部材のシール部がシール基部の装着されていない
側の保持板またはパレットの一方に当接して弾性変形す
ることにより、基板および原板の周囲に気密室が形成さ
れる。
【0013】このようにして形成された気密室は、保持
板がその略中央をパレットに対して凸としその略中央の
凸部における原板が少なくともパレットの基板に接触す
るよう撓んだ場合であっても、この保持板の撓みに追従
してシール部が弾性変形することで、気密に維持された
ままである。この場合、保持板は、自身の性質である可
撓性に基づいて撓んでいてもよく、また、何らかの方法
により強制的に撓まされていてもよい。
【0014】そして、基板および原板の周囲の気密室内
の空気を吸引手段により吸引すると、原板は保持板の略
中央の凸部において基板に接触若しくは接近した状態で
原板と基板との間が負圧となる。よって、原板および保
持板はその略中央の凸部からパレットおよび基板に倣っ
て撓んでいくので、原板はまずこの略中央の凸部におい
て基板に密着し、徐々にこの密着領域を放射状に拡大し
て当該基板に密着していく。この際、ただ単に気密室の
空気を吸引すればよく、気密性を高める等のために特別
な配管等を必要としない。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る露光装置の好適な実施例
について、図面を用いて説明する。まず、実施例の露光
装置の全体構成および動作の概況について説明する。
【0016】この露光装置100は、プリント配線基板
(以下、基板という)の片面(例えば基板表面)にマス
クプレートにおける配線パターンを露光するものであ
り、次のような構成を備える。図1,図2に示すよう
に、露光装置100は、外部から搬入された基板Kを後
工程に適切に供給するための位置決めいわゆるプリアラ
イメントを行なう基板供給部200と、基板Kとマスク
プレートとを密着させ基板Kに配線パターンを露光する
基板露光部300と、露光済みの基板を装置外部に排出
するための基板排出部600とを、装置フレーム102
に固定して備える。また、露光装置100は、基板供給
部200と基板露光部300との間における基板搬送を
行なう基板供給搬送部700、および、基板露光部30
0と基板排出部600との間における基板搬送を行なう
基板排出搬送部800を、装置フレーム102に図中矢
印方向に移動自在に備える。
【0017】この露光装置100は、図2に示すよう
に、基板の保持,搬送および基板露光等に関する一連の
動作において常時2枚のパレット318を用いる。つま
り、露光装置100は、露光開始時には1枚のパレット
318を基板露光部300の基板吸着機構450におけ
る真空枠ベース458に吸着しておく。そして、もう1
枚のパレット318(図示省略)を、基板排出搬送部8
00の各基板搬送ユニット802におけるパレット吸着
搬送アーム810に吸着して基板排出部600に待機さ
せている。この状態から露光装置100は基板露光のた
めの動作を開始し、その概略は次の通りである。
【0018】まず、露光装置100は、外部から搬入さ
れた基板Kを基板供給部200にてその中央にプリアラ
イメントする。次いで、露光装置100は、プリアライ
メントした基板Kを、基板供給搬送部700の基板吸着
ボード702に吸着し、リニアガイドレール110に沿
って(X軸に沿って)基板露光部300のパレット31
8(第1のパレット318)上に搬送する。そして、露
光装置100は、基板露光部300にて次の一連の動作
を行なう。まず、露光装置100は、第1のパレット3
18上の基板と、下部露光枠体308に保持されたマス
クプレート310下面のパターンフィルムPFとを密着
させる。この状態で、上部露光枠体306のCCDカメ
ラ312,314にて基板のアライメントマークとパタ
ーンフィルムPFのアライメントマークとのズレを読み
取り、一旦密着を解除した後、このズレ量に応じてXY
θテーブル410をXYθの3軸について駆動制御す
る。そして、基板とパターンフィルムPFとの位置合わ
せ(アライメント)を行なう。なお、CCDカメラ31
2,314は、ガイドシャフト330(X軸)および露
光枠体304のガイドレール324(Y軸)に沿って移
動自在である。
【0019】このアライメントに続いては、第1のパレ
ット318および基板をマスクプレート310下面に密
着させ、マスクプレート310に第1のパレット318
および基板を後述するように真空密着する。その後、露
光枠体304上方の光源302を点灯して、基板Kにパ
ターンフィルムPFの配線パターンを露光する。
【0020】一方、露光装置100は、基板排出部60
0に待機させておいたもう1枚のパレット318(第2
のパレット318)を、この基板露光の間に、基板露光
部300の真空枠ベース458に基板排出搬送部800
により搬送する。この基板露光の間には、第1のパレッ
ト318はマスクプレート310下面に吸着されている
ので、上記した第2のパレット318の搬送に支障はな
い。次いで、この第2のパレット318を真空枠ベース
458に吸着させてから、次回の露光処理の対象である
基板Kを基板供給部200にてプリアライメントした
後、基板供給搬送部700により基板露光部300の上
記第2のパレット318上に搬送する。
【0021】更に、露光装置100は、露光済みの基板
を第1のパレット318とともに基板排出搬送部800
により基板露光部300から基板排出部600に搬送す
る。次いで、次回の露光処理として、第2のパレット3
18上の基板とマスクプレート下面のパターンフィルム
PFとの位置合わせ(アライメント)、マスクプレート
への第2のパレット318および基板の保持(真空密
着)、並びに基板Kへの配線パターンの露光を行なう。
つまり、露光装置100は、常時2枚のパレット318
を用い連続的に露光処理する。そして、露光装置100
は、この次回の露光処理と平行して、基板排出を次のよ
うにして行なう。まず、基板排出部600に搬送済みの
露光済み基板を、基板離脱機構650の基板離脱ユニッ
ト651,652に吸引・吸着する。そして、基板離脱
ユニット651,652に吸着した露光済み基板Kを、
この基板搬送ユニット802の基板露光部300への侵
入を待って基板搬出ローラ列630上に載置する。その
後、この基板搬出ローラ列630により、露光済み基板
Kを装置外部、例えば基板反転装置(図示省略)に排出
する。この場合には、基板反転装置で反転された基板の
裏面に、もう1台の露光装置100により別の配線パタ
ーンが露光される。
【0022】次に、基板露光部300の構成のうち、本
発明の要旨と直接関係する構成について詳細に説明す
る。光源302の下方に位置しマスクプレート310を
保持する下部露光枠体308は、その平面図である図3
に示すように、中央が大きく開口したコの字状の底面板
350とその開口部下面に固定された開口端横板351
とで、枠体とされている。この開口端横板351は、図
3における4−4線拡大断面図である図4に示すよう
に、断面U字形の形鋼を用いて形成されたフレーム35
2の開口部に、当該フレームの補強用のブロック353
を固定して形成されている。図示するように、ブロック
353は、その上面が底面板350の上面より低くなる
よう、フレーム352に固定されている。底面板350
の3方は、その周縁に立設された側面板354,35
5,356で取り囲まれており、各側面板は、適宜な間
隔でリブ357にて補強されている。
【0023】底面板350の上面には、マスクプレート
310のY軸方向の幅より僅かに広い間隔で、ローラガ
イド列358,359,360が対向して、X軸に沿っ
て設置されている。底面板350の開口内部には、ロー
ラガイド列358,359,360の並びに沿ってタイ
ミングベルト361が両側(図3における上下)に掛け
渡されている。しかも、この上下のタイミングベルト3
61は、図中右方向から搬入されたマスクプレート31
0が乗り上げるよう掛け渡されており、図示しないモー
タにより正逆回転する。また、上下のタイミングベルト
