JPH06346469A - 地下構造物の冷暖房設備 - Google Patents

地下構造物の冷暖房設備

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JPH06346469A
JPH06346469A JP5165123A JP16512393A JPH06346469A JP H06346469 A JPH06346469 A JP H06346469A JP 5165123 A JP5165123 A JP 5165123A JP 16512393 A JP16512393 A JP 16512393A JP H06346469 A JPH06346469 A JP H06346469A
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B10/00Integration of renewable energy sources in buildings
    • Y02B10/40Geothermal heat-pumps

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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省エネルギタイプの地下構造物の冷暖房設
備を提供する。 【構成】 すり鉢状の空間を形成する周壁部と、すり
鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けられ
た複数の支持部材と、前記複数の支持手段に端部を支え
られた梁と少くとも前記周壁部から所定の間隔を隔てて
中央部に配置された階層部を有する階層構造体と、を含
んで構成されてなる地下構造物の冷暖房設備であって、
前記冷暖房設備が、前記階層部に複数個所設置された小
滝部と、この複数の各小滝部に対応するように設けられ
た複数の温度センサとを有し、この温度センサが所定温
度以上を検出した場合に小滝部に滝を流しこの滝の気化
熱により冷房を行うことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下構造物の冷暖房設
備に係わり、特に、地面から地下に直接掘り下げた地下
構造物の冷暖房設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の建造物は、屋根、床、階層部材を
含む階層構造体は、地面に垂直に立てられた複数の柱に
よって支えられている。従って、2階、3階と階層数が
増えると各柱が支えなければならない重量は増大する。
【0003】そこで、木造建築物の場合には、原則とし
て4階建以上の階層は建築基準法によって禁止されてお
り、また、鉄筋コンクリート建ての建築物も、柱の太
さ、強度について詳細にその最低限の基準を定めてい
る。
【0004】なお、地下階のある建築物の場合も、最下
階層の床面を基準としてそれより上の階層の重量を柱に
よって支えており、地上に建てられた構造物と同様であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】階層の増大に伴い柱の
占める割合が増大することは、構造物の有効利用面積が
減少すると共に材料費が高くなることを意味し、構造物
から柱をなくすことができる無柱構造の構造物の開発が
要望されていた。
【0006】また、建築物の冷暖房に要するエネルギも
社会問題となっているが、地上に建てられた建築物では
四周が外気に晒らされているため、建築物から膨大なエ
ネルギが無駄に放出されていた。特に、近年の地球の温
暖化によって、夏場の冷房に多大なエネルギが消費さ
れ、現存の発電設備では間に合わない事態も発生してい
る。
【0007】従って、このような地下構造物を開発する
場合、その冷暖房設備をどのように設けるかも併せて開
発することが要望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術の課題に鑑みてなされたもので、実質的に、屋根、
床、階層部材等の階層構造体を支える柱をなくすことが
できる省エネルギタイプの地下構造物の冷暖房設備を提
供することを目的とする。
【0009】本発明の第一の態様における地下構造物の
冷暖房設備は、すり鉢状の空間を形成する周壁部と、す
り鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けら
れた複数の支持部材と、複数の支持手段に端部を支えら
れた梁及び少くとも周壁部から所定の間隔を隔てて中央
部に配置された階層部を有する階層構造体と、を含んで
構成されてなる地下構造物の冷暖房設備であって、冷暖
房設備が、周壁部に複数個所設置された小滝部と、この
複数の各小滝部に対応するように設けられた複数の温度
センサとを有し、この温度センサが所定温度以上を検出
した場合に小滝部に滝を流しこの滝の気化熱により冷房
を行うことを特徴としている。
【0010】また、本発明の第二の態様は、すり鉢状の
空間を形成する周壁部と、すり鉢状の空間の周囲に同一
平面高さとなるように設けられた複数の支持部材と、複
数の支持手段に端部を支えられた梁及び少くとも周壁部
から所定の間隔を隔てて中央部に配置された階層部を有
する複数の階層に設けられた階層構造体と、を含んで構
成されてなる地下構造物の冷暖房設備であって、冷暖房
設備が、熱交換器と、この熱交換器により冷やされた空
気を各階層の上部外周側から中心部に向かって吹き出す
第1のダクトと、この第1のダクトから吹き出された空
気を該階層の中央部下方で吸引し熱交換器に戻す第2の
ダクトとを有し、少くとも第1のダクトが各階層ごとに
独立して設けられていることを特徴とする。
【0011】また、本発明の第三の態様は、すり鉢状の
空間を形成する周壁部と、すり鉢状の空間の周囲に同一
平面高さとなるように設けられた複数の支持部材と、複
数の支持手段に端部を支えられた梁及び少くとも周壁部
から所定の間隔を隔てて中央部に配置された階層部を有
する複数の階層に設けられた階層構造体と、を含んで構
成されてなる地下構造物の冷暖房設備であって、冷暖房
設備が、熱交換器と、この熱交換器により冷やされた空
気を最上階層の上部外周側から中心部に向かって吹き出
す第1のダクトと、各階層に吹き出された空気を該階層
の中央部下方で吸引しその下に位置する階層構造体の外
周側から中心部に向かって吹き出す第3のダクトと、そ
して、最下階層において第3のダクトから吹き出された
空気をその中央部下方で吸引し熱交換器に戻す第2のダ
クトとを有することを特徴とする。 さらに、本発明の
第四の態様は、すり鉢状の空間を形成する周壁部と、す
り鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けら
れた複数の支持部材と、複数の支持手段に端部を支えら
れた梁及び少くとも周壁部から所定の間隔を隔てて中央
部に配置された階層部を有する複数の階層に設けられた
階層構造体と、を含んで構成されてなる地下構造物の冷
暖房設備であって、冷暖房設備が、熱交換器と、この熱
交換器により暖められた空気を最下階層に導くダクト
と、各階層構造部の下部の略中央部に形成され暖まった
空気を集める収集口と、この収集口に集まった暖まった
空気をその上に位置する階層構造体上に略均等に導く複
数の連通口と、を有することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の第一の態様において、温度センサが所
定温度以上を検出した場合には、選択された所定の小滝
部に滝を流しこの滝の気化熱により冷房を行う。この場
合、地下構造物であるため、地上構造物に比べて外気温
度の影響を受けにくいため、滝の気化熱を利用する程度
でも充分冷房効果がある。小滝部及び温度センサを多数
設けておくと、地下構造物の各部所における冷房を微妙
にコントロールして実施することができる。
【0013】本発明の第二の態様においては、先ず、熱
交換器により空気を冷却し、この冷却された空気は、各
階層ごとに独立して設けられている第1のダクトを介し
てその階層に上部外周側から中心部に向かって吹き出さ
れる。各階層に吹き出された空気は、該階層の中央部下
方で吸引し各階層ごとに独立して設けられている第2の
ダクトを介して熱交換器に戻される。
【0014】本発明の第三の態様においては、先ず、熱
交換器により空気を冷却し、この冷却された空気は、第
1のダクトを介して最上階層の上部外周側から中心部に
向かって吹き出される。この空気は、最上階層の中央部
下方で吸引し、第3のダクトを通してその下に位置する
階層に上部外周側から中心部に向かって吹き出される。
このようにして、各階層の第3のダクトにより上の階層
から下の階層に順番に冷房される。そして、最下階層に
おいて第3のダクトから吹き出された空気は、その中央
部下方で吸引し第2のダクトを介して熱交換器に戻され
る。
【0015】本発明の第四の態様においては、先ず、熱
交換器により空気を暖め、この暖まった空気はダクトに
より最下階層に導かれる。次に、この暖まった空気は、
各階層構造体の下部の略中央部に形成された収集口を通
り、さらに、複数の連通口を通してその上に位置する階
層構造体上に略均等に導かれる。
【0016】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の地下構造物の冷