361は、側面板355側の底面板350の上面に回転
自在に軸支されたシャフト363を共通のモータ駆動力
伝達部材とする。よって、上下のタイミングベルト36
1は、同一方向に同時に回転する。
【0024】このため、図中右方向から搬入されたマス
クプレート310は、タイミングベルト361に乗り上
げると、図4中矢印d方向に回転するタイミングベルト
361により下部露光枠体308へ引き込まれる。一
方、下部露光枠体308へ引き込まれたマスクプレート
310は、矢印dと反対方向に回転するタイミングベル
ト361により下部露光枠体308から搬出される。こ
の場合、マスクプレート310は、対向するローラガイ
ド列358,359,360により案内されつつ、上記
したように移動する。なお、下部露光枠体308へ引き
込まれたマスクプレート310の先端面と対向する位置
には、パターンフィルムPFの配線パターン等の情報を
マスクプレート310の先端面に貼着されたバーコード
から読み取るバーコードリーダ319が、図3に示すよ
うに底面板350の上面に設置されている。
【0025】このほか、下部露光枠体308には、タイ
ミングベルト361により引き込んだマスクプレート3
10を位置決めする位置決め機構が設けられている。マ
スクプレート310は、紫外領域の波長の光の透過効率
の高い透明な樹脂製の板材であって可撓性を有し、例え
ばアクリル樹脂等を用いて作成される。そして、このマ
スクプレート310は、図5に示すように、各辺の中央
に、位置決め用の駒311a〜311dを有し、各駒に
は、位置決め溝313が形成されている。つまり、上記
位置決め機構は、この位置決め溝313を介してマスク
プレート310を位置決めするものであり、次のように
して構成されている。なお、図5に示すように、マスク
プレート310の位置決め用の駒311a,311cに
おける位置決め溝313は、その開口部がテーパ面とさ
れている。
【0026】マスクプレート310が下部露光枠体30
8に引き込まれたとき、マスクプレート310の駒31
1bに対応する位置には、図3に示すように、マスクプ
レート310をX軸方向に位置決めする位置決め機構3
64が設けられている。この位置決め機構364は、図
3における6−6線拡大断面図である図6に示すよう
に、マスクプレート310の位置決め溝313に嵌合す
る径のロッドを有するシリンダ366を、底面板350
の上面に固定されたL字状のブラケット368で支持し
て構成される。
【0027】従って、位置決め機構364は、シリンダ
366を駆動してそのロッドを伸長させて、当該ロッド
をマスクプレート310の駒311bの位置決め溝31
3に嵌合させる。この際、図示するように、シリンダ3
66のロッドは、マスクプレート310の位置決め溝3
13を突き抜け、底面板350の切欠350aまで伸長
する。マスクプレート310の駒311dに対応する位
置にも上記位置決め機構364が設けられているので、
マスクプレート310の駒311dの位置決め溝313
にもシリンダのロッドが嵌合する。よって、各位置決め
機構364のシリンダ366のロッドがマスクプレート
310の上下の駒311b,311dのそれぞれの位置
決め溝313に嵌合するので、マスクプレート310は
X軸方向に対して位置決めされる。
【0028】マスクプレート310の駒311aに対応
する位置、即ちマスクプレート310のY軸方向の辺の
中央および対向するローラガイド列358,359,3
60間の中央の位置には、図3に示すように、マスクプ
レート310をY軸方向に位置決めする位置決め機構3
70が設けられている。この位置決め機構370は、図
4に示すように、マスクプレート310の位置決め溝3
13に嵌合する径のシャフト371を、底面板350の
上面に固定されたL字状のブラケット372で垂直に支
持して構成される。よって、マスクプレート310がタ
イミングベルト361に乗り上げて下部露光枠体308
へ引き込まれると、この位置決め機構370は、位置決
め用の駒311aにおける位置決め溝313にシャフト
371を嵌合させる。なお、この際、マスクプレート3
10が僅かにY軸方向にずれて引き込まれても、位置決
め用の駒311aにおける位置決め溝313の開口部の
テーパ面にシャフト371が当接しマスクプレート31
0はこのテーパ面に案内される。このため、このような
場合であっても、位置決め機構370のシャフト371
は位置決め用の駒311aにおける位置決め溝313に
嵌合する。
【0029】マスクプレート310が下部露光枠体30
8に引き込まれたとき、マスクプレート310の駒31
1cに対応する位置には、図3に示すように、マスクプ
レート310をY軸方向に位置決めする位置決め機構3
73が設けられている。図3における7−7線拡大断面
図である図7に示すように、この位置決め機構373
は、マスクプレート310の位置決め溝313に嵌合す
る径の位置決めピン374と、この位置決めピン374
の回動中心となるシャフト375とを有し、次のように
構成されている。
【0030】位置決めピン374は、図7に示すよう
に、回動ブロック376に嵌合固定されている。シャフ
ト375は、その一方の端部において、この回動ブロッ
ク376の両側にフレーム352内壁に固定された一対
の軸支ブロック377に回動自在に軸支されている。そ
して、回動ブロック376は、セットネジ376aによ
りシャフト375に固定されている。
【0031】図3,図7に示すように、シャフト375
の他方の端部には、回動腕378が固定されており、こ
の回動腕378には、二股の連結具379を介して、ク
レビス型のシリンダ380が連結されている。従って、
位置決め機構373は、シリンダ380を駆動し回動腕
378,シャフト375を介して位置決めピン374を
シャフト375の軸を中心に回動させ、図7のM方向矢
視図である図8に示すように、位置決めピン374を駒
311cにおける位置決め溝313に嵌合させる。な
お、他の位置決め機構におけるシャフト371およびシ
リンダ366のロッドについても同様である。また、図
7およびこの図8に示すように、位置決め溝313の周
囲には、マスクプレート310裏面に逃げ310aが形
成されている。
【0032】このように、対向する位置決め機構370
と位置決め機構373により、マスクプレート310の
駒311a,311cにおける位置決め溝313にシャ
フト371,位置決めピン374が嵌合するので、マス
クプレート310はY軸方向に対して位置決めされる。
なお、既述したマスクプレート310の引き込み・搬出
時にあっては、位置決め機構373の位置決めピン37
4は、図7に二点鎖線で示す位置に回動し、マスクプレ
ート310と干渉することはない。
【0033】また、この下部露光枠体308には、マス
クプレート310を一時的に持ち上げるマスクプレート
リフト機構381が、図3における底面板350の上下
にそれぞれ2ヶ所ずつ設けられている。このマスクプレ
ートリフト機構381は、図3における9−9線拡大断
面図である図9に示すように、底面板350の上面に下
向きに取り付けられたシリンダ382と、底面板350
下面に固定された一対の受け具383にピン384を介
して軸支された回動腕385と、この回動腕385端部
に軸支されたローラ386と当接するリフト駒387と
を有する。
【0034】リフト駒387には、図9および図4に示
すように、長穴状の座ぐり穴が形成されている。この座
ぐり穴には、六角穴付きボルト388が配置され底面板
350の開口側端面に締め込まれる。こうして、リフト
駒387は、底面板350の開口側端面に上下動可能に
係合され、回動腕385端部のローラ386と当接して
当該ローラに支えられている。回動腕385のシリンダ
382側端部は二股とされており、その先端にはローラ
389が軸支されている。シリンダ382のロッド先端
には、上下に鍔を有する係合金具390が螺合されてい
る。この係合金具390の上下の鍔の間には、回動腕3
85のローラ389が組み込まれている。従って、マス
クプレートリフト機構381は、シリンダ382をその
ロッドが伸長するよう駆動して回動腕385をピン38
4を中心に揺動させ、回動腕385のローラ386を介
してリフト駒387持ち上げる。
【0035】この結果、図9に示すように、マスクプレ
ート310は、下部露光枠体308の4箇所のマスクプ
レートリフト機構381(図3参照)により、僅かに持
ち上げられることになる。この際、マスクプレート31
0は、その周囲の4つの位置決め機構のシリンダ366
のロッド(図6参照),シャフト371および位置決め
ピン374に位置決めされているので、この位置決めピ
ン374等に案内されて持ち上げられることになる。し
かも、マスクプレート310は、可撓性を有し上記した
ように4箇所のマスクプレートリフト機構381にその
端部が乗り上げて支持されることになる。そして、この
マスクプレート310下面に、パターンフィルムPFが
密着されている。
【0036】更に、この下部露光枠体308には、上記
した各位置決め機構によりX軸およびY軸方向に対して
位置決めされたマスクプレート310の下面に基板Kを
吸引して保持するための基板吸引機構391が設けられ
ている。この基板吸引機構391は、マスクプレート3
10にあけられた吸引孔315(図5)と対応する位置
に設けられており、次のように構成されている。なお、
マスクプレート310の下面への基板Kの密着は、後述
の基板吸着機構450にて行なわれる。
【0037】基板吸引機構391は、図3における10
−10線拡大断面図である図10に示すように、底面板
350の上面に取り付けられたシリンダ392と、側面
板355に固定された一対の受け具393にピン394
を介して軸支された回動腕395と、この回動腕395
先端に設けられた吸引ブロック396とを有する。吸引
ブロック396は、スプリング397により下方に付勢
された状態で回動腕395先端に設けられており、吸引
ブロック396の先端には樹脂製或いはゴム製の吸引パ
ット396aが気密に固定されている。また、吸引ブロ
ック396には、図示するように吸引用のエアーホース
396cが接続されている。回動腕395の末端におい
ては、この回動腕395とシリンダ392のロッドと
が、スペーサ398を介して連結されている。この場
合、回動腕395は皿ばね座金を介在させてスペーサ3
98と固定されている。なお、回動腕395は、薄板を
板金加工して形成されており、補強のためにその内部に
はブロック399が固定されている。そして、このブロ
ック399をピン394が貫通し、回動腕395の両側
の各受け具393(図3参照)にピン394が軸支され
ている。
【0038】従って、基板吸引機構391は、シリンダ
392をそのロッドを押し出すよう駆動して回動腕39
5をピン394を中心に揺動させ、回動腕395先端の
吸引ブロック396における吸引パット396aを、マ
スクプレート310の上面に押し付ける。この結果、図
10に示すように、マスクプレート310の吸引孔31
5は吸引パット396aにより塞がれる。よって、後述
するパレット318とマスクプレート310との間に形
成される気密室317内の空気を図示しない真空ポンプ
により吸引ブロック396のエアーホース396cを介
して吸引すれば、パレット318上の基板Kは、マスク
プレート310下面に、パレット318とともに吸着・
保持されることになる。
【0039】上記したマスクプレート310下面および
基板吸着機構450の真空枠ベース458上面(図2参
照)に吸着されるパレット318は、マスクプレート3
10より小さく形成されており、次のような構成を備え
る。パレット318は、図11およびこの図11におけ
る12−12線拡大断面図である図12に示すように、
断面コの字状のアルミニウム型鋼(板厚約1mm)を用
いて形成した枠体430を2本のアルミニウム型鋼の梁
431で補強し、この枠体430に樹脂プレート432
を載置して構成される。この樹脂プレート432は、基
板露光の際に照射する紫外領域の波長の光を透過させな
い性質を有する樹脂、例えばアクリルやポリカーボネー
ト等を用いて形成されている。なお、樹脂プレート43
2は、照射される紫外領域の波長の光を透過させなけれ
ば、透明であっても差し障りないことは勿論である。
【0040】樹脂プレート432は、枠体430にネジ
止めされた断面L字状の金具433により、枠体430
に組み付けられている。金具433のネジ止めに当たっ
ては、樹脂プレート432が枠体430の上面において
摺動できるよう、金具433と樹脂プレート432との
間に隙間が設けられている。
【0041】樹脂プレート432の周縁には、ゴム製
(シリコンゴム)のパレットシール材434が樹脂プレ
ート432の上面に気密に接着されている。このパレッ
トシール材434は、弾性に富み、パレット318の樹
脂プレート432に装着されるシール基部434aと斜
め外側に延びたシール部434bとを一体にして形成さ
れている。よって、パレット318上の基板Kとマスク
プレート310下面のパターンフィルムPFとが重なる
ようパレット318とマスクプレート310とを積層す
ると、パレットシール材434のシール部434bは、
マスクプレート310に当接して弾性変形しマスクプレ
ート310の自重により撓む。よって、この図10に示
すように、マスクプレート310とパレット318との
間には、基板KおよびパターンフィルムPFを取り囲む
よう気密室317が形成される。また、パレット318
上の基板Kとマスクプレート310下面のパターンフィ
ルムPFとが離れていても、パレットシール材434の
シール部434bがマスクプレート310と当接すれ
ば、パレットシール材434が弾性変形してやはりこの
気密室317が形成される。
【0042】つまり、気密室317は、基板Kとパター
ンフィルムPFとが重なるようパレット318とマスク
プレート310とが積層した状態から、このパレット3
18とマスクプレート310とがある程度離れた状態ま
での間に亘って、パレットシール材434により気密に
維持されたままである。よって、端部にて4箇所のマス
クプレートリフト機構381に支持されたマスクプレー
ト310が、図13に示すように、その中央がパレット
318に対して凸となりその端部が後述の真空枠456
により持ち上げられて湾曲した場合であっても、シール
部434bがマスクプレート310に当接して弾性変形
している限り、気密室317は気密に維持されたままで
ある。これは、マスクプレート310が湾曲してもシー
ル部434bはこの湾曲に追従して弾性変形することに
基づく。そして、この図13に示すように、マスクプレ
ート310下面に密着したパターンフィルムPFがマス
クプレート310の略中央の凸部においてマスクプレー
ト310上面の基板Kと接触した状態、或いはこのパタ
ーンフィルムPFがこの凸部において基板Kに接近した
状態で、後述するように気密室317内の空気が基板吸
引機構391により吸引される。なお、この図13は、
マスクプレート310の湾曲の程度を誇張して気密室3
17の様子を模式的に表わしたものである。
【0043】また、樹脂プレート432の中央上面に
は、図11に示すように、樹脂プレート432に載置さ
れた基板K(図15参照)との間にエアー溜まりを設け
るための基板吸引用凹部435が形成されている。更
に、パレット318の各コーナー周辺には、吸着プレー
ト436,437が枠体430の内部にネジ止めされて
いる。なお、この吸着プレート436,437は、基板
排出搬送部800が図1に示すように基板露光部300
に侵入したときに、基板排出搬送部800のパレット吸
着搬送アーム810と上下に重なるような場所に設置さ
れている。
【0044】各吸着プレート436,437の下面に
は、図11における14−14線拡大断面図である図1
4および15−15線拡大断面図である図15に示すよ
うに、ゴム製の吸着座リング438がそれぞれ埋設され
ている。このパレット318の基板排出搬送部800へ