暖房設備について詳細に説明する。 図1〜図3は、本
発明が適用される地下構造物の斜視図、平面図及び縦断
面図である。
【0017】本発明が適用される地下構造物10は、概
略的に、すり鉢状の空間を形成する周壁12と、周壁1
2に同一平面高さとなるように設けられた複数の支持部
材14と、そして、複数の支持部材14に支えられた階
層構造体16とを含んで構成されている。
【0018】図において、GLは地面を表しており、地
下構造物10の全体的大きさは、地面GLのレベルで直
径約40m、深さが約20mである。
【0019】図示した実施例では、地下構造物10は6
層構造を有しているが、もちろん、これに限られるもの
ではなく1層以上何層でも良い。各層の高さは等しくと
も、あるいは、異なるようにすることもできる。各層に
おける使用の仕方及び区切りの仕方は任意である。
【0020】図3に最も良く図示されているように、周
壁12は、地面GLから下方にすり鉢状に堀下げること
によって形成する。周壁12の水平に対する角度は、任
意に選定し得るが、これを大きくすると、平面広さ当り
の階層数を多くすることができ、逆に小さくすると多く
の太陽光を下の階層に供給することもできる。
【0021】周壁12の平面形状は、図2に示されてい
るような正12角形の他、種々の形状とすることができ
る。図4(a)〜(d)は、その一例で、平面形状が円
形、四角形、楕円形及び概略水滴形状の場合を示してい
る。また、周壁12の垂直断面形状も、図2に示されて
いるようなコンクリート打放し仕上げとした直線的な傾
斜面の他、深くなるほど傾斜が緩くなる円弧状とした
り、段々畑状に樹木、草花を植えるようにすることがで
きる。
【0022】階層構造体16は、放射状に延びる梁18
とこの梁18に支えられた階層プレート20とから構成
されている。階層プレート20の外縁と周壁12との間
には、各層とも所定の間隔の空間が形成されている。こ
の空間の間隔が大きいと、多くの太陽光が下の階層に供
給される。
【0023】図5は、梁18の端部を支える支持部材1
4の斜視図である。
【0024】支持部材14は、梁18の端部下面を支え
る水平面14aと梁18が左右に移動して水平面14a
から外れるのを防止する一対の垂直面14b、14bと
を有している。一対の垂直面14b、14bに挟まれた
突当面14cは、梁18の端面が当接するようになって
おり、これにより、梁18、従って、階層構造体16
は、梁18の長手方向に移動するのを阻止されている。
【0025】図示された好ましい実施例においては、梁
18と支持部材14との間には、免振クッション22が
介在されており、それにより、地震時における階層構造
体16の保護が図られている。
【0026】なお、支持部材14は、種々の方法によ
り、周壁12に同一平面高さとなるように且つ等間隔と
なるように固定される。図示された好ましい実施例で
は、周壁12に、支持部材14のための凹所12aを設
けておき、この凹所12aに支持部材14を嵌合し、従
来周知の慣用手段によって両者を固定している。
【0027】本発明の特徴は、階層構造体16が周壁1
2に同一平面高さとなるように設けられた複数の支持部
材14に支えられているため、各層において原則的に柱
による支持が必要でない点である。しかしながら、図示
された実施例のように、階層構造体16の直径が大きい
場合には、中央部において、補助的に支持を行うことが
できる。すなわち、図示された好ましい実施例において
は、地下構造物10は、その中央部にエレベータ施設2
4を有しており(図3参照)、このエレベータ施設24
の周囲に、各層の階層構造体16の中央部付近をそれぞ
れ補助的に支えることができる柱を設置することができ
る。
【0028】このようにして構成された地下構造物10
は、構造物の利用空間が地下にあるため、地上の温度変
化に影響されにくい特徴を有している。従って、地球の
温暖化によって夏場の気温が上昇しても、地下構造物は
それに影響されず、冷房に要するエネルギを減少させる
ことができる。また、冬場の暖房も、地熱によって地下
構造物自体が暖められているため、暖房に要するエネル
ギも減少させることができる。
【0029】さらに、地表面は、運動場、公園、駐車場
等に利用することができると共に、地下構造物は周囲の
音から実質的に隔離されるため、病院、図書館、学校等
の公共建築物にも最適である。
【0030】次に、図6〜図8を参照して本発明の第一
の態様における冷暖房設備について説明する。図6は図
3のA−A線に沿って見た平面図、図7は図3のB−B
線に沿って見た平面図、図8は図3のC−C線に沿って
見た平面図である。