の吸着は、次のようになされる。つまり、基板排出搬送
部800におけるパレット吸着搬送アーム810が上昇
して吸着プレート436,437の吸着座リング438
に密着すると、図中矢印で示すようにパレット吸着搬送
アーム810の吸引孔811から空気が吸引される。よ
って、パレット吸着搬送アーム810と吸着プレート4
36等との間が負圧となるので、パレット318は、こ
の吸着プレート436,437を介して、基板排出搬送
部800のパレット吸着搬送アーム810に吸着・保持
されることになる。
【0045】また、図15に示すように、吸着プレート
437にはエアー溜まり439が形成されている。一
方、基板吸引用凹部435の形成箇所において樹脂プレ
ート432下面には、逆止弁440が気密に接着されて
いる。そして、吸着プレート437と逆止弁440との
間には、エアー溜まり439と逆止弁440の吸引室4
41とを連通するエアーホース442が配管されてい
る。この逆止弁440は、ゴム製のいわゆる傘バルブ4
43を弁体として内蔵し、この傘バルブ443により透
孔444を介して吸引室441と基板吸引用凹部435
の吸引孔445aを連通する。即ち、この逆止弁440
は、傘バルブ443により、吸引室441と基板吸引用
凹部435における基板K下面のエアー溜まりとを連通
する。
【0046】従って、図中矢印で示すように吸着プレー
ト437においてパレット吸着搬送アーム810の吸引
孔811から空気が吸引されると、吸引室441が負圧
となるので、逆止弁440は傘バルブ443により透孔
444を開放する。よって、基板K下面のエアー溜まり
と吸引室441、延いてはエアー溜まり439とは連通
するので、基板K下面のエアー溜まりが負圧となって基
板Kはパレット318の上面に吸着される。しかも、パ
レット318は、吸着プレート436を介してパレット
吸着搬送アーム810に吸着・保持されることになる。
そして、パレット吸着搬送アーム810が吸着プレート
436,437から離れ或いは上記した吸引が停止され
て吸着プレート437のエアー溜まり439が大気開放
されても、逆止弁440により基板K下面のエアー溜ま
りは負圧に維持されるので、基板Kはパレット318の
上面に吸着されたままである。
【0047】また、図11および図15に示すように、
樹脂プレート432の中央下面には、パレット318上
面の基板Kを直接吸引してパレット318に吸着するた
めの吸着ポート446が気密に接着されている。この吸
着ポート446は、上記した逆止弁440と同様に傘バ
ルブ447を内蔵し、この傘バルブ447により透孔4
48を介して吸引室449と基板吸引用凹部435の吸
引孔445bを連通する。即ち、この吸着ポート446
は、傘バルブ447により、吸引室449と基板吸引用
凹部435における基板K下面のエアー溜まりとを連通
する。
【0048】従って、真空枠ベース458の中央に設置
されている吸着ソケット467が、図15に示すように
この吸着ポート446に装着され、図中矢印で示すよう
に吸着ソケット467から空気が吸引されると、吸引室
449は負圧となり傘バルブ447により透孔448は
開放される。よって、基板K下面のエアー溜まりが負圧
となり、基板Kはパレット318の上面に吸着されると
ともに、パレット318は真空枠ベース458に吸着・
保持されることになる。そして、吸着ソケット467が
吸着ポート446から離れ或いは上記した吸引が停止さ
れて吸引室449が大気開放されても、傘バルブ447
を内蔵する吸着ポート446により基板K下面のエアー
溜まりは負圧に維持される。よって、基板Kはパレット
318の上面に吸着されたままである。
【0049】更に、図11および図15に示すように、
パレット318の各コーナーには、枠体430を補強す
るコーナープレート470が枠体430の内部にネジ止
めされている。そして、各コーナープレート470の下
面には、テーパ状のパレット位置決め穴472が形成さ
れており、このパレット位置決め穴472には、基板排
出搬送部800により基板露光部300に搬入されたパ
レット318を受け取るためのパレット受けシリンダ4
64のロッドが侵入する。このため、次のようにしてパ
レット318が真空枠ベース458に載置される。
【0050】つまり、基板排出搬送部800が図1に示
すように基板露光部300に侵入して、パレット318
が基板排出部600側から単独で真空枠ベース458上
方に搬送されると、パレット受けシリンダ464はその
ロッドを伸長させる。よって、パレット受けシリンダ4
64の各ロッドはパレット318の各コーナーのパレッ
ト位置決め穴472のそれぞれに侵入する。このため、
パレット318は、各パレット受けシリンダ464のロ
ッドに位置決めされてロッド先端に保持されることにな
る。従って、このようにパレット318を位置決めした
パレット受けシリンダ464がそのロッドを引き込め
ば、パレット318は真空枠ベース458に対して位置
決めされて載置されることになる。この結果、真空枠ベ
ース458の中央に設置されている吸着ソケット467
はパレット318中央の吸着ポート446に装着されの
で、既述した基板Kのパレット318の上面への吸着・
保持が可能となる。なお、基板吸着機構450の真空枠
ベース458には、その上面にパレット318を直接吸
引する溝(図示省略)が設けられており、この溝を介し
た吸引により、パレット318は単独で真空枠ベース4
58に吸着・保持されることになる。
【0051】このようにして真空枠ベース458にパレ
ット318,基板Kを吸着する基板吸着機構450は、
図2に示すように、XYθテーブル410に直接固定さ
れる架台452と、この架台452に固定されパレット
318の載置・吸着が行なわれる458と、架台452
の上面に設置された4つのシリンダ454(図には2つ
を示す)により真空枠ベース458とは独立に上下動す
る皿状の真空枠456とを備える。真空枠456は、真
空枠ベース458を取り囲むよう形成されており、上下
方向に伸縮可能なシール材460を介して真空枠ベース
458と係合されている。また、真空枠456の開口部
端面には、その全周に亘ってシール材462が取り付け
られている。この他、基板吸着機構450には、アライ
メントのために真空枠ベース458をXYθテーブル4
10とともに上下動させるシリンダ424や、真空枠4
56を単独で持ち上げるためのシリンダ454(図には
2つを示す)等が設けられている。
【0052】次に、上記した露光装置100の電気的な
構成について、図16に示すブロック図を用いて説明す
る。図16に示すように、露光装置100の制御装置9
00は、予め書き込まれたプログラムに基づき各種の制
御対象機器をシーケンス制御するプログラマブルコント
ローラ(以下、PCという)910を中心に構成されて
いる。そして、制御装置900は、PC910と相互に
データの授受を行なう画像処理装置912およびパネル
コントローラ914と、露光装置100における種々の
パルスモータを駆動するためのモータドライバ群916
と、露光装置100におけるサーボモータを駆動するた
めのサーボドライバ群918と、基板供給部200,基
板露光部300等の構成部ごとのI/Oポートからなる
I/Oポート920とを有する。
【0053】画像処理装置912は、PC910からの
制御信号に応じてCCDカメラ312,CCDカメラ3
14から画像情報を入力する。そして、この画像処理装
置912は、入力した画像情報に基づいて、基板Kおよ
びパターンフィルムPFのアライメントマークのズレ量
を画像処理して求め、その結果をPC910に出力す
る。この場合、両アライメントマークのズレ量の許容範
囲、即ち基板KとパターンフィルムPFとの位置ズレの
許容範囲は画像処理装置912の記憶素子に予め記憶さ
れているので、画像処理装置912では上記ズレ量の算
出とともに、その適否が判定される。そして、この画像
処理装置912からは、次のような制御信号が出力され
る。まず、両アライメントマークのズレ量が許容範囲で
ある場合には、画像処理装置912からは、両アライメ
ントマークのズレ量の良否判定の結果(OK信号)のみ
が出力される。一方、両アライメントマークのズレ量が
許容範囲外である場合には、画像処理装置912から
は、両アライメントマークのズレ量の算出値と良否判定
の結果(NG信号)が出力される。この信号を受けるP
C910は、上記ズレ量が許容範囲内となるよう、XY
θテーブル410をその各軸について駆動制御する。
【0054】パネルコントローラ914は、PC910
の記憶したプログラムや露光装置100の駆動の状態、
例えば各構成部における基板Kの搬送或いは露光の状態
等を、ディスプレイ922に表示するものである。な
お、このディスプレイ922における表示は、パネルコ
ントローラ914に接続されたキーボード924の所定
キーの操作やPC910からの制御信号に基づき適宜実
行される。また、このキーボード924からは、処理す
る基板のロットにおけるロット枚数や使用するマスクプ
レート310の指示等のデータが入力され、これら入力
データがパネルコントローラ914を経てPC910に
出力される。
【0055】モータドライバ群916を構成する各モー
タドライバには、XYθテーブル410をXYθの各軸
ごとに駆動するパルスモータ416,417,418
と、CCDカメラ312,314をX軸に沿って移動す
るためのパルスモータ338と、CCDカメラ312,
314をY軸に沿って移動するためのパルスモータ34
4,346と、基板供給部200において基板Kをプリ
アライメントする図示しないX軸ガイドピンおよびY軸
ガイドピンをX軸又はY軸に沿ってそれぞれ移動するた
めのパルスモータ253,パルスモータ277と、パレ
ット吸着搬送アーム810を上下動するための各基板搬
送ユニット802ごとのパルスモータ838と、基板離
脱ユニット651,652をY軸に沿って移動するため
のパルスモータ660とが、それぞれ接続されている。
【0056】サーボドライバ群918を構成する各サー
ボドライバには、基板供給搬送部700の基板吸着ボー
ド702をX軸に沿って移動するためのサーボモータ7
12と、基板排出搬送部800の各基板搬送ユニット8
02をX軸に沿って移動するためのサーボモータ809
とが、それぞれ接続されている。
【0057】I/Oポート920には、センサ等の入力
機器からなるセンサ群926と、モータ等の駆動機器か
らなる駆動機器群928とが接続されている。このセン
サ群926は、基板供給部200への基板K搬入の有無
等を検出する図示しない基板搬入センサ等のセンサや空
気圧回路における種々の空気圧測定機器等から構成され
ている。また、駆動機器群928は、基板供給部20
0,基板露光部300等の各構成部ごとの種々のモータ
や光源302の他、アライメント用のシリンダ424,
パレット受けシリンダ464等の種々のシリンダや空気
圧回路における電磁弁等の種々の空気圧駆動機器等およ
び基板供給部200,基板露光部300等の各構成部ご
との複数の吸引ブロアや、基板Kの吸引用の真空ポンプ
等から構成される。そして、これらセンサの出力がI/
Oポート920を介してPC910に出力され、PC9
10からの制御信号に基づき種々のモータやシリンダ等
が駆動される。なお、各シリンダは、空圧の電磁弁を介
してI/Oポート920と電気的に接続されている。ま
た、各モータは、それぞれのドライバを介して接続され
ている。
【0058】次に、上記した構成を備える本実施例の露
光装置100が行う制御について、説明する。本実施例
の露光装置100では、基板Kについて、基板供給部2
00におけるプリアライメント制御,基板露光部300
への搬入・アライメント制御,基板露光部300におけ
る露光制御,基板排出部600への搬出・外部排出制御
の各制御が順次行なわれる。また、第1,第2のパレッ
ト318については、基板露光部300と基板排出部6
00との間で循環させるパレット循環制御、具体的には
露光済み基板Kと一緒に行なわれる基板排出部600へ
の排出およびパレット318単独での基板露光部300
への返送が繰り返し行なわれる。このうち、本発明の要
旨と直接関係する処理は、基板Kについての基板露光部
300への搬入・アライメント制御であるので、この搬
入・アライメント制御について詳細に説明する。なお、
基板Kについてのプリアライメント制御,搬入・アライ
メント制御,搬出・外部排出制御並びにパレットについ
てのパレット循環制御は、基板露光部300において露
光制御がなされている間に、所定タイミングで並行して
実行される。
【0059】図17は、基板Kについての基板露光部3
00への搬入・アライメント制御を示すフローチャート
であり、この基板搬入・アライメントルーチンは、基板
Kを基板供給部200にてプリアライメントするプリア
ライメントルーチンに引き続いて実行される。そして、
この基板搬入・アライメントルーチンでは、まず、図1
7のフローチャートに示すように、露光開始条件および
XYθテーブル条件が共に成立しているか否かを判断す
る(ステップS1100,1110)。
【0060】この露光開始条件は、プリアライメントル
ーチンにより基板Kが基板供給部200の中央にプリア
ライメントされると当該ルーチンにてオンされるもので
ある。一方、XYθテーブル条件は、基板露光部300
におけるXYθテーブル410がマスクプレート310
から離間した後の原点位置(下端位置)にあり、且つ、
XYθテーブル410の真空枠ベース458にはパレッ
ト318のみが吸着されていることが少なくとも必要で
あり、第1,第2のパレット318を基板露光部300
と基板排出部600との間で循環させるパレット循環ル
ーチンにてオンされる。なお、プリアライメントルーチ
ンにて露光開始条件がオンされる様子やパレット循環ル
ーチンにてXYθテーブル条件がオンされる様子は、本
発明の要旨と直接関係しないので、その説明は省略す
る。
【0061】ステップS1100,1110で共に肯定
判断した場合には、基板供給搬送部700により、基板
供給部200から基板露光部300の真空枠ベース45
8上のパレット318に基板Kを供給する(ステップS
1120)。つまり、サーボモータ712を駆動して基
板吸着ボード702を基板供給部200の中央部上方か
らX軸方向に沿ってその前進端まで移動させ、基板Kを
基板露光部300におけるパレット318の中央部の真
上まで搬送する。次いで、基板供給搬送部700の基板
吸着ボード702を最下点位置まで降下させ、基板吸着
ボード702に吸着・保持されている基板Kを基板露光
部300におけるパレット318の中央部に密着する。
その後、吸引ブロアを停止して基板吸着ボード702に
よる基板Kの吸着を解除し、基板Kを基板露光部300
における第1のパレット318の中央部に載置して、基
板Kを供給する。
【0062】次いで、基板Kを吸着するための吸着ソケ
ット467およびパレット318を吸着するための真空
枠ベース458上面の溝からの吸引を開始し、基板Kを
第1のパレット318とともに真空枠ベース458の上
面に吸着・保持する(ステップS1130)。そして、
基板供給搬送部700の基板吸着ボード702を基板供
給部200側の元の位置(原点位置)に復帰させる(ス
テップS1140)。この基板吸着ボード702の復帰
は、一旦基板吸着ボード702をその最上点位置までの
上昇させてから基板供給部200に向けてX軸に沿って
搬送することにより完了する。このように基板吸着ボー
ド702をX軸原点である基板供給部200中央部の真
上までリターンすることで、次回の基板Kの吸着・搬送
に備える。
【0063】その後、基板排出搬送部800の基板搬送
ユニット802が基板排出部600側の原点位置にある
か否かの判断(ステップS1150)と、マスクプレー
ト310下面には第1のパレット318および基板Kが
存在しないか否かの判断(ステップS1155)とを、
順次行なう。この後者の判断は、露光枠体304の基板
吸引機構391の駆動状況から下される。そして、基板