【0031】図6に示されたように、階層構造体16の
階層プレート20の上に形成される階層(人の利用空
間)の外周部の周壁12の部分には、所定の間隔で6個
の小滝部30が形成されている。この小滝部30は、操
作装置(図示せず)により、滝を流したり、止めたりす
る操作が行われる。この小滝部30にそれぞれ対応する
階層プレート20の上の適当な位置には、室温を検出す
る温度センサ31が設けられている。これらの各温度セ
ンサ31が所定の温度以上の温度を検出した場合には、
操作装置がオンとなり、室温が所定値以下になるまで小
滝部30に滝が流される。この滝の水の気化熱により、
その小滝部30に近接する領域の温度を下げ冷房を行う
ことができる。
【0032】この際、各温度センサ31の値に対応して
独立に各小滝部30に滝を流すようにしている。
【0033】また、全ての小滝部30に同時に滝を流す
ようにしても良い。この場合には、温度センサ31の数
を少なくすることができる。
【0034】さらに、温度センサ31の温度に対応し
て、温度が高いほど滝の水量を多くして冷房能力を向上
させるようにしてもよい。
【0035】同様に、図7及び図8においても、小滝部
30a、30bおよび温度センサ31a、31bが設け
られている。動作は、図6に示されているものと同様で
ある。 また、図6〜図8に示される小滝部は、各階層
毎に独立して設けられているが、その上下の階層にわた
る落差の大きな滝として形成してもよい。
【0036】このような冷暖房設備は、階層構造体16
の階層プレート20の上に形成される階層が、小滝部3
0からガラス等により隔てられていない開放型の地下構
造物に特に適しているが、階層がガラス等により隔てら
れている密閉型の地下構造物においても室内外の温度差
が小さくなるため有効である。
【0037】次に、本発明の第二の態様について説明す
る。図9(a)は、本発明の第二の態様を示す部分正面
図である。この図に示すように、40は熱交換器であ
り、この熱交換器40には、エレベータ施設24内に形
成され最下階層から最上階層まで突き抜け、各階層に吹
き出された空気を中央部下方で吸引し熱交換器40に戻
す中央ダクト41と、この熱交換器40により冷やされ
た空気を各階層の上部外周側から中心部に向かって吹き
出す、各階層ごとに独立して設けられた複数の第1のダ
クト42とが接続されている。
【0038】図において、一点鎖線の矢印は、熱交換器
40により冷やされた空気の流れを示し、実線の矢印
は、各階層に吹き出され該階層の中央部下方で吸引され
て熱交換器40に戻される空気の流れを示している。
【0039】このように、各階層ごとに独立して複数の
第1のダクト42を設けると、各階層ごとの冷房を微妙
にコントロールして実施することができる。さらに、こ
のような第1のダクト42を各階層ごとにも複数設けて
おき、上述した小滝部30と同様に制御することもでき
る。
【0040】次に、本発明の第三の態様について説明す
る。図9(b)は、本発明の第三の態様を示す部分正面
図である。この態様では、第1のダクト42は各階層ご
とには独立して設けられていない。そのかわりに、各階
層には、その階層に吹き出された空気をその中央部下方
で吸引しその下に位置する階層構造体の外周側から中心
部に向かって吹き出す吹出口を有する第3のダクト43
が設けられている。そして、最下階層において第3のダ
クトから吹き出された空気は、その中央部下方で吸引さ
れ、エレベータ施設24内に形成され、最下階層から最
上階層まで突き抜ける中央ダクト41aを介して熱交換
器40に戻される。この中央ダクト41aは、最下階層
を除く各階層に流体的に接続されていない点において、
図9(a)の中央ダクト41と相違する。
【0041】このように構成された本発明の第三の態様
の作用を説明する。先ず、中央ダクト41aにより、最
下階層から冷房を行って後の空気を熱交換器40に導入
する。この空気を熱交換器40によって冷却し、この冷
却された空気を第1のダクト42から最上階層にその上
部外周側から中心部に向かって吹き出す。
【0042】これにより、冷気が吹き出された最上階層
は冷房される。次に、第3のダクト43により、第1の
ダクト42から吹き出された空気を最上階層の中央部下
方で吸引し、その下に位置する階層構造体16の外周部
に導く。このように冷気を導くことにより、最上階層か
ら2番目の階層を冷房することができる。以下、順次、
下の階層を冷房し、最下階層に至った時、上述したよう
に、中央ダクト41aにより熱交換器40に戻す。
【0043】かかる本発明の第三の態様は、地面に近い
階層ほど周囲温度が高く、最下階層に近付く程周囲温度
が低いという地下構造物の特徴に合致する合理的な冷房