搬送ユニット802が原点位置にあり、且つマスクプレ
ート310下面に基板K等がなければ、XYθテーブル
410を上昇させてから基板Kとマスクプレート310
下面のパターンフィルムPFとのアライメント処理を行
なう(ステップS1160)。
【0064】つまり、まず、真空枠ベース458の上面
に吸着・保持された第1のパレット318を、その上面
に基板Kを密着したまま、基板吸着機構450のシリン
ダ424により上昇させ、露光枠体304のマスクプレ
ート310を僅かに持ち上げる。これにより、第1のパ
レット318上面の基板Kはマスクプレート310下面
のパターンフィルムPFに密着する。次いで、露光枠体
304のCCDカメラ312,314をX軸およびY軸
に沿って所定のアライメント実行座標まで移動させる。
そして、CCDカメラ312,314からの画像信号に
基づき基板KとパターンフィルムPFとのズレ量を求め
る。このズレ量は、基板KおよびパターンフィルムPF
に設けられたアライメントマークのズレから求められ
る。
【0065】次いで、マスクプレート310をマスクプ
レートリフト機構381により単独で持ち上げて、基板
Kとマスクプレート310下面のパターンフィルムPF
とを離間させる。そして、この間に、XYθテーブル4
10を上記ズレ量に基づいて3軸制御して調整移動し、
両アライメントマークが所定の許容範囲内で一致するよ
う、基板KとパターンフィルムPFとのアライメントを
行なう。次いで、マスクプレートリフト機構381によ
りマスクプレート310を降下させ、基板Kとマスクプ
レート310とを再度密着させる。続いて、基板Kとパ
ターンフィルムPFとのズレ量を再度求め、基板Kおよ
びパターンフィルムPFの両アライメントマークが許容
範囲内で一致していれば、CCDカメラ312,314
を各々原点復帰させて露光処理に備える。一方、再度求
めたズレ量が許容範囲外であれば、マスクプレート31
0のリフト持ち上げ,XYθテーブル410の調整移動
を繰り返す。
【0066】上記したステップS1160に続いては、
露光枠体304のマスクプレート310に基板Kを第1
のパレット318とともに真空密着する(ステップS1
170)。このステップS1170では、その処理の詳
細を図18のフローチャートに示すように、以下の処理
が行なわれる。まず、露光枠体304の基板吸引機構3
91のシリンダ392を駆動して吸引パット396aを
マスクプレート310に押し付け、気密室317の吸引
のために吸引孔315を吸引パット396aで閉塞する
(ステップS1171)。
【0067】次いで、図13に示すように、真空枠ベー
ス458より下方に位置する真空枠456を、基板吸着
機構450の架台452上のシリンダ454を駆動して
単独で上昇させるとともに(ステップS1172)、基
板吸引機構391における真空ポンプによりマスクプレ
ート310の吸引孔315からの吸引を開始する(ステ
ップS1173)。なお、この吸引孔315からの吸引
を行なうための制御信号(電磁弁の開弁信号)は、シリ
ンダ454の電磁弁に制御信号を送った後に直ちに、吸
引ブロック396に到るエアー配管における電磁弁に出
力される。よって、真空枠456の上昇と吸引孔315
からの吸引は、この順に即座に行なわれる。
【0068】このように真空枠456が単独で上昇する
と、図13に示すように、マスクプレート310は可撓
性を有するのでこの真空枠456によりその端部が持ち
上げられる。よって、マスクプレート310は、その中
央を下向き、即ちパレット318および基板Kに対して
凸状に湾曲して撓む。このため、それまではステップS
1160により第1のパレット318上面の基板Kとマ
スクプレート310下面のパターンフィルムPFとはそ
の全面に亘り密着していたが、基板Kの端部において、
パターンフィルムPFが強制的に基板Kから離される。
なお、この真空枠456は、真空枠456が上昇したと
きの様子を誇張した図13に示す位置まで上昇する必要
はなく、真空枠ベース458上面のパレット318より
やや高い位置まで上昇すればよい。
【0069】真空枠456が上昇して上記したようにマ
スクプレート310が湾曲してもシール部434bはこ
の湾曲に追従して弾性変形するので、マスクプレート3
10とパレット318とは、基板Kの周囲においてパレ
ットシール材434のシール部434bによりシールさ
れたままである。よって、図13に示すように、基板K
とパターンフィルムPFとはマスクプレート310の凸
部において接触し、基板Kの周囲には気密室317が気
密に維持されたままである。しかも、この気密室317
は、基板Kの端部においてパターンフィルムPFと基板
Kとの間の容積がシールされたまま増大したことから、
負圧となっている。そして、この状態においてマスクプ
レート310の吸引孔315から気密室317内の空気
が吸引されるので、マスクプレート310はマスクプレ
ート310に倣うように撓んでいく。よって、パターン
フィルムPFと基板Kとはその初期においてマスクプレ
ート310中央の凸部で密着し、その後、この基板Kと
パターンフィルムPFとの密着領域(面積)は、この凸
部から放射状に急速に拡大する。つまり、パターンフィ
ルムPFは、凸部から順次基板Kに密着し、やがて基板
Kにその全面に亘り密着する。このため、基板Kは、パ
レット318とともにマスクプレート310に速やかに
真空密着されて保持される。この場合、パターンフィル
ムPFと基板Kとの間にステップS1172の吸引前に
はエアー溜まりが存在していれば、このエアー溜まりに
おけるエアーはマスクプレート310の中央からの撓み
により追い出され、エアー溜まりは解消される。
【0070】その後、気密室317の真空レベルが所定
のレベルA(パレット318がマスクプレート310か
ら落下しないレベル)に達したか否かを判断し(ステッ
プS1174)、肯定判断するまで待機する。そして、
気密室317の真空レベルが所定レベルAとなれば、基
板K,第1のパレット318と真空枠ベース458との
吸着を解き(ステップS1175)、パレット318の
真空枠ベース458からの離脱に備える。次いで、真空
枠ベース458にパレット318を吸着するための真空
枠ベース458上面の溝から、図13に白抜き矢印で示
すように、エアーを真空枠ベース458上面のパレット
318に吹き付ける(ステップS1176)。つまり、
このエアーの吹き付けにより、基板Kとパターンフィル
ムPFとの密着を促進させる。
【0071】次いで、シリンダ454を復帰駆動して真
空枠456をその下端位置まで降下させ(ステップS1
177)、気密室317の真空レベルが所定のレベルB
に達したか否かを判断する(ステップS1178)。そ
して、このステップS1178で肯定判断するまで待機
する。このレベルBは、ステップS1174におけるレ
ベルAよりも真空度が高いレベルに設定されている。こ
れは、次のような理由による。つまり、ステップS11
72で真空枠456は真空枠ベース458上面のパレッ
ト318よりやや高い所定の位置まで上昇するが、基板
Kの厚さは多様であるため、結果的に真空枠456が基
板Kに対して過剰に上昇することがある。このような事
態になると、マスクプレート310を過剰に撓ませてし
まい、ステップS1173で気密室317内の空気を吸
引しても基板Kの周縁付近において基板Kとパターンフ
ィルムPFとが密着しない虞がある。よって、真空レベ
ルがレベルAになれば真空枠456を降下させてマスク
プレート310の撓みを弛め、基板Kの周縁付近におい
ても基板KとパターンフィルムPFとが密着するように
するのである。そして、このレベルAよりも高いレベル
Bになれば、基板Kの厚みに拘らず基板Kとパターンフ
ィルムPFとを確実にその全面に亘り真空密着させるこ
とができたとして、次の処理に移行する。
【0072】このステップS1178で肯定判断すれ
ば、マスクプレート310およびマスクプレート310
端部の吹き上げを停止するとともに、シリンダ424を
復帰駆動して、真空枠ベース458をその原点位置(下
端位置)まで降下させる(ステップS1179)。つま
り、真空枠ベース458をXYθテーブル410ととも
にその原点位置(下端位置)まで降下させる。また、こ
のエアー吹き付けをステップS1176からステップS
1179まで継続することで、真空枠ベース458から
のパレット318の離脱を促進する。そして、ステップ
S1179を実行した後は、次の処理に進む。
【0073】このステップS1179を行なうと、マス
クプレート310に吸着された第1のパレット318と
基板吸着機構450の真空枠ベース458との間には、
第2のパレット318の搬入空間が形成されることにな
る。
【0074】基板のアライメントを経てこのようにマス
クプレート310に基板Kが吸着されれば、基板Kの露
光を行なうことができる。また、マスクプレート310
に基板Kが吸着され基板吸着機構450が降下すれば、
基板吸着機構450とマスクプレート310との間には
第2のパレット318の搬入空間が形成されるので、基
板吸着機構450に第2のパレット318を搬入するこ
とができる。よって、露光条件をオン(ステップS11
80)とするとともに、次のパレット(第2のパレット
318)を基板排出部600から搬入する次パレット搬
入条件をオンとする(ステップS1190)。そして、
本ルーチンを一旦終了し、上記処理を繰り返す。
【0075】よって、基板露光部300では、基板露光
に先立つ上記した基板搬入・アライメントルーチンの各
処理が一旦完了すれば、次の基板Kについてのこの基板
搬入・アライメントルーチンを新たに実行できるとし
て、ステップS1100からの処理が、繰り返される。
換言すれば、基板Kが露光されている間にも、次の基板
Kについて基板の搬入およびアライメントが行なわれ
る。しかも、基板Kの露光処理に要する時間は基板搬入
・アライメントルーチンに要する時間より長いので、基
板Kの露光処理の間に、次の基板Kについての基板搬入
・アライメントルーチンは終了する。なお、ステップS
1180,1190においてオンされた露光条件および
次パレット搬入条件は、所定のタイミング、例えば次の
基板Kの真空枠ベース458への供給が完了した時点で
オフとされる。また、本ルーチンに続いては、ステップ
S1180の露光条件の成立を受けて露光制御(露光ル
ーチン)が行なわれ、光源302による基板露光が開始
される。更に、ステップS1190の次パレット搬入条
件の成立を受けてパレット循環制御(パレット循環ルー
チン)が行なわれ、基板排出搬送部800による基板露
光部300へのパレット318の返送が開始される。
【0076】以上説明したように本実施例の露光装置1
00では、基板露光のためにパターンフィルムPFと基
板Kとを密着させるに際して、可撓性を有するマスクプ
レート310を真空枠456によりその端部で強制的に
持ち上げ、マスクプレート310をその中央が基板Kに
対して凸状になるよう湾曲して撓ませる。このため、マ
スクプレート310下面のパターンフィルムPFは、そ
の中央において基板Kに密着したままでありながら、そ
の端部においては基板Kから離間する。しかも、このよ
うにマスクプレート310が撓んだ場合であっても、基
板KおよびパターンフィルムPFの周囲の気密室317
は、パレットシール材434によりシールされたまま気
密に維持される。よって、本実施例の露光装置100で
は、このようにマスクプレート310を撓ませること
で、気密に維持されたままの気密室317の容積を増大
させてこの気密室317を負圧とすることができる。そ
して、マスクプレート310の湾曲に基づく気密室31
7の負圧化の進行とほぼ同時に、この気密室317内の
空気を基板吸引機構391により吸引してこの気密室3
17の負圧化をより促進させる。
【0077】このため、本実施例の露光装置100で
は、気密室317内の空気を吸引するだけで、パターン
フィルムPFと基板Kとがその中央において密着した状
態から、基板KとパターンフィルムPFとの密着領域を
放射状に急速に拡大させる。この結果、本実施例の露光
装置100によれば、基板KとパターンフィルムPFと
をその全面に亘り速やかに且つ確実に真空密着させるこ
とができる。また、このような基板Kとパターンフィル
ムPFとの真空密着化の前に基板Kとパターンフィルム
PFとの間にエアー溜まりが存在していても、本実施例
の露光装置100によれば、このエアー溜まりを解消し
て基板KとパターンフィルムPFとを真空密着できるの
で、露光品質を向上させることができる。
【0078】更に、本実施例の露光装置100では、中
空部を有するような特別のシール材やこれに接続するエ
アー配管等を必要としない。よって、本実施例の露光装
置100によれば、基板KとパターンフィルムPFとの
密着に関与する構成を簡略化することができる。
【0079】また、本実施例の露光装置100では、パ
レット318に基板KとパターンフィルムPFとを密着
させるためのエアー配管等を要しないので、パレット3
18を基板露光部300に固定しておく必要がない。こ
の結果、本実施例の露光装置100によれば、2枚のパ
レット318を交互に基板露光部300に搬入して基板
Kの吸着等に用い基板露光を連続的に行なうことがで
き、生産効率を向上させることができる。
【0080】加えて、本実施例の露光装置100によれ
ば、次のような効果を奏することができる。 本実施例では、基板KとパターンフィルムPFとの密
着後に真空枠ベース458側のパレット318の吸着を
解除し、次いでパレット318下面にエアーを吹き付け
る。よって、パレット318を介した基板Kの押し上げ
を行なうので、基板KとパターンフィルムPFとの密着
を促進させることができる。 パターンフィルムPFと基板Kとがその中央において
密着した状態から、基板KとパターンフィルムPFとを
上記したように密着させる。よって、この両者がその中
央において離間している場合に比べて早期に基板Kとパ
ターンフィルムPFとを真空密着させることができる。 マスクプレート310への基板Kおよびパレット31
8の吸着レベル(真空レベル)を2段階に設定し、第1
段階の真空レベルAにて真空枠ベース458周囲の真空
枠456を降下させ、その後、第2段階の真空レベルB
まで吸引を行なう。このため、基板Kの厚みに拘らず基
板KとパターンフィルムPFとをその全面に亘り確実に
真空密着させることができる。
【0081】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの様な実施例になんら限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施
例では、マスクプレート310を保持する露光枠体30
4とパレット318を吸着・保持する基板吸着機構45
0とを上下に対向させた構成としたが、露光枠体304
と基板吸着機構450とを左右に対向させて有する露光
装置に適用することもできる。
【0082】また、パレットシール材434は、図面に
示した形状に限られるわけではなく、図19に示すよう
なパレットシール材434A,パレットシール材434
Bであってもよいことは勿論である。この図19に示す
両パレットシール材にあっても、シール基部の厚みやシ
ール部の434aの高さ等は、パレットシール材434
と同じように調製されている。
【0083】また、本実施例では、真空枠456により
マスクプレート310の端部を強制的に持ち上げてマス
クプレート310を湾曲させる場合について説明した
が、これに限るわけではない。具体的には、マスクプレ
ート310をその端部にて水平に保持し、このマスクプ
レート310をその自重により撓むようなものとするこ
ともできる。このようにすれば、真空枠456によりマ
スクプレート310の端部を持ち上げなくても、図20
に示すようにマスクプレート310は自身の可撓性に基
づいて湾曲する。よって、自重により撓むマスクプレー
ト310を採用し真空枠456を備えない露光装置であ