方式であり省エネルギとなる。
【0044】さらに、本発明の第四の態様について説明
する。図10は、本発明の第四の態様の実施例を示す部
分正面図である。この図に示すように、40は熱交換器
であり、この熱交換器40には、エレベータ施設24内
に形成され最下階層に熱交換器40からの暖まった空気
を導入する中央ダクト45が接続されている。各階層構
造体16の下方には、天井部材46が設けられている。
この天井部材46は、球体の一部を切り取ったような球
面形状に構成されている。さらに天井部材46の中央部
には、暖まった空気を収集する収集口47が形成されて
いる。そして、最上階層の収集口47は熱交換器40と
連通している。
【0045】最上階層以外の収集口47には、床ダクト
48が接続されている。この床ダクト48は、放射状に
外周方向に向かって設けられている。この床ダクト48
には、半径方向に所定の間隔をおいて上方の階層に暖ま
った空気を流す複数の連通口49が設けられている。
【0046】このように構成された本発明の第四の態様
においては、先ず、熱交換器40により空気が暖められ
る。次に、この暖められた空気が中央ダクト45により
最下階層に導かれる。各階層に導かれた暖かい空気は、
上昇する性質を有するため、各階層構造体16の下方に
設けられた天井部材46の収集口47に集められる。こ
の暖まった空気は、床ダクト48内に導入され、複数の
連通口49から上方の階層に導入され、この領域の暖房
を行う。このようにして各階層を暖房した後、最後に最
上階層の階層構造体16に設けられた収集口47を経て
熱交換器40へ戻される。
【0047】この図示された好ましい実施例において、
天井部材46は球面形状となっているが、中央部に形成
された収集口に空気を集めることができるできる形状で
あればいかなる形状のものであってもよい。例えば、こ
の天井部材46として、多角錐形状のもの、若しくは円
錐形状のものでもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の第一の態様における地下構造物
の冷暖房設備は、周壁部に複数個所設置された小滝部
と、この複数の各小滝部に対応するように設けられた複
数の温度センサとを有し、この温度センサが所定温度以
上を検出した場合に小滝部に滝を流しこの滝の気化熱に
より冷房を行うから、地下構造物であるため冷房しなけ
ればならない全体量が小さいという特質と相俟って、冷
房に要するエネルギを極めて小さくすることができる効
果がある。
【0049】また、本発明の第二の態様における地下構
造物の冷暖房設備は、熱交換器と、この熱交換器により
冷やされた空気を各階層の上部外周側から中心部に向か
って吹き出す第1のダクトと、この第1のダクトから吹
き出された空気を該階層の中央部下方で吸引し熱交換器
に戻す第2のダクトとを有し、少くとも第1のダクトが
各階層ごとに独立して設けられているため、各階層ごと
の冷房を微妙にコントロールして実施することができ
る。
【0050】また、本発明の第三の態様における地下構
造物の冷暖房設備は、熱交換器と、この熱交換器により
冷やされた空気を最上階層の上部外周側から中心部に向
かって吹き出す第1のダクトと、各階層に吹き出された
空気を該階層の中央部下方で吸引しその下に位置する階
層構造体の外周側から中心部に向かって吹き出す第3の
ダクトと、そして、最下階層において第3のダクトから
吹き出された空気をその中央部下方で吸引し熱交換器に
戻す第2のダクトとを有するため、地面に近い階層ほど
周囲温度が高く、最下階層に近付く程周囲温度が低いと
いう地下構造物の特徴に合致する合理的な冷房をするこ
とができ、消費エネルギを小さくできる効果がある。
【0051】本発明の第四の態様における地下構造物の
冷暖房設備は、熱交換器と、この熱交換器により暖めら
れた空気を最下階層に導くダクトと、各階層構造部の下
部の略中央部に形成され暖まった空気を集める収集口
と、この収集口に集まった暖まった空気をその上に位置
する階層構造体上に略均等に導く複数の連通口とを有す
るため、下の階層の天井付近に澱んだ暖かい空気を上の
階層で合理的に利用できるから、暖房に要する消費エネ
ルギを小さくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される地下構造物の斜視図であ
る。
【図2】 図1の地下構造物の平面図である。
【図3】 図1の地下構造物の縦断面図である。
【図4】 (a)〜(d)は、地下構造物の平面形状の
他の例を示す平面図である。
【図5】 梁の端部を支える支持部材の斜視図である。
【図6】 図3のA−A線に沿って見た平面図である。
【図7】 図3のB−B線に沿って見た平面図である。