っても、基板KとパターンフィルムPFとの密着領域が
中央から放射状に拡大するようにして、基板Kとパター
ンフィルムPFとを確実に且つ速やかにその全面に亘り
密着することができる。なお、この図20も、図13と
同様、マスクプレート310の湾曲の程度を誇張した模
式図である。
【0084】このようにマスクプレート310がその自
重により撓むようなものであっても、アライメント時に
はこのマスクプレート310はパレット318を介して
真空枠ベース458により持ち上げられるので基板Kと
パターンフィルムPFとは密着し、アライメント精度の
低下を招くことはない。また、この場合には、XYθテ
ーブル410の調整移動完了後にマスクプレート310
を降下させると同時に基板吸引機構391により気密室
317内の空気の吸引を開始すれば、基板Kとパターン
フィルムPFとを図20に示す状態にすることができ
る。このため、上記したように基板Kとパターンフィル
ムPFとをその全面に亘り確実に真空密着することがで
きる。また、マスクプレートリフト機構381における
マスクプレート310持ち上げ用のシリンダ382や真
空枠ベース458持ち上げ用のシリンダ424をストロ
ークの中間位置で停止可能な復動式のシリンダとして
も、基板KとパターンフィルムPFとを図20に示す状
態にして、この両者をその全面に亘り確実に真空密着す
ることができる。
【0085】更に、本実施例では、アライメント完了後
における基板KとパターンフィルムPFとの密着を行な
う場合について説明した。しかし、本実施例によるマス
クプレート310の持ち上げおよび気密室317内空気
の吸引を、基板KとパターンフィルムPFとのズレ量を
読み取るために基板KとパターンフィルムPFとを密着
させる際に行なうこともできる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置
では、中空部を有するような特別のシール部材や特別な
配管構成を必要としないにも拘らず、基板および原板の
周囲にシール部材を用いて気密室を形成しその内部を吸
引する。しかも、この気密室は、保持板がその略中央を
パレットに対して凸としその略中央の凸部における原板
が少なくともパレットの基板に接触するよう撓んだ場合
であっても、気密に維持されたままである。よって、こ
の気密室内の空気を吸引すると、原板は保持板の略中央
の凸部において基板に接触若しくは接近した状態から、
この凸部において基板と密着し、その後、この原板と基
板との密着領域は放射状に急速に拡大して原板は基板に
密着していく。この結果、本発明の露光装置によれば、
ただ単に気密室の空気を吸引するだけで、原板と基板と
の間にエアー溜まりを発生することなく確実にかつ速や
かに原板と基板とを密着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の露光装置100の概略平
面図。
【図2】露光装置100全体の概略側面図。
【図3】露光枠体304における下部露光枠体308の
平面図。
【図4】図3における4−4線拡大断面図。
【図5】マスクプレート310の平面図。
【図6】図3における6−6線拡大断面図。
【図7】図3における7−7線拡大断面図。
【図8】マスクプレート310の位置決め溝313と下
部露光枠体308における位置決めピン374の嵌合の
様子を説明するための説明図であり、図7のM方向矢視
図。
【図9】図3における9−9線拡大断面図。
【図10】図3における10−10線拡大断面図。
【図11】パレット318の概略平面図。
【図12】図11における12−12線拡大断面図。
【図13】マスクプレート310の湾曲の程度を誇張し
て気密室317の様子を模式的に表わした説明図。
【図14】図11における14−14線拡大断面図。
【図15】図11における15−15線拡大断面図。
【図16】露光装置100の電気的な構成を示すブロッ
ク図。
【図17】露光装置100における制御のうち、基板搬
入・アライメントルーチンを示すフローチャート。
【図18】基板搬入・アライメントルーチンにおける処
理の詳細を示すフローチャート。
【図19】パレットシール材434の変形例の説明図。
【図20】変形例のマスクプレート310の湾曲の程度
を誇張して表わした模式図。
【符号の説明】
100…露光装置 200…基板供給部 300…基板露光部 302…光源 304…露光枠体 306…上部露光枠体 308…下部露光枠体 310…マスクプレート 312,314…CCDカメラ 315…吸引孔 317…気密室 318…パレット 324…ガイドレール 330…ガイドシャフト 364…位置決め機構 370…位置決め機構 373…位置決め機構 381…マスクプレートリフト機構 391…基板吸引機構 392…シリンダ 393…受け具 394…ピン 395…回動腕 396…吸引ブロック 396a…吸引パット 397…スプリング 398…スペーサ 399…ブロック 410…XYθテーブル 424…シリンダ 430…枠体 431…梁 432…樹脂プレート 433…金具 434…パレットシール材 434A…パレットシール材 434B…パレットシール材 434a…シール基部 434b…シール部 435…基板吸引用凹部 436,437…吸着プレート 438…吸着座リング 439…エアー溜まり 440…逆止弁 441…吸引室 442…エアーホース 443…傘バルブ 444…透孔 445a…吸引孔 445b…吸引孔 446…吸着ポート 447…傘バルブ 448…透孔 449…吸引室 450…基板吸着機構 456…真空枠 458…真空枠ベース 460…シール材 462…シール材 464…パレット受けシリンダ 467…吸着ソケット 470…コーナープレート 472…パレット位置決め穴 600…基板排出部 630…基板搬出ローラ列 650…基板離脱機構 651,652…基板離脱ユニット 700…基板供給搬送部 702…基板吸着ボード 800…基板排出搬送部 802…基板搬送ユニット 810…パレット吸着搬送アーム 900…制御装置 912…画像処理装置 914…パネルコントローラ 922…ディスプレイ 924…キーボード K…基板 PF…パターンフィルム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板と基板とを密着させて露光する露光
    装置であって、 上記基板が載置されるパレットと、 可撓性を有し、かつ上記原板を密着して保持する保持板
    と、 該保持された原板が上記パレットに載置された基板と対
    向するよう上記保持板を支持する保持板支持手段と、 上記原板および基板を取り囲むよう上記保持板またはパ
    レットのいずれか一方に装着されたシール基部と、該シ
    ール基部から一体的に突設され、上記基板と原板とが積
    層されときには上記シール基部の装着されていない側の
    上記保持板またはパレットの一方に当接して弾性変形し
    上記基板および原板の周囲に気密室を形成するシール部
    とを有するシール部材と、 上記形成された気密室内の空気を吸引する吸引手段とを
    備え、 上記シール部材のシール部は、 上記保持板支持手段に支持された保持板がその略中央を
    上記パレットに対して凸とし該略中央の凸部における上
    記原板が少なくとも上記パレットの基板に接触するよう
    撓んだ場合であっても、上記気密室を維持するよう該撓
    んだ保持板に追従して弾性変形するものであることを特
    徴とする露光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014017458A1 (ja) * 2012-07-26 2014-01-30 富士フイルム株式会社 マスクユニット及び露光装置
WO2016017414A1 (ja) * 2014-08-01 2016-02-04 株式会社村田製作所 直描型露光装置

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