【図8】 図3のC−C線に沿って見た平面図である。
【図9】 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第
二及び第三の態様の実施例を示す部分正面図である。
【図10】 本発明の第四の態様の実施例を示す部分正
面図である。
【符号の説明】
10 地下構造物 12 周壁 14 支持部材 16 階層構造体 18 梁 20 階層プレート 22 免振クッション 24 エレベータ施設 30 小滝部 31 温度センサ 40 熱交換器 41 中央ダクト 42 第1のダクト 43 第3のダクト 45 中央ダクト 46 天井部材 47 収集口 48 床ダクト 49 連通口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】すり鉢状の空間を形成する周壁部と、すり
    鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けられ
    た複数の支持部材と、前記複数の支持手段に端部を支え
    られた梁及び少くとも前記周壁部から所定の間隔を隔て
    て中央部に配置された階層部を有する階層構造体と、を
    含んで構成されてなる地下構造物の冷暖房設備であっ
    て、 前記冷暖房設備が、前記周壁部に複数個所設置された小
    滝部と、この複数の各小滝部に対応するように設けられ
    た複数の温度センサとを有し、 この温度センサが所定温度以上を検出した場合に、前記
    小滝部に滝を流しこの滝の気化熱により冷房を行うこと
    を特徴とする地下構造物の冷暖房設備。
  2. 【請求項2】すり鉢状の空間を形成する周壁部と、すり
    鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けられ
    た複数の支持部材と、前記複数の支持手段に端部を支え
    られた梁及び少くとも前記周壁部から所定の間隔を隔て
    て中央部に配置された階層部を有する複数の階層に設け
    られた階層構造体と、を含んで構成されてなる地下構造
    物の冷暖房設備であって、 前記冷暖房設備が、熱交換器と、この熱交換器により冷
    やされた空気を各階層の上部外周側から中心部に向かっ
    て吹き出す第1のダクトと、この第1のダクトから吹き
    出された空気を該階層の中央部下方で吸引し熱交換器に
    戻す第2のダクトとを有し、前記少くとも第1のダクト
    が各階層ごとに独立して設けられていることを特徴とす
    る地下構造物の冷暖房設備。
  3. 【請求項3】すり鉢状の空間を形成する周壁部と、すり
    鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けられ
    た複数の支持部材と、前記複数の支持手段に端部を支え
    られた梁及び少くとも前記周壁部から所定の間隔を隔て
    て中央部に配置された階層部を有する複数の階層に設け
    られた階層構造体と、を含んで構成されてなる地下構造
    物の冷暖房設備であって、 前記冷暖房設備が、熱交換器と、この熱交換器により冷
    やされた空気を最上階層の上部外周側から中心部に向か
    って吹き出す第1のダクトと、各階層に吹き出された空
    気を該階層の中央部下方で吸引しその下に位置する階層
    の上部外周側から中心部に向かって吹き出す第3のダク
    トと、そして、最下階層において第3のダクトから吹き
    出された空気をその中央部下方で吸引し熱交換器に戻す
    第2のダクトとを有することを特徴とする地下構造物の
    冷暖房設備。
  4. 【請求項4】すり鉢状の空間を形成する周壁部と、すり
    鉢状の空間の周囲に同一平面高さとなるように設けられ
    た複数の支持部材と、前記複数の支持手段に端部を支え
    られた梁及び少くとも前記周壁部から所定の間隔を隔て
    て中央部に配置された階層部を有する複数の階層に設け
    られた階層構造体と、を含んで構成されてなる地下構造
    物の冷暖房設備であって、 前記冷暖房設備が、熱交換器と、この熱交換器により暖
    められた空気を最下階層に導くダクトと、各階層構造部
    の下部の略中央部に形成され暖まった空気を集める収集
    口と、この収集口に集まった暖まった空気をその上に位
    置する階層構造体上に略均等に導く複数の連通口と、を
    有することを特徴とする地下構造物の冷暖房設備。
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